「シーリングライトの取り付けや交換をするにはどうすれば良いんだろう?自分でできる方法を知りたい」
このような方に向けて、シーリングライトを自分で取り付けるための準備や手順を解説していきます。
そもそもシーリングライトの取り付けが自分ではできないケースもあります。その場合は電気工事の依頼をしなければいけません。
まずは自分で取り付け可能かどうかを確認し、その後具体的な取り付け方法・取り外し方法を見ていきましょう。
天井がシーリングライトを取り付けられる状態かどうか確認
シーリングライトは自分で取り付けができるケースと、できない(工事の依頼が必要になる)ケースがあります。
シーリングライトを自分で取り換えるためには「引っ掛けシーリング」という取り付け金具が天井に付いていることが大前提です。
引っ掛けシーリングとは、天井の照明器具に電気を共有するためのもの。イメージ的には「天井用のコンセント」と想像してもらえれば分かりやすいでしょう。 照明器具の重さを支える支持器具としてのはたらきもあります。
引っ掛けシーリングがついていない場合の対処法
部屋の天井に引っ掛けシーリングがないと、引っ掛けシーリング対応の照明器具を設置することができません。
引っ掛けシーリングには以下のような種類があり、それぞれ形状やサイズが異なります。
基本的にはどの引っ掛けシーリングであっても、シーリングライトを取り付けることができます。
しかしまれに引っ掛けシーリングの形状を指定している商品があります。その場合は対応する引っ掛けシーリングが家に設置されていないと取り付けができません。
また中央に突起があったり、ねじなどが飛び出したりしている配線器具にも取り付けることができません。
引っ掛けシーリング本体の取り付けをするには、電気工事士の資格が必要です。このことは『電気工事士法・電気工事施工規則の法律』という法律で定められています。
もし資格があれば自分で取り付けられますが、そうでない場合は自力での取り付けは違法行為になるため、取り付けは業者に依頼しましょう。
引っ掛けシーリングの形状が合わない場合の対処法
アダプタを引っ掛けて回す「引っ掛けシーリング」には、丸型や角型など様々な種類があります。これを知らずに購入してしまうと、「付属のアダプタが全く引っ掛からない」ということが起こります。
また電源端子露出タイプの引っ掛けシーリングや、古い旧式の引っ掛けシーリングの場合、現在の引っ掛けシーリングと比べてサイズ形状がそもそも異なっており、交換しないと取り付けられません。
交換には「電気工事士」で無ければ出来ないため、電気工事店又は電気店に電気工事を依頼しましょう。
引っ掛けシーリングの高さが合わない場合の対処法
天井に付いている配線器具の出しろの長さによって、引っ掛けシーリングがはまらない場合があります。
出しろとは、配線器具が天井から飛び出ている長さのことです。
【一般的な引っ掛けシーリング(取り付け金具)の出しろ】
出しろ約22mm前後 | フル引っ掛けローゼット
角型引っ掛けシーリング 丸型引っ掛けシーリング |
出しろ約11mm前後 | 引っ掛け埋め込みローゼット |
出しろが22mmほど必要なシーリングライトを、引っ掛け埋め込みローゼットに取り付けることはできないので注意が必要です。
説明書等に「出しろの長さが○○mm~○○mmに対応」という記載があるため、シーリングライトを買う際は、付ける配線器具の出しろの長さを確認しましょう。
ライトに対して出しろの長さが長すぎる場合、取り付けることはできますが、配線器具が出っ張ってシーリングライトが天井に密着しません。不安定さを解消するために、ライトと天井の間にスポンジを挟むことで対応可能です。
逆にライトに対して出しろの長さが短すぎる場合は、ライトの取り付けができません。別売りのアダプタを利用すれば取り付けることもできますが、正式な方法ではなく推奨されていません。
ライトの接続の安定感を望むなら、電気工事店又は電気店に電気工事を依頼しましょう。
天井の形状が合わない場合の対処法
シーリングライトは基本的に水平に設置し、垂直に重量がかかるような使用を想定しています。水平ではない場所や天井との間の隙間が広く宙ぶらりんになってしまう場合は、シーリングライトが安定しないため取り付けに適していません。
シーリングライトの取り付けに適していない天井は以下の通りです。
- 傾斜天井、勾配天井、船底天井など傾斜のある天井
- 竿縁天井、格子天井など桟のある天井
- 外部配線や突出部など凹凸のある天井
このような形状の天井にはシーリングライトではなく、吊り下げる形のペンダントライトの設置が適しています。
どうしてもシーリングライトを設置したい場合は、各メーカーから販売されている水平以外の天井に対応したアダプタを購入するようにしましょう。
天井に届かない場合の対処法
吹き抜け天井などで、シーリングライトが手の届かない高所に設置されていることもあります。この場合は少し大きな脚立を使うか、難しければ交換業者に依頼した方が良いでしょう。
業者に依頼する場合は、高所作業費として5,000円程度かかるのが一般的です。
シーリングライトの取り付け方・取り外し方
ここでは、シーリングライトの取り付け方・取り外し方について解説します。
引っ掛けシーリングが設置されていれば、シーリングライトの取り付けに工具や特別な配線などは必要ありません。
既存シーリングライトの取り外し方
すでに天井に付いているシーリングライトを交換する場合、まずは以下のような手順で取り外しましょう。
既存シーリングライトの取り外し手順
- シーリングライトのカバーの外側に手をかけ、回してカバーを外す
- シーリングライト本体とコネクタをつないでいるケーブルを外す
- アダプタについている取り外し用のレバー(つまみ)を押し、本体とアダプタを分離させる
- アダプタについている取り外しボタンを押しながら反時計回りにひねる
- アダプタを引っ掛けシーリングから取り外す
シーリングライトのカバーの外し方は、カバーに記載されているのでその通りに行いましょう。
また本体とアダプタを分離させるときに、アダプタから外れたシーリングライト本体が落ちてくることもあります。しっかり支えながら取り外すようにしましょう。
シーリングライトを取り付ける前には、以下の5つの点をチェックしましょう。
- 引っ掛けシーリングの状態
- パーツ
- 取扱説明書
- 脚立の有無
- 照明のスイッチOFF
引っ掛けシーリングにぐらつきやひび割れ、欠損などがある場合は引っ掛けシーリングも交換が必要です。破損があるままシーリングライトを使用し続けると落下の恐れがあります。ただし引っ掛けシーリング自体の交換は専門業者に依頼しなければいけません。
新しいシーリングライトの箱を開けたら本体やパーツに不備がないかを確認し、取扱説明書にもざっと目を通しておきましょう。シーリングライトには分離型と一体型の2種類があり、どちらのタイプになるかで取り付けの手順が変わってきます。
アダプタ部分 | |
分離型 | 引っ掛けシーリングから取り外せる |
一体型 | 引っ掛けシーリングに固定されている |
脚立があれば安定した足場を作れるので安心です。不安定な家具やキャスター付きの椅子に乗っての作業は危険なので絶対にやめましょう。
また作業を開始する前には、照明のスイッチがOFFになっているか必ず確認しましょう。スイッチがONになっていると、感電する可能性があるため危険です。
【分離型】シーリングライトの取り付け方
分離型シーリングライトの取り付け手順
- 天井の引っ掛けシーリングにアダプタを差し込む
- 時計回りにカチッとなるまでひねって接続する
- シーリングライト本体を押し上げ、カチッと音がするまではめ込む
- アダプタから出ているコネクタを本体に差し込む
- シーリングライトのカバーを水平にあてがい、回して固定する
「天井」→「引っ掛けシーリング」→「アダプタ」→「シーリングライト本体」→「シーリングライトカバー」の順で重なるようにするのがポイントです。
製品によってはアダプタとシーリングライトが一体化しているものや、本体を取り付けるときにコネクタを本体に通すものもあります。
【一体型】シーリングライトの取り付け方
一体型はアダプタと本体が一体になっているため、分離型よりも取り付けが簡単です。
シーリングライト本体を引っ掛けシーリングに差し込み、時計回りにカチッとなるまでひねります。そしてカバーを水平に回して固定させたら、取り付け完了です。
分離型と違い、アダプタとコネクタの差し込む手間が必要ないので楽に取り付けすることができますよ。
シーリングライトが取り付けられないときの対処法
引っ掛けシーリングや天井が購入したシーリングライトに対応していない場合は、増改アダプタを活用することで解決可能です。
またもともと引っ掛けシーリングがない場合や高所作業が困難な場合は、専門業者に取り付けを依頼しなければなりません。
増改アダプタを活用しよう
「新しいシーリングライトを購入したのに、引っ掛けシーリングの種類が違っていた」「引っ掛けシーリングが古くて新しいシーリングライトに対応していなかった」
こんなときに活躍するのが増改アダプタです。
天井に設置されている引っ掛けシーリングにカチッと取り付けるだけで、引っ掛けシーリングの種類を問わずシーリングライトを取り付けることができます。
増改アダプタは1型から4型まであり、パナソニックなどから販売されています。
ネットやホームセンターなどで簡単に購入することができます。500〜2,000円程度が相場なので、引っ掛けシーリングの交換工事よりも安く済むのも嬉しいですね。
増改アダプタを取り付けた後のシーリングライトの取り付け方法は、通常の引っ掛けシーリングと変わらない点も安心です。
シーリングライトの選び方|形状・明るさ・機能など
シーリングライトを購入する前に確認したい選び方を解説していきます。
サイズ感・形状や明るさの規格、機能をチェックすることで、最適なシーリングライトを選ぶことができますよ。
シーリングライトのサイズ感と形状
基本的にシーリングライトを取り付けるときには、インテリアとの相性や好みで照明の大きさや形状を選ぶのが良いでしょう。
シーリングライトの主な形状は以下の3つがあります。
- 和風タイプ(角型)
和室などに用いられる四角形の形状のものです。木材調の枠が取り付けられた商品などもあり、和の落ち着いた空間にマッチします。
- 洋室タイプ(丸型)
最もスタンダードでよく見かけるシーリングライトの形状です。
- 薄型タイプ
天井が低い居室等には、薄型のものを設置すると圧迫感を抑えることができます。薄型の形状や定義ははっきりしていませんが、厚さ5cm〜10cmの商品が分類されることが多いです。
まれに引っ掛けシーリングに合わないものが存在するため、対応している引っ掛けシーリングの形状と出しろの2点を確認しておきましょう。
シーリングライトの明るさの規格
シーリングライトの明るさの規格はlm(ルーメン)という単位で表されます。一般社団法人日本照明工業会が居室の畳数に応じた明るさの定義を公表しており、各メーカーはこれに準じた商品設計を行っています。
下記にまとめてみましたので、取り付けたい居室に対応した明るさのシーリングライトを購入しましょう。
お部屋の畳数 | 標準定格光束 | 定格光束の範囲 |
---|---|---|
〜4.5畳 | 2,700lm | 2,200lm以上〜3,200lm未満 |
〜6畳 | 3,200lm | 2,700lm以上〜3,700lm未満 |
〜8畳 | 3,800lm | 3,300lm以上〜4,300lm未満 |
〜10畳 | 4,400lm | 3,900lm以上〜4,900lm未満 |
〜12畳 | 5,000lm | 4,500lm以上〜5,500lm未満 |
〜14畳 | 5,600lm | 5,100lm以上〜6,100lm未満 |
たとえば8畳の標準定格光束は3,800lmとなっています。そのため8畳前後の部屋に対しての妥当な明るさは、3,800lm程であるということになります。ただしあくまで標準定格光束は平均値です。実際は右の欄の「定格光束の範囲」にある3,300lm以上~4,300lm未満であれば、8畳程の部屋に適した明るさが確保できます。
二つの定格光束の範囲に入る3,300lmの明るさのシーリングライトの場合は、6畳用と8畳用のどちらでも適しています。同じ明るさでも6畳用として販売しているメーカーもあれば、8畳用として販売しているメーカーもあるからです。
とはいえ基本的にシーリングライトは、一つ大きい部屋に対応できるサイズを購入するのがおすすめ。3,300lmは8畳対応の定格光束の範囲で一番低い数値です。そのため8畳用と書いてある商品でも、少し暗く感じる方もいるかもしれません。
シーリングライトを購入する時は対応畳数だけではなく、必ずlm数を見て自身の部屋に合うものを決めるようにしましょう。
シーリングライトの機能
シーリングライトには、さまざまな機能が搭載された多機能タイプもあります。
リモコンで照明の色を白系や暖色系に変更できる調色機能や、明るさを変更できる調光機能、タイマー設定をすると自動で消灯する機能がついているものが人気です。ご自身のライフスタイルに合わせて機能を使い分けると、生活がより便利になるでしょう。
おすすめのシーリングライト商品3選
わずと知れた国内大手メーカーの製品になります。5,499lmなので12畳程度まで使えるレベルです。
小さな文字でもくっきり見える「文字くっきり光」というメーカー独自の機能で、リビングで新聞や本を楽々読むことができます。
また全灯時の1.2倍の明るさになる「明るさアップ」、セットしておいた時間に自動で調光が切り替わる「おまかせモード」など便利な機能が搭載されています。
リビングで使用するのにおすすめです。
セールスポイントは小さなお子様が読書や勉強をする時に嬉しい「まなびのあかり」という機能です。太陽光に近い調光を行うことで文字がよりはっきり、色合いがより鮮やかに見えるようになる日立独自の技術になります。
子供部屋におすすめのシーリングライトです。
アイリスオーヤマ CL6DL-5.11WFV-M
|
お手頃価格でしっかりとした商品を提供しているアイリスオーヤマの製品になります。3,300lmなのでギリギリ8畳で使えるレベルです。
音声操作機能を搭載しており、ベッドの上からでも照明を操作することができます。また消灯時間を設定できる「おやすみタイマー」機能や、設定時間に自動点灯する「点灯タイマー機能」など、寝室に嬉しい機能がそろっています。
シーリングライトの取り付けを業者に依頼したときの費用相場
「引っ掛けけシーリングがないから自分では照明を取り付けられない」
「引っ掛けけシーリングはあるけど手が届かないから作業が難しい」
このような場合は、電気工事士の資格を持った専門業者に依頼する必要があります。
費用相場
引っ掛けシーリングがなく、引っ掛けシーリングの設置から依頼する場合の費用相場は以下の通りです。
引っ掛けシーリング本体 | 約500〜1,500円 |
施工費 | 約2,000〜3,000円 |
出張費 | 約3,000〜7,000円 |
その他シーリングライト本体代がかかります。
吹き抜け天井などでシーリングライトが手の届かない高所に設置されている場合は、5,000円程度の高所作業費がかかることが多いです。
引っ掛けシーリングの本体代や工事費用自体は安く済みますが、その分出張費や高所作業費が結構高くついてしまうこともあります。
できる限り他に依頼する必要のある工事と一緒に依頼すると、コストを抑えることができるのでおすすめです。他に工事すべき箇所がなければ、なるべく出張料の安い業者を選ぶようにすると良いでしょう。
自力で取り付けるのが難しい場合は業者に依頼を
日々の暮らしにおいて照明は欠かせません。自力での交換に少しでも不安を感じるようであれば、業者に依頼してしまうのが得策でしょう。
シーリングライトの取り付けは以下のような業者に依頼することができます。
- 電気工事業者
- 家電量販店
家電量販店でシーリングライトを購入した際、設置も可能かどうか聞いてみるのが良いでしょう。
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