毎日の暮らしにおいて重要な役割を果たしている蛍光灯がつかなくなって、慌ててしまったという経験を持つ人は少なくありません。つかなくなる理由を知るとともに、対処法についても把握しておきましょう。
なお、テスターを使って蛍光灯が使用可能かどうか調べるのは危険なので避けましょう。
【蛍光灯が両方ともつかない】原因と対処法
「蛍光灯が両方ともまったくつかない」場合の原因と対処法は以下の通りです。
蛍光灯の寿命
蛍光灯がつかなくなる原因の1つが、寿命を迎えていることです。蛍光灯の一般的な寿命は2〜4年です。
蛍光灯の状態から寿命かどうかを判断できます。「口金(くちがね)」という、照明器具を差し込む金属部分の根元が焦げていたり黒ずんでいたりする場合は、劣化が進んでいます。
対処法
蛍光灯の寿命が原因である場合は蛍光灯を交換しましょう。その際、現在使用している蛍光灯と同じ型番や点灯方式、ワット数のものを用意しましょう。
型番や点灯方式、ワット数が合致しているのに交換してもつかない場合には、蛍光灯の接続不良が考えられます。蛍光灯をはめ直してください。
それでもつかない場合は蛍光灯本体の初期不良や、照明器具の故障が原因である可能性が高いです。
グロー管の寿命
「グロー管」の損傷でも、蛍光灯がつかなくなります。聞き慣れない名称ですが、「点灯管」「常夜灯」「グローランプ」とも呼ばれ、蛍光灯をつける際の着火剤のような働きをする部分です。
蛍光灯は、内部にある「フィラメント」という部分に電気が流れることで光がともります。グロー管が劣化し破損してしまうと、フィラメントに電流が届かなくなり、ひいては蛍光灯が光を放つことができなくなるのです。
グロー管の寿命は、一般的には4〜8年だとされています。機種によってはグロー管が備わっていない場合もありますが、蛍光灯がつかなくなった場合には、グロー管の寿命も原因として考えられるでしょう。
対処法
蛍光灯の寿命と同様、グロー管に印字されている型番を確認した上で交換しましょう。
蛍光灯1本につき1つのグロー管が必要です。そのため両方の蛍光灯がつかない場合は、グロー管を2つ交換しなければ点灯しません。
安定器の故障
蛍光灯もグロー管も問題が見られなければ、安定器の劣化や故障が原因かもしれません。安定器の寿命である10年を過ぎると、内蔵しているコイルの巻線が劣化したり、絶縁体、コンデンサに不具合が生じたりすることが多いです。
安定器の故障は内部の部品の劣化によって引き起こされるため、蛍光灯やグロー管のように異変に気づくのは難しいでしょう。
対処法
電気工事士の免許を有している業者に安定器の交換を依頼しましょう。
交換には感電や漏電火災のリスクがあるため、有資格者以外が行うことは禁止されています。勝手に交換するのはさけ、必ず専門業者に相談したうえで依頼を行うことが重要です。
配線の不具合
蛍光灯やグロー管、安定器が原因でなければ配線を疑ってみましょう。
電気の配線になんらかの不具合があれば蛍光灯はつきません。配線の異常は停電や配電盤の故障、ブレーカーが落ちている、蛍光灯のスイッチが壊れているなどさまざまな原因によって引き起こされることが多いです。
対処法
電気工事会社や不動産管理業者に問い合わせをして、点検や修理を依頼するのがベストです。
スイッチや配線は複雑な内部構造を持っているため、素人が対処しようとすると事故につながることがあります。配線に異常があると感じたら、自分で解決しようとせず、まずプロに相談することが大切です。
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【蛍光灯が片方だけつかない】原因と対処法
「片方の蛍光灯だけがつかない」場合の原因と対処法は以下の通りです。
原因 | 対処法 |
蛍光灯の寿命 | 新品に交換 |
グロー管の寿命 | |
グローやセッティング不良 | セッティングし直す |
片方の蛍光灯だけ寿命
片方だけつかない場合は、つかない方の蛍光灯が先に寿命を迎えている可能性が高いでしょう。2本の蛍光灯を同時にセットしたのに、寿命の長さが違うというケースはよく見られます。
対処法
つかない方だけではなく、2本とも新品の蛍光灯に交換しましょう。片方のみつかない場合であっても、もう片方の寿命も近くなっていることが多いです。
また現在使用している蛍光灯の型番、点灯方式、ワット数を確認したうえで新しいものを購入することも肝心です。
片方のグロー管だけ寿命
蛍光灯と同じように、グロー管も片方だけが先に寿命を迎えているケースがあります。1つ目のグロー管のみつかなくなったら、程なくしてもう片方も寿命を迎えようとしているサインなので要注意。
対処法
型番が正しいかどうかを確認したうえで、2つのグロー管を新しいものに取り替えましょう。
グロー管の寿命は蛍光灯の約2倍です。そのため蛍光灯の交換と同時に予めグロー管も交換しておけば、グロー管がつかないというトラブルが起きにくくなります。
グローやプラグのセッティング不良
直管蛍光灯の片方しかつかない場合は、グロー管が正しくセッティングされていないかもしれません。丸型蛍光灯の場合も、プラグの差し込み方を間違えている可能性があります。
対処法
もう一度セッティングし直してみましょう。丸型蛍光灯の場合は特に、外側と内側のプラグを逆にしていないか確認してください。
【新品に取り替えてもつかない】原因と対処法
「新品に交換したのにまだつかない」というケースは、以下の原因が考えられます。
原因 | 対処法 |
蛍光灯の型番ミス | 正しいものに交換 |
照明器具の接触不良 | 蛍光灯をはめ直す |
照明器具の故障や老化 | プロの業者に修理を依頼 |
蛍光灯の型番ミス
蛍光灯の型番が違うものをセットすると新品に交換してもつくことはありません。
点灯方式には、「FL(グロースタート式)」「FLR(ラピッドスタート式)」「FHF(インバート式)」、蛍光灯の色には「D(昼光色)」「N(昼白色)」「W(白色)」があります。蛍光管の直径や波長などによっても型番は変わってきます。
型番を間違えると、寿命が縮まったり、最悪の場合ショートして発火したりするリスクもあるので要注意です。
対処法
ご家庭で使用している点灯方式や蛍光灯の色をしっかり確認したうえで、購入・交換を行いましょう。
型番は蛍光灯本体の右端か左端の口金(くちがね)付近に書かれています。点灯方式の見分け方は、以下の表を参考にしてみてください。
点灯方式 | 特徴 |
グロースタート式 |
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ラピッドスタート式 |
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インバート式 |
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照明器具の接触不良
蛍光灯はいくつかのパーツが連動することによって、光を照らします。主なものとしてはグロー管や安定器などに電気が流れ、蛍光灯がつくのです。
これらの部品同士の接続が緩んでいるなど接触不良が生じていると、電気がスムーズに流れなくなってしまいます。その結果、蛍光灯がつかなくなってしまうことがあるのです。
また電流は各部品をつなぐ配線を通ります。電線が切れていたり接触が悪くなっていたりすることが、蛍光灯がつかない原因の可能性もあります。
対処法
照明器具の接触不良には、以下の手順で対処することが可能です。
蛍光灯のはめ直し方 |
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照明器具の故障や劣化
照明器具そのものに故障や劣化が生じたことによって、蛍光灯がつかなくなっている可能性もあります。
特に本体の配線の不具合は、よく起こるトラブルの1つです。照明機器には、ソケットや基板など配線を伴うパーツが備わっています。それらが故障すると、蛍光灯はつかなくなってしまうのです。
あるいは点灯・消灯のためのスイッチに、不具合が生じている場合もあります。本体に通じる「プルスイッチ(紐スイッチ)」や壁にあるスイッチの故障が原因で、点灯できないこともあるのです。
対処法
照明器具が故障している場合は、メーカーや電気工事会社などの専門業者に修理を依頼するのがベストです。
賃貸の場合で、備え付けの照明器具そのものの不具合で蛍光灯がつかなくなった場合は、管理会社に連絡を入れ相談してみましょう。
生活に不可欠な設備の場合、修理や保全をするコストは必要費に当たります。そして必要費は、基本的に貸主が負担すべきものとされているのです。
【点灯するが異常がある】原因と対処法
ここでは点灯するが異常が見られる時の原因と対処法を、症状別に解説します。
光が弱い
蛍光灯がいつもより暗い時は、室温が低いのが原因かもしれません。室温が20℃以上になっても光が弱い場合は、寿命を迎えているかもしれません。
新しい蛍光灯に交換しましょう。
電気がつくまで時間がかかる
点灯までに時間がかかる場合は、グローランプが寿命を迎えている可能性があります。グローランプを交換してみましょう。
また「電子点灯管」を使えば、点灯までにかかる時間を短縮することができます。
異音がする
蛍光灯から異音がする場合は、安定器に異常がある可能性が高いです。
安定器の交換が必要ですが、素人ではできないので、業者に依頼しましょう。
関連記事:蛍光灯がうるさい原因は?音の種類別・異音の原因と対処法を解説|ミツモア |
種類別!蛍光灯の交換方法
蛍光灯がつかない原因が以下の場合、蛍光灯を交換すれば解決します。
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蛍光灯の交換方法は蛍光灯の種類によって異なります。ここでは交換前に注意すべきポイントと交換手順について解説します。
関連記事:蛍光灯の安全な取り外し方を確認!種類別の作業方法を紹介 |
蛍光灯を交換するときの注意点
蛍光灯を交換する前には以下の3つに注意する必要があります。
蛍光灯を交換する際に気を付けること |
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蛍光灯のスイッチをオフにしてから作業に取りかかりましょう。オンにしたまま交換すると感電する恐れがあります。また電気の発した熱でヤケドを負うこともあるので、使用した直後の交換も避けましょう。
濡れた手での作業も感電のリスクがあります。水は電気を通しやすい性質を持っているので、手の水分はしっかり拭き取ったうえで作業しましょう。「絶縁手袋」という感電防止グッズを利用するのも一案です。
足場を安定させることも重要なポイントです。回転イスなどに立って交換しようとすると、バランスを崩して怪我につながるため危険です。脚立や脚が固定されたイスを利用し足元を安定させてから、作業に取り掛かりましょう。
直管型蛍光灯の交換方法
直管型蛍光灯は直線タイプの蛍光灯です。「切り込み式」と「はめ込み式」で交換方法がそれぞれ異なります。
切り込み式は蛍光灯を手前に引くのに対し、はめ込み式は蛍光灯を押し出すことで簡単に蛍光灯を取り外すことができます。
切り込み式の交換手順 |
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はめ込み式の交換手順 |
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丸型蛍光灯の交換方法
丸型蛍光灯は、照明器具にプラスチックのカバーがついていることが多いので、最初に取り外すことを忘れないようにしましょう。
丸型蛍光灯の交換手順 |
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電球型蛍光灯の交換方法
電球型蛍光灯の交換方法は簡単で、電球を回転させて取り外し、新品を取り付けるだけで完了します。
ただし、真っ直ぐに回転させなければはめ込みが歪んでしまいます。電球の端子と証明の端子がしっかりと接触するよう、真っ直ぐに回すことを意識しましょう。
グロー管の交換方法
グロースターター形の蛍光灯を使用している方は、蛍光灯と一緒にグロー管も交換しましょう。ラピッドスタート式とインバート式を使用している家庭には、もともとグロー管はついていません。
グロー管の交換方法は簡単。反時計回りに回転させるとグロー管を取り外すことができます。新品を取り付ける際は、反対に時計回りに回して付けます。
業者に修理を依頼すべきケースと費用
以下の原因で蛍光灯がつかない場合は、専門業者による点検・修理が必要です。
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安定器が故障していると修理する必要があります。故障の主な原因は経年劣化で、内部のパーツを交換しなければなりません。
安定器の中には、絶縁体やコイル、コンデンサーなどの部品が設置されています。それらが破損してしまうと、安定器としての働きが阻害されるのです。
安定器の修理は、「第一種電気工事士」や「第二種電気工事士」などの資格を持っている人が行わなければなりません。勝手な判断で交換するのは絶対に避けましょう。
また照明器具の故障により建物の配線工事が必要な場合も、有資格者のみ作業が可能です。配線トラブルが生じたら、まずは業者に相談しましょう。
気になる費用の相場ですが、基本的な作業であれば5,000〜10,000円で依頼可能です。吹き抜け構造で高所での作業が必要な場合などは、別途費用が加算されます。
【交換しても豆電球がつかない】原因と対処法
蛍光灯と同様、新品に交換しても豆電球がつかないといったトラブルもよく見られます。
交換しても豆電球がつかない主な原因は、照明器具の寿命です。蛍光灯と異なり、豆電球の内部構造はシンプルなので、豆電球自体が原因となることはほとんどありません。
照明器具が故障すると、配線やシーリングの工事が必要になるケースがあります。「豆電球がおかしい」と感じたら、まずは資格をもったプロの業者に問い合わせてみましょう。
【LED蛍光灯がつかない】原因と対処法
LED蛍光灯の特徴は寿命の長さです。一般的に13年〜17年と、普通の蛍光灯の4倍以上長持ちします。しかし、「交換したのにつかない」「2〜3年でつかなくなった」というケースも見られます。
ここではLED蛍光灯がつかない原因と対処法について解説していきます。
配管器具の種類ミスでLED蛍光灯がつかなくなる
新しいLED蛍光灯に交換したのにつかない場合は、配管器具に適合していないLEDを選んでいる可能性が高いです。
LED蛍光灯には「工事がいらないタイプ」と「工事が必要なタイプ」の2種類があります。工事が必要なタイプをはめていないか、工事不要のものでも異なる点灯方式の蛍光灯をセットしていないかを一度確認してみましょう。
もし合致していなければ、配管器具に合ったLED蛍光灯に交換し直す必要があります。工事不要タイプのLED蛍光灯に交換可能な配管器具の種類は、以下の5つです。
工事不要タイプのLED蛍光灯に交換可能な配管器具 |
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また工事不要タイプのLEDに適合する配管器具が設置されていない場合は、プロによる工事が必要です。その際、相見積もりを取得し複数業者を比較することを忘れないようにしましょう。
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安定器の故障でLED蛍光灯がつかなくなる
「想定していたよりも早い段階でつかなくなった」という場合は、安定器の故障が原因かもしれません。
LED蛍光灯は、従来の蛍光灯と違い安定器を必要としません。そのためLED蛍光灯に交換する際、安定器を取り外す「バイパス工事」が必要です。安定器をつけたままLED蛍光灯に交換すると、安定器に無駄な電流が流れ故障し正常に蛍光灯がはたらくなってしまいます。
LED蛍光灯に交換する際は、バイパス工事を専門業者に依頼しましょう。バイパス工事を行うことで、LED蛍光灯の寿命を適正に保つことができると同時に、電気代を節約することもでき一石二鳥。
気になる工事費は20,000〜50,000円程度が目安。ただし業者によって費用が大きくことなるので、依頼する際は費用項目を詳細にチェックするようにしましょう。
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