キッチンの水漏れが起きたらまず何をすべき?
キッチンの水漏れが起きたら、まず止水栓を止めましょう。次にキッチンのシンク下に収納しているものを全て出してから漏れた水をふき取り、換気をしてください。賃貸に住んでいる方は、すぐに管理会社や大家さんに連絡しましょう。
キッチンの水漏れが起こる原因は?
いずれの箇所からの水漏れも、基本的には「パッキンの劣化」「管やホース自体の劣化・損傷」「接続部の緩み・ズレ」がおもな原因と考えられます。ただし床下から水漏れしている場合は、排水管が詰まっている可能性があります。
キッチンの水漏れに気づいたら?まずすべき応急処置
キッチンの水漏れが起きたときの応急処置対応を4つ紹介します。水漏れ被害を最小限に抑えるためにも、素早く対処しましょう。
①止水栓を閉める
水漏れに気づいたら、まずは止水栓を閉めましょう。キッチンの場合、止水栓はシンク下の扉を開けた奥にあります。水道の蛇口のようなハンドルがついているタイプが一般的です。
ハンドルを時計回りに回すと一時的に水の流れが止まるので、被害の拡大を防止できます。
水と湯の両方が使える蛇口の場合は、ハンドルが2つあります。この場合は2つともに時計回りに回しておきましょう。
②キッチンのシンク下に収納したものを出す
止水栓を閉めたら、次はキッチンのシンク下に収納したもの全てを外に出しましょう。
直接水がかかっていなくても、水漏れによってシンク下は湿度が高くなっています。湿度が高いと不衛生な状態になるため、収納物を取り出して空気の通りを良くしましょう。
③漏れた水をふき取る
タオルや新聞紙を使って漏れ出た水を拭き取りましょう。
まずタオルで漏れた水をできるだけ減らします。ある程度拭けたら、新聞紙やキッチンペーパーで水漏れ箇所を押し当てるようにして水気を取ってください。
④換気をする
漏れた水を拭き取れたら、窓を開けて換気扇をつけましょう。水漏れしたことで室内全体の湿度が上がると、建物に悪影響を与えたりカビが発生したりする原因に。
シンク下の扉も開け放して換気してください。水漏れの程度がひどい場合は、すぐに業者を呼んで修理をしてもらいましょう。
賃貸の場合はすぐに管理会社へ連絡を
水漏れは他の住居スペースに被害を及ぼす恐れもある事故です。水漏れに気づいたらすぐに管理会社に連絡しましょう。
賃貸住宅の場合、水回りの設備の修理は貸主である管理会社や大家さんが対応することがほとんどです。
契約内容によって異なりますが、自己判断で修理してから管理会社に報告をした場合、修理費用が自己負担になることもあります。
キッチンで起こる水漏れの原因と対処法まとめ
キッチンで水漏れするときは、シンク下か蛇口のどちらかによって大きく分かれます。
シンク下の場合は、「給水管」「給湯管」「排水トラップ」「排水ホース」「排水管」のいずれかに原因があるでしょう。
蛇口の場合はほとんどがパッキンの劣化によるもので、部品を交換することで修理できる可能性が高いです。以下の記事では、蛇口の水漏れについて詳しく解説しています。
シンク下の水漏れ箇所の確認方法
上画像のような場所から水漏れするケースが多いです。水漏れ箇所を特定して、原因に当たりをつけましょう。
水漏れ箇所 |
原因 |
排水トラップ |
- シンクとのつなぎ目にあるパッキンの劣化
- 排水ホースとのつなぎ目にあるパッキンの劣化
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排水ホース |
- ホースの劣化・損傷
- 排水トラップとのつなぎ目にあるパッキンの劣化
- 排水トラップとのつなぎ目にあるナットの緩み
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排水管 |
- 排水ホースとの接続不良・ズレ
- 排水管の詰まり・逆流
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止水栓 |
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給水ホース・給湯ホース |
- 給水管・給湯管とのつなぎ目にあるパッキンの劣化
- ホース自体の劣化・損傷
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給水管・給湯管 |
- ホースとのつなぎ目にあるパッキンの劣化
- 給水管・給湯管自体の劣化・損傷
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その他 |
- シンク自体の隙間・穴から水漏れ
- 浄水器や食洗機から水漏れ
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このように基本的には「パッキンの劣化」「管やホース自体の劣化・損傷」「接続部の緩み・ズレ」が主な原因と考えられます。
ただし床下から水漏れしている場合は、排水管が詰まって逆流してきている可能性も。この場合は詰まりの除去が必要ですが、自分では対処が難しいのですぐに専門業者に調査してもらいましょう。
床下の水漏れが進行してしまうと、階下の住人に水濡れ被害を与えてしまったり、床材の張り替えが必要になったりして高額な費用がかかってしまうこともあります。
排水トラップの水漏れ原因と修理方法
キッチンシンクでは、排水口の奥に「排水トラップ」が設置されているのが一般的です。ゴミ受け皿を外すとお椀の底のようなものがあり、それが排水トラップです。
主な原因はパッキンの劣化
排水トラップの主な水漏れ原因は、パッキンの劣化です。パッキンはゴム製なので経年劣化によって隙間やひび割れができてしまいます。以下のつなぎ目から水漏れが起こることが多いです。
この2つのパッキンのどちらかが寿命であれば、もう片方も寿命だと考えられます。2つともまとめてパッキンを交換しましょう。
トラップ自体に破損がある場合は、新しい製品と交換して対処してください。
排水トラップのパッキン交換手順
排水トラップのパッキン交換は自分で行うことも可能ですが、一時的に排水ホースを外すことになるので、排水管の悪臭が上がる可能性があります。
【手順】
- 室内を換気して、シンク下にタオルやバケツを用意する
- 排水口のフタ、ゴミ受け皿を外す
- 排水トラップのフタ部分を掴み、左向きにひねって外す
- 排水ホースと排水トラップのつなぎ目にあるナットを回して外す
- シンクと排水トラップのつなぎ目にあるナットを回して外す
- 排水トラップを持ち上げ、シンク上から取り外す
- シンク側とホース側の2つのパッキンを交換する
- パーツを元に戻す
- 水を流して改善されているか確認
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パッキンを購入する前に、サイズをきちんと測りましょう。一般的には排水口の直径が180mm用のパッキンが多いです。
ナットは手でも回すことができますが、長年締めっぱなしだと固まっている可能性も。そんなときは「トラップレンチ」などの専用器具を使うと簡単に取り外すことが可能です。
パッキンがしっかりはまっていないと、再び水漏れを起こす原因になります。ズレないように丁寧にパッキンをはめ込み、シンク下のナットも緩みがないように締めましょう。
排水ホースの水漏れ原因と修理方法
考えられる原因は3つ
排水ホースから水漏れが起きている場合、考えられる原因は以下の3つです。
シンク下の収納で調理器具を出し入れするときなど、何かのきっかけで排水ホースが損傷することがあります。
また古い排水ホースは経年劣化によって、少しの衝撃でも破損することも。ホースが劣化や損傷している場合は、排水ホースを交換しましょう。
水漏れ箇所に防水テープを巻きつけて応急処置することもできますが、キッチンの排水量に長く耐え続けることは難しいです。新しい排水ホースに交換するまでの代用と考えてくださいね。
排水ホースの交換手順
排水管との接続を解除する必要があるので、自分で交換すると悪臭が上がってきてしまうかもしれません。きちんと換気をしたうえで作業しましょう。
【手順】
- 室内を換気して、シンク下にタオルやバケツを用意
- 排水トラップと排水ホースのつなぎ目にあるナットを回して外す
- ホースを床から持ち上げ、防臭ゴムごと取り外す
- 新しいホースに防臭ゴムを移し替えて、排水管に差し込む
- 排水トラップに接続し直す
- 水を流し、改善されているか確認する
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排水トラップとの接続を解除すれば、排水ホースは上に持ち上げるだけで床から抜くことができます。
床下の排水管にある穴をカバーするような形で防臭ゴムがついているので、それを新しい排水ホースに移し替えて設置しましょう。
新しい排水ホースを購入するときは、排水トラップと接続する部分の外径を調べておきましょう。万が一サイズが合わなかった場合、「ホースアダプター」という器具を使って接続することもできます。
排水管の水漏れ原因と修理方法
ここでいう排水管とは、排水ホースの接続先にある床下の設備です。キッチンだけでなくトイレ、洗面台、浴室などの排水をまとめて流し、下水道へと送っていきます。
キッチンの場合は、排水ホースが伸びている床下に排水管とつながる穴があり、その穴に上からかぶせるように排水ホースが接続されている仕組みです。
原因①:排水ホースとの接続不良・ズレ
シンクの下を収納として頻繁に活用している場合は、物が当たった衝撃などで排水ホースがズレてしまい、接続不良が起こっているかもしれません。
排水ホースと防臭ゴムは、排水管の上からはめ込まれているだけになっているので、接続不良を起こしてしまうことがあるのです。
水漏れにすぐ気づくことができれば、ホースを接続し直すだけで対処できます。
しかし床下での水漏れは発見が遅れやすく、「床がブヨブヨする」「キッチンのフローリングがジワジワと濡れてくる」という症状になって初めて気づくことも珍しくありません。
発見が遅くなると、床の張り替えが必要になるでしょう。賃貸の場合は、階下にまで被害が及ぶと賠償金が発生することもあります。
原因②:排水管の詰まり・逆流
キッチンの排水には、食べかすや油ごみなどが含まれているので、排水ホースや排水管の内部で汚れが固まってしまうことがあります。
排水管が詰まってしまうと排水が正常に流れず、床と排水ホースとの隙間から水が漏れてきてしまうことに。
排水管の詰まりを自分で解消するのは難しいです。専門業者に依頼して、詰まりの解消をしてもらいましょう。
この場合も、床下で水漏れが起こるので発見が遅れやすく、床の張り替えなど多額の工事が必要になってしまう恐れがあります。
止水栓の水漏れ原因と修理方法
止水栓とは、配水と止水をコントロールする栓のことです。蛇口タイプが一般的で、レバータイプやマイナスドライバーで開閉するタイプもあります。
キッチンで使っているのが混合水栓の場合は、画像のように給湯管と給水管にそれぞれ止水栓が付いているでしょう。
パッキンの劣化が原因
止水栓内部のパッキンが経年劣化することによって水漏れが起きます。この場合はパッキンを交換するだけで解決可能です。
止水栓のパッキン交換手順
止水栓に使用されているパッキンを、新品と交換してみましょう。基本的には蛇口のパッキン交換と手順は同じです。
【手順】
- 水道元栓を閉めて家全体の水の流れを止める
- キッチンの蛇口を開けっぱなしにして、水とお湯の両方が出なくなるまで放置する
- ハンドルビスを緩めてハンドルを取り外す
- 三角パッキンとコマパッキンを交換する
- ハンドルを取り付けて元栓を開け、水漏れが解消しているか確認する
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元栓が開いたままだと水やお湯が止まらないため、止水栓を分解したときに水が噴射する恐れがあります。自分で作業する場合は注意しましょう。
止水栓を頻繁に開け閉めする方は、ケレップ(水栓コマ)という部品も取り出してコマパッキンも交換しましょう。
給水ホース・給湯ホースの水漏れ原因と修理方法
給水ホースや給湯ホースから水漏れするときの原因は、接続部にあるパッキンの劣化がほとんどです。接続部に使用されているUパッキンやOリングを交換しましょう。
給水ホースや給湯ホースが劣化・破損するのは稀ですが、その場合はかなりの使用年数が経っていることが考えられます。蛇口ごと交換しましょう。
給水管・給湯管の水漏れ原因と修理方法
給水管や給湯管の水漏れも、やはり接続部のパッキンの劣化が原因となることが多いです。
給水管の先端には止水栓が設置されているので、ホースとのつなぎ目にあるパッキンが劣化していると、隙間から水漏れが起こります。
給水管や給湯管自体が劣化・損傷している可能性も否定はできません。地震や凍結などのダメージで損傷して、水漏れの原因になるようなことも考えられます。
ちなみに給水管や給湯管にも寿命があるので参考にしてみてください。
金属製 |
15~20年 |
ステンレス製 |
30~40年 |
樹脂製 |
20~40年 |
もし蛇口や給水設備の設置から20年以上経過しているのであれば、給水管や給湯管の交換を検討してもよいかもしれません。
その他に考えられる水漏れ原因と修理方法
ここまで紹介してきた水漏れ原因以外には、「シンク自体の水漏れ」「浄水器や食洗器の水漏れ」が考えられます。
シンク自体から水漏れ
シンク自体から水漏れが起きている場合、考えられる原因と対処法は以下です。
原因 |
修理方法 |
コーキングの劣化 |
コーキングや補修材で穴埋め |
シンクに穴が開いている |
シンクごと交換 |
シンクと流し台との隙間はコーキングという部材で埋められていますが、コーキングが劣化して水漏れすることがあります。
シンク下の収納スペースを空けたとき、天板部分に水滴がたまっていたり、壁際から水漏れしていたりするなら、コーキングが劣化しているかもしれません。
また、かなり古いシンクであれば、シンクのサビから穴があいて水漏れするケースもあります。
浄水器や食洗機から水漏れ
キッチンに設置している浄水器や食洗機に問題があるケースも考えられます。
多くの場合、パッキンの劣化や接続部の緩みが原因ですが、どこから故障しているのか見つけにくいです。
また、ビルトインタイプ(システムキッチン)の場合は、機器の取り外しをしなければならず、大掛かりな工事になります。
水漏れ箇所がわからなかったり、機器の交換や分解ができなかったりするときは、迷わず専門業者に依頼しましょう。
キッチン水漏れ修理にかかる費用相場
キッチンで水漏れしたときの修理費用はいくらになるか、相場の目安を以下にまとめました。
修理内容 |
費用相場 |
蛇口修理 |
8,000~15,000円 |
蛇口交換 |
18,000~50,000円 |
キッチン排水栓(排水口)の交換 |
8,000~15,000円 |
樹脂製の排水ホースの交換 |
8,000~15,000円 |
金属製の排水パイプの交換 |
20,000~30,000円 |
配管の詰まり解消 |
5,000~30,000円 |
基本的に作業費・出張費を合わせて約8,000円~で、加えて修理に必要な部材費がかかります。蛇口を交換する場合は、蛇口の機能によって費用もかなり変わるでしょう。
パッキン交換だけ、ナットの締め直しだけ、など軽微な作業で済むときは5,000~6,000円程度で済むこともあります。
作業の所要時間は、部品交換だけなら1時間未満、修理や詰まり解消作業が必要な場合は2時間程かかります。
水漏れ修理業者の選び方
「マグネット広告の水道業者に連絡したら、高額な費用を請求された」というニュースを目にしたことのある方も多いと思います。
水道業者の中には、そういった悪徳業者がいることも否定できません。信頼できる水漏れ修理業者を選ぶ方法としては、以下の2つがおすすめです。
各自治体や水道局のホームページを調べると、指定水道業者の一覧を見ることができます。その中から連絡してみるのはひとつの手段です。
ただし指定を受けているからといって、費用が一律だったり、特別に安かったりするわけではありません。料金設定は業者ごとに異なります。
なるべく安い業者を探すなら、相見積もりしてみましょう。自分でいくつもの水道業者に問い合わせるのは面倒なので、ミツモアのような無料一括見積もりサイトを使うと便利です。
その他、万が一施工不良があった場合にそなえて保証内容の確認、住所や電話番号などを見て連絡先に透明性があるか確認をしておきましょう。
賃貸の場合はどう対応する?修理費用は誰負担?
記事の冒頭でも説明しましたが、賃貸住宅で水漏れが起きたときは、まず管理会社や大家さんに報告しましょう。勝手に専門業者に修理依頼すると、トラブルに繋がる可能性もあるからです。
管理会社と入居者のどちらが修理費用を負担するかは、水漏れが起きる原因によって決まります。
ただし賃貸契約書の際に交わした内容が最優先されるため、設備の劣化が原因でも自己負担で修理になるケースもあり得ます。契約内容はあらかじめ確認しましょう。
また時折、施工不良が原因で水漏れすることもあります。いずれにせよ、水漏れに気づいたらまず、管理会社に連絡して対応について相談するのがよいでしょう。
マンションやアパートは下の階への影響に注意
時と場合によっては、下の階の天井や壁にまで水が漏れてしまいます。水を止め忘れたり、水回りの部品の劣化を放置していたりと、自分の行動が原因で水漏れが起きた場合は、下の階に住む住人に賠償しなければなりません。
個人賠償責任保険に加入している方は、保険がおります。水漏れ事故の保険について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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