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マンションで水漏れが起きたら?被害者と加害者の立場でやるべきこと

最終更新日: 2024年06月28日

マンションに暮らしているときに水漏れが発生したら、どのように対処しますか?何が原因か分からず対応に苦慮するケースも見られますが、近隣への迷惑や被害が拡大しないように早めの対応が必要です。よくある原因を理解し対策を準備しておきましょう。

水漏れの原因は大きく分けて2つ

マンションで水漏れが起きるとひとつの部屋のみならず、多くの世帯に影響が及ぶ可能性があります。それだけにいざというときの備えは大切です。

水漏れは多様な要因で発生し、自分が加害者の場合もあれば被害者になるケースもあるでしょう。水漏れの原因はふたつに大別されます。それぞれの原因について理解を深めておくことは、慌てず対応するために有意義です。

入居者に原因がある場合

水漏れの原因のひとつが入居者自身によるものです。住んでいる人が引き金となって、被害を生じさせている場合があります。

人の暮らしと水は切り離せないとても大切な関係です。水なくして健康で快適な生活は不可能でしょう。

それだけに水はあらゆる行動に関連します。料理をする、歯を磨く、顔を洗う、食器をすすぐ、洗濯をする、お風呂に入るなど、水なくしては実現できません。またバルコニーの鉢やプランターに水をやることもあるでしょう。

そして水を使用しているときに、思わぬ原因から水漏れにつながることがあるのです。

建物や設備に問題がある場合

人による不注意や不手際がなくても、水漏れが起こる可能性があります。もうひとつの原因が建物や設備の老朽化でしょう。

人の暮らしに不可欠な水だからこそ、室内の各所に水を届けるために、非常に長距離の配水管が設置されています。そのどこかに損傷が発生すると、トラブルへと発展し水漏れの可能性も生まれるでしょう。

長い年月が経過しサッシや窓といった建具に隙間が生まれた場合も、そこから水が漏れる可能性があります。

外壁の劣化も水漏れを引き起こす要因になる部分です。塗装が剥がれたりひび割れたりするとそこから雨水が染み込み、建材を水浸しにして、ついには室内への水漏れにつながってしまいます。

建物の経年劣化や不適切な工事による水漏れは、入居者の注意では防げません。

よくある水漏れの原因

風呂

入居者によるものと建物や設備の問題の二つある水漏れの原因は、具体的にはどのようなことがきっかけとなり、トラブルに発展するのでしょうか。個別のケースについて見てみましょう。

うっかりで水漏れ

入居者に原因がある場合も多いものです。よく発生するケースとしては、浴槽に水をためる際に、放水しっぱなしにしたまま忘れてしまい、あふれて周囲を水浸しにしてしまうトラブルがあります。

あるいは流す水の量が排水管の処理能力を超えてしまい、浴室から洗面所にあふれてしまったという事故もありがちです。

洗濯機の排水ホースが知らぬ間に外れていることも考えられます。室内設置なら洗面所に排水が流れたり、屋外設置ならベランダに水が漏れ出し下階に伝ってしまったりするのです。

トイレのつまりで便器やタンクから水があふれてしまう事態も少なくありません。入居者に起因する水漏れは、意外と多いものなのです。

配管や排水管の経年劣化

人が暮らす居室や住宅には、水に関して大きく二つの役割の管があります。一つは飲んだり洗ったりできる上水、つまり「きれいな水」を届ける水道管です。そしてもう一つが使用済みの「汚い水」を捨てるための下水管です。

居室内のいろいろな場所で水が使え、排水できるということは、それだけくまなく建物の内部にそれぞれの管が配管されているともいえます。

上水用の管や配水管に経年劣化により接続不良や亀裂が起きると、そこから水が漏れ出てしまうのです。すると天井から水が垂れてきたり、床から水が浸み出たりするトラブルが生じてしまいます。

給水管や給湯管の経年劣化

きれいな上水が引き込み管で各居室に届けられると、その先は居室内の各所に届ける必要があります。そのため給水管を使って、それぞれの場所に水が送られるのです。

キッチンや浴室、洗面所、トイレ、あるいはバルコニーに蛇口が設置されている場合もあるでしょう。給水管はさまざまな場所で水を使用することを可能にしてくれるのです。

また水を加熱しお湯になったものを流してくれるものが給湯管です。お風呂やキッチンには不可欠なものでしょう。

給水管や給湯管は居室内のあちらこちらに向かって、細かく設置されているものです。これらが経年劣化を起こしてしまうと、水漏れの原因になってしまいます。

マンションで水漏れ被害を受けたら

水滴

「自分にはまったく非がないはずだけれど、水漏れに悩まされている」という状況になったら、どう対処すべきでしょうか?適切な対応を取るための知識を備えておきましょう。

管理会社に連絡して原因を見つける

水漏れに気づき被害を確認したら、まずは止水栓を閉じて水の流れを止めましょう。そうすると自分に責任がないことが分かります。

その後はマンションの管理会社へ連絡です。原因が分からない以上、素人判断でいろいろと考えるよりも、しかるべき人に相談することが先決といえます。

仮に自分以外の住人が原因だと想像できても、その人の部屋に立ち入って確認することはできません。管理上の権限を持つ管理会社への相談が適切です。

トラブルの内容によっては、補償や賠償といった話にもなるかもしれません。多様な現場を経験している管理会社で、アドバイスも受けることをお勧めします。

管理会社との契約がなければ管理組合への連絡・相談が妥当です。個人では対処できない範囲まで交渉や確認ができ、問題解消の可能性が高まります。

被害状況は写真などで残しておこう

被害が生じてしまったら、その状況を写真に撮って残しておくことも大切です。具体的な証拠として効果を発揮します。

例えば別の住人が原因である事故で天井から漏水し、ソファーやベッド、カーペットなど家具が損傷してしまうこともあるでしょう。また壁に水が浸みて跡ができてしまうこともあります。

後になって「はじめから傷んでいたのではないか?」というような、いわれのない疑念を抱かれないようにするためにも、きちんと画像として残しておくことが重要です。

原因によって変わる賠償請求先

具体的な被害が生じていてその原因が特定されると、被害者が損害賠償請求をすることがあります。その際に被害が生じた場所が共用部分か専用部分かで、賠償の請求先が異なることを知っておきましょう。

原因となった場所が専用部分ならば、責任を取るべきは区分所有者です。そのため区分所有者に対して、賠償請求することになるでしょう。

共有部分に損害を発生させた原因があるならば、責任を負うべきは管理組合です。賠償の請求先も管理組合となるでしょう。

請求先の判断が難しいケースもあります。配管が原因だとしてもそこに至る問題が床版や梁・柱など、構造に起因しているのだとすれば、賠償すべきは建設会社という可能性もあるのです。

管理会社や管理組合など専門知識を持ち、かつ案件処理の経験がある人の意見を踏まえて判断することが必要です。

加害者になってしまった場合

連絡

うっかりミスなどで自分が被害を与える側になってしまう可能性もあります。そのときに取るべき対応について解説しましょう。

管理会社や水道・電気会社に連絡

まず一番にするべきことは管理会社への連絡です。トラブルの原因や内容をできるだけ分かりやすく伝えましょう。

さらに水道会社や電気会社への連絡です。水漏れは被害を拡大させるおそれもあります。特に電気のショートは感電や火災につながる可能性があり、十分に注意しなければなりません。

自宅訪問で専門家に水漏れの原因と、その他の箇所に被害が発生・拡大していないかをチェックしてもらう必要があります。

水道会社や電気会社は調査後に、診断結果を書類で提示してくれます。保険の適用を受けるために必要な書類の一つなので、大切に保管しておきましょう。

保険会社にも連絡

多くの家庭が火災保険をはじめとする、住宅向けの損害保険に加入していることでしょう。その場合には加入している保険会社へも連絡しなければなりません。

水漏れが引き金となった事故では、その被害が火災保険でカバーされているケースが多いのです。幅広く適用を受けるためにも、保険の担当者への報告は早めに行いましょう。

相手方に対してだけでなく、自分の損害が補償の対象となる場合も考えられます。水漏れで床材や壁材が損傷を受け、修繕や交換するようなときは、保険の対象となる確率が高いでしょう。

被害者にお詫びをする

管理会社や管理組合、水道会社や電気会社、そして保険会社への連絡が済んだら、専門家に頼るための手続きは一段落です。

その後は他の居住者にどのような被害を与えてしまったのかを確認する必要があります。

事故の程度が小さければ、相手方は被害に気づいていない場合もあるかもしれません。そのようなときに自ら進んでトラブルを申し出てお詫びすると、被害者の心証も向上するでしょう。

中には「保険会社など、しかるべき人たちが対処すればよい」と考える人もいます。しかし近隣に住む人との人間関係を良好に維持し、被害者に安心感をもたらすために、自身による対応は大切です。

水漏れの修繕費はどれくらい?

電卓

水漏れが起こってしまった場合に気になるのは、修復のためのコストです。修繕費にはどれくらいの金額がかかるのでしょうか。場所ごとに見てみましょう。

キッチンやトイレの場合

キッチンにおける水漏れは、蛇口に設置されたパッキンの劣化が主な原因といえます。修理は比較的簡単で費用は5,000~1万円程度です。

ただし蛇口そのものの劣化や損傷が原因となると、交換しなければならないケースもあります。そうなると2万円程度かかってしまいます。

原因がトイレの場合に修理が想定されるのは、水洗用の水を通す給水管やタンクです。それらの劣化や不具合によって、トイレ内に水が漏れてしまうケースは珍しくありません。

埋設されている部分ではなく、トイレ内に通っている管の修繕であれば1~3万円が目安です。

配管回りの場合

生活にまつわる水を通す管には給水管・給湯管・排水管が必要ですが、それらの配管の劣化によって水漏れが生じた場合、補修する管の長さによって金額が異なります。

工事の相場としては1mごとに5,000~1万円といったところでしょう。

ただし場所によっては費用が変わる可能性があります。どういった場所のどの管なのかによって変動するので、見積もりは必須です。

天井の場合

水漏れがよく起こる場所として天井が挙げられます。上層階の配管の劣化やうっかりミスが、下層階への水漏れとなって現れるのです。

天井の場合には配管の修繕費用だけでは収まりません。天井を構成する建材の交換や修理費用が必要になるのです。被害の程度によっては大がかりな工事になる可能性もあります。

天井は材料にコンパネを使用して、そこにクロスを張っているケースが多々あります。そのような天井は一度水を含んでしまうと強度が低下し、シミも残ってしまうでしょう。そうなると交換せざるを得なくなるため、費用もかさみます。

一般的な天井の水漏れにおける修繕の相場は、15~20万円が一つの基準といえるでしょう。

水漏れが起きたときの応急処置

水道

水が漏れ出ている状況を目の当たりにすると、つい慌ててしまいがちです。しかし落ち着いて対処する必要があります。

水漏れが発生したときに適切な行動を取れるよう、応急処置について知っておきましょう。

水栓を止めておく

蛇口の閉め忘れなどのうっかりミスは別として、給水管の破損などが原因であるならば、水栓を止めてしまいましょう。被害を抑えるためには大切な行動です。

水栓を閉めてしまえば、たとえ配管にトラブルが生じていたとしても、水が漏れ続けることを防げます。事故を最小限に止められるのです。

そのためにはバルブの場所を知っておかなければなりません。もしもの水漏れに備えて、事前にしっかりとチェックしておく必要があります。

バケツや雑巾で被害を抑える

水が垂れ落ちてくる場所にバケツを置いて、ためておくようにしましょう。

ポタポタと雫(しずく)が1滴ずつ落ちてくる様子に、「大したことない」と考えてしまう人がいます。しかしそれが長時間続くと、床が広範囲にわたり水浸しになってしまう危険があるのです。

雑巾を置いて水を受け、吸水しきったら交換する方法も有効です。古典的な手法ですが確かな効果があります。

破損箇所が分かる場合は防水テープで

自分自身で破損している場所が確認できるのであれば、防水テープを貼って水漏れを防いでおくのは有効です。漏れ出る水を軽減できるでしょう。

まず損傷している部分をタオルで拭き取ります。汚れや余計な水気があるとテープの粘着力が弱まってしまうためです。

漏れてくる部分に重点的に貼り、周辺にも広めにテープを巻いていきましょう。コツとしては隙間なく丁寧に貼ることです。

水漏れを発見したら必ず管理会社に連絡

洗面所

水は生活に不可欠なだけに、水漏れのリスクをゼロにすることはできません。そして不意に起こる水漏れにより、思わぬ被害が生まれる場合もあるのです。

トラブルを拡大させないためには、落ち着いて適切な対応を取ることが必要です。そして自分では解決できないと感じたら、早めに管理会社に連絡するなどして、被害を最小限に止めましょう。

水漏れ修理は早めに業者へ依頼を

マンションで水漏れが起きた際は不安でいっぱいですよね。依頼する業者選びに悩む場合はお仕事マッチングサービス「ミツモア」に見積もり依頼することをお勧めします。いくつかの業者を比較し検討することで、自身にあう業者を選択できることでしょう。

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