ミツモア

フレックスタイム制とは?コアタイムの意味や導入メリットについて解説

ぴったりの勤怠管理システムをさがす
最終更新日: 2024年06月28日

自由な働き方を後押しする制度の「フレックスタイム制」。フレックスタイム制なら、出退勤の時間を柔軟に調整することが可能です。

仕組みや特徴、気になるメリットやデメリットなどの観点から、フレックスタイム制とはどのような制度なのかわかりやすく解説します。

フレックスタイム制とは

ビジネスマンの腕時計

フレックスタイム制とは、就業時間を労働者が自由に決められる制度のことです。1か月などの単位であらかじめ定められた総労働時間の範囲内で、毎日の始業・終業時間を状況に応じて柔軟に調整できるのが特徴です。

フレックスタイム制では「9時~17時」のように勤務時間が定時で固定されることはありません。そのため、仕事の進み具合や忙しさ、プライベートの予定など自身の都合にあわせて、仕事を始めたり終えたりすることが可能です。

近年では仕事と生活のバランスを取る「ワーク・ライフ・バランス」を推進するべく、フレックスタイム制を導入する企業も少しずつ増えてきました。労働時間の効率的な配分は業務効率や生産性の向上につながり、従業員と企業の双方に恩恵をもたらします。

ソフトウェア比較のイメージイラスト

出退勤の打刻や勤怠状況の管理を効率化できるソフト選びなら、ぜひミツモアをご利用ください。従業員数や欲しい機能などの各項目を画面上で選択するだけで、ぴったりの製品を最短1分で自動診断。理想の勤怠管理システムが見つかります。

ぴったりの勤怠管理システムを無料で診断する

フレックスタイム制の仕組み【コアタイムがポイント】

フレックスタイム制の仕組みの図解
フレックスタイム制と通常の労働時間制度の違い

フレックスタイム制は1日の労働時間の中に「コアタイム」と「フレキシブルタイム」の2種類の時間区分を設ける仕組みで運用されます。

種類 特徴
コアタイム
  • 1日の中で必ず出勤しなければならない時間帯
  • 社内外のコミュニケーションや情報共有、ミーティングに活用するケースが多い
  • 設定が義務付けられていないため、ない場合もある (スーパーフレックスタイム制)
フレキシブルタイム
  • コアタイムの前後の時間帯
  • 従業員は自由に出退勤が可能

コアタイムとは出勤義務がある時間帯のこと

コアタイムとは、フレックスタイム制における「この時間からこの時間までは、必ず出勤しなければならない」と決められた時間のことです。

フレックスタイム制の中心となる時間で、コアタイム以外の時間帯は「フレキシブルタイム」といいます。出勤時間が決められているコアタイムに対して、フレキシブルタイムは「従業員本人が自由に出勤・退勤を決定できる時間帯」です。

例えば、コアタイムが10時~15時に設定されている場合、それ以外の時間帯はフレキシブルタイムに該当します。

休憩や休暇を除いて、コアタイムはすべての社員が勤務中の状態になります。そのため人が集まりやすい時間帯で設定することが多く、コアタイムはフレックスタイム制の「軸」になる時間ともいえるでしょう。

コアタイムは人が集まりやすい時間帯で設定することが多い

コアタイムは、1日の中で最も人が集まりやすい「10時~15時」や「15時~15時」に設定されることが多いです。

「10時~15時」の時間帯は業務についている企業が多く、取引先とも連絡が取りやすいため多く採用されています。

また「13時~15時」の場合は、従業員が午前中に各自の予定を入れることができるので柔軟に働くことができるでしょう。

なお、コアタイムは毎日同じ時間でなければならないわけではありません。日によって変更することも可能です。

従業員の中には、朝早くから働いて早く終業したい人や、午後から深夜にかけて働きたい人などがいます。

コアタイムを設定する際は、従業員の希望と業務内容に応じて時間帯を決めるのが望ましいでしょう。

コアタイムの設定例

出勤時間するビジネスマン

コアタイムが設定されている場合、その時間帯は必ず勤務しなければなりません。たとえば「コアタイム:11時~16時」と定められている場合、11時より遅く出社したり、16時より早く退社したりしてはいけないことを意味します。

またフレキシブルタイムに関しても、働ける時間は労使協定で定められています。たとえば「始業時刻の時間帯は7時から11時までの間」「終業時刻の時間帯は16時から20時までの間」との就業規則があれば、その時間の範囲内で出退勤の時間を決める必要があるのです。

働く時間を自由に決められるフレックスタイム制ですが「24時間いつでも働いてよい」というわけではありません。コアタイムとフレキシブルタイムの時間設定は企業によっても異なるので、不明な点があれば就業規則を確認しておくとよいでしょう。

コアタイムを設定しないスーパーフレックスタイム制も

フレックスタイム制はコアタイムの設定が義務ではありません。コアタイムを廃止し、勤務時間の縛りを無くしたのが「スーパーフレックスタイム制」です。

従業員が完全自由で出勤時間を決められるため、勤怠管理の徹底や業務計画の共有などの仕組みづくりはしっかりと行う必要があります。

ぴったりの勤怠管理システムを無料で診断する

フレックスタイム制のメリット

リモートワーク環境で働く男性

フレックスタイム制を導入することのメリットは次の5つです。

  • ワークライフバランスを実現できる
  • 優秀な人材確保につながる
  • 企業のイメージアップにつながる
  • オフピーク通勤が可能になる
  • コスト削減につながることも

ワークライフバランスを実現できる

フレックスタイム制ではコアタイムの出勤さえ守っていれば、自分の都合に応じて好きな時間に働けます。そのため、プライベートの予定を考慮したスケジュール調整が可能です。

仕事と私生活の両方を重視できるため、ワークライフバランスの実現に有効です。

【フレックスだからこそできる!スケジュール調整の例】

  • 週末の旅行に備えて金曜日は早く退社、月曜日は遅めに出社する
  • 火曜日と木曜日は早めに退社、勉強や副業に時間を費やす
  • 平日しか空いていない役所や、銀行に立ち寄ってから出社する
  • 体調不良のとき、念のため病院に寄ってから出社する
  • 保育園の送り迎えのため、遅めに出社したり早めに退社したりする
  • 朝が弱いので、毎日の出勤時間を10時以降に設定する

自分の予定に合わせて好きな時間に働けるようになれば、プライベートが充実し、生活全体が豊かなものになります。

また、十分なリフレッシュを図れるので仕事にも集中しやすくなるでしょう。社員のモチベーションアップや生産性向上など、ワークライフバランスの実現は企業にとっても大きな効果が期待できます。

優秀な人材確保につながる

近年、求職者は「働きやすさ」といった勤務体制を重視する傾向にあります。フレックスタイム制は働き方の自由度の高さを表すため、人材確保の観点からも有効な一手となりえます。

始業・終業時刻を自由に決められる企業なら、働く人の自由度は上がり会社の魅力は上がります。優秀な人材の採用機会を失わずに済むのです。

また、柔軟な働き方が可能になることで勤務体制に不満を感じる従業員が少なくなり、従業員の離職が防げる効果もあります。

コアタイムの導入は働き方改革だけでなく、人材を確保し共に会社を成長させることにも大きく貢献するのです。

企業イメージのアップにつながる

ワークライフバランス イラスト

フレックスタイム制を導入することで、社員が働きやすい環境であることを社外にアピールでき、会社のイメージアップにつながります。

企業イメージの高さは、採用強化につながるだけではありません。社員満足度が向上したり、取引先からの信頼度が高くなったりするメリットもあります。

最近では企業イメージを見て、その会社の製品・サービスを利用する消費者も増えてきています。

社員の労働環境をきちんと整備している企業なら、消費者からも優先的に選ばれやすくなるでしょう。

オフピーク通勤が可能になる

出社時間を自由に決められるようになれば、通勤で混雑する時間帯を避けての出社が可能です。

満員電車に揺られての出社は、心身ともに疲れやすいものです。オフピーク通勤が可能になれば、出社前の社員の疲弊を避けられるため、企業にとってもメリットがあります。

特に首都圏や都市部など、通勤ラッシュが発生しやすいエリアの企業で、社員の満足度を高められるでしょう。

ピーク時通勤のつらさを経験している求職者の中には、通勤の状況を予想して就職先を決める人もいます。オフピーク通勤を可能にすれば、採用強化にも大きくつながるでしょう。

コスト削減につながる場合も

コアタイムに出勤さえしていれば仕事が少ない日と多い日の労働時間を自分で調節できるので、残業を減らせます。

従業員は効率よく仕事ができ、会社側からすると残業代にかかるコストが削減できるのです。

1日の労働時間が決まっている場合、暇な時間ができやすい一方で、忙しい日は残業を余儀なくされることもあるでしょう。

このように従来型の勤務体系で残業が大きく発生していた会社なら、会社のコスト削減に大きくつながります。

ぴったりの勤怠管理システムを無料で診断する

フレックスタイム制のデメリット

オフィスで悩んでいる女性

さまざまなメリットがあるフレックスタイム制。しかし一方で、いくつかのデメリットも考えられます。

日常的な社内外のコミュニケーションが取りづらくなる

フレックスタイム制度のもとでは、日常的な社内外のコミュニケーションが取りづらくなる傾向にあります。

勤務時間がメンバーによって異なるので、気軽な相談やちょっとした報告ベースの会話をするチャンスも少なくなってしまいがちです。またフレックスタイム制では、会議や打ち合わせなどのスケジュールが1日の中でもコアタイムに集中する傾向にあります。

ほかにも社外とのコミュニケーションが取りづらくなるケースも珍しくはありません。たとえば、クライアントがまだ出社していなかったり、すでに退勤したりしている場合、相談や報告のタイミングはどうしても後ろにずれ込んでしまいます。

このことからも、フレックスタイム制の元ではスケジュール共有や、メール・チャットの活用などの体制づくりが欠かせません。自由な出退勤時間を得られるからこそ、社内外との円滑なコミュニケーションを協力的に進める姿勢が求められます。

勤怠管理が煩雑になる

フレックスタイム制を導入した企業では、社員ごとに始業・終業時刻や労働時間が異なります。人事部や総務部の勤怠管理業務が煩雑になりやすいことがデメリットです。

従来型の勤務体系なら、決められた終業時刻を過ぎた労働時間は残業時間であると簡単に判断できます。

しかしフレックスタイム制では、設定された総労働時間をもとに各社員の勤務時間を把握しなければ、残業時間を判断できません。

そのため勤怠管理を手作業で行うとなると、従来の勤怠管理より複雑になってしまい、かなりの時間と手間がかかってしまうでしょう。

そこでシステムで自動的に労働時間を管理してくれる、勤怠管理システムの導入がおすすめです。

勤怠管理にかかる時間を、他の業務に回せるので生産性向上も期待できます。

ぴったりの勤怠管理システムを無料で診断する

フレックスタイム制における労働時間の算出方法

コアタイム 同僚とあいさつ

フレックスタイム制では、清算期間を軸にして労働時間を算出します。

基準となる「清算期間」を決めて労働時間をカウント

フレックスタイム制は基準となる「清算期間」を、労使協定で定めたうえで労働時間をカウントします。

フレックスタイム制は「従業員が出退勤の時間を自由に決められる」のが最大の特徴です。しかし残業時間や給与計算のためにも、労働時間の区切りとなる基準を定めなければなりません。

「毎月1日から月末までの1か月」など、あらかじめ定めた清算期間中の労働時間を集計することで、働きすぎや労働不足を管理できるのです。

清算期間は1か月に設定されるケースが多い

フレックスタイム制の清算期間は1か月に設定されるケースが多いです。これには残業時間や給料の計算期間に合わせる意図やねらいがあります。

かつて、清算期間の上限は1か月間まででした。しかし2018年の「働き方改革関連法」成立によって、2019年4月から上限が3か月間に延長されています。これにより労働者はこれまでよりも長い期間で、労働時間をさらに柔軟に調整できるようになりました。

清算期間内の総労働時間は「1週間あたり40時間以内」で設定

ビジネスマンの机

フレックスタイム制の清算期間内で働く時間の合計をあらわす「総労働時間」もルールによって定められています。この総労働時間は清算期間を平均したときに「1週間あたりの労働時間が40時間以内」でなければなりません。

そして、1日あたりの標準的な労働時間をあらわす「標準労働時間」も定められています。たとえば有給休暇取得の際には、この標準労働時間を基準として算出された賃金が支払われます。

つまり、フレックスタイム制だからといって、企業が従業員を働かせすぎることはできません。あらかじめ定められた総労働時間の使い方や配分を、従業員が柔軟に調整できる制度だと考えるとよいでしょう。

1日あたりの「標準労働時間」はあくまでも目安

フレックスタイム制における1日あたりの標準労働時間はあくまでも目安です。

たとえば就業規則で「1日あたりの標準労働時間は8時間」と定められていたとしても、8時間働かないといけないわけではありません。別日で調整して清算期間内の総労働時間を満たせるのであれば、とある1日の労働時間は6時間でもかまわないのです。

いわば、標準労働時間は総労働時間を1日あたり単位に分解したときの平均的な時間です。「昨日は忙しくて10時間働いたから、今日は6時間で切り上げよう」といった具合に時間調整の目安として扱えば、スケジュール管理がしやすくなります。

ぴったりの勤怠管理システムを無料で診断する

フレックスタイム制でも残業代は支払われる【期間単位で精算】

オフィスで談笑するビジネスマンとビジネスウーマン

フレックスタイム制でも残業代の支払いが必要です。しかし、法定労働時間の「1日8時間・週40時間」を超えてもすぐには残業として扱われません。

フレックスタイム制では「実際の労働時間が清算期間内の総労働時間を超過した分」が残業時間になります。そのため残業代も、この超過分の時間に応じて支払われます。

残業時間の計算例【清算期間が1か月の場合】

フレックスタイム制の残業代がどのように計算されるのか、実際の例をみてみましょう。

【IT系ソフトウェアメーカー 企画職の例】

  • 清算期間:1か月
  • 標準労働時間:8時間
  • 総労働時間:176時間
  • 6月に働いた実際の労働時間合計:191時間

上記のケースの場合、総労働時間と実働時間の差分「15時間」が残業時間となります。仮に実態として「10時間」働いた日が10日間あったとしても、ほかで短く働いた日とのバランスを考慮したうえで残業時間が決定します。

実際に働いた時間が総労働時間よりも短いとどうなる?

スケジュール管理不足などで実際に働いた時間が総労働時間よりも短い場合は、次の2通りの方法のいずれかで対応されるケースがほとんどです。

  • 不足時間分の賃金をカットする
  • 不足時間分を繰り越して、次の清算期間の総労働時間に合算する

つまり、フレックスタイム制のもとで適切な賃金の受け渡しを行うためには、日々のスケジュール管理が欠かせないといえます。

会社がそれぞれの労働時間を把握しておくことはもちろん、従業員自身が自分の総労働時間を意識しながら、働く時間を調整する姿勢が求められるのです。

ぴったりの勤怠管理システムを無料で診断する

フレックスタイム制の採用が多い業界や職種

高層ビルを見上げる

フレックスタイム制を導入している企業はまだまだ少ないのが現状です。厚生労働省が行った調査によると、フレックスタイム制度を導入している企業はわずか6.1%で、全体の1割にも満たないことがわかりました。

さらに、導入企業が多い業界はITや通信が代表的で、小売業やサービス業は少ない傾向にあることが判明しています。

ITや通信業界に多い

フレックスタイム制を導入する企業が多い業界は、ITや通信業界が代表的です。またマスコミ業界なども挙げられるでしょう。

職種に関して言えば、エンジニアやデザイナー、企画や事務職などが多い傾向にあります。

これらの中で共通している特徴は、仕事における個人の裁量が大きく、外部の人と接触する機会が比較的少ない点が挙げられます。

小売業やサービス業は少ない傾向に

小売業やサービス業、営業職や工場のライン仕事では、フレックスタイム制の導入が難しい傾向にあります。

これは顧客への対面対応や、社内外で関わる社員や企業の数が多いと、自身の都合で時間をコントロールすることで業務に支障が生じてしまうためです。

またフレックスタイム制が適用されるのは全従業員とは限りません。会社によっては、エンジニアや企画職など特定の職種・仕事内容に応じて、一部で制度を採用しているケースもあります。

ぴったりの勤怠管理システムを無料で診断する

フレックスタイム制で柔軟な働き方の実現を

笑顔でオフィスを歩くチームメンバー

柔軟な働き方を叶えるフレックスタイム制には、優秀な人材の確保やコスト削減につながることなどのメリットがあります。うまく活用することができれば、従業員それぞれが仕事とプライベートを両立させてさらに充実した人生を送れるようになるでしょう。

フレックスタイム制を最大限に活用して、理想の働き方を実現してみてはいかがでしょうか。

ぴったりの勤怠管理システム選びはミツモアで

ミツモアロゴ

勤怠管理システムは製品によって特徴や機能もさまざま。「どの製品を選べばいいかわからない・・・」といった方も多いのではないでしょうか。

そんなときはミツモアにおまかせ。最短1分の自動診断で、ぴったりの勤怠管理システムが見つかります。

ぴったりの勤怠管理システムを最短1分で無料診断

従業員数や欲しい機能などの項目を画面上で選択するだけで、最適な勤怠管理システムを最短1分で自動診断。もちろん費用はかかりません。

ぴったりの料金プランも一緒にお届け

希望条件に沿った料金プランも製品と一緒に診断します。概算金額を見積もりからチェックして、理想のプランを探してみましょう。

診断結果は最大5製品!比較・検討で最適な勤怠管理システムが見つかる

最大で5製品の診断結果をお届けします。検討していた製品だけでなく、思わぬ製品との出会いもあるかもしれません。

ミツモアなら、ぴったりの勤怠管理システムがすぐに見つかります。

ぴったりの勤怠管理システムを無料で診断する

サービス提供事業者さま向け
ミツモアにサービスを
掲載しませんか?
ミツモアにサービスを掲載しませんか?

ミツモアは依頼者さまと事業者さまをつなぐマッチングサイトです。貴社サービスを登録することで、リードの獲得及びサービスの認知度向上が見込めます。 さらに他社の掲載サイトとは違い、弊社独自の見積システムにより厳選されたリード顧客へのアプローチが可能です。 もちろん登録は無料。 ぜひミツモアにサービスをご登録ください。