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決算申告のみを税理士に依頼する費用相場は?顧問契約を結ぶ場合との比較も

決算申告を依頼する税理士を探す
最終更新日: 2024年01月05日

税理士に決算申告を頼む場合には、申告作業を単発で依頼するパターンと、顧問契約を結んでおくというパターンの2つがあります。それぞれの場合の費用相場やメリット・デメリットなどを詳しく見ていきましょう。

この記事を監修した税理士

安田亮公認会計士・税理士事務所 - 兵庫県神戸市中央区元町通

 

税理士に決算申告のみを依頼した場合の費用相場

ハテナマークの積み木と電卓

決算のみを税理士に依頼した場合、かかる費用は15万円~が相場です。同じ税理士に頼んでも、金額はどの会社でも同じというわけではなく、売上金額などによって変わってきます。

会社の売上ごとの費用相場

会社の売上規模別の費用相場は以下の通りです。記帳代行を依頼するかどうかによって費用は変わります。

年間売上 報酬相場
(自分で記帳)
報酬相場
(記帳代行を依頼)
~1,000万円 15万円~ 25万円~
1,000万~3,000万円 20万円~ 30万円~
3,000万~5,000万円 25万円~ 35万円~
5,000万~7,000万円 30万円~ 40万円~
7,000万~1億円 35万円~ 45万円~
1億円~ 要相談 要相談
関連記事:税理士に依頼する費用相場はいくら?依頼内容・売上規模別の一覧表|ミツモア

税務相談は追加で料金が掛かる

税理士に決算のみを依頼する場合には、節税などに関する税務相談は受けられません。税務相談を希望する場合には、追加費用を払う必要があります。

税理士と顧問契約を結ぶ場合にかかる費用相場

税理士と握手

税理士と顧問契約を結んだ場合、顧問料として月額費用を支払うのが一般的です。税理士の月額顧問料は2.5万〜3万円程度のことが多く、月額顧問料だけで年間では30〜36万円程度の費用が必要です。

売上別の顧問料相場

税理士の顧問料は、会社の売上や訪問回数、依頼する内容によって変わります。

会社が税理士と顧問契約を結ぶ場合の費用の相場は、次のとおりです。

年間売上高 月間顧問料
1,000万円未満 2万5,000円
1,000万円以上3,000万円未満 3万円
3,000万円以上5,000万円未満 3万5,000円
5,000万円以上1億円未満 4万円

決算申告の費用は別で必要になる場合が多い

税理士と顧問契約を結んだ場合、決算申告費用については顧問料に含まれていないケースが一般的です。決算申告費用がかかる場合、月額顧問料の4~6ヶ月分程度が相場になります。

たとえば、売上高が2,000万円の場合月額、顧問料として年間36万円程度、決算申告費用として12万~18万円程度必要です。

関連記事:税理士の顧問料の相場はいくら?報酬に差が出る理由や選び方も解説|ミツモア

決算申告のみを依頼するメリット・デメリット

決算申告

決算申告のみを頼む場合、顧問契約を結ぶよりも依頼内容はシンプルです。その分良い点もあれば、反対にデメリットになる点もあります。

【メリット①】税理士費用を抑えられる

税理士に仕事を頼む費用は高いというイメージがありますが、決算申告のみを依頼する場合は費用を抑えることが可能です。

例えば会社の売上が2,000万の場合、顧問契約を結んだうえで決算申告を依頼すると年間50万円程度かかるのが相場です。いっぽう決算申告のみであれば、記帳代行を頼んでも30万円~で依頼することができます。

【メリット②】毎月やり取りする手間がない

税理士と顧問契約を結んだ場合、定期的に税理士とやりとりしなければなりません。税理士に毎月の伝票を渡したり、税理士の会計指導を受けたりすることもあります。こうした税理士とのやりとりは、多忙なときには負担に感じるかもしれません。

決算申告のみの依頼なら、税理士とのやりとりの負担を減らせます。業務の都合で、定期的に税理士に連絡をとっている時間がないという場合には、決算のみの依頼の方がいいでしょう。

【デメリット①】効果的な節税対策ができない

会社にとって、節税対策は重要です。顧問税理士がいれば節税についてのアドバイスが受けられますが、決算のみの依頼ならそういうわけにはいきません。

決算申告のみの依頼なら、基本的に税金を計算し、申告書類を作成してくれるだけになります。税理士に税務相談ができないので、自社で思いつく以外の節税対策をとることが難しくなってしまいます。

【デメリット②】融資のアドバイスが得られない

金融機関から融資を受けて資金調達したいとき、税理士のサポートが受けられると心強いはずです。しかし、決算のみの依頼では、融資のアドバイスまでは受けられません。

融資の申し込みの際には、事業計画書や資金繰り表を提出する必要があります。自社でこうした書類を用意するとなると、何に気を付けなければよいかもわからないでしょう。追加費用を払って融資のサポートも受けるとなると、割高になってしまいます。

顧問契約を結ぶメリット・デメリット

税理士

顧問契約を結べば、税務申告だけでなく記帳代行や税務・経営相談など、幅広いサポートを受けられるでしょう。その分メリットもあれば、デメリットもあります。

【メリット①】節税対策や経営相談ができる

税理士と顧問契約を結んでいれば、節税のためのアドバイスを受けて、対策をとることができます。

節税の情報はインターネットや書籍で知ることもできますが、それが果たして自社にとって良い方法なのか、わからないこともあるでしょう。顧問税理士がいれば、自社の経営状況に即した節税対策の助言が受けられるというメリットがあります。

【メリット②】融資対策に有利

税理士と顧問契約を結んでいれば、金融機関から融資を受ける場合に備えることが可能です。融資の申し込みの際には、必要な事業計画書の作成についての助言を受けられます。

それ以外でも、金融機関から提出を要求された書類を速やかに準備できるので、資金調達が容易になります。

【メリット③】税務調査に対応できる

会社に税務署の税務調査が入るとなると不安が大きいですが、顧問税理士がいれば、税務調査に立ち会ってもらえる為、安心感があります。税理士に対応してもらうことで、修正申告や追徴課税を最小限に抑えられることもあります。

【デメリット①】費用負担が大きい

税理士と顧問契約をするデメリットは、月額顧問料の負担が発生するということです。月2万円でも、年間では20万円を超える固定費がかかってしまいます。売上金額がそれほどでもない場合には、顧問契約によるメリットが十分感じられず、費用負担が大きいと感じることがあるでしょう。

売上規模が小さい場合は決算申告のみの依頼がおすすめ

オフィスで会議中のチームメンバー

ここまで決算申告のみの場合と、顧問契約を結ぶ場合のメリット・デメリットを説明してきました。結論として、小規模な会社であれば決算申告のみの依頼がおすすめです。

顧問税理士を付けることは節税対策の点で大きなメリットがありますが、売上自体が大きくない場合は、節税のために高額の顧問料を払う利点はあまりないです。むしろ小さい会社であれば、顧問契約にかかる経費で経営が圧迫されることがあるかもしれません。

小規模な会社なら自社での記帳も可能なので、あえて顧問契約を結ぶ必要はないでしょう

一方で売上規模が大きい場合には、節税のために顧問税理士をつけるのがおすすめです。

優良な税理士を選ぶポイント4つ

税理士 握手

決算申告を依頼する際、税理士選びはとても重要です。優良な税理士に出会うためのポイントを4つ紹介します。

①決算申告の実績が豊富

税理士と一口に言っても、得意分野はそれぞれ異なります。その中で決算申告の実績が豊富な税理士を選ぶのがおすすめです。

決算申告が得意な税理士は、税務調査での対応に慣れていたり、会社経営に精通していたりと、仕事を依頼するうえで安心できる要素を多く持っています。

いっぽう評判が良くても、決算申告に慣れていない税理士に頼むのはあまりおすすめしません。極端な例だと、「相続の実績は豊富だが、決算申告はほとんど担当したことがない」というようなケースもあります。その税理士が今まで対応してきた主な仕事内容は、よく確認しておきましょう。

②レスポンスが早い

レスポンスの早さは重要なポイントです。相談に対する返答が遅くて話が進まない場合、経営の判断にも影響しかねません。

レスポンスのスピードから、税理士の仕事の早さもある程度見極めることができるでしょう。決算申告は提出期限が厳格に決められています。余裕をもって作業を完了してくれる税理士を選ぶことが重要です。

税理士とメールやチャットで実際に話をして、返信の早さを確認してみましょう。

③話していて相性が合う

税理士は自社の経営に深く関わるパートナーなので、お互いスムーズにやり取りできるかどうかは重要なポイントです。

実際にコミュニケーションをとる機会を設けて、うまく話が噛み合うか、仕事に関する価値観に大きな違いはないか、などを判断するのが良いでしょう。直接会うことができなくても、チャットやオンラインでの面談をしてみることをおすすめします。

意思疎通の際にストレスがあると、仕事内容に影響するかもしれません。自分の直感も大切にして、相手との相性を見極めましょう。

④適切に節税の提案をしてくれる

税理士の中には、節税の提案をなかなかしてくれない人もいます。適切な納税を重視していたり、経営の知見が不十分だったりするので、節税策の提案を避ける場合が多くあるようです。

しかし、節税対策の有無は経営に大きく影響します。節税案をしっかりと示してくれる税理士を選ぶことをおすすめします。特に顧問契約を結ぶ場合には、税務相談もメインサービスの1つなので、慎重に判断するようにしましょう。

いっぽうで、むやみやたらに節税案を提案してくる税理士は避けてください。仕事を得るためにリスクの高い提案をしてくる税理士も存在するので、その点は注意が必要です。

監修税理士のコメント

安田亮公認会計士・税理士事務所 - 兵庫県神戸市中央区元町通

決算申告のみの依頼をすることも可能ですが、その場合、基本的には他の税務相談は受けない税理士が多いです。別料金を払えば相談を受けてはもらえますが、会社の実情はあまり把握していないため、一人一人に応じたアドバイスは難しいと言えます。 日頃から税務相談をしたい方は顧問契約を結びましょう。

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口コミからはサービスの質や人柄などがうかがえることが多く、金額以外の判断材料も得られるので安心です。

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この記事を監修した税理士

安田亮公認会計士・税理士事務所 - 兵庫県神戸市中央区元町通

安田亮(公認会計士・税理士・1級FP技能士)1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応等を経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。