吹き抜けの照明選びのポイントは?
吹き抜けは天井が高いので、居住空間までどのくらい光が届くかが最大のポイントとなります。明るくするために照明器具を増やしすぎて、せっかくの解放感を損ねてしまわないようにも注意しましょう。
吹き抜けの照明器具はどんなものがある?
吹き抜けの照明にはペンダントライトが人気です。シェードという傘の部分はガラス、ホーロー、陶器など様々なデザインがあるので部屋の雰囲気づくりにも役立ちます。明るさが足りない場合は、ブラケットライトやスポットライトを併用するのが一般的です。



吹き抜けは天井が高いので、居住空間までどのくらい光が届くかが最大のポイントとなります。明るくするために照明器具を増やしすぎて、せっかくの解放感を損ねてしまわないようにも注意しましょう。
吹き抜けの照明にはペンダントライトが人気です。シェードという傘の部分はガラス、ホーロー、陶器など様々なデザインがあるので部屋の雰囲気づくりにも役立ちます。明るさが足りない場合は、ブラケットライトやスポットライトを併用するのが一般的です。

吹き抜け空間に設置する照明は、以下4種類の中から組み合わせで選ぶのが基本です。
吹き抜け空間は広いため、これらから2・3種類の照明を選び組み合わせて全体を照らすことを考えるのが一般的です。
それぞれの照明の特徴と、オススメの商品を解説していきます。

ペンダントライトは「ペンダント」という名前から分かるとおり、吊り下げ式の照明です。
吊り下げることで光が床に近くなるため、吹き抜け空間との相性が良い照明器具です。メイン照明として、1~3個ほど設置されるケースが多いです。
デザイン性に富むのが特徴ですが、陶器やアンティーク調のペンダントライトだと、シェード(傘の部分)の素材によっては光が弱くなりすぎることも。
壁際や天井の明るさが不十分になる場合は、小さめの照明器具を一緒に設置して、明るさを補うのが良いでしょう。
ペンダントライトといえば、ガラスを使った素材の、可愛らしく丸いフォルムを想像する方も多いのでは。
こちらの商品はガラスの透明度が3種類あり、それぞれ光の柔らかさが変わります。あえて別のガラスのペンダントライトを吊り下げることで、同じ形の統一感はありつつも、光りかたに遊び心を加えることが可能です。
アンティークなデザインがおしゃれな、ステンドグラスのペンダントライトもあります。こちらの商品はLEDにも対応可能です。
すりガラスになっているぶん光は弱めになってしまうので、別のライトと併用するのがオススメ。
シェード上部に天然木を使用したペンダントライト。シェード下部はアンティーク調の「ミルクガラス」が使われていて、光が柔らかくぽってりとして印象になります。
シンプルながらも温かみのあるデザインで、木製家具を使用したダイニングの吹き抜けなどにオススメです。
シェードが水平に広がっている、モダンな印象のペンダントライトです。シックな雰囲気に統一したいようなリビングの吹き抜けにちょうどいいデザイン。
こちらはシェードが陶器になっているペンダントライト。光に独特の温かみがあり、透かし模様が浮かび上がるのがポイント。
吹き抜けに使うときは部屋の明るさに注意する必要がありますが、スポットライトなどと併用してデザイン重視の照明にすることも可能です。

「スポットライト」は、その名のとおり「スポット(一部分)」だけを強く照らす照明器具。
空間全体を明るくする力は少ないですが、狙った場所を照らす明るさは強力です。そのため基本的には壁際に設置して、吹き抜け上部の明るさを担保する使い方がオススメ。
「居室空間のほうはペンダントライトを吊り下げて、暗くなりがちな天井空間はスポットライトで照らす」という組み合わせで宅内の明るさとオシャレさを両立できます。
メイン照明をペンダントライトやダウンライトにする場合は、スポットライトをなるべく目立たないシンプルなデザインにするとよいでしょう。
カフェや別荘のような雰囲気を演出できるため、複数個をメイン照明として使用するケースもあるので、いろいろな照明プランを考えてみましょう。
東芝が販売しているシンプルなスポットライトです。白い壁とマッチして、自然に設置することができます。
角が丸みを帯びたデザインのものを選ぶと、柔らかくふんわりとした印象になります。
モダンなデザインや、シックな雰囲気の部屋に合わせて吹き抜けの照明を選ぶなら、メタリック系という選択肢もあります。一見するとゴツゴツした印象ですが、壁や天井に等間隔で設置すればそこまで目立たないでしょう。

ブラケットライトは「ウォールライト」とも言われ、壁面にくっついている照明のことです。
おもに補助照明や間接照明として使われることが多く、吹き抜けで使うときにもペンダントライトなどの補助用にするのがオススメ。
リビングやダイニングの天井空間に設置することもできますが、吹き抜けの階段部分に設置するのもオシャレな印象になるでしょう。
ブラケットライトには光源むき出しのタイプと、光源が隠された間接照明タイプがあります。
吹き抜け空間は広いので、自然光の届かない壁際が暗くなりがちです。そんな壁付近を照らせるため、補助的な役割で使い勝手の良い照明器具です。
もちろんブラケットライト自体もデザイン豊富なので、好きな色や形から選ぶのもよいでしょう。
ブラケットライトの人気メーカー「コイズミ照明」の商品を3点紹介します。
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こちらは丸みを帯びたデザインが可愛らしいブラケットライト。光が同心円状に柔らかく広がるので、壁にふんわりとした温かみが生まれます。
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こちらは四角形のタイプで、壁に水平に設置するタイプ。円形のブラケットライトよりも少しモダンな印象のデザインですが、パキッとしすぎていないので、どんな部屋にも似合います。
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こちらのブランケットライトは上下に光が広がるので、補助照明として天井空間を明るく見せるのにピッタリです。ただし不要な影が出来てしまわないか計算しながら設置する必要があります。
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木目のキューブ状が可愛らしいブラケットライト。木製家具とマッチしやすいのはもちろん、シンプルな白壁であっても木のワンポイントがぬくもりを与えてくれるでしょう。
オーデリックも人気の照明メーカーで、意匠性の高いブラケットライトを数を奥販売しています。
上画像のようにロングタイプのブラケットタイプは、壁や天井と一体化して見えるので、「壁にいくつも照明を付けたくないけど広く光を当てたい」という場合にもナチュラルに設置できます。
黒を基調とした、一見変わったデザインのブラケットライト。柄の部分が長いので光の当て方はしっかり計算する必要がありますが、カフェテラスのようなモダンなデザインが好きな人にはオススメの商品です。

ダウンライトは、天井に埋め込んである小型照明のこと。基本的には円形のシンプルな照明で、デザイン性よりも光の当たり方に工夫が必要です。
ダウンライトは空間を邪魔しない補助照明として優秀ですが、吹き抜けで使う場合は天井が高いため、床まで光が届きにくくなってしまいます。またメンテナンスも高所作業が必要になるので手間を考慮する必要があるのです。
吹き抜け空間に設置するなら、長寿命のLEDダウンライトを選んで、なるべく長期間はメンテナンス不要な状態にするのがよいでしょう。
また「リビングが暗い」という失敗を防ぐために、配置に関して基礎知識を覚えておきましょう。

吹き抜けの場合、ダウンライトを設置するならブラケットライトやスポットライトとの併用が基本です。
吹き抜けを天井空間と居室空間に分けて考えると、天井空間はしっかりと明るくても、居室空間や壁際まで光が届きにくくなってしまいます。
壁面にロングタイプのブラケットライトを設置したり、スポットライトで壁を照らしたりすることで、部屋全体を明るい印象にすることが可能です。

ダウンライトから居室空間までの間に遮蔽物があると、不快な影ができてしまいます。
たとえば天井にシーリングファンがある場合、その直線状にダウンライトがあると影がチラついて不快な状態に。
遮蔽物がある場合はダウンライトの距離を遠ざけて、壁際に光を反射させるなどのテクニックが必要です。
また壁にダウンライトの光を当てたとしても、光が拡散するタイプだと、対面の壁にシーリングファンの影が映ってしまいます。この場合は集光タイプのダウンライトを使って、光がシーリングファンに当たらないようにするとよいでしょう。

吹き抜けの照明を選ぶには、ありがちな失敗事例を知っておくことが重要です。以下の3つが、吹き抜け照明で陥りがちな失敗事例です。

居室の照明として一般的なシーリングライトは、吹き抜けには適していません。天井に埋め込んでいるため床に光が届きにくくなります。また電球交換などのときに高所作業となるので、メンテナンスが大変だからです。
ダウンライトも同じ理由から、メンテナンスはしにくいので注意が必要です。
電球部分に使われるのはLED、蛍光灯、白熱電球の3種類がありますが、もっとも大きな違いは「寿命」です。
| 電球の種類 | 寿命 |
|---|---|
| LED | 約40,000時間 |
| 蛍光灯 | 約13,000時間 |
| 白熱電球 | 約1,000~2,000時間 |
このようにLEDライトが最も長寿命です。1日8時間照明を使用する場合で単純計算しても、約13~14年ほど持つことになります。ちなみに同じ計算方法で蛍光灯は約4~5年、白熱電球は約125日間の寿命。
吹き抜け天井の場合、照明器具のメンテナンスは大変なので、寿命の長いLEDライトを選ぶのがオススメです。
とくにダウンライトのような埋め込み型や、天井付近に設置するスポットライトやブラケットライトの場合は、すぐに寿命がくる白熱灯を使用すると頻繁に電球交換しなくてはいけなくなって大変です。
ペンダントライトやスポットライトなど、吹き抜けに適した照明器具は様々なものがありますが、いちばん注意したいのは「明るさ」です。
照明のデザインは「光の広がりかた」に大きくかかわりますが、「明るさ」そのものは電球の「ワット数(W)」もしくは「ルーメンス(lm)」によって変わります。
| 部屋の広さ | LED電球 | 蛍光灯 | 白熱電球 |
|---|---|---|---|
| 6畳 | 2400~3300lm | 60~80W | 240~320W |
| 8畳 | 3000~3800lm | 80~100W | 320~400W |
| 10畳 | 3500~4400lm | 100~125W | 400~500W |
| 12畳 | 4000~5000lm | 100~125W | 400~500W |
| 14畳 | 4600~5500lm | 125~150W | 500~600W |
上記は一般的な部屋の広さごとに必要な明るさの目安をまとめた表です。
居室空間に近い高さにペンダントライトを設置する場合は、この表を参考に電球を選ぶとよいでしょう。
ただし天井付近に設置するダウンライトやブラケットライトの場合は、居室空間まで光を届かせるためにより多くのパワーが必要になるので注意してください。
吹き抜けの天井は高いので、居室空間まで十分な光が届かない可能性もあります。
それでも十分な明るさを届かせるには、ダウンライトやペンダントライトをいくつも設置したり、ワット数を上げたりといった「足し算」を考えてしまいがちです。
しかし、いくつも照明があってスペースを圧迫してしまうと、せっかく吹き抜けで広々としたスペースなのにリラックスできなくなってしまうかもしれません。
また天井に埋め込んである照明はメンテナンスの難しさもデメリットです。
そこであえて天井には照明を設置しないという「引き算」の考え方がオススメ。
たとえば上下方向に光が伸びるブラケットライトを壁に設置して、足りない光はスポットライトで補ったり、床にスタンドライトを置いて補ったりするという選択肢もあります。
吹き抜けのメリットである「解放感」をつぶさないように考えつつ、どんな空間にしたいかイメージを膨らませて、電気工事業者やリフォーム業者に伝えるとよいでしょう。
天井にシーリングファンがあると、光が当たって影ができてしまい、邪魔に感じることがあります。改善したい場合の選択肢として、照明器具付きのシーリングファンを検討してみてはいかがでしょうか。
ライトは回らずに固定されていて、ファンだけが回転します。上画像のように4灯で明るく照らしてくれる商品から、シンプルな1灯タイプまで幅広いラインナップがあるので探してみましょう。
ちなみに照明器具を探すときと違って、ファンの性能にも注意する必要があります。「照明には満足したけどファンの性能がイマイチ」と後悔しないように、レビューや口コミを調べておくのベターです。
リビングの吹き抜け照明選びのポイントは以下の通りです。
リビングは家族が生活する場所なので、快適にすごせる明るさが必要です。広さがあるため、暗くて見えない場所ができないように考えて照明を設置する必要があります。
以上を考慮すると、おすすめの照明は以下の組み合わせです。


| 失敗事例 | 失敗理由 | 対策 |
|---|---|---|
| 吹き抜け空間が暗い |
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|
| 光源が目に入り眩しい |
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|
| シーリングファンの影がちらつく |
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吹き抜け照明で一番多い失敗「暗さ」について、光の性質を交えて解説します。
吹き抜けの天井は一般的な部屋の2倍近くの高さがあるため、通常の部屋の照明数・照度では明るさが足りません。
「光の強さは距離の2乗に反比例する」という性質があり、床への距離が遠くなるほど光が弱くなってしまうのです。
天井まで2倍の距離があるということは、普通の部屋の4倍の明るさが必要だということ。
ただしこれは単純計算した場合です。吹き抜け空間の構造は建物ごとに違うため、光が届く範囲はそれぞれ変わってきます。

吹き抜け照明をおしゃれに配置するためのコツを紹介していきます。
ゴテゴテと照明を取り付けるのではなく、メイン照明を決めてテーマに沿った空間づくりをするのがベストです。具体的なコツを2つ見ていきましょう。
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吹き抜けならではの開放感を生かすには、縦方向に長いペンダントライトを活用してみましょう。縦に長いペンダントライトには以下のメリットがあります。
縦に長いペンダントライトは2階部分から1階部分まで広く照らせるため、余計な照明を減らすことにもつながります。吹き抜けの持ち味を出すには、照明数を極力減らすことも重要です。照明数をどこまで減らして良いかは、照明取り付け業者などのプロに相談してみてくださいね。
ウッディーでモダンな北欧風に仕上げたい場合、スポットライトをメイン照明にしてみましょう。特に天井に梁(はり)がある吹き抜けであれば、梁に沿ってスポットライトを配置するのがおすすめです。
メインのスポットライトはカバーが色付きのものや、質感に特徴があるものを選ぶと北欧感が増します。明るさを補強するには、光の足りない部分にブラケットライトを配置するのがベストです。ペンダントライトは、あえて配置しない方が空間をすっきりと魅力的に見せられます。

光や建築に関する細かな計算はプロに任せた方が確実です。
「失敗せずに最適な照明を選びたい」という方は、電気工事業者に相談してみましょう。生活が不便にならない明るさを確保するためのサポートをしてもらえますよ。
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