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トイレを増設するには?設置場所や費用などリフォーム知識を解説

最終更新日: 2022年11月19日

毎日使うトイレは、私たちの生活に欠かせない設備です。ライフスタイルの変化に合わせてトイレを増設したいけど、価格や設置場所などが気になっている方は多いのではないでしょうか。

この記事では、トイレの増設にかかる費用や適切な設置場所はもちろん、リフォーム前に知っておきたい知識やポイントについても解説します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

トイレ増設工事の費用は50万~100万円

リフォームを表す道具

トイレの増設には、ざっと50〜100万円かかるのが一般的です。ケース別に費用相場を紹介します。ご自身の希望条件や予算と照らし合わせてみてくださいね。

1階にトイレを増設する費用

1階に1畳ほどのトイレを増設する場合、70〜100万円の費用がかかります。増設費の内訳は以下の通りです。

トイレ本体 約10万円
トイレの設置費用 約10万円
壁の解体・設置費用 約20万円
壁クロスの張り替え 約5万円
床材の張り替え 約3万円
照明器具の取り付け費用 約5万円
電気配線工事費用 約3万円
給排水管工事費用 約5万円
廃材処分費用 約8万円

上記にプラスして手洗い場や収納を設置する場合、追加で10万円かかります。

いずれのケースも増設費の相場は業者によって異なります。そのため事前に見積もりをとった上で、詳細に確認することが必要です。

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2階にトイレを増設する費用

2階にトイレを増設する場合の費用相場は、80〜150万円です。

1階のトイレから離れた場所に設置する場合、費用は高額になる傾向があります。給排水管を延長したり、1階への水漏れを防止したりする工事が追加されるためです。

1階のトイレの真上にトイレを増設する場合、工事費はそれほどかさみません。

2階の増設費の内訳は以下のようになっています。

トイレの増設費 約70万円
給排水管の延長工事費用 10〜20万円
防水工事費用 約5万円

水圧の低さが見られる場合、追加で15万円ほど水圧を補正するための増設工事が必要になります。

家を増築してトイレを増設する費用

家を増築してトイレを増設する場合の費用相場は80〜200万円です。

増築面積や給水管・排水管の距離によって費用は異なります。2階を増築する場合、トイレ部分だけ飛び出た、見た目に違和感のある家になってしまう点には注意が必要です。

バリアフリートイレを増設する費用

バリアフリーのトイレ

バリアフリーリフォームの一環でトイレを増設する場合、110〜150万円が大体の目安です。

バリアフリーリフォームでよく見られる費用項目は以下の通りです。基本のトイレ増設費となる70万円にプラスして追加されることになります。

トイレの増設 約70万円
手すりを取り付ける 5〜15万円
介護用トイレリフトを設置する 20万円
引き戸を設置する 15万円

バリアフリーを目的にトイレを増設する場合、洗面所などもともとある広いスペースを活用するのがおすすめです。

車椅子を移動させやすいほか、工数が少なく済むため費用を抑えることもできます。

ただし給排水管の位置によっては、延長工事分の費用が加算される可能性もあります。

マンションのトイレを増設する費用

マンションにトイレを増設する場合、35〜140万円かかると見ておきましょう。一戸建てよりも3割ほど安くなるのがポイントです。

ただし増設前には、管理規約の確認を必ず行わなければなりません。マンションのトイレの増設には、設置場所の床下に十分な空間があることが必須条件です。

マンションの給排水管は、共用部の立て管と専有部の横枝管の2つで構成されています。トイレを増設するためには、横枝管を延ばして勾配を持たせることが必要です。

床下に勾配を確保できるだけのスペースがなければ水流を保てず、トイレのつまりや漏水の原因につながりかねません。

また管理規約には、床材の指定がなされていることもあります。その場合、20〜30万円ほど加算される点にも気をつけましょう。

トイレ増設工事の費用を左右する要素は3つ

綺麗なトイレ

トイレの増設費用を左右する要素は3つあります。できるだけ費用を抑えたければ、「もともとある給水管の近い場所にベーシックなトイレを設置する」のがおすすめです。それぞれ以下で詳しく解説していきます。

①増築の有無

トイレを増設する場所は、「既存のスペースに設置するケース」と「新しく増築して設置するケース」の2つに分けられます。増築せずに既存のスペースを活用すると費用を抑えることが可能です。

増築なし 40〜100万円
増築あり 70〜200万円

②配管の位置

トイレ増設の総工費に1番影響を与えるのが給排水管の距離です。

給排水管を延ばす工事には、床下の防水処理や水流を確保するためのポンプの取り付けなどが含まれます。

距離が短ければ短いほどこれらの工事を行う手間が省けるため、低コストで済みます。以下が給水配管の工事にかかる費用の目安です。

10mまで給排水管を延ばす 約10万円
20mまで給排水管を延ばす 約20万円

実際の距離については床下などを確認する必要があるため、専門業者に一度状態を見てもらいましょう。正確な距離が分かれば全体的なコストも明確になります。

③トイレ本体のグレード

トイレ本体には「ウォシュレットトイレ」「タンク式トイレ」「タンクレストイレ」の3タイプがあります。

ウォシュレットトイレ 5〜10万円
タンク式トイレ 約6万円
タンクレストイレ 10〜20万円

一番高価なのは、スタイリッシュな見た目が人気のタンクレストイレです。同じタイプでもデザインや機能によっても値段が異なるので、予算に見合ったものを選びましょう。

パナソニック 全自動おそうじ トイレ アラウーノ 130タイプ3 ホワイト CH1303WS

 ただし2階の増設を検討している方は、タンクレストイレはおすすめできません。高い水圧を要するため、もともとの位置よりも高いところに水道管が伸びると水圧は弱くなり、機能が低下してしまうからです。

2階のトイレ空間をスッキリ見せたい場合は、タンク式でもコンパクトなトイレを選ぶとよいでしょう。費用も安く済みます。

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関連記事:トイレを徹底比較!メーカー・機種・グレードごとの機能・価格などの違いは?|ミツモア

関連記事:タンクレストイレにリフォームしたい!費用相場やおすすめ製品を紹介|ミツモア

トイレの増設費を安く抑える4つのコツ

チェックポイント

高額なトイレの増設を安く抑えるコツを4つ紹介します。

①トイレのグレードを落とす

トイレそのもののグレードは増設費に影響します。そのためタンク付きトイレを選ぶだけでも、10〜15万円費用が浮くことが多いです。

機能面や仕様、オプションが気になる方も、まずはタンク付きトイレから探してみるのがおすすめ。タンク付きであっても、コンパクトなデザインや機能性に優れたモデルが販売されています。

②1階 or 既存トイレの真上に増設する

「増設するトイレから給排水管の距離がどれくらいあるか」も増設費を左右します。2階ではなく1階に設置すると、距離が短くなるため費用はかさみません。

2階に設置したい場合は、1階のトイレの真上がおすすめです。給排水管の延長工事を最低限で済ませることができます。

③排水圧送ポンプを活用する

圧送式の水洗トイレを設置するのも費用を安く済ませるコツです。下水や浄化槽に直接つながる圧送ポンプが搭載されていることにより、家のどこにでもトイレを設置できます

そのため給排水管の近くにトイレを増設できなくても、費用がかさむ心配がありません。

増設費は暖房機能付きであれば28万円〜、ウォシュレット付きであれば35〜40万円が目安です。

また配管工事を必要としないため、マンションの管理規約に抵触する恐れもありません。工期も半日〜1日と短く済みます。

④補助金・減税制度を活用する

トイレの増設で利用できる補助金・減税制度には以下があります。

  • 介護保険による住宅改修費
  • 自治体の補助金・助成金制度
  • リフォーム減税

介護を理由にトイレを増設する場合、介護保険を利用できる可能性があります。

​​要支援、または要介護認定を受けた被保険者が居住している住宅を対象に、20万円の上限のもと費用の7〜9割が支給されます。

対象となる工事内容はあらかじめ決まっているため、事前にケアマネージャー(介護支援専門員)に相談してみるとよいでしょう。

地方自治体でも、トイレの増設が対象となる補助金・助成金制度を用意している場合があります。自治体によって支給額や条件は異なるため、工事前に自治体の窓口で詳細を確認してみましょう。

トイレの増設・増築もリフォーム減税の対象となる可能性があります。確定申告をすると、所得税もしくは固定資産税が減額されます。条件に合うかどうかは、お住まいの地域の税務署や資産税課などに問い合わせてみてくださいね。

関連記事:トイレリフォームの補助金・助成金をもらいたい!申請条件や対象者・手順など|ミツモア

トイレ増設工事にかかる日数

トイレ 取り付け 便器

トイレの増設工事にかかる日数は、5~7日が目安です。以下の場合は、工期が1週間以上かかります。

  • 増築してトイレを増設する場合
  • 部屋の間取りを変更してトイレを増設する場合
  • 給排水管の距離が長い場合

トイレを増設する場所の候補

増設後のトイレ

「トイレはどこに増設できるのだろう」「面積はどのくらい必要なのだろう」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。トイレを増設する場所の候補をいくつか紹介します。

1㎡あれば増設できる

トイレは1㎡ほどの面積があれば増設可能です。1㎡はおよそ畳1枚分のスペースであるため、あまり使用されない床の間などをトイレに変えることもできます。

家の間取りを確認しながら、あまり使用しない部屋や無駄なスペースがないか見直してみましょう。

どうしても1㎡の余裕が見つからない場合は、トイレ用のスペースを増築し設置する必要があります。増築作業は工数が多いため、その分費用が高くつく点には注意が必要です。

よくある増設場所

部屋に隣接して増設したい場合は、廊下やクローゼット、押し入れ、床の間をトイレ用のスペースとして確保するのがおすすめです。

無駄なスペースがない場合は、部屋を区切ってトイレを設置する方法もあります。寝室のすぐ近くにトイレを増設したいときに便利です。

2階にトイレを増設したい方は、階段横のスペース(デッドスペース)を活用することを推奨します。トイレを設置するのに十分な広さを確保できる場合が多いため、増設しやすいのが特徴です。

トイレを増設する前に知っておきたい注意点

注意

トイレを増設する際の注意点を5つ紹介します。一緒に見ていきましょう。

配管や構造によっては増設が難しい

増設場所によっては、新たなトイレ用の配管の設置が必要です。トイレの配管には一定の傾きが必要なため、工程に床のかさ上げが含まれることもあります。

あらかじめ自宅の設計を業者に見てもらい、設置場所について相談してみましょう。

マンションやアパートなどの集合住宅は給排水管の一部が共有部分に当たるため、個人の希望だけでは施工ができません増設前には管理規約に目を通しておくことをおすすめします。

設置場所に制約がある場合、小型のポンプユニット「排水圧送ポンプ」を採用する方法があります。

床への大がかりな工事が必要ないため、設置場所の制約がありません。フランス製の「SFAポンプ」という商品が代表的です。値段はおおよそ10万円です。

SFA 排水用圧送粉砕ポンプ サニアクセス3

2階やマンションはタンクレストイレの増設が難しい

一戸建ての2階やマンションは水圧が弱いため、タンクレストイレを設置できない可能性が高いです。水道に直結しているタンクレストイレは、強い水圧で洗浄する必要があるからです。

タンクレストイレが設置できるかどうかは、その家の状況によって変わります。増設前に業者に相談してみるのがおすすめです。

寝室近くの増設は音や臭いに気をつける

「寝室を区切って増設したい」「寝室の押し入れをトイレにしたい」

このようなケースに当てはまる場合、トイレの音や臭いに気をつけましょう。寝ている間、ドアの開け閉めや水を流す音が気になることが予想されます。日中もトイレからの臭いが気になるかもしれません。

トイレの防音・防臭には以下のような対策があります。

防音ドアを使う 11万円〜
流水音の静かな便器を採用する 24万円〜
吸音材の天井にする 3万円〜
消臭機能のある便器を採用する 15万円〜

どの対策が適しているかは、トイレの広さや設置場所によって変わります。事前に業者に見てもらい、相談した上で施工してもらいましょう。

階段横の設置は転落に気をつける

デッドスペースを活用したいと思って階段横に増設するのはいいものの、転落する恐れがあるので要注意。

高齢者や小さな子供が夜中にトイレに行った際、誤って階段から落ちるリスクが考えられます。

階段の横に設置したい場合、扉の向きや開閉方法、階段との位置関係について業者と相談しておくことが必要です。

出入り口となるドアは、できるだけ階段から距離を置きましょう。また外開きのドアではなく引き戸を選ぶことで、ドアにぶつかって転落するリスクを防ぐことができます。

ドアはスペースに合わせて選ぶ

トイレのドアには「開き戸」と「引き戸」があります。家庭用トイレのほとんどは、ドアノブやレバーに手をかけて開閉する「開き戸」です。

一般的には、トイレから外側に向かってドアが開く「外開き」が採用されます。ドアのタイプごとにメリット・デメリットを紹介します。

外開き

メリット
  • 外に出やすい
  • トイレ空間が狭い方におすすめ
デメリット
  • 扉の外に物を置けない
  • 階段近くには設置できない

内開き

メリット
  • トイレに入りやすい
  • 不意に開けても人にぶつかる心配がない
デメリット
  • トイレから出にくい
  • トイレの空間が狭く感じる
  • 狭い増設スペースには向いていない

引き戸

メリット
  • 出入りしやすい
  • 高齢者がいる家庭におすすめ
デメリット
  • 気密性が低く音漏れしやすい
  • ドアのレールにゴミが溜まりやすい
  • 寝室近くには向いていない

庭にトイレは設置できる?

外に設置されたトイレ

庭にトイレを増設する方法は3つあります。

  • 仮設トイレを設置する

一時的に設置されるイメージの強い仮設トイレは、個人住宅のトイレ増設にも採用できます。簡易水洗トイレであれば、簡単にDIYで設置可能です。

  • 離れにトイレを増設する

庭に離れがある場合、離れをトイレの増設スペースとして活用するのも1つの手です。

  • 母屋を増築してトイレを設置する

庭のある戸建て住宅であれば、母屋を増築してトイレを設置する選択肢もあります。ただし仮設トイレや離れへの設置に比べて、大掛かりな工事を要します。

費用がかさんだり工期が延びたりするケースを避けたい方には向いていないでしょう。

庭に増設するトイレは、以下の2つから選ぶことが可能です。

水洗式トイレ 簡易水洗トイレ
  • 下水道が整備されている必要がある
  • 臭いの心配がない
  • 下水道が整備されていなくても設置可能
  • 排泄物の汲み取りが必要
6万円〜 3万円〜

水洗式トイレは下水道が整備されていることが条件です。下水道は整備されていないけれど水洗式トイレを設置したい場合は、浄化槽の設置が必要になります。

浄化槽の設置は約60万円と高額なので、ご自宅の状況に合わせて選ぶのがおすすめです。

施工業者を選ぶ際のポイント

トイレの施工業者

トイレを増設する際、業者選びはとても大切です。予想を上回る出費になったり理想通りに仕上がらなかったりするケースもあります。業者選びのポイントを2つ紹介します。

①複数社から見積もりを取る

トイレの増設を依頼できる「リフォーム会社」はたくさんあります。最初から1つに絞るように選ぶのではなく、いくつか候補をピックアップして選びましょう。さらに各社から見積もりを取ると、比較検討しやすくなります。

見積もりを見比べることで、トイレ増設の費用相場がいくらなのかが見えてきます他社の見積もりを提示すれば、値引き交渉にも応じてくれるかもしれません。

複数社から見積もりを取るときは、リフォーム業者が多数登録しているミツモアを活用しましょう。各社ごとに依頼せずとも、一括して見積もりの取得が可能です。

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②料金やアフターフォローに注目して比較する

業者を比較するときは、料金やアフターフォローに注目しましょう。特に追加料金が必要かどうか」は押さえておくべきポイントです。

リーズナブルな価格を提示していても、「実際に工事をしたら追加料金を取られてしまった」というケースもあります。

基本料金以外の費用を明示している業者、追加料金を事前に知らせてくれる業者は信頼ができるでしょう。

増設後にトラブルが発生した場合を想定するなら、保証サービスがあるかどうかも重要です。休日・夜間対応の有無や保証期間など、しっかりと保証内容を確認しておきましょう。

トイレリフォームのプロを探すならミツモアがおすすめ

トイレの増設には高額な費用がかかります。失敗のないリフォームを行うためには、綿密な計画と業者選びが大切です。

増設にかかる費用は、トイレ本体の価格以外に施工費も含まれています。どのタイプをどこに設置するのか、その内容によって費用が大きく異なります。予算に沿った増設で、快適な住まいを手に入れましょう。

ミツモアでは豊富な経験と知識を持ったプロにトイレリフォームの見積もりの依頼ができます。

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