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外壁塗装の高圧洗浄はなぜ必要?施工の流れとかかる時間や費用も

最終更新日: 2023年03月31日

外壁塗装工事は事前に高圧洗浄を行います。新しく塗る塗料を密着させるためにも、高圧洗浄は必要な工程です。

事前の足場組みから洗浄、乾燥に至る工程の流れも解説します。気になる費用についても、一般的な相場を把握しておきましょう。

外壁塗装するなら高圧洗浄は不可欠

ホースで水をまく人

外壁塗装工事は、塗装前に高圧洗浄を行うのが通常です。実は施工部分の汚れを落とす以外に、大切な理由があります。高圧洗浄の必要性について解説しましょう。

高圧洗浄しないで塗装するとどうなる?

外壁塗装の前に高圧洗浄が必要な理由は、古い塗膜を落とす必要があるからです。塗装で作られた塗膜は、紫外線や雨風、排気ガスなどにさらされて劣化し、耐久性が下がっていきます。

やがて塗膜の粘着力はなくなりチョーキング現象(白亜化現象)と呼ばれる、表面に触れると粉がつくような状態になるでしょう。

チョーキング現象が発生している塗膜のうえから塗料を塗っても、粘着力を失っているため、塗料が密着せずはがれてしまいます。通常なら10年以上は塗料が持つのに、短期間で再び修復が必要になりかねません。古い塗装を高圧洗浄するのは、汚れだけでなく、古い塗膜を削り落とすために行うと考えてください。

汚れの程度によって洗浄方法を選ぼう

自分で塗装する人

ひと口に高圧洗浄といっても、水圧や洗浄液によってさまざまな方法があります。ここでは代表的な3種類の洗浄方法について解説していきましょう。

通常の高圧洗浄

水道水を使用して行う通常の高圧洗浄方法です。比較的費用が安く、外壁や屋根など幅広い場所に対応します。通常噴射のノズルは、先端が回転して強力な水圧で洗浄が可能です。

屋根の洗浄に特化した、扇形に水流を噴き出す「トルネード噴射」という方法もあります。通常噴射より水圧が高いうえに、水が飛散しにくいのがメリットです。高圧になるため、外壁を傷つけたり、ケガをしたりといったリスクが伴います。

通常噴射もトルネード噴射も使うのは水だけのため、重度のカビやコケなど、ひどい汚れは落としきれない可能性があるでしょう。

薬剤を使うバイオ洗浄

バイオ洗浄液という特殊な洗剤で汚れを分解しながら洗う方式です。工程的には、水で高圧洗浄してから洗浄剤を塗り、再び高圧洗浄で洗う手順になります。こびりついたカビやコケも、薬剤の力で根こそぎキレイになるでしょう。

洗浄剤を使用するため、低圧で外壁に優しいのも大きなメリットです。ただし通常の高圧洗浄より料金が高く、工期も長めになります。外壁がモルタルなど、表面が凸凹した建材の場合に、威力を発揮してくれる洗浄方法です。

外壁塗装での高圧洗浄作業の流れ

外壁を塗る人

実際の外壁塗装で、高圧洗浄はどんな流れで行われるのでしょうか。ここでは一般的な施工の場合を例に、順を追って解説していきます。

近隣へのあいさつ

外壁塗装の工事がはじまる前に、まず行われるのが近隣へのあいさつです。優良な業者なら、粗品を持ってあいさつ周りを行ってくれますが、依頼主自身もきちんとあいさつに行ったほうがよいでしょう。近隣の人によっては、家主のあいさつがなかったことが原因で、少しの騒音でもトラブルになる可能性があります。

業者も含めて、周りの住人に誠意を見せていれば「工事だから少しくらい音や臭いは仕方がない」と大目に見てもらえるでしょう。あいさつの際には、予算500~1,000円を目安に、タオルやゴミ袋など日用品や菓子折を渡すとよいでしょう。できれば、全体の工期と各工程の日時、どんな迷惑がかかるのかを事前に伝えておけばベストです。

足場や飛散防止シートの設置

安全かつ効率的に作業を行うため、外壁塗装は最初に足場が組まれます。足場は金属のパイプで構成されているため、設置時に金属音が発生しやすく、近隣とのトラブルが起きやすい工程です。足場を組まず作業員がロープで吊られて行う工事もありますが、安定性に欠けるため、足場に変わるほどではありません。

足場を設置後、塗料の飛沫が飛ぶのを防ぐ飛散防止シートを張り巡らせます。現在主流の刷毛とローラーによる塗装は、塗料が飛散しない印象もありますが、実はかなりの量が飛び散る作業です。シート張りが終わったら、高圧洗浄用の水を用意します。水を溜める大きなタンクが搬入され、洗浄機の準備をすれば高圧洗浄のスタートです。

高圧洗浄と乾燥

高圧洗浄機を使い、強烈な水圧で一気に汚れを落とします。高圧洗浄が不要と考える業者も存在しますが、現在の外壁塗装では高圧洗浄は必須の工程です。壁面が極端に弱い材質でない限り、高圧洗浄は行われるでしょう。洗浄中は窓の鍵をしっかり閉め、屋内に水が入ってくるのを防ぎます。

洗浄が終わったら乾燥の工程に入ります。乾燥に必要な時間は最低1日、理想は48時間です。時間をかけて塗料の表面を乾燥させれば、後に塗る塗料の密着性が高くなります。乾燥の時間が少なく濡れたままだと、塗料の水分が太陽光で膨張し、泡のような膨れやムラができるため、乾燥は必須の工程です。

高圧洗浄についての疑問あれこれ

赤いペンキ

高圧洗浄は業者が行う専門的な工程だけに、疑問点や不安も多いでしょう。依頼主からよくある質問を中心に、回答を紹介していきます。

高圧洗浄の費用相場は?

気になる高圧洗浄の費用ですが、およそ15,000~35,000円が相場です。1㎡の単価に換算すると、250円/㎡くらいとなります。通常は作業スタッフひとりで行われますが、外壁の面積が大きく1日で終わらない場合、日数分の費用が必要です。

高額なバイオ洗浄を行った場合、単価が100~200円/㎡ほど高くなるため注意しましょう。さらにバイオ洗浄は通常と比べて2回の洗浄が必要なため、水道代が2倍かかると考えてください。高圧洗浄による水道代は2,000円あたりが適正価格です。高圧にするとホースよりも少ない水で洗えるため、想像するほど水道代はかかりません。

家の高圧洗浄機で自分でやってもよい?

ホームセンターや家電量販店、ネット通販で家庭用の高圧洗浄機が売られていますが、外壁塗装の洗浄用途には不可能です。業務用と家庭用の違いは水圧の強さにあります。家庭用の高圧洗浄機は水圧が低いため、汚れや古い塗膜、コケ・サビをしっかりと落とせません。

具体的な数値では、家庭用の水圧は8~12MPa(メガパスカル)ですが、業者が使う機器は14.7MPa以上といわれます。動力も電動よりパワフルなガソリンエンジン式がポピュラーです。

万が一の話ですが、悪徳業者がいい加減な工事を行う場合、性能の低い高圧洗浄機を使う可能性があります。疑わしい場合は、気圧計を確認して15MPa以上を指しているかを確認しましょう。

雨戸は閉めておくべき?

高圧洗浄時は窓を閉めるため、雨戸も閉めて施錠すると思いがちですが、答えは逆です。高圧洗浄の作業時は、雨戸をそのままの状態にしてください。雨戸を動かしたり、外したりして、ガラス戸やサッシの隙間も洗う必要があるからです。

雨戸も外壁と同じく、時間とともに劣化し、塗装の剥がれやサビが目立ってきます。塗装で直せないほど傷んでしまった場合は、雨戸ごと交換になるため高額の費用がかかるでしょう。もし外壁塗装を考えているなら、同じタイミングで雨戸も塗装してもらうのがおすすめです。

窓を閉めたのに室内で水漏れする理由は?

外壁塗装の高圧洗浄では、室内に水が侵入する可能性があります。まず疑われるのが外壁の劣化です。シーリング(コーキング)が剥離していたり、サイディングに亀裂があったりすると、洗浄時の高圧水が滲み込んで水漏れを起こします。

質の高い業者なら、洗浄前に外壁をしっかり確認するため問題はないですが、自分でもシーリングなどの傷みがないか確認するのは大切です。

塗装後に雨漏りが起きるケースも、高圧洗浄で入った亀裂が原因の可能性があるでしょう。工事中や工事後に不可解な水漏れがおきたら、すぐに業者に相談しましょう。

外壁塗装の前にはきちんと高圧洗浄を

塗料を付けるローラー

外壁塗装の際は、事前の高圧洗浄が必須です。経年劣化した塗膜は粉を吹いたようになり、高圧洗浄をせずに塗装すると、塗料が密着しなくなります。高圧洗浄の方法は水だけを使う場合と、バイオ洗浄を選べます。ひどい汚れはバイオ洗浄が落としやすいですが、費用が高くなります。

外壁塗装工事は、高圧洗浄の前に足場が組まれますが大きな音が発生します。近隣へのあいさつを事前にきっちり行っていれば、トラブルの可能性が減るでしょう。

高圧洗浄の費用は、およそ15,000~35,000円です。あわせて水道代がかかりますが、2,000円ほどになります。万が一、施工時や工事後に雨漏りが発生したら、外壁の亀裂などが疑われるため、業者に相談してください。高圧洗浄の必要性をしっかり理解して、満足度の高い外壁塗装を行いましょう。

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