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シーリングライトが取り付けられない天井は?傾斜天井や格子天井など

最終更新日: 2024年04月18日

シーリングライトを取り付けたくても、天井が水平ではない、凹凸がある、材質がふさわしくないなどの理由で不可能なケースがあります。シーリングライトを用意した後に「取り付けられない!」と後悔しないためにも、あらかじめ天井を確認しておきましょう。

水平ではない天井

多くのシーリングライトは安全のために、水平な天井に取り付けられるように設計されています。そのため水平ではない天井には取り付けられません。水平ではない天井にはどのようなものがあるかを把握しておきましょう。

傾斜天井・勾配天井

傾斜天井の室内

屋根の勾配に沿って斜めになっている天井を『傾斜天井』もしくは『勾配天井』といい、水平でないためシーリングライトを取り付けられません。傾斜天井・勾配天井は天井裏がないためデッドスペースがなく、奥行きが出るため開放感があります。

家屋の最上階や平屋などの屋根の直下にある部屋にしか設置できない点が、傾斜天井・勾配天井の特徴です。適している照明は、天井からぶら下げる『ペンダントライト』や、天井に埋め込む『ダウンライト』です。

傾斜の角度によっては、傾斜天井に対応したシーリングライトや、傾斜天井取り付けアダプターを別売りしているものを取り付けられるケースもあります。

船底天井

船底天井の日本家屋

『船底天井』とは中央部分が直線状に高くなっており、船底のように見える天井です。日本式で数寄屋造り・茶室・和室など、和風な部屋に採用されています。

船底天井も水平でないため、シーリングライトの取り付けが不可能です。向いている照明は、天井からぶら下がり、シーリングライトよりも低い場所から部屋を照らすペンダントライトです。ペンダントライトなら、畳でくつろぐ和室の雰囲気にぴったりです。

壁面

そもそもシーリングライトとは、天井に設置してあるシーリングやローゼットに引っ掛けて設置する照明を指しています。壁面にはシーリングやローゼットがついていないため、シーリングライトを設置できません

壁面にシーリングライトのような照明を取り付けたい場合は、『ウォールライト』を取り付けます。ウォールライトは間接照明なので、シーリングライトのように部屋全体を明るく照らすことはできません。

天井にメインとなる照明を取り付け、壁面に間接照明としてウォールライトを取り付けるのが一般的です。

凹凸がある天井

取り付けの際はシーリングやローゼットなどの配線器具周りが、平面になっている必要があります。そのため凹凸がある天井には、シーリングライトを取り付けられません。凹凸がある天井は下記の通りです。

竿縁天井

竿縁天井の和室

竿縁天井は、等間隔に配置された『竿縁』と呼ばれる細長い木材の上に、天井板を張ってある天井です。戸建て住宅の和室で多く採用されています。

シーリングライトの取り付けには約1m×1mの平面が必要ですが、竿縁天井の竿縁は30~60cmの等間隔で配置されているため、設置できません。しかしシーリングライトによっては、竿縁天井に対応したアダプターを別途販売しているものもあります。

竿縁天井に設置できる照明は、つり下げタイプのペンダントライトか、対応アダプターがあるシーリングライトなどです。

格子天井

格子天井

天井面に格子が組んである天井を『格子天井』といい、寺院や書院座敷など、格式の高い和の建築物に多く見られる形式です。多くの場合は約45~90cmほどの正方形の大きさで組んであります

格子天井は天井とシーリングライトの接地面に凹凸があり、設置が難しいため、ペンダントライトが向いています。

部屋の雰囲気に合わせて、つるしてインテリアのアクセントになるようなデザインのものを選ぶとよいでしょう。

突出物あり天井

基本的にシーリングライトは、垂直に重さがかかるように設計されているものです。安全に取り付けるためには、配線器具の周りに平面が必要です。配線器具周辺に突起物や突出部があるとシーリングライトが安定しないため、取り付けられません

設置する際に天井の突出部が当たると、シーリングライトと天井の間にすき間が開いたり、ぶら下がった状態になってしまいます。

突出物のある天井はシーリングライトを安全に設置できないため、ペンダントライトを検討しましょう。

材質に問題がある天井

天井が水平でも、材質に問題がある場合も、シーリングライトの取り付けは不可能です。強度が弱い天井や、コンクリート製・金属製の天井について解説します。

強度が足りない天井

天井を押して簡単にたわむ場合は、強度が低いと考えられます。強度が弱い天井にはシーリングファンライトのような重い照明は、取り付け不可能です

照明器具の耐荷重は、シーリングは約5kg、ローゼットは約10kgです。しかし強度が低い天井にシーリングファンライトのような重い照明を取り付けると、耐荷重内でも落下の可能性があるため、避けましょう。

強度が低い天井に重い照明を取り付けたい場合は、天井の補強を検討しましょう。補強できる天井かどうかを、業者に確認してもらう必要があります。

コンクリート製や金属製の天井

コンクリート製や金属製の天井に、シーリングやローゼットなどの配線器具が設置されていない場合は、シーリングライトを設置できません。シーリングライトを使いたい場合は業者に依頼し、配線器具の取り付け工事をしてもらう必要があります。

コンクリート天井の場合は直接穴を開け、アンカーを使って、ボルトで配線器具を固定します。位置変更ができないため、設置前に業者と取り付け位置をよく相談しましょう。

高くて届かない吹き抜け天井

吹き抜け天井

吹き抜け天井のような高い天井は、一般的な高さの天井とは異なり、椅子やテーブル、脚立を使ってもなかなか手が届かないため、注意が必要です。

高くて届かない吹き抜け天井への照明取り付けは高所作業になるため、自分で行うと危険です

そのため吹き抜け天井へのシーリングライトの設置は、業者に依頼するとよいでしょう。費用はかかりますがプロの業者に依頼すれば、確実に取り付けてもらえます。自分で取り付け作業を行って転落するリスクを考えると、業者に依頼する方が安心といえるでしょう。

吹き抜けの照明器具の設置を依頼する

配線器具が適切ではない天井

天井の状態だけでなく、どのような配線器具が設置されているかもチェックが必要です。適切な配線器具が設置されているかどうか、あらかじめ確認しましょう。

配線のみしかない

天井に照明器具を取り付けるための配線は、基本的に『引っ掛け』と『直結』の2種類です。引っ掛けは配線器具が設置してある状態を指しています。

直結は天井に配線器具が設置されておらず、電気配線のみが出ている状態を指します。照明器具の配線と直接つなぎ、天井に固定しなければなりません。

この場合、電気配線を扱う電気工事にあたるため、照明器具の交換に電気工事士の資格が必要で、直結から引っ掛けに変更する場合も同様です。

配線のみしかない直結にシーリングライトを取り付ける場合は業者に依頼して、直結を引っ掛けに変えてもらうのがおすすめです。引っ掛けにしておけば、自分で照明器具を交換できるようになります。

埋め込みローゼットが10mm以下

引っ掛けシーリングの出しろは約22mm、埋め込みローゼットの出しろは約11mmが一般的で、市販されている多くのシーリングライトが対応しています。

埋め込みローゼットは約10mm以下、角型・丸型引っ掛けシーリングは約21mm以下の出しろだと、取り付けできないシーリングライトが多く見られます

シーリングライトを取り付けたい場所に、シーリングもしくはローゼットなどの配線器具が設置してある場合は、シーリングライトを購入する前に出しろを測っておきましょう。シーリングライトごとに対応している出しろが違うため、説明書やメーカーの商品ページで、設置に必要な出しろを確認すれば、取り付け可能かどうか判断できます。

シーリングライト取り付け前に天井を確認

シーリングライトは基本的に、水平な天井に設置された、シーリングやローゼットなどの配線器具に取り付けるように設計されています。そのため天井の傾斜角度や形状によっては、シーリングライトが設置できないケースがあります。

シーリングライト取り付けたい天井が水平でない場合や、強度・材質・高さに問題がある場合は、購入する前に取り付け可能かどうか確認が必要です。

シーリングライト取り付け前に、あらかじめ天井を確認しましょう

シーリングライトの取り付けを依頼する