和室がある家で気になるのが、畳にダニが発生すること。湿気を吸った畳はダニにとって最高の住み家となり、駆除しない限りどんどん繁殖します。
この記事では、畳にダニが発生する原因、駆除方法、そして普段からできる予防方法を解説していきます。
畳のダニはどうすればいい?
畳にダニが大量発生してしまっている場合は、殺虫スプレーや燻煙剤(くんえんざい)でダニを駆除しましょう。 畳の寿命(10~20年)が過ぎている場合やカビが生えている場合は買い替えてしまうのも1つの方法です。
畳にダニが発生するのを防ぐ方法は?
畳にダニが発生しないようにするには、正しく掃除や手入れをするのが大切です。 定期的に掃除機をかける、畳を天日干しする、換気・除湿を行うという方法があります。
畳にダニが発生する原因は?
畳は、古くから日本家屋に採用されてきました。保温効果や断熱効果に優れていて、弾力があるので歩きやすいのが魅力。また湿気の多いときには水分を吸収し、乾燥してくると溜まった水分を放出するエアコンのような作用があります。
しかしこれがデメリットとして働いたとき、ダニが発生してしまうのです。
というのも、ダニが好む環境は以下のような特徴があります。
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断熱性が高く湿気を溜めやすいという畳の性質は、ダニの住み家になりやすい条件と一致してしまうのです。
また室内に発生するダニは、ホコリ、人のフケ、食べカスなどをエサにしています。畳の目は細かく、隙間にこれらのゴミが溜まりやすいため、ダニが繁殖するための栄養源になるのです。
逆に言えばダニを退治するために必要なのが、掃除を欠かさず、換気などによる湿度コントロールすることだと言えます。
もしすでにダニが発生しているなら、駆除することはもちろん大切ですが、そのあとも掃除・乾燥を徹底して予防しましょう。
畳に発生しやすいダニと、人に与える被害
室内に発生しやすいのは、おもにヒョウヒダニ(チリダニ)。畳だとケナガコナダニという種類も多いです。
どちらも人を刺すことはありませんが、ヒョウヒダニやケナガコナダニの死骸・フンはアレルゲンとなり、ぜんそくやアレルギー性鼻炎などの原因になります。
そしてヒョウヒダニやケナガコナダニが大量発生してしまうと、これらをエサとしてツメダニという種類が増殖。ツメダニは人を刺し、かゆみや腫れを引き起こします。
どちらも1年中発生する虫ですが、温度20~30℃、湿度60~80%に近づく6~9月ごろにいっそう繁殖しやすいのが特徴です。
【ヒョウヒダニと、ケナガコナダニ】
ヒョウヒダニ(チリダニ)は、室内発生するダニの7~8割を占めるとも言われています。(「ヒョウダニ」という表記で紹介されることもありますが、同一のダニを指しています)
ヒョウヒダニの大きさは0.2~0.4mm程度。肉眼で確認することは不可能です。
ケナガコナダニもまた、室内に発生するダニのなかで代表的な種類です。畳に発生しやすいダニといえば、こちらの種が挙げられることが多いです。大きさは0.2~0.5mmほどで、肉眼では見えません。
ヒョウヒダニもケナガコナダニも、空気中のチリやホコリの中に紛れています。畳以外では、寝具やソファ、カーペット、ぬいぐるみなどに生息。
また人の食べ物や農作物をエサとするほか、人から出るアカやフケなども栄養源に。そのため、掃除や換気を徹底することが発生を防ぐことにつながります。
【ツメダニ】
室内でダニに刺されたとしたら、ほとんどの場合はツメダニだと言われています。
ツメダニの大きさは0.3~0.8mmほどで、こちらも肉眼では見ることができません。
ヒョウヒダニやケナガコナダニをはじめとするダニ類を捕食するので、ダニ類が増え始める梅雨~秋の多湿な時期には、相関的にツメダニが繁殖していきます。
人から吸血することはありませんが、刺されるとかゆみが7日間ほど続くため、かなり不快な害虫です。
ツメダニを防ぐ根本的な解決法は、エサとなるダニ類を駆除・予防すること。結局のところ、部屋の掃除や除湿管理が大切ということです。
ほんとにダニ?目に見えるなら違う虫かも
畳に小さい虫が発生していると、思わず「ダニだ!」と考えてしまいますが、目に見えるのなら別の虫である可能性が高いでしょう。
たとえば赤っぽい甲虫ならシバンムシ、白っぽい虫ならシバンムシという種類がいて、どちらも1~3mm程度です。
いずれにせよ基本的な対策方法は、掃除や乾燥を徹底することなのですが、より詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
畳にダニが発生するのを防ぐ方法
再三再四ではありますが、畳にダニが発生しないようにするには、正しく掃除や手入れをするのがイチバンです。
ダニだけでなく、カビ発生を防止するのにも役立ちます。
具体的な掃除方法や、畳の手入れの方法は以下。
- 掃除機、拭き掃除
- 畳の天日干し
- 換気・除湿
それぞれのポイントを詳しく紹介します。
掃除機、拭き掃除
畳の掃除をするときの選択肢は、掃除機だけでなく拭き掃除があります。
じつは拭き掃除は畳を傷めないために有効なので、余裕があるならこちらの方法がオススメです。
【拭き掃除の手順】
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まずはホウキを使って、ホコリやゴミをある程度まで掃除してしまいましょう。
雑巾は固く絞り、水分が畳に吸収されにくい状態にするのがポイントです。水拭きをした後は、乾いた雑巾で乾拭きするところまでセットで考えましょう。
また雑巾がけをする向きは、畳の目に沿うようにしましょう。目の隙間に入り込んだゴミまで除去するイメージです。
最後に、窓を開けたりエアコンの除湿機能をつけたりして、部屋に風を通します。とにかく、畳に水分が残らないように意識するのが大切です。
ちなみに水拭きではなく、最初から乾拭きでもOKです。
【掃除機がけの手順】
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畳に掃除機をかけるときのコツは、ゆっくりと時間をかけて作業することです。
1畳に1分あたりを目安に、畳の目に沿って掃除機をかけていきましょう。
ダニは夜行性なので、掃除機をかける1~2時間くらい前から部屋を暗くしておくと、ある程度の駆除効果も期待できます。
畳の天日干し
畳は定期的に天日干しするようにしましょう。内部に溜まった余分な湿気を逃がし、乾燥させることができます。
春から秋にかけての暖かい時期に行うのが基本。半年に1回くらいが目安です。
【畳の天日干しの手順】
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畳の天日干しは、このような手順で行いましょう。畳を外すのが難しければ、片面を上げてペットボトルなどを挟み、下部に風を通すのも有効です。
畳を上げたときにホコリが舞い上がるので、吸い込まないようにマスクを着用しておくとよいでしょう。
畳を外すときは、端からではなく、中央のものから。マイナスドライバーなど細い道具を挿しこみ、ゆっくりと持ち上げます。
畳を直射日光に当てすぎると、色落ちしてしまうことに。そのため裏面が日光に当たるようにするか、黒いビニールなどで覆うとよいでしょう。
5時間ほど日光と風を当てたら、畳をもとに戻していきます。外から室内に入れる前に、布団たたきなどではたいて、余計な虫やゴミを除去しておきましょう。
ちなみに畳を戻す前に、床面にダニシートや乾燥シートを敷いておくと、防除効果を高めることができます。
換気・除湿
ダニは乾燥した環境では繁殖力が落ちます。
そのため定期的に換気をしたり、エアコンの除湿機能などを使用することで、ダニの発生を予防することにつながります。
もし除湿器を使うのであれば、湿度60%以下に設定しましょう。湿度60%はちょうど人間が過ごしやすく、ダニにとっては適していない環境です。
また畳の上に布団を敷いているときも要注意。布団の繊維は、ダニが隠れやすいため、相乗効果で大量発生してしまう可能性があります。毎日、布団を上げておくなどの対策が必要です。
ダニが発生してしまったときの駆除方法
畳を定期的に掃除していても、周囲の環境などによっては、ダニが発生してしまうこともあり得ます。もしダニが発生したら、以下のような駆除方法を検討してみてください。
- 殺虫剤を使用する
- 熱風乾燥機にかける
- 駆除業者に依頼する
- 畳を交換する
畳は10~20年程度が寿命と言われています。
定期的な天日干しなどのメンテナンスによってもっと長持ちすることもありますが、ダニが慢性的に発生するならカビが発生している可能性も。そのため畳の交換も選択肢に入ってくるのです。
ここからはダニの駆除方法を詳しく紹介しますが、駆除したあとは掃除・乾燥などの手入れを徹底して予防しましょう。
殺虫剤を使用する
ダニが大量発生しているようなら、殺虫剤を使用して駆除したのちに、畳の天日干しや掃除機がけをするのが効果的です。
殺虫スプレー、または燻煙剤という選択肢があります。
いずれにせよ、食品やペットなどはあらかじめ別室に移動させるなど、製品の注意事項に従って対処するようにしましょう。
【おすすめの殺虫スプレー】
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殺虫スプレーなら、アース製薬の「ダニアース」がオススメです。
普通の殺虫スプレーとして噴射できるのはもちろん、ノズルを畳に挿しこんで、内部に薬剤を注入することができます。
ピレスロイド系の強い殺虫成分を使っているので、高い効果が期待できます。ゴキブリやノミにも効果があるので、備えておいて損はありません。
【おすすめの燻煙剤】
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燻煙剤なら、アース製薬の「アースレッドW」がオススメです。
こちらの製品はマンション・アパートなどの部屋でも使いやすい、「煙が出ない」タイプ。
足で踏むことで起動できるので、顔を近づける必要がないのも嬉しいポイント。ダニやノミ、ゴキブリの駆除効果があります。
熱風乾燥機にかける
畳店に依頼できる「熱風乾燥機」の処理もオススメです。
殺虫剤を使わずに高温・乾燥の効果でダニを駆除できるので、薬剤をなるべく使いたくない方にとっても安心。
朝に畳を引き渡せば、夕方ごろに返納してもらえることもあり、かなり手軽に依頼することができます。
同じ原理で、布団乾燥機を使用するのも効果的です。畳に布団乾燥機を置き、上から布団や毛布を掛けて使用します。ただし広範囲でこれを繰り返さなくてはいけないので、手間がかかるのがデメリットです。
駆除業者に依頼する
畳のダニを1匹残らず駆除したいなら、専門の業者に任せることもおすすめです。発生源を特定し、適切な駆除・予防対策をしてくれます。
費用相場は施工面積などにもよりますが、およそ5,000円~30,000円程度が一般的です。駆除する範囲やダニの種類などによって変わるので、一度見積もりを出してもらいましょう。
畳のダニ駆除業者に依頼したい場合は、ぜひミツモアの無料一括見積もりを利用してみてください。複数業者の見積もりを、カンタンに比較することができます。
畳を交換する
ダニが大量発生している時には、畳を交換するという選択肢もあります。とくに以下のような状況の場合は、張り替えを検討してみましょう。
- 畳の寿命(10~20年)が過ぎている
- すでにカビが生えている、もしくはカビ臭い
畳の張り替えにかかる費用は、1畳(約1.8㎡)あたり8,000~20,000円程度です。
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この記事では、畳にダニが発生する原因を紹介しつつ、予防や駆除の方法を解説してきました。
ダニは高温多湿な環境を好み、人のアカや食べカスなどのゴミをエサにします。そのためダニの発生を防ぐには、とにもかくにも「掃除」と「乾燥」が大切です。
もしダニが発生してしまった場合には、殺虫スプレーや畳の熱風乾燥で対処しましょう。ダニ駆除や畳交換の専門業者に依頼するのも、ひとつの手段です。
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