初めての外壁塗装は不安に思うことも多いでしょうし、どんな流れで進んでいくのか気になりますよね。
この記事では、契約から工事終了までの流れや注意点を細かく解説していきます。工事が始まる前にどんなところに注意すべきなのかを知っておくと、トラブルを避けられますよ。
外壁塗装の工程まとめ
外壁塗装の工事の流れとかかる時間は以下をご覧ください。
順調に進んだ場合の目安時間なので、悪天候が続いたり予想外のトラブルが発生したりする場合はさらに時間がかかります。各工程の詳しい説明や工期については後ほど説明します。
工事までに行う事前準備
工事までの流れは次のようになります。それぞれを詳しく見ていきましょう。
①契約・工事の打ち合わせ
契約内容を確認し、問題がなければ工事の打ち合わせを進めていきます。打ち合わせ内容は、外壁の色や工事の開始日などです。外壁の色は塗装のサンプルを見ながら業者と一緒に決めていきます。もし具体的な色のイメージが決まっているのなら、この時点でしっかり伝えておきましょう。
また色を決める前に、試し塗りができるかどうか確認してみてください。実際に塗料を外壁に塗って色を確認するため、色のイメージをより掴むことができますよ。
※ただし試し塗りをするにはサンプルの塗料を取り寄せなければならないので、費用がかかることもあります。契約前に試し塗りの費用についても確認しておくのがベストです。
他にも打ち合わせ時に、次の3つをチェックしておくと良いでしょう。
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※付帯部の塗装については作業工程の章「⑨屋根・付帯部の塗装」で解説しています。
②近所への挨拶
挨拶回りは極力自分でしましょう。挨拶に回る家や日にちについては、あらかじめ打ち合わせしておきます。
もし普段から近所の人と交流があるのなら、前もって話しておくのも良いかもしれませんね。
挨拶の仕方がわからない場合は、他のお客さんがどんな挨拶をしているのかを業者に聞いてみることをおすすめします。
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近所との関係性はそれぞれ違うので、あなたに合っている方法で挨拶を済ませておきましょう。
関連記事:外壁塗装で隣家とのトラブルを防ぐには?挨拶回りでの注意点も解説|ミツモア |
工事開始~終了までの手順と所要時間
ここからは外壁塗装の具体的な作業工程を解説していきます。日数は住宅の大きさによって変わるので、ここでは30坪の住宅をイメージした日数を記載しています。
工事内容 | 日数 |
①足場の設置 | 半日~1日 |
②高圧洗浄 | 半日~1日 |
③下地処理 | 1日 |
④シーリング工事 | 1日~2日 |
⑤養生 | 1日 |
⑥下塗り | 1日 |
⑦上塗り1回目 | 1日 |
⑧上塗り2回目 | 1日 |
⑨屋根・付帯部の塗装 | 1日~2日 |
⑩掃除・点検 | 1日 |
⑪足場の解体 | 半日~1日 |
※各工程で発生する乾燥待ち時間(詳しくは後述)も含めての日数です。
どの塗料を使う場合も、下塗り1回+上塗り2回(計3回塗り)が標準施工になっています。この回数が最も塗料の性能を引き出せるからです。
また外壁塗装は刷毛(はけ)やローラーを使って工事を進めていくのが一般的です。基本的に騒音が出ない作業ばかりですが、足場の設置や解体・高圧洗浄の日は大きな音が出ます。
①足場の設置
工事当日は足場の設置から始まります。早ければ半日ほどで終わります。よほどの強風が吹いていない限りは、雨が降っていても予定通りに進むでしょう。
足場設置とは住宅の周りをグルッと足場で囲む作業で、金属のパイプをカンカンと叩く音が響きます。
足場資材は大きなトラックで運ばれるため、資材を降ろす際は一時的に道路をふさいでしまうことも。トラブルが起きないよう挨拶の時に「トラックの出入りがあります」と伝えておいた方が良いでしょう。
この時点で飛散防止ネットもかけていくため、家の中が少し暗くなってしまいます。
関連記事:外壁塗装の「足場」費用、単価や相場は?トラブルを避けるための注意点まで徹底解説|ミツモア |
②高圧洗浄
高圧洗浄機を使い外壁の汚れを落とす作業です。洗浄後に乾燥するのを待つ必要があるので、作業には半日~1日程度かかります。
外壁が汚れていると塗料の密着性が悪くなり剥がれの原因になるため、丁寧に洗浄していきます。
高圧洗浄をする日は家の中に水が入らないよう、窓をすべて閉めておくのを忘れないでください。エンジン式の高圧洗浄機を使って作業するため、家の中にいても音が聞こえてくるでしょう。
関連記事:外壁塗装の高圧洗浄はなぜ必要?施工の流れとかかる時間や費用も|ミツモア |
③下地処理
下地処理とは、外壁のひび割れや凹凸を補修する作業のことをいいます。作業はおおよそ1日です。下地処理を怠ると、塗装の仕上がりがボコボコして美しくありません。
関連記事:塗装成功の秘訣は下地処理にあり!正しい下地処理の方法を紹介|ミツモア |
④シーリング工事
シーリング工事とは、外壁のつなぎ目やサッシの周りにゴムのようなものを充填(じゅうてん)する作業のこと。コーキングともいいます。
年数が経つと柔軟性がなくなりひび割れが起きてくるため、外壁塗装と一緒に新しくするケースが多いのです。
シーリング工事の後には1日程度乾燥させる時間が必要です。次の段階に移るまで1~2日程度かかると考えましょう。
シーリング材の劣化具合に合わせて「打ち替え」か「増打ち」で施工していきます。劣化がひどい場合は、古いシーリング材を撤去してから新しく打ち替え。
劣化が進んでいない箇所は、撤去をせずその上にシーリングを充填する増打ちで対処していきます。大きなひび割れは塗料では直せないため、この時点でシーリング補修をしていきます。
⑤養生(ようじょう)
養生(ようじょう)は工事する周囲の窓や土間などを、塗料が付かないようナイロンテープで覆う作業です。
塗装が完了するまではこの状態が続くため、約3日間は窓を開けられません。玄関は塗る時だけ一時的に養生をするので、出入りの心配はしなくても大丈夫です。
一般的には留守の間など、都合のいい時間帯に依頼主に声をかけてから作業を始めます。またエアコンの室外機は使える状態で養生をするため、気にせずに使って問題ありません。
養生の作業時間は1日で終わります。
関連記事:外壁塗装に養生が不可欠な理由とは?施工前に知っておきたい注意点、基礎知識を解説!|ミツモア |
⑥下塗り
ここからは外壁の塗装に入ります。基本的には3回塗りという、3度に分けて塗装する方法が採用されることが多いでしょう。3回塗りはトータルで3日間かかります。
1回目の塗装は下塗り。下塗りは塗料の密着性を高めるために行います。また小さなひび割れを埋める効果のあるタイプもあります。
下塗りは上塗りの色に関係なく、透明か白色の塗料を使うことが一般的です。
関連記事:下塗りは外壁塗装に必要な工程!作業の内容と目的を紹介|ミツモア |
⑦上塗り1回目(中塗り)
下塗りが終わったら、2回に分けて上塗りを行っていきます。1回目の上塗りは、塗装を全3回に分けた内の2回目なので「中塗り」とも呼びます。
1日程度で外壁が自分の選んだ色に染まっていくため、ここでようやく完成のイメージがつかめるでしょう。
もしこの時点で色が違っていると感じたら、早めに担当者や作業している職人に伝えてください。上塗りが仕上がる前なら色を変更することも可能です。
⑧上塗り2回目(仕上げ)
1回目の上塗り(中塗り)が乾燥したら、2回目の塗装をして仕上げます。2回目の上塗りは、塗料の性能を発揮するために必要な工程です。
1回目の上塗りの時と同じ色を塗るので、基本的に外壁の色は変化しません。外壁が仕上がったら養生を外していくので、ようやく窓を開けられるようになります。
関連記事:外壁塗装の種類と選び方の総まとめ!塗料ごとの特徴と相場も解説|ミツモア |
⑨屋根・付帯部の塗装(塗らない場合もある)
外壁の塗装が終わったら、屋根や付帯部を塗ります。付帯部の具体例は以下です。
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足場を組まなければ塗装できない箇所が多いので、外壁と一緒に塗るケースが多く、合計で1~2日程度かかります。
付帯部を塗装する場合は「ケレン作業」という、外壁のサビや古い塗装を落とす作業も必要になってきます。
ケレン作業はサビや塗装を落とすだけではなく、表面に細かく傷を付けることで塗装の密着性を高める効果があります。破風板(屋根の側面部分)や雨どいなどにはケレン作業が欠かせません。
付帯部の塗装は外壁塗装と同時進行で行うケースもあるので、日数は前後します。
関連記事:塗装前にはケレンが不可欠。効果と作業内容や費用を解説|ミツモア |
⑩掃除・点検・タッチアップ
外壁や付帯部が完了したら住宅全体をチェックしていきます。
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どんなに気をつけて作業していても、汚れが付いている箇所は少なからずあります。見落としがないように掃除をしていき、必要があれば修正塗装(タッチアップ)などを行います。
掃除と点検、タッチアップは1日以内に終わることがほとんどです。
⑪足場の解体
外壁の仕上がりを確認し、問題がなければ足場を解体します。組み立て作業よりも早く終わることが多いでしょう。危険なので作業中の家の出入りには気をつけてください。足場を撤去した後に家の周りの掃除をすれば、全ての工事が終わります。
どの塗料でも工程はほとんど同じ
ここまで紹介した外壁塗装の工程は、サイディング塗装やALC(軽量気泡コンクリート)塗装など様々な塗装でも同じです。作業時間も大差はないでしょう。
リシンなど吹き付け塗装の場合、作業工程は以下の通りです。
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関連記事:吹き付け塗装とは?特徴やメリット・デメリットを解説|ミツモア |
外壁塗装にかかる時間は?
外壁塗装はトータルでどのくらいかかるのでしょうか。工事期間について解説します。
工事期間は10~14日が目安
順調に進めば、外壁塗装の工事は10日~14日で終わります。しかし、天候によっては作業できない日が出てくるので、余裕をもって工事を依頼しましょう。
いつ何の作業をするのか知りたい人は、事前に「工事工程表」をもらっておくのがおすすめです。
作業人数が多くても作業日数に大差はない
作業人数が多ければ工事が早く進みますが、極端に工期が短くなることはありません。なぜならそれぞれの工程に乾燥時間が必要だからです。
乾燥時間の目安は以下の通りです。
高圧洗浄後 | 1日~ |
シーリング後 | 1日~ |
下塗り後 | 4時間~ |
上塗り後 | 3時間~ |
※どれも気温が20℃以上ある場合の乾燥時間の目安です。気温が低い日・湿度が高い日はさらに長い乾燥時間が必要になります。私用する材料によっても変わります。
ちなみに外壁塗装をするのにベストな業者の数は1~3人程度。1日1工程で作業を進めていけば無駄なく工事ができます。
塗装期間が短すぎるのは手抜き工事の可能性大!
塗装期間が極端に短い場合は注意が必要です。工事完了までは最低でも1週間はかかると考えてください。
足場を組んでから3日後に解体するような工程はありえません。あまりにも早く終わる場合は手抜き工事の可能性が高いです。
手抜き工事をする悪徳業者と契約しないためにも、業者選びは重要です。複数の業者の見積もりを比較したり、口コミを確認したりしましょう。
見積もりサービスのミツモアなら、あなたに合った優良の塗装業者を簡単に見つけられますよ。無料なので気軽に利用してみてくださいね。
工事過程で注意すべきポイント5つ
外壁塗装はいくつもの工程があり、トラブルが起きやすいです。工事の担当者や作業する人と密にコミュニケーションを取り、お互いに意見や要望を共有することで、トラブルの発生を抑えられます。
外壁塗装の工事過程で注意すべきポイントを5つ紹介します。
その①:工事車両を止める場所を業者に伝える
工事が始まると工事車両の出入りも増えていきます。家の敷地内にスペースがあればいいですが、そうでない場合は駐車スペースが必要です。
周辺の環境に左右される部分ですが、車を停める場所に関するトラブルは多いのです。邪魔にならないよう気を付けていても、近所の人は不快に思う場合もあります。
以下の点を事前に確認し、打ち合わせの際に業者とよく話しておく必要があるでしょう。
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その②:塗装工事中は洗濯物をしまう
塗装工事中は原則として洗濯物を外に干さないようにしてください。
洗濯物があると塗料がかかるリスクがある上、業者も気を遣って工事をしなければならないからです。最悪の場合、作業を中止するケースもあるので注意してくださいね。
洗濯物を干す場合は、以下のようにするのがおすすめです。
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特に高圧洗浄の日は要注意です。高圧洗浄の水しぶきは3m以上飛ぶこともあるので、自宅だけでなく近隣の家にも外干しを控えてもらう必要があります。
両隣と裏にある家には声をかけておくのが望ましいですね。留守中だと対処できないので、工事前の挨拶のタイミングと高圧洗浄の前日に「洗濯物を干さないように」とお願いしておきましょう。
作業員が洗濯物に触るとクレームにつながる可能性があるので、基本的に洗濯物の移動はしてくれないです。
その③:工事箇所周辺の片付けをする
ベランダに置いてあるスリッパや物干しざおは、置いておくと破損してしまうこともあります。工事箇所周辺にあるものは事前に片付けましょう。
業者が故意に何かを壊すようなことはありませんが、万が一の場合に備えておくと良いでしょう。打ち合わせの時に以下を確認するとよいでしょう。
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お互いに気持ちよく工事を進めるためにも、片付けは特に気をつけておきたいところです。
その④:工事中に各工程を見せてもらう
「思っていた工事内容と違う」「実際に塗装をしてみると、想像していた色と違う」などのトラブルが起こることもあります。
どんな工事をしているかは実際に見ないとわからないものです。もし家にいる場合は各工程を確認させてもらうといいでしょう。打ち合わせの時に「工程を見せてほしい」と伝えておけば、毎日どんな工事を進めているかを見せてもらえるはずですよ。
もし家を空けることが多い場合は、写真を取ってもらうのも良いかもしれませんね。どういった対応をしてくれるかは業者次第なので、契約前に相談して決めるのがベストです。
特に上塗り1回目(中塗り)を見せてもらうのがおすすめ。選んだ色がイメージ通りの色になっているか確認するためです。この時点で色が違うと感じたら変更してもらうことも可能です。
ただ色を変更する場合は追加で塗料代が必要ですし、新しい塗料が届くまで工事がストップすることを覚えておいてくださいね。
その⑤:完成後は塗装箇所を細かくチェックする
まれにどこまで塗装をするのか、依頼主に伝わっていないというトラブルが起きます。これは工事の責任者が上手く伝えていないケースが多いでしょう。
例えばバルコニーやサンルームの中の外壁。バルコニーやサンルームを設置している場合は、外からは作業ができないことも。
工事内容が伝わっていないと中の外壁を塗装する予定なのに、カギがかかっていて作業できないというトラブルも起こるでしょう。
また物置があって塗装ができない箇所など、細かい部分の塗装をどうするか話をしておく必要があります。塗るか塗らないかで費用が変わることもあります。
契約内容だけではわからない部分も多いです。実際に外壁を見ながら、どこを塗装するのかを教えてもらうのがおすすめです。
外壁塗装は工期に余裕をもって依頼しよう
外壁塗装は工期に余裕をもって依頼しましょう。予定した工期通りに作業が進むとは限らないからです。
雨が降ると基本的に塗装作業はできません。降る雨の量にもよりますが、雨が降った当日・その次の日は作業できないケースもあります。
10日ほどを予定していた工事でも、雨天が続くと20日程度かかる場合もあるということです。工程表があったとしても予定通りにいかないこともあるので注意してください。
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