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確定申告で交通費を経費にするには ICカードをチャージした時の仕訳についても説明

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最終更新日: 2019年09月17日

確定申告をすれば所得から控除できる経費の一つに交通費があります。交通費は、個人事業主も会社員も経費として申告することができますが、使用したすべての交通費が経費として認められるわけではありません。経費として認められるには一定の要件があります。

確定申告できる経費の要件と判断基準を解説しながら、申告に必要な書類や手続上の注意点について詳しくご説明します。

会社員が確定申告で交通費を経費にするには

会社員が確定申告で交通費を経費にするには
会社員が確定申告で交通費を経費にするには

会社員は会社で年末調整しているので、自分で確定申告をしない方が大半だと思います。しかし、会社員でも確定申告すれば交通費が経費として認められることがあります。会社員が交通費を経費として認めてもらうには「特定支出控除」として申告します。経費として認められる特定支出控除の要件と必要書類について詳しくご説明します

会社員が交通費を控除される条件

会社員のなかには、実費交通費のすべてを会社で精算できず自費で負担している方もいます。通勤費が全社員一律支給の場合や、遠方への出張旅費が規程で定められている場合などは不足分が持ち出しとなります。そのような場合は確定申告の給与所得者の特定支出控除の制度を利用すれば経費として認められます。

特定支出控除の要件

特定支出控除として認められる経費の合計が給与所得控除額の金額の半分を超えること
・会社が発行した特定支出に関する証明書を添付すること

給与所得控除とは会社員などの給与所得者に認められている必要経費(みなし経費)のことです。所得税は、給与収入から給与所得控除額を差し引いた給与所得から、各種所得控除を引いた額に所得税率をかけて計算します。

給与所得者の特定支出控除に関する証明書
給与所得者の特定支出控除に関する証明書

給与所得者の特定支出控除に関する証明書の様式等の制定について|国税庁

特定支出控除として認められる経費

また、通勤費や交通費以外にも支払いを自己負担していれば、特定支出控除として認められるものがあります。

① 通勤費:一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出
② 転居費:転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出
③ 研修費:職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出
④ 資格取得費:職務に直接必要な資格(弁護士、公認会計士、税理士などを含む)を取得するための支出
⑤ 帰宅旅費:単身赴任などの場合で、その者の勤務地又は居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出
⑥ 勤務必要経費:書籍や定期刊行物などの図書費、制服や作業服などの衣服費、取引先との接待や贈答などの交際費等が該当(上限:65万円)

経費によって特定支出に関する証明書の様式が違いますので注意してください。

特定支出控除の証明書の種類
特定支出控除の証明書の種類 出典:国税庁

経費となる交通費について

具体的に会社員が確定申告で経費として認められる交通費は次のようなものがあります。

・通勤にかかった定期代、回数券、実費運賃、ガソリン代、高速道路料金(通勤費)
・転居先までの実費運賃、ガソリン代、高速道路料金(転居費)
・研修先までの実費運賃、ガソリン代、高速道路料金(研修費)
・資格取得のためにかかった実費運賃、ガソリン代、高速道路料金(資格取得費)
・単身赴任先から自宅へ帰った往復の新幹線や航空券を含む実費運賃、ガソリン代、高速道路料金(帰宅費)
・接待ゴルフなどの実費運賃、ガソリン代、高速道路料金(勤務必要経費)

交通費控除の計算式

確定申告の特定支出控除はどのように計算するのでしょう。交通費のなかの通勤費の計算方法を、実例を挙げてご説明します。

具体的な計算方法は次の①~③となります。

① 1年間に支払った通勤費の合計金額を計算します。

② 特定支出控除に必要な「判定の基準となる金額」を計算します。判定の基準となる金額は給与所得控除額の1/2で計算します。給与所得控除額は給与収入の金額により計算式が違いますから、会社が発行した源泉徴収票で収入金額を確認して該当する計算式で計算します。

給与所得控除額計算式
給与所得控除額計算式 出典:国税庁

③ 所得控除できる金額の計算をする。

計算式は以下の通りです。

(1年間の通勤費合計額) - (判定の基準となる金額) = (所得控除できる金額)
※判定の基準となる金額は給与所得控除額の1/2となります。

【計算例】

〇年収370万、年間交通費70万の場合(令和元年を前提とする)

年収370万は、上記の表だと「3,600,000円超6,600,000円以下」に該当するので、給与所得控除額の計算式は「収入金額×20%+540,000円」となります。

3,700,000円×20%+540,000円=740,000円+540,000円=1,280,000円

判定の基準となる金額は、

1,280,000円×1/2=640,000円

となります。年間交通費700,000円は、640,000円(給与所得控除金額の半分)を超えているため特定支出控除が認められます。

(1年間の通勤費合計額) - (判定の基準となる金額) = (所得控除できる金額)

に当てはめると、

700,000円-640,000円=60,000円

特定支出控除は60,000円となり、この金額が必要経費として認められます。

所得税を計算する場合の課税対象額は

(年収:3,700,000円)- (給与所得控除金額:1,280,000円) -(特定支出控除:60,000)= 2,360,000円

となり、2,360,000円が所得税の課税対象となります。つまり、単純計算で特定支出控除の額に所得税率を掛けた分だけ納税額が減ることになります。

この記事を監修した税理士からのコメント

安田亮公認会計士・税理士事務所 - 兵庫県神戸市中央区

経費にするためには、毎日の支出をきちんと把握する必要があります。面倒に感じるかもしれませんが、日々の交通費をまめに記録しておきましょう。
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個人事業主は事業に関わる交通費を経費にできる

個人事業主は事業に関わる交通費を経費にできる
個人事業主は事業に関わる交通費を経費にできる

個人事業主は確定申告で交通費を申告すれば経費として認められます。ただし、使ったすべての交通費を経費として申告できるわけではありません。経費として認められる交通費の種類や、実際にお金を支払った時期と経費として処理するタイミングの違い、処理する勘定科目について実例を挙げながら詳しくご説明します。

交通費は経費になる

個人事業主が使った交通費は確定申告で経費として申告できます。ただし、事業に使ったものだけです。プライベートで使用した交通費は経費として認められません。個人的な観光や旅行、事業に関係ない買い物のための交通費などは認められません。

例えば、横浜から東京品川の客先へ打ち合わせに行った交通費は経費として認められますが、打合せ後にディズニーランドに遊びに行った交通費は認められません。この場合は品川からディズニーランドの交通費はプライベートと判断されます。逆に、品川から秋葉原に事業用のパソコンを購入しに行ったのであれば、品川から秋葉原までの交通費は経費として認められます。

勘定科目は旅費交通費

個人事業主が事業に使った交通費は旅費交通費という勘定科目で処理します。旅費交通費は「出張旅費 + 交通費」をあわせたものです。交通費だけでなく出張の宿泊費なども、旅費交通費の勘定科目で処理します。勘定科目別の年間合計額は確定申告する時に使いますから間違えないようにしましょう。

【旅費交通費の例】

  • 電車代
  • バス代
  • 新幹線代
  • 特急料金
  • 航空券代
  • 船賃
  • 高速道路や有料道路の利用料金
  • ガソリン代
  • 時間制のコインパーキング代(月極の駐車場は地代家賃)
  • 宿泊費の実費(個人事業主の場合、日当の支給は認められません)

また、旅費交通費を出金した場合は次のように仕訳します。

【電車に乗り現金で500円支払った場合】

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要
旅費交通費 500 現金 500 電車代

チャージだけでは経費にならない?

交通費の精算にICカードを利用することも多いと思いますが、ICカードはチャージしたときではなく使用した時に経費となります。ICカードを利用した場合は、現金で支払った場合とは勘定科目や仕訳方法が違います。ICカードを使った場合は二段階の仕訳をすることになります。また、チャージした電子マネーも同様の扱いをしますので仕訳処理に注意してください。

【ICカードに10,000円チャージした場合(初回ICカードを作成した時)】

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要
前払金 10,000 現金 10,000 ICカードチャージ料
預託金 500 現金 500 デポジット

※チャージ料のみの仕訳は1行目となります。デポジットはICカードを最初に作る時に預ける料金です。2回目以降にチャージする時には発生しません。チャージ料とは別の勘定科目で管理します。

【ICカードのチャージ料から支払った場合】

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要
旅費交通費 500 前払金 500 電車代

旅費交通費にならない交通費

旅費交通費にならない交通費
旅費交通費にならない交通費

個人事業主が支払った旅費交通費のなかには、内容によって、確定申告で経費として認められないものがあります。会社員であった時は会社の経費として処理していたから大丈夫だと思ってはいけません。個人事業主だから認められない経費もあるのです。注意するべき旅費交通費について詳しくご説明します。

従業員との社員旅行

個人事業主が従業員と行く社員旅行は、旅費交通費ではなく、福利厚生費に該当します。ただし、無条件にすべてが福利厚生費として認められるわけではありません。確定申告で経費として認められるものと、認められないものを確認しましょう。

【福利厚生費として認められる要件】

① 旅行期間:4泊5日以内(海外旅行の移動中の飛行機の中での機内泊は、日数には含みません)
② 費用負担:会社負担額が概ね10万円程度まで
③ 参加割合:事業所の半数以上が参加すること

個人事業主自身の出張手当

個人事業主自身の出張手当は旅費交通費として認められません。会社員であれば規程に出張手当・日当・食事補助などの金額が定められていれば、規程通り支払った金額はすべて経費として認められました。

しかし、個人事業主は規程の定め通りに、それらの手当を支払ったとしても確定申告では認められないのです。認められるのは交通費の実費のみです。また、宿泊費についても、領収書の実費額しか認められませんので注意してください。

領収書が出ない場合の処理の仕方

領収書が出ない場合の処理の仕方
領収書が出ない場合の処理の仕方

個人事業主の交通費は、事業で使用した料金とプライベートで使用した料金の別を証明するのは難しいものです。しかし、確定申告や税務調査では明確に事業で使用したことを証明しなくてはなりません。領収書がある宿泊費や高速料金・ガソリン代はまだしも、公共交通機関の運賃は領収書が出るわけではなりませんから証明できる書類がありません。領収書の出ない支払の処理について詳しくご説明します。

出金伝票を書く

領収書など証明する書類がない場合は出金伝票を書きます。これは、事業のために使用した交通費の支払だと証明し、確定申告で経費として認めてもらうためです。そのため、出金伝票には基本的には次の記載項目が必要となります。

【出金伝票の必須記載項目】

・支払日
・金額
・交通機関名
・利用区間
・理由

出金伝票は項目を満たしていれば様式は問いません。100円ショップやネット通販でも100円前後で販売していますし、エクセル様式に入力して印刷して保管しても問題ありません。

出金伝票
出金伝票

交通費をよく使うなら記載項目を一覧表にして月単位で記入しても問題ありません。この場合は、一覧表の合計金額を計算して、一定期間分まとめて仕訳してもかまいません。

ICカードの使用履歴

交通費の支払いにICカードを利用していれば、ICカードの明細を領収書に代えることができます。明細を根拠として確定申告の経費にできるのです。利用明細は、駅の自動券売機を操作すれば印字することができます。ICカードによっては、インターネットで履歴データをダウンロードすることもできます。

スマートフォンを利用したモバイルSuicaなどは、会員登録すればインターネットでモバイルSuicaを利用した履歴が確認できます。

クレジットカードの利用明細は領収書の代わりになる?

交通費をクレジットカードで支払った場合はクレジットカードの明細を領収書に代えることができます。プライベートで使用した明細と混在していても、事業で使用した部分にマーカーを引くなどして明確にわかるようにすれば使えます。

ただし、経費と認識するのはカードの使用日で引落日でないので注意してください。特に12月に利用して1月に口座から引き落とされた場合は、前年の12月使用分として確定申告するので間違えないようにしましょう。

まとめ

確定申告で認められる交通費は複雑で自己判断が難しいものも多くあります。迷った時は税理士に相談するようにしましょう。確定申告書を提出した後に、税務調査で経費として申告した交通費の内容について指摘されると修正申告をしなければならず大変です。

この記事を監修した税理士からのコメント

安田亮公認会計士・税理士事務所 - 兵庫県神戸市中央区

個人事業主の方であれば、お客様の事業所に頻繁に訪問し、公共交通機関を使うことも多くなるのではないでしょうか。電車などはレシートが出ない分、出金の記録をつけ忘れることが多くなる傾向にあります。後からまとめて記録しようとしたのでは忘れてしまい、せっかく税金が安くなる経費の集計を漏れてしまう可能性が高まります。面倒ではありますが、毎日の旅費交通費をまめに記録し、確定申告前に慌てないようにしましょう。
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この記事を監修した税理士

安田亮公認会計士・税理士事務所 - 兵庫県神戸市中央区

こんにちは、神戸市で会計事務所を開業している安田亮と申します。 私は大手監査法人と東証一部上場企業で働いてきましたが、上場企業の経理部の方でも決算や税務申告が分からない、良い経理人材を確保できない、繁忙期にどうしても人手が足りないなど、様々な悩みを持っておられることに気付きました。 1つの会社の中で縛られることなく、もっと色々な企業様や、これから事業を起こそうとしている個人の方々に私自身の知識・経験を活かして決算・税務申告業務、経営全般のサポートをしていきたいという思いから、31歳になった2018年に神戸市中央区で独立開業しました。 公認会計士・税理士・FPのトリプルライセンスを有しており、実務経験も豊富ですので、実務能力には自信があります。その知識・経験を活かして皆様の経営に貢献していきます!
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