飼っているクワガタの体に、ダニが付いているのを見たことがある人も多いでしょう。なぜダニが付いてしまうのか、被害はあるのかを解説します。
予防方法や付いてしまったときの落とし方も押さえて、クワガタをダニから守りましょう。
クワガタに付着したダニの正体
クワガタに寄生するダニを、ひとまとめに「クワガタナカセ」と呼びます。
クワガタナカセと呼ばれるダニのなかでは、「コナダニ」と「イトダニ」の2種類が多く見られるそうですが、クワガタの品種や地域によってダニの種類が変わるようです。
クワガタに付くダニの種類はまだ研究段階で、どのクワガタにどのダニが付くのかはまだ明らかになっていません。
どこから発生する?
ダニの生態は大きく分けて、「自由生活型」「植物寄生型」「動物寄生型」の3つです。ダニの多くは自由生活型で、地表や土の中・水中などさまざまな場所に生息しています。
クワガタが自然の中で暮らしているときに寄生し、そのまま飼育されるケースは少なくありません。朽ち木などダニが住みやすい環境がある場所でクワガタを捕まえると、ダニが付着していることが多いでしょう。
飼育用の土にダニが潜んでいる可能性もあります。新しく飼い始めたクワガタに、元々家にいたクワガタからダニが移ってしまう危険もあるため注意が必要です。
クワガタにダニが付くと?
成育への影響
クワガタナカセなどのダニの数がそれほど多くなければ、クワガタの成育に影響はないと考えられています。そもそもクワガタが死んでしまうと寄生できなくなるため、大きな影響を与えないようにして共存しているのです。
しかし腹部のすき間に多くのダニが付くと、クワガタの呼吸穴である「気門」をふさぐ危険があります。気門をふさがれると酸素を取り込めずに死んでしまうため、腹部の状態は小まめに観察しましょう。
背中に付いたクワガタナカセなどのダニであれば、呼吸を邪魔することもないので、あまり心配する必要はありません。
人体への影響
クワガタに寄生しているダニは人の血を吸うマダニと異なり、人体に影響を与えにくいとされています。しかしダニの種類によっては大量に繁殖してしまう可能性が高く、放置しておくのはおすすめできません。
特にコナダニが大量発生すると、人間を刺すこともある「ツメダニ」を引き寄せてしまいます。クワガタに付くダニは種類の判別が難しいため、日頃からよく観察して早めに対処しましょう。
クワガタを触った後は必ず手を洗うなど、衛生面に気を付けることでダニの被害を減らせます。
卵と幼虫にダニは付くの?
クワガタが卵や幼虫の段階でも、ダニはつきます。
イトダニなどの種類は、クワガタの卵や幼虫に寄生し、体液を吸うことがあります。卵や幼虫の体液から栄養を奪ってしまうので、最悪の場合にはクワガタが死に至るのことも。
また体液を吸わないダニでも、大量発生してしまうと成長の妨げになります。クワガタの卵や幼虫は大変デリケートなため、ダニがびっしりとまとわりついてしまうと、ストレスで弱まるのです。
卵や幼虫に寄生するダニに対処するには、クワガタの成育に影響が少ない「木酢液」を使用するといいでしょう。
クワガタについたダニの取り方&駆除方法
柔らかいブラシで落とす
すでにダニが付いている場合は、歯ブラシや筆で体をブラッシングしてあげましょう。クワガタを傷つけないように、柔らかい毛のブラシで優しくこするのがポイントです。
水道水を少しずつかけながら、刺激しないよう慎重にブラッシングします。水が冷たすぎるとクワガタがショックで弱ることがあるので、ぬるめの水で洗いましょう。
またクワガタが新しく家に来たときにブラッシングしておくと、ダニの繁殖を防ぎやすくなります。
飼育マットのダニを退治
ダニは高温で死滅するため、飼育マット(土や朽ち木を細かく砕いた床材)の煮沸消毒を行いましょう。
バケツに入れたマットに熱湯を注ぎ、約1分つけておくとダニは死滅します。薬剤を使わずに駆除できるため、クワガタや人・他のペットへの影響が心配な人にもおすすめの方法です。
またマットを天日干しして、直射日光に当てることでダニを退治する方法も。新聞紙などの上に広げて、全体に日光が当たるようにしましょう。
ただしダニが死滅するには50度以上の温度が必要なので、十分な効果を得るためには、黒いビニール袋を使うなど工夫しましょう。
クワガタのダニを予防して対策しよう
薄めた木酢液スプレーでダニを寄せ付けさせない
「木酢液」を希釈したスプレーは、ダニ予防に有効です。ダニは木酢液の匂いを嫌っており、スプレーをかけた周辺によりつかなくなります。
木酢液のスプレーを作る場合は、原液を水で100倍に薄めて使用しましょう。
作ったスプレーを飼育マットやケースにかけておくと、1週間くらいでダニが寄り付かなくなります。1か月に1回くらいの頻度が目安です。
木酢液は菜園や園芸などに使われることが多く、病気予防や防虫対策に効果があります。卵や幼虫のときのクワガタはデリケートですが、木酢液なら成育に影響を与える心配はなく安心です。
ダニ取りマットを使う
「ダニ取りマット」とは、ヒノキなどの天然素材を朽ち木を細かく砕いた、クワガタを育てるための床材のことです。天然成分のニオイによってダニを寄せ付けないので、クワガタの健康を害する心配がありません。
飼育ケースの周辺にダニ取りマットを敷いておき、表面が汚れ始めたら新品のマットに交換しましょう。
消臭効果を持つ製品であれば、飼育しているときに発生するニオイを取り除いてくれます。
クワガタの飼育ケースを清潔に保ちダニの発生を防ぐ
クワガタの飼育ケースを丸洗いして、清潔に保つことがダニ予防になります。1週間に1回くらい洗うのが目安です。
クワガタの排泄物や、ホコリ・カビなどの汚れは、ダニにとってエサになります。ダニの発生を予防するにはそのエサを掃除することが大切です。
飼育ケースを掃除した後は、エタノールスプレーを散布するとより高いダニ予防の効果があります。エタノールには殺菌・消毒の効果があり、ダニのエサとなるカビの発生を抑えるのです。
また、クワガタを飼育するための環境は、ダニにとって済みやすい場所でもあります。
クワガタを飼育するときには、ケース内の湿気を高く保つためにマットやケースを湿らせるのが普通ですが、ダニは湿度60%以上になると活発になるのです。
そのため飼育ケースを定期的に洗浄し、しっかり乾燥させることで、ダニが定着することを防ぐことができるのです。
クワガタをダニから守って快適に飼育
クワガタナカセなどのダニは、クワガタの成育や人体への影響は少ないと考えられていますが、クワガタの体にあるすき間にくっついてしまうと呼吸できない場合もあるため、状況によっては早めの駆除が必要です。
スピーディーに対応するためにも、普段からダニが付いていないか見ておきましょう。付着しているのを見つけたら、ブラッシングで退治します。
ダニの数が少ないうちであれば駆除しやすくなりますので、家に迎える前にあらかじめブラッシングするといった予防策も大切です。
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