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トイレの床から水漏れが発生!原因と対策方法・応急処置を解説

最終更新日: 2022年06月23日

トイレの床が濡れている原因は?

トイレの床に水漏れを発見したとき、もっとも深刻な原因は床下の排水管の破損、トイレのズレ、排水ソケットやフランジパテの劣化、便器のひび割れです。そのほか給水設備から水漏れして床が濡れたり、結露によって濡れたりしている可能性もあります。

トイレの床から水漏れしていたらどうする?

トイレの床から水漏れしているときは、止水栓または家の水道元栓を閉めておき、便器に残った水を排水したり、濡れた部分を拭いたりして応急処置をしましょう。賃貸の場合はすぐに管理会社に連絡してください。

水漏れしているのが床かどうか確証が持てない場合は、以下の関連記事でトイレの水漏れ原因を一覧形式で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

関連記事:トイレの水漏れはどう修理する?場所別の原因と自分でできる対処法【費用相場も解説】 | ミツモア

水漏れがひどい場合はまず応急処置をしよう

トイレの床で水漏れを発見したとき、どんどん水が出てくるような状況なら、一刻も早く応急処置をしましょう。

とくに分譲マンションのような集合住宅や賃貸住宅の場合、トイレの水漏れは隣家や階下の部屋にまで迷惑をかける恐れがあります。

1.止水栓を閉め、電源コードを外す

トイレの止水栓にドライバーを差している

まずは止水栓を閉めましょう。止水栓が開いている限り、給水ホースの中はずっと水が供給されている状態です。

上画像のようにマイナスドライバーで閉めるタイプが多いでしょう。トイレのメーカーや種類によっては、便器後方のパネルに収納されているケースもあるので注意が必要です。

止水栓を閉めても水漏れが収まらなければ、元栓を閉めましょう。元栓を閉めている間は、家全体で水の供給を止めることができます。

またコンセントから電源コードを抜いて、漏電するのを防ぎましょう。

関連記事:トイレの止水栓の閉め方・調整方法を解説 | ミツモア

2.便器の水を汲み出す

止水栓を閉めたのに、まだ床と便器の隙間から水が出ている場合は、便器内の水を汲みだしましょう。

トイレの便器の水をためる部分は、奥が狭い構造になっています。給油ポンプがあれば、スムーズに便器の中の水を抜けます。

給油ポンプが無い場合は、ひしゃくやお椀などを使って、出来る範囲で水を減らしましょう。その場合、便器内を傷つけないように注意しましょう。

3.漏れた水を拭き取る

これ以上水が漏れないという状態になったら、汚れた部分をふき取りましょう。このとき使うキッチンペーパーやタオルは、白色を使うのがオススメです。

染みこんだ水の色が茶色や黄色なら、汚水の可能性が高まります。その場合は、排水口から床下配管のあたりに問題があるはずです。

水が無色であれば、給水管からタンク、ウォシュレットまでのあいだに原因があるはずです。

水漏れの原因・場所を確認する

トイレの床から水漏れしているときには、おもに以下のような箇所に原因があると考えられます。

  • 床下の配管から水漏れ
  • 便器のひび割れから水漏れ
  • トイレと床との隙間から水漏れ
  • 排水ソケット・パッキンの劣化
  • 止水栓や給水ホースの水漏れで床が濡れる
  • トイレタンクやウォシュレットから水漏れで床が濡れる

まずは便器の周辺を目視してみましょう。床の下からジワジワと染みてきているのではなく、どこかの隙間から水が出ている場合があります。

床下の水道管・排水管からの水漏れ

トイレの床から水漏れ

【症状】

床がジワジワと濡れて、水が染みだしてくるような症状。水滴がつくのではなく、床下から濡れてくる。

【おもな原因】

排水管や水道管などの破損・水漏れ。

【対処法】

排水管や水道管の点検・修理。水道の専門業者に点検を依頼。

トイレの床下には、便器の排水を流すための排水管が設置されています。

この排水管が老朽化したり地震などによって破損したりすると、そこから水が漏れて、床までジワジワと染みてきてしまいます。

床下の水漏れはとても危険です。放置した場合、カビや菌、害虫の大発生を招く恐れがあります。また木材を腐食させ、建物の耐久性を落とす原因にもなるのです。

床全体がブヨブヨと水に濡れたような質感になってしまうと、床の張り替えが必要になります。床を張り替えることになった場合は、最も安いクッションフロアでも約5~10万円ほどが目安です。

賃貸の場合は、階下の住人に被害を与えてしまうと賠償問題に発展する可能性もあります。

床下を確認する必要があるので、とにかく早めに専門業者に連絡しましょう。

便器のひび割れから水漏れ

便器のひび割れ

【症状】

ひび割れている箇所から水が流れ、便器の周辺から濡れていく。

【おもな原因】

ものがぶつかった衝撃などによるひび割れ。

【対処法】

補修キットを購入して応急処置ができる。しかし根本的な解決にはならないので、早めに便器の交換を依頼。

便器を踏み台にしたり、便器に熱湯を注いだりといった熱湯のダメージによって、まれに便器が破損することがあります。

ただし便器は頑丈な作りになっている陶器なので、よほど強い衝撃でもない限りはめったにひび割れしません。

便器のひび割れは、応急処置だけであれば自分で行うことも可能です。

ただし早めに専門業者に連絡して、新しい便器への買い替えを検討しましょう。水漏れしたまま放置していると、床材の腐食や階下への水濡れ事故を助長してしまいます。

便器のひび割れへの応急処置

ボンド ホーロー補修用
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あくまで一時的な対処ですが、上画像のような補修キットを使って、便器のひび割れを埋めることができます。ひび割れ付近の水気を取ってから、補修材を埋めて乾かすだけです。

ほかにも陶器に使えるパテや、水場用のコーキング剤を使って、ひび割れのケアをできます。

ただし細いひび割れには、補修材を詰めるのが難しいケースが多いです。

トイレと床との隙間から水漏れ

便器と床との隙間から水漏れ

【症状】

おもに水を流したとき、便器と床の隙間から水が出てくる。使用していない間に便器内の水が減って、床に水漏れしていることもある。

【おもな原因】

  • 便器のズレ
  • 排水ソケットやパッキンの劣化
  • フランジパテの劣化

【対処法】

便器を取り外して該当箇所の修理。早めに水道の専門業者に依頼。

便器から排水管までのつなぎ目には、下画像のような「排水ソケット」という部品があります。

トイレの排水ソケットを取り付けている様子
排水ソケットの取り付け

排水ソケットが使われていない場合には、「フランジパテ」という接着剤でつながっているはずです。

配水ソケットやフランジパテが劣化すると、その隙間から水が漏れて床まで浸水してくることがあります。

この場合には、便器を床から分離して対処する必要があります。自分でムリに接着剤などで対応しようとしても、あとあと作業が大変になってしまうので、最初から業者依頼しておくのが賢明でしょう。

新築物件などで設置不良があった場合、便器のズレによって床に水漏れすることも。そんな時は建築を依頼した工務店、またはトイレの設置を依頼した業者に問い合わせましょう。

止水栓や給水ホースの水漏れで床が濡れる

トイレの止水栓と給水ホース

床に直接の原因がなく、じつは止水栓や給水ホースから漏れた水で床が濡れているというパターンもあります。

便器の裏側あたりに水が垂れていたら、止水栓や給水ホースの付近を確認してみてください。

【症状】

おもに止水栓の下や止水栓側の床が濡れている。

【おもな原因】

パッキンの劣化やナットの緩み。分岐金具(ウォシュレットに排水するための金具)や給水ホースの劣化も考えられる。

【対処法】

パッキン交換、ナットの締め直し、分岐金具の交換、給水ホースの交換など。自分でも対処可能。

部品の劣化ではなく、ただナットが緩んでしまっている可能性もあります。まずは交換作業に入る前にナットを一度閉め直して水漏れが改善するかチェックしてください。

ナットを閉めても水漏れが改善されなければ、給水ホースごと変えたり、接続部に使われているパッキンを交換したりして対処しましょう。

ただし給水管自体がひび割れていたり、給水管と床・壁との接地面から水漏れしていたりする場合には、自分での対処は難しいので水道の専門業者に連絡しましょう。

パッキン交換の手順

  1. 止水栓を閉めて、止水栓の下にバケツや雑巾を敷く
  2. モンキーレンチでナットを緩める
  3. ゴムパッキンや給水ホース、分岐金具など任意のパーツを新品とと交換
  4. 逆順で取り付けて止水栓を開ける

パッキン交換するときには、給水ホースを取り外す必要があります。そのとき、ホース内に溜まっていた水があふれてくるので、下にバケツや雑巾を用意しておきましょう。

トイレの型番などによって取り付け可能な部品が異なります。購入するパッキンや分岐金具が取り付け可能かどうか、あらかじめ直径サイズやメーカーなどを確認しておきましょう。

ナットを閉め直すときは強く閉めすぎるとパッキンが割れてしまうので注意してください。

和式トイレのパッキン交換も手順は一緒です。止水栓を閉めることを忘れないようにしましょう。

トイレタンクや温水洗浄便座から水漏れで床が濡れる

トイレタンク

止水栓や給水ホースと並んで、水漏れしやすいのがトイレタンクや温水洗浄便座(ウォシュレット)です。

とくに便器背面の床が濡れているときにはチェックしてみましょう。

【症状】

トイレタンクと便器の隙間や、温水洗浄便座と便器の隙間などから水漏れして、床に水滴が落ちる。

【おもな原因】

パッキンの劣化、ナットの緩みなど。

【対処法】

パッキンの交換、ナットの締め直しなど。

タンクの接続部や、便座と便器の隙間などを確認してみてください。

おもにパッキンの劣化が原因となることが多いですが、以下のように様々な場所にパッキンが使用されています。

  • タンクと便器とのつなぎ目
  • タンクと給水ホースとのつなぎ目
  • タンクの水栓レバー
  • ウォシュレットのノズル
  • ウォシュレットの給水フィルター

タンクと便器とのつなぎ目にあるパッキンは、タンクを取り外さないと交換できません。

そのほかの場所のパッキンは比較的カンタンに交換できますが、トイレタンクやウォシュレットの構造は複雑なので、「パッキン交換しても水漏れが直らない」というケースも考えられます。

またこれらの場所のパッキンだけでなく、タンク内部の「ボールタップ」や「ゴムフロート」などが原因になって水漏れしていることも。

そのため基本的には、専門業者に依頼するのがオススメです。

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水漏れと間違いやすい症状もある

水漏れではないけれど床が濡れてしまう症状もあります。おもに「結露」「尿ハネ」という可能性があるので、確認してみましょう。

結露

結露水のついたグラス

いつもではなく「たまに水漏れしている」とき、もしくはタンクの周りに水滴がついていたりする場合は、結露した水が床に落ちている可能性があります。

暖房によって温度差が生まれやすい冬場や、湿度の高い梅雨時に多い現象です。

便器、タンク、そして便器内の水温などと、トイレ室内の温度との差が大きくなることで発生します。

この場合、トイレの故障が原因ではないものの、結露が頻繁に起こることでカビや腐食の原因になってしまいます。こまめな換気や拭き掃除、また結露対策などが大切です。

暖房機能がついている便座を使用している方は、暖房機能を使用して便座を温めておくことで結露を防ぐことができます。

防露タンクや防露便器を設置するのもひとつの手です。どちらも断熱材が施されていて、少し値は張りますが、腐食やカビを防ぐことが可能です。

トイレの隙間テープ

サンコー ズレない汚れ防止テープ おくだけ吸着
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上の製品のように、便器の下部に吸水シートを設置しておくと便利です。結露によって発生した水分が垂れてきたとき、吸水してくれます。尿ハネによる汚れの防止にも便利です。

尿ハネ

便座の上がったトイレ

立小便をしていると、尿ハネなどで垂れた水分が床に染みこんでしまうケースがあります。一見すると水漏れのようですが、便器の手前側だけ濡れているなら尿かもしれません。

尿がはねている場合は、除菌ペーパーなどで丁寧に拭き取ったあとにアルコールスプレーなどで消毒しましょう。

トイレの水漏れ修理にかかる費用

トイレ
修理にかかる費用

水道の専門業者に依頼する事態は、そう頻繁に起きるものではありません。あらかじめ、トイレの水漏れで専門業者に依頼する時に費用はどのくらいかかるかの目安が念頭にあれば、万が一の際にも安心です。

費用相場は8,000~24,000円

トイレの床の水漏れで、修理を専門業者に依頼した場合の費用目安は以下のとおりです。

トイレの止水栓交換 約12,000~24,000円
トイレの部品交換 約8,000~12,000円

修理の内容や範囲にもより変動するため、金額に幅があります。

緩んだナットを締めたり、劣化したパッキンを交換したりするだけといった軽微な修理なら、自分で修繕して節約することもできます。

関連記事:水道の水漏れ修理の料金はどれくらい?箇所別の料金や直す手段を紹介 | ミツモア

自分で水漏れを修理できる?

水漏れしている場所・原因が分かったら、自分で対処できるかどうかを判断しましょう。

自分で対処できる
  • 止水栓や給水ホースの水漏れ
  • トイレタンクやウォシュレットから水漏れ
  •  結露への対策
専門業者に依頼
  • 床下の配管から水漏れ
  • トイレと床との接地面から水漏れ
  • 排水ソケット・パッキンの劣化
応急処置ならできる
  • 便器のひび割れから水漏れ

上記を参考に、水漏れへの対処を検討してみてください。

床下の配管が原因の場合は、専門的な知識・技術が必要です。業者に依頼しましょう。

関連記事:トイレの水漏れはどう修理する?場所別の原因と自分でできる対処法 | ミツモア

マンション・賃貸の場合の注意点

マンションのベランダ
マンション・賃貸の場合の注意点

マンションや賃貸住宅のトイレで床に水漏れが発生した場合は要注意です。対応が遅れたり、対処方法を誤ったりすると、隣家や階下の住宅にまで水漏れ被害が及ぶ危険性があります。家財にまで被害が多んだ場合は賠償責任を問われ、甚大なご近所トラブルに発展する恐れも。

ここでは、マンションや賃貸住宅で発生するトイレの水漏れで、特に注意すべき点を紹介します。

すぐに管理会社に連絡することが重要!

賃貸で水漏れしたら、すぐに管理会社に連絡しましょう。水漏れに気づいていて放置していると、床の張り替え費用が借主負担になるなど、トラブルにつながる恐れがあります。

また勝手に水漏れ修理を依頼してしまうと、管理会社や大家さんの所有物であるトイレに手を加えてしまうことに。すると退去時に原状回復が必要になったとき、高額な費用がかかる可能性があります。

またマンションのような集合住宅や、賃貸住宅の場合は、隣家や階下の住宅にまで水漏れ被害が及んだことで賠償責任を求められる可能性も。

今はトイレの床の水漏れという形で露呈していても、以前から目に見えない所でじわじわ水漏れし、静かに住居を水浸しにしている危険性もあります。

水漏れに気づいた時点で管理会社にすぐ連絡し、その後の対応を仰ぎましょう。

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たまにわずかに水漏れするだけ、チョロチョロと流れる程度、まだ放置してもいいだろう。こういった自己判断は大変危険です。トイレの水漏れに気づいたらすぐに対応する必要があります。

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