畳の上にカーペットを敷けば、和の印象が強い部屋も簡単に模様替えができます。しかし、畳の上にカーペットを敷いても良いか疑問に感じる人もいるのではないでしょうか。カーペットを敷く際のポイントやケア方法を押さえ、和室を理想的な空間にしましょう。

畳の上にカーペットは敷いても良い?
畳の上にカーペットを敷く場合には、いくつか注意点があります。ポイントを押さえ、畳もカーペットも長く楽しみましょう。
通気性を良くすることが大切
畳の上にカーペットを敷く場合には、通気性を良くすることが大切です。これは畳に限ったことではありません。ウールや麻などの天然素材や、い草や漆喰などの自然素材でも同様のことがいえます。
通気性が大切な理由は、製品加工後の畳は呼吸をするからです。湿度調整や断熱の役割を、畳は呼吸によって担っています。
畳の呼吸を邪魔しないためにも、上に敷くカーペットは通気性の良いものを選びましょう。具体的な特徴を挙げると、滑り止めのゴムや裏地の付いていないカーペットが適しています。
カーペットを敷くメリット
部屋の印象を変えられる
まずはカーペットを敷くだけで、部屋の印象を変えられます。床材をフローリングにリフォームするのも選択肢のひとつですが、賃貸契約や予算次第では現実的ではありません。その場合でもカーペットを敷けば、手っ取り早く部屋の雰囲気を変えられるのです。
怪我を防止する
その他、カーペットによって畳表面の摩耗を防ぐことで、畳にささくれができにくくなり、怪我の防止にも繋がります。また、クッション材のように家具と畳の間にカーペットが入るため、家具の形状に畳がへこむのを防げるでしょう。
カーペットを敷くデメリット
通気性が悪くなる
デメリットのひとつ目は通気性の悪化です。畳は通気性の良い素材で作られていて、こもった湿気を逃がす性質があります。一方カーペットは保温・保湿性に長けているため、カーペットを敷くことで、畳の長所である通気性が相殺されてしまうでしょう。
通気性の悪い環境でカーペットを使用すると、畳とカーペットの両方にカビが生える原因になります。和室の日当たりが悪かったり多湿だったりする場合は、カーペットの使用に注意しましょう。
ダニが発生しやすくなる
畳の上にカーペットを敷くと起こり得る問題点には、ダニの発生もあります。カーペットの表面や、畳とカーペットの間にたまる髪の毛やホコリなどが原因です。
畳とカーペットの間は、汚れがたまりやすいだけでなく、湿気がこもりがちです。湿度の高い環境を好むダニにとって、畳とカーペットの間は住みやすい環境といえるでしょう。
また、湿度の高い環境は、カビの温床にもなります。アレルギーの原因にもなるカビやダニは、放置すれば健康に悪影響を及ぼす可能性があるのです。畳にカーペットを敷くなら、小まめな掃除が必要でしょう。
変色してしまった畳はどうする?
「気づかないうちに畳の色が変色してしまっていた!」そのような経験はありませんか?
ここでは、畳の色が変色してしまった時の対処法を紹介します。
畳の変色を治す方法
まず、1の水に対し約1/3の量のお酢を混ぜたものを用意してください。
次に雑巾を絞り、畳を拭いてください。
長い間放っておくと手遅れになりますが「変色したな」と気づいたときにすぐ対応すれば、少し色が戻るでしょう。
カーペットを敷くときのケア
防カビや防ダニ、通気性の観点から、畳の上にカーペットを敷くときはケアが必要です。定期的に畳とカーペットをケアして、清潔な状態をキープしましょう。
掃除機でゴミやダニを吸い取る
まずは、掃除機でゴミやダニを吸い取りましょう。畳の場合、目に沿って掃除機をかけるのがポイントです。
カーペットは髪の毛やホコリが絡みやすいため、より丁寧に掃除機をかける必要があります。掃除機をかける前にカーペットを内折にして軽く叩き、奥に入り込んだホコリやダニを吸い取りやすくしましょう。
一方向に掃除機をかける畳と対照的に、カーペットは角度を変えて掃除機をかけるのがおすすめです。縦・横・斜めとさまざまな角度から掃除機をかけ、ゴミの吸い残しを防ぎましょう。
部屋をこまめに換気する
部屋のこまめな換気も重要です。日常的に部屋の空気を入れ換える以外に、1~2カ月に1回のペースで畳を触診しましょう。
触診方法は、カーペットをめくって畳の湿り気を確認します。畳の表面やカーペットの裏側にたまった湿気がなくなるまで、カーペットをずらして乾燥させましょう。
布団干しがある場合は、畳を乾かす間にカーペットを布団干しに掛けておくと、カーペットの表と裏、畳の表面の湿気を一気に除去できます。布団干しがない場合は、カーペットを二つ折りにして半面ずつ乾かしたり、ピンチハンガーや物干し竿を使って天日干しをしたりしても良いでしょう。
ダニがいた場合は駆除する
畳やカーペットにダニを見つけた場合は、なるべく早く駆除するようにしましょう。具体的には熱処理または洗濯がおすすめです。
ダニは熱に弱い生物で、50度以上で死滅します。高温に設定したスチームアイロンを、濡れタオルの上から当てましょう。同じ場所に長時間アイロンを当て続けると、カーペットが変色する恐れがあるため注意が必要です。
スチームアイロンは布団乾燥機でも代用できます。どちらを使う場合でも、熱でダニを殺した後は掃除機で死骸を吸い取りましょう。
カーペットを洗濯すると、ダニの死骸や卵、糞を落とせます。生きているダニを死滅させるには、普通の洗濯機での丸洗いでは足りません。高温乾燥できる乾燥機を使うとより確実です。
除湿シートを敷く
畳の上にカーペットを敷くときは、防虫、防湿のために、防虫防湿シートを敷くようにしましょう。
それぞれの防虫防湿シートで効果や期限、お値段が多少違うのですが、なるべく防虫よりも防湿に効果がある防虫防湿シートを選んでもらえたらと思います。
もちろん、ネットで販売されている防虫防湿シートでも問題はありません。ただ、機能性がもっと高いものが欲しいという要望をお持ちなら畳屋さんに注文しましょう。
商品名:除湿シート 丸洗える 寝具用除湿マット シリカゲル入り 湿気取り HOKEKI 梅雨対策 吸湿センサー付き 布団/すのこベッド/ベッド/カーペット 防ダニ/防カビ/防臭 シングル
カーペットを敷くときのポイント
畳の上にカーペットを敷くとき、敷き方を工夫すればカビやダニを防ぎやすくなります。ポイントを押さえ、畳もカーペットもきれいな状態を維持しましょう。
新しい畳には注意が必要
新築物件のように、部屋の畳が新しい場合には注意が必要です。製造から日の浅い畳は水分を多く含んでいるため、カーペットを敷くとカビやダニが繁殖しやすくなります。すぐにカーペットを敷かず、畳の水分が飛ぶのを待ちましょう。
畳の乾燥を待たずにカーペットを敷くデメリットは、カビやダニの繁殖だけではありません。畳に色ムラができるリスクもあります。
新品の畳は青みを帯びていて、乾燥するにつれて黄色くなります。カーペットを敷くとその下だけ湿気がこもり、畳に含まれる水分が抜けません。カーペットが敷かれた部分と空気に触れている部分で乾燥スピードが異なるため、色ムラが生じてしまうのです。
ずれるときはカーペットピンで固定
畳の上に敷いたカーペットの上を歩くと、ずれが気になる場合もあるでしょう。そのようなときは、「カーペットピン」「カーペット鋲」「上敷鋲」と呼ばれるカーペット専用のピンで端を固定します。
ピンの使い方は簡単で、画鋲で紙を壁に留めるのと同様に、カーペットの上からピンを刺すだけです。
ピンを選ぶときは、カーペットの厚みと針の長さ、ヘッド部分の色を考慮しましょう。ヘッド部分が透明のピンを選べば、カーペットのデザインを邪魔しません。
商品名:日本製 抜けにくい 上敷鋲 50本入り クリア い草上敷き 畳用 ござ カーペットにも
滑り止めは通気性が悪くなるので注意
カーペットのずれが気になるものの、ピンで穴を開けるのが嫌な人もいるでしょう。カーペットのずれは転倒やけがの原因になるため、「滑り止め」の使用も選択肢のひとつです。ただし滑り止めは通気性が悪くなるので注意しましょう。
カーペットに穴を開けたくない場合、四隅や端など部分的に滑り止めシートを使用するのがおすすめです。通気性を保ちつつ滑りにくくしてくれ、カーペットの動かしやすさや取り外しやすさの観点から、粘着性のない滑り止めシートが便利でしょう。
もし畳にカビが生えてしまったら
もし畳にカビが生えてしまったら、十分に換気してできるだけ早く対処しましょう。
軽いカビの場合は、掃除機をかけて布で乾拭きします。どちらも畳の目に沿って行うのがポイントです。掃除機と乾拭きを4~5回繰り返します。
びっしりカビが生えてしまった場合は、掃除用のドライシートで畳を拭いてから掃除機をかけ、乾拭きしましょう。天気の良い日は屋外で行い、3~4日畳を陰干しします。外で干せない場合は、ドライヤーで乾かしても良いでしょう。
畳のカビを自分で落とす際には、水拭きは厳禁です。畳の目に水分が入り、かえってカビの発生を促進させてしまいます。畳が傷むのを防ぐため、強い洗剤や防カビ剤の使用も避けましょう。
カーペットを選ぶポイント
畳の上に敷くカーペットを選ぶポイントはいくつかあります。畳とカーペットの両方を長持ちさせるのに重要なポイントを踏まえ、デザイン性と機能性の両立したカーペットを選びましょう。
防虫抗菌対策カーペットを選ぶ
機能性を重視するなら、防虫抗菌対策カーペットが良いでしょう。防虫抗菌対策カーペットなら、カビやダニの繁殖を防ぐ効果が期待できます。
肌に触れない部分に防虫抗菌加工を施していたり、殺虫剤成分を使っていなかったり、大手製薬会社と共同開発された商品もあります。こうした防虫抗菌対策カーペットなら、小さな子どもやペットのいる家庭でも安心して使用できるでしょう。
素材ごとのメリットで選ぶ
カーペットの素材ごとのメリットで選ぶのもひとつの方法です。畳の上に敷く前提なら、カビやダニが発生しにくい素材や、吸水性・吸湿性・通気性に長けた素材が適しています。
化学繊維はカビやダニが発生しにくい素材です。ポリプロピレンやナイロン、アクリルが例に挙げられます。反対にウールや綿などの天然繊維は、カビやダニが発生しやすいでしょう。
吸水性・吸湿性・通気性に優れた素材として、シルク・綿・麻などの自然素材が挙げられます。自然素材は自宅で手入れしづらい素材もあるため、購入前に洗濯表示や注意書きを確認しましょう。
目的やデザインから選ぶ
畳にカーペットを敷く目的やデザインから選ぶのもよいでしょう。
畳に直接家具を置くと、家具の形が畳に付いてしまいます。畳が傷むのを防ぐため、家具の大きさに合わせたカーペットを選ぶのもひとつの方法です。特に椅子は人間の体重も乗るため、畳に置く場合はカーペットを敷いた方が良いでしょう。
小上がりのように和室が一段高い場合、入口付近にカーペットを敷くのもおすすめです。入口は人の通りが多いうえに、靴の着脱で座ります。カーペットがあると畳だけでなく、人にも配慮している印象を与えられるでしょう。
デザインで選ぶ場合、和室に馴染むなら彩度が低い自然界にある色が適しています。洋風に模様替えをするなら、インテリアに合わせて大胆なカラーを選んでも楽しいでしょう。
おすすめのカーペット3選
タイルカーペット
段差がなく、つまずきにくいバリアフリーマットです。
おくだけで取り付け、取り外し簡単です。ハサミで手軽にカットできるので、スペースに合わせて、自由に組み合わせることができるでしょう。
汚れたところだけはずして、お手軽に洗濯機で丸洗いが可能です。
厚み3mmという薄さでつまずきにくいので、小さなお子さんがいる家庭でも使いやすいですね!
商品名:【日本製 撥水 消臭 洗える】サンコー ずれない ジョイントマット 30×30cm ベージュセット 8枚フラットタイプ おくだけ吸着 タイルマット KD-34
ウッドカーペット
手軽にお部屋をリフォームできるウッドカーペット。敷きやすいハーフタイプです。
釘打ちや接着剤は一切不要なので、初めて使う方も安心して使えます。
敷きやすい2枚タイプ で木目もぴったり合うでしょう。
お部屋には4辺それぞれ1cm程度の余裕が必要ですが、板と板の間をカッターなどでカットすれば 幅調節も可能ですね。
商品名:Liebe【リーベ】 ウッドカーペット 団地間 4.5畳 オーク色 242×245cm [2梱包タイプ]
通気を良くして賢くカーペットを使おう
畳の上にカーペットを敷くと、部屋のイメージを簡単に変更可能です。一方で、畳の持つ通気性の良さが損なわれ、カビやダニが発生しやすくなるリスクもあります。
畳にカーペットを敷くなら、こまめなケアで畳とカーペットの両方を衛生的に保つことが重要です。ケアの方法や選び方を踏まえ、目的に合わせたカーペットを和室に敷きましょう。
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