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副業の税金でもう悩まない!確定申告が不要な3つのパターン【20万円ルール】

最終更新日: 2024年06月28日

副業をしている方や、これから始めたい方にとって「税金がどうなるのか」「いくらから確定申告が必要なのか」は頭を悩ませる問題ではないでしょうか。副業の場合でも収入や所得の額によっては所得税の確定申告が必要です。

「普段は会社で年末調整をしている」「税金のことはよくわからない」というあなたのために、所得税の確定申告をしなくてもよいパターンや必要な場合のやり方について解説します。(以後、「確定申告」は所得税の確定申告を指します)

この記事を監修した税理士

安田亮公認会計士・税理士事務所 - 兵庫県神戸市中央区元町通

 

副業の確定申告が不要な3つのパターン【20万円ルール】

PCで副業をする男性

副業の収入と所得の合計が年間20万円以下であれば、確定申告は必要ありません。

収入とはアルバイトやパートの方は「給料」が、個人事業主であれば「売上」が該当します。また所得は「収入-経費=所得」の計算式で算出可能です。

副業がアルバイト・パートで、年間「収入」が20万円以下

アルバイトやパートのように雇用主に雇用されて副業を行なっている場合「年間収入が20万円以下」であれば確定申告は不要です。

【副業の例】

  • ファーストフード店でのアルバイト
  • 家事代行サービスの会社に登録して家事代行を行う
  • ベビーシッターの派遣会社に登録してベビーシッターを行う
  • コンビニでパートとして勤務

雇用主から受け取った給与(収入)が1月1日~12月31日の1年間で合計20万円以下であれば、確定申告は必要ありません。その際、20万円以下かどうかの判断基準となる「収入」は手取り額ではなく源泉所得税や社会保険料を天引きされる前の金額が該当します。

また副業がアルバイトやパートで年間収入が20万円以下であっても、ふるさと納税や医療費控除等を行なう方は確定申告が必要です。

副業がアルバイト・パート以外で、年間「所得」が20万円以下

アルバイトやパートのように雇用されておらず、副業を「個人」でしている場合「年間所得が20万円以下」であれば確定申告の必要はありません。

【副業の例】

  • フリマアプリでの売買
  • クラウドソーシングサイトを使って事務作業を受注
  • 自動車の貸付
  • ホームページの作成
  • ベビーシッター
  • 家事代行

「年間所得が20万円以下」かどうかは「収入(売上)-経費=所得」で計算します。例えば1年間の売上が50万円あり、材料費や交通費などの経費が35万円かかっていたとしましょう。この場合の所得は「50万円-35万円=15万円」となり、確定申告が不要となります。

ただし、副業の年間所得が20万円以下であっても、ふるさと納税や医療費控除等を行なう方は確定申告が必要なので注意してください。

副業がアルバイト・パートとそれ以外の両方で、「年間の収入や所得の合計」が20万円以下

副業が「アルバイト・パート」と「個人」の両方の場合「年間の収入や所得の合計が20万円以下」であれば、確定申告は不要です。

【計算式】

1年間のアルバイト・パートの天引き前給料+(1年間の個人で稼いだ売上-経費)

ただし、このケースの場合もふるさと納税や医療費控除等を行なう方は確定申告が必要です。

住民税は別で申告が必要

副業で得た所得や収入が20万円以下であれば確定申告は不要ですが、住民税は別で申告する必要があります

確定申告とは、そもそも所得税を申告・納税するための行為です。副業で確定申告が不要となるケースがあるのは、所得税法によって「年末調整を受けた給与所得以外の所得が20万円以下の場合は申告不要」といった特別措置が設けられているからです。しかし、住民税にはそのような特別措置は設けられていません。

また住民税は確定申告で確定した所得などの情報が市区町村に送られることで算出されます。そのため、確定申告の必要がないからといって住民税の申告も行なわないでいると、副業の所得が市区町村に正しく伝わりません。

もし住民税の申告を行なわなければ、不正に納税していないことになってしまいます。申告漏れに該当する行為なので、忘れずに住民税の申告を行ないましょう。

副業の確定申告をしないとどうなる?バレる理由も解説

PCで副業する女性

必要であるにも関わらず副業の確定申告をしなかった場合、罰則が課せられるおそれがあります。税務署による税務調査が行なわれていることからも「バレないだろう」という考えは禁物です。

「無申告加算税」や「延滞税」などの罰則が課せられる

副業の確定申告をしなかった場合、延滞金の支払いや懲役などの罰則を受ける可能性があります。

状況 罰則
確定申告の期日に間に合わなかった
  • 無申告加算税
  • 延滞税
確定申告は行なったが、納税しなかった
  • 延滞税
確定申告額を少なめに間違えてしまった
  • 過少申告加算税
確定申告を忘れていた
  • 無申告加算税
  • 延滞税
意図的に副業の確定申告をしなかった
  • 租税逋脱罪

基本的に、意図的ではない確定申告のミスや申告遅れなどは税金を追加で支払うペナルティが課されます。

【無申告加算税】

「無申告加算税」とは、確定申告を期日内に行わなかった場合に課せられる税金のことです。

<税率>

  • 納付すべき税額に対して50万円までは15%
  • 納付すべき税額に対して50万円を超える部分は20%
  • 税務署の調査を受ける前に自主的に申告をした場合、納付すべき税額に対して5%

【延滞税】

「延滞税」とは税金の納付期限を過ぎてしまった場合に納める必要のある税金です。利息に近い意味合いがあります。

<税率>

  • 納期限の翌日から2月を経過する日まで年7.3%
  • 納期限の翌日から2月を経過した日以降年14.6%

【租税逋脱罪】

「租税逋脱罪」とは意図的に脱税することです。意図的に確定申告額を少なくする・確定申告しないといった行為は脱税に該当します。そのため、意図せずに申告を忘れてしまったり間違ったりしてしまった場合に比べて重い罰が課されます。

<罰則>

  • 5年以下の懲役または500万円以下の罰金

なぜ副業の確定申告を怠ったことがバレるのか

「少額なら確定申告しなくてもバレないのでは?」「副業のことは誰にも話してないからバレるわけがない」と考えている方もいらっしゃいますよね。しかし、税務調査官は常に税務調査を行なっています。少額でも誰にも話していなくてもバレるルートは存在するのです。

バレにくい・バレやすいに関係なく、確定申告を怠ることは犯罪になりえます。収入と所得の合計額が年間20万円以上の場合は、必ず確定申告を行ないましょう。

【銀行振込で報酬を受け取ったとき】

例えば、ネットで仕事を請け負い銀行振込で報酬を受け取ったとします。

このようなケースでは、取引相手の会社、または個人に「〇〇さんに報酬を支払った」という履歴が残り、かつ銀行口座に会社の給料以外の振込があった履歴が残ります。税務調査官はこのような履歴から収入を特定することが可能です。

【現金支払いで報酬を受け取ったとき】

例えば、口頭で依頼を受け現金支払いで友人にネイルを施術したとします。このような場合には、銀行の口座のようにお金の入出金を追える確たる履歴がなく、また仕事を受注した履歴もどこにも残っていません。このようなケースでは、税務調査官が収入を特定することは難しいでしょう。

しかし、難しいとはいっても完全にバレないわけではありません。現金で支払いを受け取っていても、回数が増えて金額がかさめば銀行に預けることもあるでしょう。そうなると「この日預けた多額の現金はどこから来たのか?」と税務調査官に疑われるきっかけになってしまいます。

また銀行に預けず物の購入に充てたとしても「この物を購入するお金はどこから来たのか?」と疑いの目を向けられることに。税務調査官はあらゆる面から無申告の調査を行なっているのです。

副業の確定申告が不要でもした方がお得なケース

テーブルに並べられたお札と硬貨

副業をしていて「20万円ルール」に該当しない場合、確定申告は不要です。しかし源泉徴収などですでに所得税を支払っている場合や、住宅ローン控除などの控除を利用する場合は、確定申告をしたほうがお得なこともあります。数十万円単位で節税できることもあるので、該当する方は確定申告を検討しましょう。

副業で源泉徴収をされている場合

副業で所得税が源泉徴収されている場合は、本来の納税額に対して支払った所得税が多すぎる可能性があります。所得が20万円以下であっても確定申告することで還付を受けられるかもしれません。

また、所得が20万円を超える場合には確定申告が必要ですが、場合によっては還付を受けられることがあります。いずれの場合も「源泉徴収されているときは確定申告をする」と覚えておくと、申告漏れや還付漏れを防げるでしょう。

副業所得が給与所得の場合

アルバイトであっても、一定の金額以上の給料を受け取る時には源泉徴収されます。しかし、年末調整は一箇所でしか行なわれないため、副業であるアルバイトの勤務先では年末調整を受けることはできません。そのため本業と副業の給与所得を合わせて所得税を計算し直すと、本来より多く払いすぎているということもあります。

副業所得が給与所得以外の場合

副業所得が給与所得以外のもので、源泉徴収されている場合も確定申告をした方がよいケースです。例えば原稿料などの雑所得に関して源泉徴収されている場合、確定申告により経費を収入金額から差し引くことができます。そのため、所得税が還付される可能性があります。

確定申告で控除を受けられる場合

例えば年間の医療費が10万円(年間所得が200万円以下の方は所得の5%)を超える場合は「医療費控除」が適用できます。医療費控除をすることで課税所得金額が減額され、支払う所得税額も減少します。また「住宅ローン控除」が適用されると、年に最大35万円の税額控除を受けることができ、申告税額を減らすことが可能です。

医療費控除などの所得控除や住宅ローン控除などの税額控除といった控除制度を利用する場合は、確定申告を行なうことが必要(住宅ローン控除の場合は最初の1年のみ)となります。

青色申告をしている場合

税務署で青色申告承認申請を行ない、青色申告により確定申告をしている場合は、家族への給与を経費として算入できたり、青色申告控除額が使えたりするため所得金額を減少させることが可能です。また、損失を繰り越して翌年以降の控除額とすることができるなど税制上の優遇措置が適用されます。

確定申告のやり方

電卓を打ちながら確定申告書を作成する男性

会社で年末調整を行なっている方にとって、確定申告は馴染み深いものではありません。「確定申告を自分でやったことがない」「あまり慣れていない」という方のために、確定申告のやり方をわかりやすく紹介します。

必要な書類を用意する

確定申告は下記の書類が必要です。

必要書類 特徴
本業の源泉徴収票 本業の給料や社会保険料額などが記載された書類
副業の源泉徴収票 副業の給料や社会保険料額などが記載された書類
支払調書 報酬を受け取った場合に発行される報酬額と源泉徴収額が記載された書類
副業の売上がわかる資料 契約書や発注書など
経費の領収書 副業に係る経費が発生した場合のレシートや領収書
各種控除書類 生命保険料控除やふるさと納税、医療費控除などの証明書

どの書類が必要かは、行なっている副業や個人の状況によって異なります。

確定申告書を作成する

確定申告書を用意し、実際に申告書を作成しましょう。確定申告書作成コーナーを利用してネット上で確定申告書を作成する場合には、紙の確定申告書の用意は不要です。

確定申告書第一表
確定申告書第一表(出典:国税庁)

また、下記のケースでは別表の作成も必要です。

  • 譲渡所得・雑所得がある場合:確定申告書第三表
  • 赤字を次期繰り越しする場合:確定申告書第四表
参考:確定申告書等の様式・手引き等(令和4年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)

税務署に申告する

確定申告書が作成できたら所轄税務署へ提出します。申告書の提出方法は次の2種類です。

  • 紙で税務署への郵送または持ち込み
  • e-Tax(インターネットが使えればスマホ・パソコン・タブレットにて提出が可能)

確定申告のやり方については次の記事でさらにくわしく解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。

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副業における所得税の計算方法【具体例やシミュレーションも紹介】

副業を行なった場合における所得税の計算方法を紹介します。個人で仕事をした場合(雑所得)とアルバイト・パートとして副業をした場合(給与所得)の2パターンを例に上げて解説します。

所得税の計算方法

所得税の算出は次の計算式で行ないます。

所得税=(所得金額-所得控除額)×所得税率-源泉徴収額-税額控除額

所得金額

所得税法では所得は10種類に分かれています。それぞれの所得について、収入、必要経費の範囲や所得の計算方法などが定められています。副業をしている場合には、給与所得と雑所得の合計額を計算します。

所得控除額

所得控除とは家族構成や病気の有無など納税者の事情に合わせて、所得の合計金額から一定の金額を控除する仕組みです。所得控除は社会政策的配慮から設けられている「物的控除」と、納税者の個人的事情を考慮した「人的控除」の2つに大別できます。

所得税率

所得税は「超過累進課税制度」の仕組みとなっています。「超過累進課税制度」とは、所得金額が大きくなればなるほど、税率も上がる仕組みです。所得税の税率は、下表のとおり、5%から45%の7段階に区分されています。

速算表から「課税総所得金額×税率-控除額」の計算式により所得税を算出します。

所得税の速算表
所得税の速算表 出典:No.2260 所得税の税率|国税庁

例えば、課税総所得金額が5,000,000円の所得税は次の通りです。

5,000,000円×20%-427,500円=572,500円 (所得税)

源泉徴収額

アルバイトの給料や講演などの報酬は、所得税が源泉徴収されている場合があります。源泉徴収された金額は、支払先がすでに納付していますので、計算された所得税から差し引かれます。1年間の税額から源泉徴収された税額を差し引いた結果がマイナスになると税金が戻ってきます(還付)。

税額控除

所得税の速算表から計算された所得税額から直接控除されるものを税額控除といいます。税額控除には、二重課税を排除する目的や設備投資や雇用促進など特定の政策目的から設けられているものがあります。個人の場合、住宅ローン控除がその代表です。

参考:No.1200 税額控除|国税庁

副業による所得税の計算例

副業を「個人」でしている場合と「アルバイト・パート」でしている場合の2つのパターンを例に挙げて解説します。

【副業が雑所得の場合 (個人で副業している方)】

雑所得を100万円得た場合、所得税はいくらになるのか計算してみましょう。なお、この例は雑所得なので副業がアルバイトやパートの方は該当しません。

ここからは以下の条件で計算していきます。

  • 勤務先の給与(額面)は500万円、源泉徴収された額は210,500円
  • 雑所得の収入金額は100万円、必要経費は30万円、源泉徴収は無し
  • 所得控除は基礎控除の48万円

①:所得金額の計算

最初に所得金額を計算しましょう。本業がサラリーマンで個人で副業を行なった方の場合「所得金額=本業の給与所得+雑所得」となります。

【本業の給与所得】

給与所得控除額
給与所得控除額 出典:No.1410 給与所得控除|国税庁

給与所得は給与の収入金額から給与所得控除額を差し引いて算出します。

5,000,000円-(5,000,000円×20%+440,000円)=3,560,000円

【副業の雑所得】

続いて雑所得です。雑所得は収入金額から必要経費を差し引いて求めます。

1,000,000円-300,000円=700,000円

【所得金額】

給与所得と雑所得が算出できれば、給与所得と雑所得を合算して所得金額を求めます。

3,560,000円+700,000円=4,260,000円

②:課税される所得金額の計算

算出した所得金額から控除される金額(所得控除)を差し引き、課税される所得金額を求めましょう。なお、課税される所得金額は1,000円未満を切り捨てます。

4,260,000円-480,000円=3,780,000円

③:所得税額の計算

所得税の速算表
所得税の速算表 出典:No.2260 所得税の税率|国税庁

所得金額から基礎控除を引いた金額が3,780,000円の場合、所得税率は20%と定められています。所得税額は②×税率(今回は20%)で算出されます。

3,780,000円×20%-427,500円=328,500円

④:納付する所得税の計算

このケースでは所得税額は328,500円でした。しかし、すでに会社の給料から210,500円が源泉徴収されています。この分はすでに会社から納税が行なわれているため、再度納税する必要はありません。

そのため、③で計算した所得税額から210,500円を引き、申告納税額は118,000円となります。

328,500円-210,500円=118,000円

【副業が給与所得の場合 (アルバイト・パートなど)】

副業が給与所得であるケースで計算してみましょう。なおアルバイトやパートなどを副業として行なっている方が該当します。

条件は下記の通りとします。

  • 勤務先の給与(額面)は500万円、源泉徴収された額は210,500円
  • バイト先の給与(額面)は100万円、源泉徴収された額は18,000円
  • 所得控除は基礎控除の48万円

①:所得金額の計算

給与所得控除額
給与所得控除額 出典:No.1410 給与所得控除|国税庁

本業・副業共に給与所得の方の場合「所得金額=(本業の給与+副業の給与)-給与所得控除」となります。

勤務先の給与(額面)500万円とバイト先の給与(額面)100万円を合算すると600万円となり、給与所得控除の表より給与所得控除が「収入金額×20%+440,000円」で求められることがわかります。

そのため、給与所得は以下のように計算できます。

6,000,000円-(6,000,000円×20%+440,000円)=4,360,000円

②:課税される所得金額の計算

給与所得から所得控除(基礎控除)を差し引き、所得金額を求めます。

4,360,000円 - 480,000円 = 3,880,000円

③:所得税額の計算

所得税の速算表
所得税の速算表 出典:No.2260 所得税の税率|国税庁

所得税率の表より、所得金額が3,880,000円のときは所得税率が20%、控除額が427,500円であることがわかります。

そのため以下の計算式で所得税額を求められます。

3,880,000円×20%-427,500円=348,500円

④:納付する所得税の計算

所得税額は348,500円と計算できました。しかし、すでに本業と副業の2か所の勤務先で所得税を源泉徴収されているので、この金額を差し引きます。そのため申告納税額は120,000円となります。

348,500円-(210,500円+18,000円)=120,000円

シミュレーションサイトで計算の手間が省ける

副業確定申告シミュレーター
公式HP:副業確定申告シミュレーター|CODEAL

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確定申告をするとなぜ会社に副業がバレるのか【対策も解説】

女性税理士

副業をしている方の不安事項といえば「会社に副業がバレる」ことではないでしょうか。しかし残念ながら、副業を完全にバレないようにすることはできません。会社に副業がバレる理由とバレにくくする対策について解説します。

バレる理由は住民税の額が変わってしまうから

副業が会社にバレる理由は、副業の所得に応じて住民税の額が変わってしまうためです。

サラリーマンの場合、住民税は給与から天引きされる形で勤務先が納付を代行しています。この納税方法を「住民税の特別徴収制度」といいます。

本業と副業のどちらも特別徴収となっている場合、本業の所得だけでなく、副業の所得が記載された住民税額が会社に通知されることになります。そうすると、本業の給与所得以外の所得があるということで人事部や経理部にバレてしまう可能性があるのです。

バレにくくするなら住民税は普通徴収に

副業を会社にバレないようにしたい場合、住民税を自分で支払う「普通徴収」を選択するとよいでしょう。

住民税には給与天引きで納付を行なう「特別徴収」と自分で納付を行なう「普通徴収」の2種類があります。基本的に給与は特別徴収を行なうことが法的に義務付けられているため、アルバイトやパートで副業をしている方は普通徴収を行なうことはできません。

しかし、個人で副業を行なった方は普通徴収を選択することが可能です。確定申告書の「住民税に関する事項」にある「給与・公的年金等に係る所得以外の所得に係る住民税の徴収方法の選択」の項目で「自分で納付」を選択すると、普通徴収で住民税を納めることができます。

特別徴収の場合、住民税の金額の通知書と納付書は本業の会社宛に送られてしまいます。一方、普通徴収を選んだ場合は自宅へ送付されます。そのため、副業分の住民税額が本業にバレる可能性は低くなるでしょう。

ただし、普通徴収を選択しても絶対に会社へ通知が届かないわけではありません。下記に該当する場合は、本業の会社へ差し引く税額が通知されてしまうため、本業以外の収入があることがバレてしまいます。

1 主たる給与の源泉徴収票に含まれていない所得控除を申告し、その所得控除分が副業分の所得を上回る場合(例:医療費控除30万円、副業の所得20万円のとき。副業の所得から控除が引ききれず、主たる給与の所得から差し引かれる。)

2 副業分の所得がマイナスの場合

3 所得税と住民税が差し引かれている特定口座内で取引された上場株式等に関する申告で、確定申告にて所得税や住民税を清算する場合

引用:足立区|よくあるご質問

なおこれらに該当しない場合でも、住民税の担当者の見落としやミスで会社宛に通知書が届いてしまうこともあるようです。普通徴収を選択しても会社へ通知が届く可能性があることを理解した上で、普通徴収への変更はあくまで自己責任で行ないましょう。

監修税理士からのコメント

安田亮公認会計士・税理士事務所 - 兵庫県神戸市中央区元町通

副業で確定申告をしないといけないかどうかの判定は意外に難しく、また、所得税の確定申告は不要でも住民税の申告は必要になるケースもあり、思いもよらない形で申告漏れとなってしまうことがあります。分からない場合は税理士に聞いてみましょう。

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この記事の監修税理士

安田亮公認会計士・税理士事務所 - 兵庫県神戸市中央区元町通

安田亮(公認会計士・税理士・1級FP技能士CFP🄬)1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応等を経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。所得税・法人税だけでなく相続税申告もこなす。