親族が亡くなった時に所有していた家を含む財産は、遺産としてその人の相続人が相続することになります。
そして、相続した人は取得した財産の金額に応じて、相続税などの税金も納めねばなりません。
特に、遺産に家(不動産)が含まれている場合には、税金計算や名義変更の手続きが複雑になる可能性がありますから、できるだけ早いタイミングで対策を考える必要があります。
この記事では、親から相続した遺産に家(不動産)が含まれている場合にかかる税金の種類や制度・特例、節税方法までくわしく解説します。
家を相続したら払うべき税金の種類と税額
遺産として家などの不動産を相続した場合にかかる税金には、「登録免許税」と「相続税」の2種類があります。
登録免許税は不動産の名義変更を行うときに納める必要がある税金で、名義変更の手続きを行うタイミングで法務局に対して納める必要があります。
そして相続税は遺産の金額が一定額を超えるとき(具体的には3600万円以上が目安です)にかかる税金で、相続が発生してから10か月以内に税務署に納付しなくてはなりません。
それでは、これら2種類の税金の計算方法について、かいつまんでご説明しましょう。
登録免許税の税額計算方法
登録免許税の金額は、以下の計算式で計算することができます。
登録免許税=固定資産税評価額×税率(2018年現在は0.4%)
「固定資産税評価額」とは、固定資産税を計算するときの基準となる不動産価格のことです。固定資産税評価額の金額は、毎年5月ごろに市役所から郵送されてくる「固定資産税の納税通知書」で確認することができます。
例えば、建物の固定資産税評価額が3000万円である場合には、次のように登録免許税は12万円と計算できます。
登録免許税=3000万円×0.4%=12万円
なお、登録免許税は、法務局の窓口で印紙を購入して納めます。
司法書士などの専門家に依頼して登記手続きを行う場合には、登録免許税は専門家に支払う報酬に実費として含まれるのが一般的です。
家(不動産)の名義変更
家の名義変更手続きは法律上の義務ではありませんので、手続きをしなかったとしても処罰の対象にはなりません。
しかし、家は名義変更をしていないとトラブルに巻き込まれてしまう可能性が高くなります。ですので、通常は遺産分割の協議が完了したら、速やかに名義変更手続きを行うのです。
登録免許税は法務局に名義変更手続きを行ってもらうための、手数料のようなものになります。
相続税額の計算方法
次に、相続税の計算方法についてみていきましょう。
相続税は、ごくおおまかに説明すると次の計算式で計算できます。
相続税額=(正味の遺産額-基礎控除額)×税率
上の計算式を理解するためには、①正味の遺産額・②基礎控除・③税率のそれぞれの意味を理解する必要がありますので、簡単に説明します。
①遺産総額
相続税が課税される「遺産総額」は、亡くなった人が所有していた「プラスの遺産」から「マイナスの遺産(借金)」を差し引きして計算します。
例えば以下の通り、遺産として現金2500万円・土地5000万円・建物2000万円・借金1500万円がある場合について考えてみます。
- 現金2500万円
- 土地5000万円
- 建物2000万円
- 借金1500万円
正味の遺産額は、(2500万円+5000万円+2000万円)-1500万円=8000万円と計算できます。
②基礎控除
基礎控除とは、ごく簡単にいうと「遺産がこの金額を越えない場合には、相続税はかかりませんよ」という仕組みのことです。以下のイメージようなイメージで捉えてください。
相続税の基礎控除は以下の計算式で計算できます。
基礎控除=3000万円+600万円×法定相続人の数
例えば、亡くなった人に2億4800万円の遺産があり、遺族として配偶者と子供2人がいるという場合、基礎控除の金額は、3000万円+600万円×3人=4800万円と計算できます。すると相続税の課税基準額は以下の通りです。
相続税は①正味の遺産額から②の基礎控除の金額を差し引きした金額に対して課税されます。ですので、正味の遺産額が基礎控除の金額よりも小さい場合には、相続税は課税されないことになるのです。
そのため、基礎控除の下限額は3600万円となりますので、相続税を納める必要があるかどうかは、「正味の遺産額が3600万円を超えるか」を1つの判断基準とすると良いでしょう。
なお、2015年に法律が改正され、相続税の基礎控除額は減額(以前は5000万円)されているのでご注意ください。
③税率
相続税の税率は、たくさん遺産がある人ほど高くなる仕組みになっています。
具体的には、次の「速算表」に遺産の課税価格(基礎控除を引き算した後の金額のこと)を当てはめて税率を掛け算します(控除額というのは計算上、税率を掛け算した後に差し引きする金額です)
例えば、以下のような場合には、相続税は税率票に従って370万円と計算できます。
- プラスの遺産:1億円
- マイナスの遺産:3000万円
- 妻と子の2人が相続人
- 正味の遺産額=1億円-3000万円=7000万円
- 基礎控除=3000万円+600万円×2人=4200万円
- 課税価格=7000万円-4200万円=2800万円
相続税額=課税価格2800万円×税率15%-控除額50万円=370万円
家の相続税計算時に土地・建物を評価する方法
家の相続税を計算するには、まず「遺産の金額がいくらなのか?」を確定することから始めなくてはなりません。
このとき、相続税の課税対象となる遺産の金額のことを「相続税評価額」と呼びます。
遺産が現預金だけの場合には相続税評価額の計算も簡単ですが、土地や建物といった不動産はその時々によって財産価値が変動しますから、相続税評価額の計算方法も少し複雑になります。
では、それぞれの相続税評価額の計算方法について見ていきましょう。
建物の相続税評価額を計算する方法
建物の相続税評価額は、固定資産税の評価額と同額です。
固定資産税の納付書に記載されている評価額を、相続税の評価額としてそのまま使えば問題ありません。
土地の相続税評価額の計算方法①路線価方式
土地の相続税評価額は「路線価」によって計算するのが一般的です(路線価が設定されていない土地については、後で見るように「倍率方式」で計算します)
路線価とは全国の道路に設定されいる、面する宅地の1㎡ごとの価格のことで、毎年発表されています。
路線価で土地の相続税評価額を計算する場合には、次の計算式を使います。
土地の相続税評価額=路線価×地積(土地の面積)
路線価は各地の倍率は国税庁ホームページで、地積は固定資産税の納付書で確認できます。
土地の相続税評価額の計算方法②倍率方式
「倍率方式」は路線価が設定されていない土地の相続税評価額を計算する際に使用します。
固定資産税評価額に一定の倍率をかけるという計算方法で、計算式は以下の通りです。
固定資産税評価額×倍率
各地の倍率は国税庁ホームページで確認できます。
相続税を支払うのと生前贈与はどちらがお得?
相続税は相続が発生するタイミング(財産所有者が亡くなるとき)に残っている遺産の金額に応じて課税されます。
そのため、遺産総額を減らすために、生前に家族に対して財産を分け与えておく「生前贈与」という手段もあります。
ただし、生前贈与については贈与税が課税されますので、贈与税の金額と、贈与を行わなかった場合に負担する相続税の金額の比較が必要になります。
本項では、生前贈与して贈与税を支払うケースと相続税を支払うケースを比較して、どちらの方が税額負担が軽いかを検証していきます。
生前贈与には贈与税がかかる
極端にいえば、相続が発生する際に遺産が0円となっていれば相続税は1円も支払う必要がありませんから、「相続税を払うより、生前贈与の方がお得なのでは・・・」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、上でも見たように生前贈与する財産の金額が一定額を超える場合には相続税の代わりに贈与税がかかることに注意が必要です。
贈与税の税額計算方法
贈与税の金額は、以下の計算式によって計算します。
(1年間で贈与された財産額-基礎控除110万円)×税率
贈与税も相続税と同様に、たくさんの財産を得た人ほど税率が高くなる仕組みになっています。税率は、次の表をご参照ください。なお、「特例税率」が適用されるのは、20歳以上の人が父母や祖父母などから財産を贈与された場合です。それ以外の人から贈与を受けた場合は、「一般税率」を使います。
贈与税の控除制度
贈与時には、各種の控除制度が用意されています。
代表的な贈与税の控除制度として挙げられるのは「住宅取得等資金の特例」です。
これは父母や祖父母から家を購入するための資金を贈与された場合に適用される控除制度で、700万円までの贈与であれば贈与税が非課税となるというものです。さらに、購入する住宅が省エネ住宅である場合には、1200万円まで非課税となります。
通常の贈与では110万円を超える贈与には贈与税がかかってしまいますから、大きなメリットがある制度ですね。
「住宅取得等資金の特例」を適用するには、以下のような条件を満たす必要があります。
- 父母や祖父母から受けた贈与であること(他人から受けた贈与は不可)
- 贈与を受けた人が住居として住むマイホームの購入であること(不動産投資などは不可)
- あくまでも「資金」の贈与であること(不動産を直接贈与する場合は不可)
- 贈与税の申告をすること(贈与を受けた年の翌年の3月15日が期限)
相続税と贈与税どちらがお得?税額を比較
贈与税と相続税のどちらを選択する方が税金の負担が小さくなるのかをシミュレーションしてみましょう。
次のようなケースを考えます。
- 財産総額5000万円
- 法定相続人3名(配偶者&子2人)
この場合、相続税と贈与税の負担額は、それぞれ以下のようになります。
- 相続税=(5000万円-(3000万円+600万円×2人))×税率10%=80万円
- 贈与税=(5000万円-110万円)×55%=2689万5000円
このように、一度に贈与する金額が大きい場合、贈与税の負担額は相続税を支払う場合と比べて非常に大きくなってしまいます。
「計画的な生前贈与」で節税を
贈与税の計算は1年ごとに、贈与を受ける人1人ごとに行います。したがって、相続発生まで時間がある場合には計画的な生前贈与を行うことで、大きな節税効果を得られることも。
例えば、相続人である3人の子供に、毎年110万円ずつを30年間にわたって生前贈与した場合を考えましょう。
この場合、110万円×3人×30年間=9900万円を無税で分配することが可能になります。
もし9900万円を分配せずに持ち続けていて、そのまま相続が発生した場合に支払うべき相続税は以下の通りです。
(9900万円-(3000万円+600万円×3人))×税率30%-700万円=830万円
830万円分も節税できる計算となりました。生前贈与による税金対策は、計画的に行えば高い節税効果があることがお分かり頂けると思います。
家(不動産)相続で有用な制度・節税方法
家(不動産)を相続する場合には、相続税を節税できる制度があります。
本項では、メリットの大きい制度について紹介していきます。
配偶者控除
相続人が被相続人の配偶者である場合には、配偶者の税額軽減、通称・配偶者控除とい
う制度を利用できます。
大まかに説明すると、配偶者が相続する遺産が1億6000万円を超えない範囲であれば相続税は0円となるという制度です。
相続税を大きく節税できるお得な制度ですが、配偶者控除を利用するためには、必ず相続税の申告を期限(相続発生から10か月)までに行わねばなりません。
申告期限までに遺産分割協議が完了していない場合には配偶者控除の適用を受けられませんが、後日の適用も可能です。いったん配偶者控除の適用なしで申告した後に遺産分割を行い、その後4か月以内に更正の請求という手続きを行うことで適用を受けられます。
ただし、この方法を使う場合には、今回発生する相続についてだけ考えるのではなく、その後に発生するであろう相続(二次相続)の際に相続税額が上がる可能性があることも考慮しておかなくてはなりません。
土地の分筆で評価額を引き下げる
遺産の評価額(相続税評価額)を下げる=相続税の節税になる、という図式はこれまでもご説明してきました。これを活用した土地相続税の節税方法が「土地の分筆」です。
土地を相続する際には、「分筆」によって土地を分割することで、財産としての評価を下げる節税方法するというもの。
分筆により財産としての価値が下がったとしても、実際には相続人である親族同士で共同で使っているというような場合には、土地の実質的な利用価値は低下しないので、メリットのある方法といえます。
小規模宅地の特例を利用する
宅地を建てるために使っている土地が遺産に含まれる場合、「小規模宅地等の特例」という税軽減制度を利用することができます。
小規模宅地等の特例とは、簡単にいうと土地の相続税評価額を最大80%(宅地の利用区分により、限度面積・減額割合が異なる)割引してもらえるという制度です。
例えば、1億円の土地が遺産としてあるという場合、小規模宅地等の特例を使えばその遺産の相続税評価額は80%差し引きして2000万円として扱ってもらえることになります。
小規模宅地等の特例は非常に効果の大きい方法ですが、適用条件が複雑ですので、必ず相続税申告にくわしい税理士のアドバイスを受けるようにしましょう。
相続税の制度は複雑・難解
ここまで見てきたように、相続税の計算については各種の控除制度を利用することが可能です。
ただし、これらにはいずれも細かい利用条件が設けられているほか、制度を適用してもらうためには相続税の申告が必要となります。
現実には資格を持った税理士であっても、実務経験を積まないとスムーズに申告完了まで済ませるのは難しいというのが実情です。依頼する場合は「相続税に強い税理士」を選ぶようにしましょう。
万が一、申告の行い方に誤りがあった場合には、税務調査などによって後から修正を求められ、追徴課税などが発生してしまうケースもありますから注意してください。
税理士岩崎公治事務所 - 北海道札幌市中央区南一条東
家(不動産)相続に関するトラブル事例5選!
ここでは、家(不動産)の相続で、よく見られるトラブル事例をご紹介します。
以下のようなケースがよく見られます。
- 税務調査の対象になり、申告漏れが発覚
- 家の相続方法で兄弟間に亀裂が
- 3人兄弟で、実家に住んでいる弟が遺産増額を要求
- 総財産について兄弟で大喧嘩に
- 遺産分割協議がまとまらない
以下、順番に見ていきましょう。
①税務調査の対象になり、申告漏れが発覚
相続税の申告は、相続が発生してから10か月以内に税務署に対して行う必要があります。
家(不動産)が遺産に含まれる場合の相続税の申告は、経験のない方が自力で行うのは至難の業です。
そして万が一申告内容に間違いがあった場合には、申告を行った数か月後に税務署による税務調査の対象となることも。税務調査とは、税務署員があなたの家や事務所を訪問して書類などをチェックすることで、申告漏れが見つかったならば追徴課税を取られてしまうのです。
以下の通り、追徴課税についてもご説明しておきます。
過少申告加算税
納めた税金が少なすぎた場合に課されるペナルティで、新たに納める税金の10%(追徴税額が50万円を超える場合は15%)が加算されます。
例えば、本来130万円の相続税を納めるべきところ、計算間違いがあって100万円しか納めていなかったという場合、130万円-100万円=30万円が追徴税額ということになります。
このとき、新たに納める必要がある30万円には、過少申告加算税として10%が加算され、合計33万円の納税が必要となる可能性があります。
無申告加算税
無申告加算税は、そもそも期限までに相続税の申告を行わなかった場合に課せられるペナルティです。
無申告加算税は本来納めるべき税額の15%(税額が50万円を超える場合は20%)を負担しなくてはなりません。
例えば、本来納めるべき相続税が100万円あった場合に申告も何もしなかった(後から税務調査でしてきされた)という場合には、100万円×20%=20万円を無申告加算税としてプラスした120万円を納めなくてはならないというわけです。
ただし、無申告加算税は税務調査の連絡があった時点で自主的に期限後申告をした場合には、税率を5%にまで下げてもらうことが可能です。
重加算税
上で説明した過少申告加算税や、無申告加算税が課されるべきケースで、特に重大な税逃れを行った形跡が発見された場合には、重加算税というペナルティが課せられる可能性があります。
重加算税の税率は35%~40%と非常に重いので、、このペナルティを課せられるのはなんとしても避けなくてはなりません。
②家の相続方法で兄弟間に亀裂が
家や土地といった遺産は、「分割をするのが難しい」という特徴があります。
兄は2分の1、弟も2分の1、というように平等に分割することができれば理想的ですが、土地の区画は平等に分けられないことも少なくないですし、建物をこのような形で分割するのは物理的に不可能というケースがほとんどでしょう。
不動産の分割方法としては、1人が不動産を相続して、別の人には不動産を相続した人が現金を渡す「代償分割」、不動産は売却してしまって、その代金を平等に分ける「換価分割」といった方法が考えられます。
③3人兄弟で、実家に住んでいる弟が遺産増額を要求
兄弟のうちの一人が、親の介護をしていたことを理由に、他の相続人よりも多くの遺産分割を要求するということは珍しくありません。
この点に関して、法律上は「寄与分(きよぶん)」というルールがありますが、基本的にはあまり適用されることはないというのが実際のところです(法律上、兄弟の遺産相続割合は完全に平等というのが原則です)
しかし、介護に協力していた人とそうでない人とがまったく平等というのは必ずしも適切でないこともあるでしょう。
このような場合には、何よりも遺言によって、兄弟の遺産分割割合をあらかじめ具体的に指定しておくことがトラブルの回避につながります。
日本の法律では遺言書には法律に勝る効力が認められていますから、相続対策は被相続人となる人の生前に、できるだけ早いタイミングで準備をしておくのが適切といえるでしょう。
④総財産について兄弟で大喧嘩に
遺産分割協議を行うためには、まずは「遺産がどのぐらいあるのか」を確定しなくてはなりません。
亡くなった方が財産目録(財産の一覧表)などを残してくれている場合はともかく、ある日突然亡くなってしまったという場合には、相続人となる人が「どこにどれだけの遺産があるのか」ということを調査することから始める必要があります。
このとき、相続人の1人が自分だけがたくさん遺産を得られるようにするため、本来は遺産分割協議にかけるべき遺産の一部を隠すということが生じることも。
相続人の間でトラブルが生じて、なかなか協議が進まないために申告期限に間に合わない──そんな最悪の事態を避けるには、第三者である税理士などの専門家に依頼してサポートしてもらうのが確実です。
⑤遺産分割協議がまとまらない
相続人の中に音信不通になっている人がいたり、互いの取り分や土地の分割方法に不満があって遺産分割協議がまとまらない…というケースは非常によく見られます。
音信不通の人については、家庭裁判所に申し立てをして「不在者財産管理人」を選任してもらうという方法がありますので検討してみると良いでしょう(不在者財産管理人は、連絡が取れない人に代わって遺産分割協議に参加してもらうことができます)
また、兄弟間の感情的な対立があって遺産分割協議が思うように進まないという場合には、他人である専門家に間に入ってもらうことが良い影響を及ぼすことがあります。
この場合、相続人の中の一人が勝手に弁護士を選ぶというようなことをしてしまうと、かえって逆効果になってしまいますから、必ず相続人の連名で依頼するようにするのがポイントです(専門家への相談料を平等に負担しあうことも取り決めしておきましょう)
上の④でも見たように、相続税申告のタイミングまでに遺産分割協議が完了していないと、本来適用できるはずの税軽減措置が使えなくなってしまうことも考えられますから、できるだけ早いタイミングで対策を講じておく必要があります。
相続税の仕組みは複雑!トラブルを未然に防ぐには・・・
ここまで、親族から家や土地といった不動産を相続した時の相続税計算の仕組みについて解説してきましたが、「複雑すぎてとても自力で計算できそうにない」と感じてしまった方もいらっしゃるかもしれません。
結論から言うと、相続税の計算や節税対策については相続税対策を専門にしている専門家(税理士)に相談しながら進めないとなかなかうまくいかない…というのが実際のところです。
以下では、土地や建物といった不動産を親から相続する見込みの方向けに、税理士に相談しながら節税対策を行うメリットやデメリットについて解説します。
家(不動産)相続のトラブルは専門家に依頼で防げるかも
家の相続はトラブルの火種が多く潜んでいるのがお分かり頂けたでしょうか。仲の良い親族同士であっても、遺産相続をきっかけにいがみあうようになってしまった…というケースは決して少なくないのです。
このようなトラブルを防ぐには、税理士などの専門家に依頼するのが良いでしょう。「法律上はこういう権利があるので、こうしてほしい」といったように客観的な視点があれば、感情のぶつかり合いにならずに済むのです。
税理士に相続対策の相談をするメリット
税理士に相続問題を相談する具体的なメリットとしては、次のようなことをあげることができます。
- 土地相続に関する全ての手続きや税金の種類・税率を知っている
- 書類への記入ミスなども防げる
- 効果的な節税に関する知識もある
以下、順番に見ていきましょう。
土地相続に関する手続きや税金の種類・税率を熟知している
2015年に相続税の基礎控除額が減額になったように、法律は頻繁に変わります。相続税対策を専門とする税理士であれば、最新の法律知識を持っていますから、あなたの状況に合わせて最適な節税策を提案してくれるでしょう。
書類への記入ミスなども防げる
相続税対策として使える節税方法も、相続税の申告を税務署に対して正確に行うことで初めて利用することができます。
もし申告内容に誤りがあった場合には当然ながら節税のメリットを受けることができませんので注意しておきましょう。
相続税対策を専門とする税理士は、相続申告に関する実務経験を多く積んでいますから、申告書類の作成ミスや、利用できる節税対策の適用忘れなどのリスクは最小限に抑えることが可能です。
効果的な節税に関する知識もある
節税対策は、対策を行う人それぞれの個別の状況に合わせてベストのものを選択することがもっとも重要です。
例えば、節税のためには特定の1人の相続人(例えば配偶者控除を適用できる配偶者)が多くの遺産を相続するのが適切であったとしても、そのことによって遺族間に感情的なしこりが生じてしまっては本末転倒です。
税理士に相談する際には、あなたが相続を通してどのようなニーズを実現したいのかをしっかりと伝えることが重要になります。
経験豊富な税理士であれば、ヒアリングの結果を元に、最適な節税対策をアドバイスしてくれるでしょう。
まとめ 相続の相談はプロにおまかせ!
「相続税対策が必要だけれど、どの税理士にお願いすればいいのかわからない」
「ものすごく高い費用を請求されないか心配」
税理士に対して相続税対策の相談をしようと考えている方の中には、このような不安をお持ちの方もいるのでは。
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実際にその税理士事務所を利用した方の口コミもみることができますので、安心して相談することができますよ。