引っ越し貧乏から卒業するには？物件選びや引っ越し費用削減のコツ

家計を圧迫する「引っ越し貧乏」とは

長期的に家計を圧迫してしまう「引っ越し貧乏」とは、どのような状態を指すのでしょうか。引っ越しにかかる金額を抑えるためにも、出費の要因となる引っ越し費用の内訳も確認しておきましょう。

引っ越しを繰り返してお金がなくなること

「引っ越し貧乏」とは短い期間で引っ越しを繰り返し、手元のお金や預金が減ってしまう状態を指す言葉です。

引っ越しで新しい環境へ移るためには、多大な費用がかかります。内容によってはローンを組めますが、基本的には各支払いを一度で行わなければならないため、一気にお金がなくなります。

引っ越しは家計に負担をかけるイベントではあるものの、仕事や家庭の事情、ライフステージの変化など、環境の一新が必要な事情もあるのが事実です。

引っ越し貧乏から卒業するには、不要な引っ越しをできるだけなくして諸費用を抑えることがポイントです。

一人暮らしの引っ越し貧乏に注意

一人暮らしの方は、引っ越し貧乏に陥りやすい傾向があります。その背景には3つの引っ越しに対するハードルの低さがあります。

• 荷物が少なく身軽
• 単身の引っ越し費用は安い
• 自分だけが住むため、最低限の条件を満たす物件なら許容できる

特に3つ目の物件選びには注意が必要です。現地に足を運ばず、オンラインによる内見だけで物件を契約してしまい、後悔する人も多いようです。

引っ越しは決して安い買い物ではありません。「必要な引っ越しなのか」「この物件でよいのか」の2点を契約前にきちんと考えましょう。

引っ越しにかかる一般的な費用

引っ越しにかかる費用は状況によって大きく変わるため、一概にいくらかかるとは断言できません。引っ越し時に発生する費用の内訳は、おおよそ次の通りです。

1. 引っ越し業者へ支払う費用
2. 新居に必要な新しい家財
3. 住んでいた家の退去費用
4. 新居に支払う初期費用

引っ越す時点で壁や床などにある損傷・汚れの具合でかかる費用は変動し、預けていた敷金よりも金額がオーバーした場合は後日支払い請求される手はずです。

新居の契約にかかる初期費用は、主に以下の通りです。

• 礼金…貸主に支払うお金
• 敷金…入居時に支払い、退去時に引かれるお金
• 仲介手数料…不動産会社へ支払うお金

物件によって火災や水道のトラブルに備えて加入する火災保険料や鍵の交換代、事前に支払う「前家賃」も加算されます。

旧居で使っていた家財が新居の間取りに合わない、運搬できずに破棄したという場合は新しく買わなければなりません。

引っ越しの理由には3パターンある

短期間で転居を繰り返すと、引っ越し貧乏になりやすいです。引っ越しの理由と工夫次第では、不必要な引っ越しを回避することができます。人が引っ越しをする主なパターン見てみましょう。

【学業や仕事、結婚】人生に必要な引っ越し

自分の意思や工夫では避けられない事情があるときは、引っ越しを人生に必要なイベントととらえましょう。

職場で転勤を命じられれば、自分の意向にかかわらず引っ越しをしなければなりません。日本各地に営業所がある企業に勤める方は、引っ越しの頻度が多くなるでしょう。

結婚や出産、就職といったライフステージの変化も、避けられない引っ越し理由です。同居人が増えたり子どもが生まれたりすると、住んでいた家では手狭になる・入居人数の制限を超えてしまいます。

【隣人トラブル】入居してから分かる問題

新居の設備や周辺環境に対する不満・近隣トラブルなど、入居後に発覚する問題もあります。

また、物件探しは家具が置かれていない状態の部屋を見るため、引っ越ししてから「思ったよりも狭かった」と不満を抱く人もいます。

トイレの水の流れが悪いと感じたり、隣の部屋の音が筒抜けになっていたりするのも転居を検討する要因です。

このように、住んでみるまではわからないトラブルもあるため、割り切りも必要です。

【物件選びの失敗】引っ越し前に回避できる原因

不必要な引っ越しをしてしまう理由は主に3つあります。

①設備が古い

長く同じ場所に住んでいれば仕方ない事情ですが、設備の状態に関しては物件選びの時点で確認できるでしょう。

②後からよりよい条件の物件を見つけた

物件選びのときに条件の優先順がはっきりしておらず、希望に合う物件を探し切れなかった場合によく起こる事態です。

③イメージしていた家と違った

実際の様子をよく把握しないまま入居する人も増えてきているようです。近年はインターネット上で契約できる物件もありますが、サイト上にある写真や情報だけで判断するのは危険です。

引っ越し貧乏を防ぐ物件選びのポイント

引っ越しの出費に家計を圧迫させないためには、不要な引っ越しを減らすのが先決です。物件選びでは紹介するポイントを押さえて、できるだけ長く住める部屋を契約しましょう。

収入に見合った賃貸物件を選ぶ

物件選びは人によって重視するポイントが異なります。しかし、理想に合っていても収入に見合わない物件を選ぶと、家賃の支払いが苦しくなって引っ越しを繰り返すことになるでしょう。

引っ越しの初期費用として支払う敷金や礼金・仲介手数料も、家賃によって金額が決まります。初期費用はかさむため、普段から貯金をしておくと安心です。

引っ越しのコストを下げるためにも、家賃を無理なく払える物件を選びましょう。家賃にかける費用の目安は「手取り収入額の25％」です。

条件の優先順位をはっきりさせる

自分の希望条件を全て満たす物件に出会うのは難しいでしょう。物件探しをする際は「絶対に譲れない条件は何か」という優先順位を、明確に決めておくのがポイントです。

以下のように、優先順位を定めてから物件を探していくとスムーズです。

我慢ができない条件を妥協してしまうと、短期間で引っ越す原因になります。同じような理由で引っ越す事態を繰り返さないよう、過去の引っ越しをきちんと振り返りましょう。

物件や環境は実際に見て確かめる

コロナウイルスの影響もあり、最近は不動産屋のホームページから、オンラインで物件をチェックすることが当たり前になってきました。

しかし、360度パノラマの映像があったとしても、画面越しでは細かい部分の確認は難しいです。実際に内見せずに入居し、「イメージと違った」と感じて1年で引っ越しをする方もいます。

内見を通じて入居後のイメージをつかむだけでなく、設備に不具合がないかも確認しておきましょう。

周辺環境も実際に足を運んでチェックした方が安心です。地図上では比較的近くにスーパーやドラッグストアがあっても、坂が急・店の品ぞろえが悪い、といった懸念点も出てくる可能性もあります。

引っ越し業者に払う料金を抑えるコツ

業者へ支払う料金を抑える工夫をするのも、引っ越し貧乏から脱却するポイントです。どのような対策が効果的なのでしょうか？代表的なコストダウンのコツを3つ紹介します。

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できる限り荷物を減らす

荷物運搬に使用するトラックの大きさが、引っ越し業者に支払う料金が決まるポイントです。トラックが小さければ費用が抑えられるため、運ぶ荷物が少なければ少ない方が出費を減らせます。

トラックに積まなければならないものは業者に運搬を頼み、自力で運べるものはあらかじめ運んでおくか当日持っていくようにするのも一つの手です。

必要に応じて不要なものを処分しておくと、さらにコストカットができます。業者によっては無料で処分品を引き取ってくれる場合もあるため、見積もり依頼の段階で確認しておきましょう。

一人暮らしの方は、「単身パック」という1人用のコンテナに荷物を収めるとかなり費用を抑えられます。引っ越し貧乏に悩む方でも手が届きやすい値段です。

相場が上がる繁忙期に引っ越さない

同時期に引っ越す人が多いと引っ越し費用の相場が値上がりするため、繁忙期を避けた方が費用を減らすのに効果的です。

引っ越し業界では卒業と入学・入社や職場の異動に伴って、3月と4月に繁忙期を迎えます。この時期は引っ越し料金が大幅に上がるだけでなく、予約も取りづらいです。

多くの人が引っ越しを終える6月頃から、引っ越し業界も閑散期を迎えます。作業費用の相場自体が下がるだけでなく、値引きの交渉もしやすくなる時期です。

安い曜日や時間帯を選ぶ

引っ越しするのにお得な曜日や時間帯を選ぶのも、コストカットにつながる工夫です。

仕事や学校を休めない人は多くいるため、週末や休日は引っ越し代が高くなります。スケジュールが合うなら平日に予約を入れましょう。

閑散期である6月の平日が最安値といわれており、繁忙期の土日・祝日にかかる料金と比べて10,000円以上は安くなるのが一般的です。

引っ越し作業代が高くなるのは、1日の動きに余裕が出やすい午前中です。新居への荷物搬入が夜にずれ込んでも問題がない方は、午後便や時間指定のない「フリー便」を選ぶと費用を抑えられます。

自分で引っ越しをする

引っ越し業者に支払う料金を大幅にカットしたい方は、レンタカーを借りて自力で荷物を運搬するのも一つの手です。かかる費用は、主にガソリン代や車のレンタル料金だけです。

特に一人暮らしの方は荷物が比較的少ないため、自力で引っ越しをするハードルが低いでしょう。

全て自力で行うのではなく、運搬が大変な家財だけ引っ越し業者に頼む方法でも、ある程度の費用を削減できます。ただし荷造りや荷ほどきまで業者に頼むプランは費用がかさむため、できる作業は自力で済ませましょう。

自力引っ越しにはデメリットもある

自力での引っ越しは大幅なコストカットにつながる一方、注意したいデメリットもあります。引っ越し業者に頼らずに荷物を運搬すると、どのようなマイナス面があるのでしょうか？

労力と時間がかかる

自力引っ越しでは荷造りや荷ほどきだけでなく、積み込みや搬出・搬入も自分で済ませなければなりません。十分な体力と時間がなければ、引っ越し自体を諦めざるを得ない場合もあります。

引っ越し業者に頼めば必要のないレンタカーの手配にも、ある程度の時間を取られます。重い家具を運ぶときに、運べなかったり運搬時にケガをしたりといったリスクがあるのもデメリットです。

洗濯機や冷蔵庫に代表される家電の中には、運搬に繊細なコツが必要なものもあります。運び方を間違えると他の荷物が水浸しになる、運搬中に壊れてしまうなどのトラブルを引き起こしかねません。

家財や住居を壊したときの補償がない

引っ越し作業はただ荷物を運搬するだけでなく、運ぶときに家財や住居の壁・床を傷付けないような工夫も必要です。運搬中に、家財の角をマンションの壁にぶつけて傷つけた場合、補修費が全て自腹になってしまいます。

引っ越し業者は作業中の破損を補償する保険に加入しているため、万が一家財や住居に傷を付けたり壊したりしても、補償を受けられるのがメリットです。

手慣れていない素人が荷物を運ぶと破損のリスクが上がるため、業者に任せましょう。

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安い引っ越し業者を見つけるには？

新居が決定した後は住まいにかかる費用をカットできませんが、引っ越し業者へ支払う費用は工夫次第で減らすことができます。リーズナブルな価格で作業を頼める業者を見つけ、お得に引っ越しをしましょう。

複数社から見積もりを取る

安い引っ越し業者を見つけるには複数の候補を挙げ、引っ越しにかかる費用はいくらなのか各社から見積もりを取りましょう。比較検討することで自分のケースでかかる費用の相場を把握できます。

インターネットで1つ1つ検索する方法もありますが、一括見積もりサイトを利用すると簡単に複数社の見積もりを取り寄せられて便利です。

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値引き交渉も試してみよう

複数社の見積もりを取り寄せておくと、値引き交渉に活用可能です。引っ越し業者は値引き交渉されるのに慣れているため、他者の見積もりを引き合いに出して持ちかけてみましょう。

ただし、初めから最低額を提示してくる業者も多くいるため、相場より大幅に低い金額を持ち出してしつこく交渉するのはやめましょう。

ポイントは「一括見積サービス」を利用することです。引っ越し業者は自社に依頼してもらうよう、ライバルよりも値引きしたりサービスを付けたりするケースがあります。