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トイレのボールタップを徹底解説!交換方法から水位の調節方法まで

最終更新日: 2024年06月28日

トイレでちょろちょろとした水漏れがいつまでも止まらないときは、ボールタップの故障が原因の可能性があります。ボールタップは、トイレタンクの水量を調整する重要な部品です。

この記事では、ボールタップの場所や種類、自分で交換する方法を紹介しています。水漏れが気になっている方は、この記事を読んですぐに対応しましょう。

ボールタップはどこにある?トイレのタンク内の構造と仕組みを解説

ボールタップは給水管とつながっている部品です。浮き球の位置によって水位を確認して、水位が下がると手洗い管から水を出し、タンク内に水を供給します。

水をせき止めたり出したりする「弁」の役割があるので、「定水位弁」や「フロート弁」と呼ばれることも。

ちなみにタンクレスの場合、つまりタンクが付いていないタイプのトイレにはボールタップがありません。

トイレの水が流れる仕組み

トイレタンクの構造

トイレタンクの内部は上画像のような構造になっています。それぞれの役割と、水が流れるまでの仕組みを見ていきましょう。

【水を流す仕組み】

  1. レバーを引く
  2. チェーンが引っ張られる
  3. ゴムフロートが開き、便器内に水を排出
  4. 浮き玉の位置が下がる

【水が溜まる仕組み】

  1. 水位が下がることで、浮き玉が動く
  2. ボールタップが浮き玉の動きを検知
  3. 足りなくなった水を、手洗い管から排出
  4. タンク内に水が溜まる

トイレの水を流すと、タンクの水が少なくなります。次に流す分の水を溜めておくために、ボールタップがタンク内の水量をコントロールしているのです。

浮き球が下がる動きと連動して、ボールタップが給水を開始。手洗い管から水が出て、タンク内に水が入ってきます。

タンク内の水位が上昇してくると、水位に合わせて浮き球も上昇。一定の高さまできたら、ボールタップも連動して給水が止まります。

トイレのボールタップが故障すると?

ボールタップが故障すると、以下のような症状が現れます。

  • 手洗い管からずっと水が流れている
  • タンクから水があふれる
  • タンク内で「チョロチョロ」と水漏れの音がする
  • レバーを回しても水洗できない

ボールタップが故障すると、水量を調整できなくなります。そのため手洗い管から水が止まらなくなったり、ひどい場合にはタンクからあふれてきたりするのです。

またボールタップ本体が劣化・破損していると、ひび割れ部分からずっと水漏れするので、タンク内部で「チョロチョロ」と音がすることも。

逆にタンク内の水が十分に溜まりきらないという不具合も考えられます。そうなると、次にトイレを流すときに、水が流れないという事態に。

余分な水道代がかかっているかも

もしボールタップが正常にはたらかず、タンク内にムダな水が流れると、そのぶんの水道使用量がかさみます。

すぐに水漏れが止まるケースも多いので、1回あたりの損失は微々たるものですが、積み重なると水道代に響いてくるでしょう。

気づかないうちに余計なお金をつかわないためにも、早急に対応することをおすすめします。

ボールタップのなかでも、故障している部品は?

ボールタップの図解

ボールタップは、浮き玉や給水管、手洗い管など様々な部品と連携しています。そのため具体的にどこが故障しているのかを突き止めないと、修理することが難しいのです。

  • 浮き玉が上がらない
  • 浮き玉の支持棒が動かない
  • バルブのパッキンが劣化

おもに上記のような症状が考えられます。

なんらかの原因で浮き玉がうまく上がらない場合は、バルブが開きっぱなしになってしまうので、水が出続けてしまいます。

またバルブ自体の劣化によって、うまく水をせき止められず、水がチョロチョロと漏れ続けることも。

浮き玉が上がらない、支持棒が動かない

便器への給水が止まらない原因の一つは、ボールタップと連動し水位を伝える浮き球が、何らかの異常で下がっている可能性が考えられます。

具体的には、タンク内の別の部品が浮き球に引っかかっている、浮き球自体にゴミが付着したりコケが生えたりして重くなっているといった状態です。

また、浮き球には問題がなくても、ボールタップと浮き球の接続部分の劣化により、水位がうまくボールタップに伝わらないことも原因として考えられます。

まずは浮き球に異常がないかを確認し、異常がなければボールタップが交渉していると判断し、交換などの対応をしてみましょう。

バルブのパッキンが劣化

手洗い管の水が止まっているのに、タンク内ではチョロチョロと音がし続けていることがあります。この場合、バルブのパッキンが劣化しているかもしれません。

逆にタンク内の水量がうまく溜まらない場合にも、バルブが必要以上に水をせき止めてしまっている可能性があります。

バルブが上手く動かない原因は、おもにゴミやサビにより固着すること。長時間使用されていないトイレで起こりやすいトラブルです。

まずは弁の周りを歯ブラシなどによる簡単な掃除で治ることがあるので試してみましょう。

ダイヤフラムの劣化、フィルターの目詰まり

ダイヤフラム、フィルターがあるタイプのボールタップ

上画像のようなボールタップの場合には、以下のような症状が考えられます。

  • ダイヤフラムの劣化
  • フィルターの目詰まり

ダイヤフラムとは、給水や止水をスムーズにするための部品です。この部品が動かなくなったり、接続部から水漏れしたり、といったときにはダイヤフラムを交換しましょう。

またフィルターが目詰まりを起こして、うまく給水できないことも。その場合、フィルターを取り外して掃除しましょう。レバーを回すだけで外れるので、ブラシで軽く水洗いします。

ボールタップを自分で交換する方法

ボールタップを自分で交換する方法
ボールタップを自分で交換する方法

ボールタップを自分で交換すれば、気になるちょろちょろとした水漏れを自力で解決することができます。ボールタップを交換する方法は意外と簡単で、必要なアイテムもDIYで使用する一般的なものばかりです。

自分で交換するのが初めての方は、交換方法を把握してから挑戦してみましょう。

必要なアイテム

故障したボールタップを自分で交換する際に必要なアイテムは、次の3つになります。

  • 新しいボールタップ本体
    故障したボールタップと取り換える新品を用意しましょう。
  • モンキーレンチ
    ボールタップと浮き球を接続しているナットを外すのに使用します。
  • マイナスドライバー
    止水栓を閉めて、タンクへの水の供給を止めるのに使用します。
    固い場合は力の入りやすい、専用の水栓ドライバーを用意すると良いでしょう。

また、あると助かるアイテムも紹介します。

  • ゴム手袋
    交換作業中の怪我や汚れから手を保護するために、用意しておくとよいでしょう。
    トイレタンク内は部品が多く作業がしづらい場合があり、さらに部品が外れた反動などで手をぶつけて怪我をするリスクがあるからです。
  • 雑巾とバケツ
    止水栓を閉めて水の供給を止めていても、残った水が漏れたり、取り外した部品が濡れたりすることがあります。
    その際に、雑巾やバケツを用意していれば余計な浸水を防ぐことができます。

ボールタップを丸ごと交換する場合

ボールタップの分解図

浮き球付きのボールタップの交換手順は、次の8ステップです。

  1. トイレの止水栓を閉め、ハンドルを回してタンク内の水を流し切る
  2. タンクのふたを持ち上げて、ボールタップから手洗い管を外す
  3. タンクと止水栓に接続しているナットを外し、給水管を取り外す
  4. タンクの側面についているボールタップを固定しているナットを外す
  5. 故障したボールタップを外し、接続部にパッキンを入れて新しいボールタップを取り付ける
  6. タンクと止水栓のナットを付け直し、給水管を取り付ける
  7. 手洗い管を接続し、タンクのふたをかぶせる
  8. 止水栓を開け、水漏れがないことを確認する

浮き球なしの場合も基本的には同じ手順です。

浮き球のみを交換する場合

ボールタップに異常がなく、浮き球のみを交換する場合の手順は、次の7ステップです。

  1. トイレの止水栓を閉め、ハンドルを回してタンク内の水を流し切る
  2. タンクのふたを持ち上げて、ボールタップから手洗い管を外す
  3. ボールタップと浮き球を接続しているナットをレンチで緩める
  4. 古い浮き球を外して、新しい浮き球を取り付けてナットを締める
  5. 浮き球を上下に動かし、異常がないかを確認する
  6. 止水栓を開けてタンク内に給水し、浮き球が上昇することを確認する
  7. 手洗い管を取り付け、タンクのふたをかぶせる

ボールタップで水位を調節する方法

ボールタップで水位を調節する方法
ボールタップで水位を調節する方法

ボールタップや浮き球を交換したら、水位を調整する必要があります。交換まで自分で対応できたら、次は調整にチャレンジしてみましょう。

ここでは正しい水位の確認方法や、正常な水位に調整する方法について紹介します。

浮き球ありの場合

トイレのボールタップの交換方法:アームの曲げ方

浮き球がある場合の水位の調整する方法は次の9ステップです。

  1. 止水栓を閉めてタンクのふたを開ける
  2. 正常な水位であるオーバーフロー管の<-WL->メモリを確認する
  3. 作業の邪魔にならない程度に、ハンドルや浮き球を使って水位を調整する
  4. 浮き球のアーム根元にあるロックナットを、ラジオペンチやレンチで緩めて外す
  5. 正常な水位より低い場合は、浮き球のアームの中央部分を上に凸になるように曲げる
  6. 正常な水位より高い場合は、逆に下に凸になるように曲げる
  7. 浮き球のアームを取り付け、ロックナット締めて固定する
  8. 止水栓を開けてタンク内に水を流し、ハンドルを回して水を流す
  9. タンク内の水位が正常が確認する

浮き球なしの場合

浮き球がない場合は、水位調整ネジで調整します。調整の方法は次の7ステップで浮き球ありの場合よりも比較的シンプルです。

  1. 止水栓を閉めてタンクのふたを開ける
  2. 正常な水位であるオーバーフロー管の<-WL->メモリを確認する
  3. タンクの水量が多い場合は、作業の邪魔にならない程度に水を流す
  4. 水位を上げたい場合は、水位調整ネジを時計回りに回す
  5. 水位を下げたい場合は、逆に水位調整ネジを反時計回りに回す
  6. 止水栓を開けてタンク内に水を流し、ハンドルを回して水を流す
  7. タンク内の水位が正常が確認する

新しいボールタップの選び方

新しいボールタップの選び方
新しいボールタップの選び方

故障したボールタップを新品に交換する場合は、種類の選び方や配管の位置など注意点がいくつかあります。

ホームセンターやネットでも手軽に手に入れることが出来る反面、良く調べずに購入すると思わぬトラブルにも繋がることもあるので、選び方についてしっかり情報をインプットしましょう。

ボールタップは主に「浮き球あり」「浮き球なし」の2種類

トイレのボールタップは、浮き球ありのタイプと浮き球なしのタイプの2種類に分かれます。どちらのタイプも、トイレタンクの水位を正しく調整する役割は同じで、水位の基準も変わりません。2つのタイプは給水管と手洗い管の位置が合っていれば互換性があるため、どちらのタイプにも交換することが可能です。

ボールタップを交換する際は、ボールタップの種類よりも「給水管と手洗い管の位置」をよく調べておくことで、取り付けできないものを購入する失敗を避けることが大切です。

確実に交換するならメーカー正規品がおすすめ

ボールタップを失敗せずに確実に交換したい場合は、メーカーの正規品を購入することをおすすめします。正規品のメリットは、必ず適合する点です。メーカーのサイトでは、ボールタップの型番などが細かく記載されているので、参考にして取り寄せましょう。

デメリットは手元に届くまで多少時間が掛かる点です。緊急性が低く今すぐに修理する必要がない場合は、正規品を取り寄せると良いでしょう。

コストを抑えたい場合は、汎用品を選ぶ手も

メーカーの正規品でなく、ホームセンターなどで手に入る汎用品を選ぶこともできます。汎用品のメリットは、正規品よりも価格が安いものが多くコストを低く抑えられる点と、近くのホームセンターやネットでも気軽に購入できる点です。

デメリットは、自宅のトイレと合うかどうかがわかりにくい点です。自信がない場合は、取り外したボールタップをホームセンターに持って良き、店員に直接確認してもらうと良いでしょう。

ボールタップ交換にかかる費用は?

ボールタップ交換にかかる費用は?
ボールタップ交換にかかる費用は?

ボールタップの交換は、トイレのちょろちょろとした水漏れを止めるために大切な作業ですが、費用はできるだけ安く済ませたいですよね?

自分で交換しようか、自信がなくて業者に依頼しようか悩んでいる方は、リスクと費用をよく比較して検討することをおすすめします。

自分で交換する場合

ボールタップを自分で交換する場合は、新品のボールタップと交換に必要な工具の費用が掛かります。作業費は無料で、さらにレンチやドライバーをすでに持っている場合は、交換品にかかる費用だけで済むのでリーズナブルです。

  • ボールタップ:2,000円~7,000円
  • 浮き球:800円~2,000円
  • モンキーレンチ:500円~2,000円
  • マイナスドライバー:300円~2,000円

業者に依頼する場合

ボールタップの交換を専門業者に依頼する場合の費用の相場は、8,000円~11,000円です。交換部品を別途要する必要があり、自分で用意するのか業者に用意してもらうのかで費用が変わるので、事前によく相談すると良いでしょう。

ボールタップ本体の費用は2,000円~7,000円と、正規品と汎用品で幅があります。少しでもリーズナブルに済ませたい方は自分で割安なものを用意するのも手ですね。

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トレイのボールタップは、新品の交換部品も工具も手に入りやすいので、自分で交換することも可能です。一方で、取り付けができないものを購入してしまったり、慣れない作業で他の部品を破損したりするリスクも無視できません。

少しでも不安があるのなら、ためらわずに専門の業者に依頼してみましょう。

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