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葬儀の流れを一覧で解説 | 亡くなった直後から葬儀後の手続きまで

最終更新日: 2022年11月15日

ご家族が亡くなられた際、喪主は葬儀にまつわる決定や、さまざまな手続きを行わなければなりません。

一般的に、ご逝去当日(1日目)に葬儀社と打ち合わせをし、2日目にはお通夜、3日目には葬儀・告別式を行います。なお首都圏では火葬場・葬儀会場の関係で、1週間程度待たなくてはならないことも多いです。

時間の限られている中、スムーズに葬儀を執り行うためにも、一般的な葬儀の流れを把握しておきましょう。

この記事を監修した専門家

株式会社SAKURA 代表取締役/一級葬祭ディレクター
近藤 卓司

ご逝去から葬儀までの流れ

葬儀を行うカレンダーと手続き

亡くなってから葬儀が完了するまでの基本的な流れは以下です。一般的にはご逝去後、翌日または3~4日後には葬儀を行います

なお地域により、日程にかなりの差がある点は把握しておきましょう。

亡くなられてからの日数 行うこと
ご逝去当日 ご遺体搬送・安置
1日目(当日または翌日) 葬儀社との打ち合わせ
2日目 納棺
お通夜・通夜振る舞い
3日目 葬儀・告別式
火葬
初七日・精進落とし
精進落とし
後日 納骨
葬儀社への支払い
公的な手続き

ご逝去後は、まず葬儀社に連絡し、ご遺体を搬送・安置します。葬儀社選びに悩んでいる場合は、ミツモアの利用がおすすめです。最大5社の見積もりが届くので、自分にあった葬儀社を選択できますよ。

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ご遺体を搬送・安置する

病院

病院から危篤の連絡を受けた場合、まずは落ち着いて病院に向かいましょう。ご逝去後は死亡診断書を受け取り、葬儀社に連絡をして、ご遺体を安置場所まで搬送します。

死亡診断書を受け取る

患者が病院で亡くなった場合、そのまま医師が死亡確認を行い、死亡診断書を作成します

自宅で亡くなった場合はかかりつけ医、もしくは病院の救急に連絡し、医師に来てもらいましょう。かかりつけ医がいない場合は、警察案件となるので注意が必要です。

死亡診断書は、ご遺体の搬送時や死亡届の提出時に必要な書類なので、受け取り忘れや置き忘れに注意し、紛失しないようにしましょう。

医師に臨終を告げられた後は、危篤の連絡をしたものの臨終に間に合わなかった人に連絡します。

ご遺体の搬送と安置

病院で亡くなった場合、ご遺体を自宅や斎場、遺体安置施設に寝台車で搬送します。ご遺体は一時的に病院の霊安室に移動されることがありますが数時間以内に移動しなければならないケースがほとんどです。

葬儀社に連絡を取り、搬送してもらいましょう。なお自家用車で搬送しても法律違反ではありませんが、遺体の破損や感染症の観点から避けた方が良いでしょう。

注意すべきは、病院から発行される死亡診断書を、常にご遺体と一緒にしておく必要がある点です。葬儀社の寝台車であれば、必ず死亡診断書をドライバーに渡しましょう。

葬儀を依頼する葬儀社が決まっていない場合は、病院で紹介された葬儀社に搬送だけお願いしても問題ありません。葬儀社はできれば複数社を比較検討して、納得できる費用と対応の会社を選びましょう。

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葬儀社との打ち合わせ

葬儀社と打ち合わせ

ご遺体安置後は、葬儀の決定や手続きを進めしょう。一般的には亡くなった翌日にお通夜、その翌日に葬儀・告別式・火葬という流れなので、速やかに葬儀の内容を決定し、手配を進める必要があります。

葬儀の日程や費用を詳しく決める

予算に合った葬儀プラン・どこで葬儀を行うか・参列者の人数・火葬の日時はいつにするかなど、葬儀社の担当と詳しく話し合います。葬儀のプランは、故人と生前に話し合っていた場合、その遺志を尊重しましょう。

なお菩提寺(ぼだいじ)などの付き合いのある宗教者がいる場合には、葬儀会場、火葬場の予約をする前に第一に連絡します菩提寺に必ず確認し、了承を得た上で、葬儀会場や火葬場の予約に進みましょう。

また葬儀会場、火葬場の空き状況は地域や時期により大きく異なります。予約が取りにくい可能性もあるので注意しましょう。

一連の手続きは葬儀社が行ってくれることが多いですが、ご遺族が行う手続きがあるかどうかも確認しておくのがおすすめです。

関連記事:

火葬許可証を取得する

火葬を行うために「火葬許可証」という書類を取得します

火葬許可証を発行してもらうためには、臨終のときに医師が発行した、死亡診断書が必要です。死亡診断書は死亡届が一緒になっているので、死亡届の必要事項を記入し、市区町村役場に提出します。

葬儀社が代理で発行申請することも可能です。

関連記事:火葬許可証はどんな書類?埋葬許可証との違いや再発行についても解説

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納棺の儀を行う

納棺

納棺とはご遺体を棺に納めることで、納棺の儀とは納棺する前に故人の身体を清めたり、副葬品を入れたりする儀式です。

自宅に安置している場合は、お通夜の開始時間が18~19時であれば14時頃から納棺の儀を開始します。

葬儀社の遺体安置施設に安置している場合は、自宅に安置しているケース同様、お通夜の直前に納棺の儀を行います。納棺の儀を行わない場合は、遺体を安置してすぐに納棺するケースがほとんどです。

納棺の儀では故人に死装束を着せ、旅支度を整えます。棺の中に故人が愛用していたもの、好きだったものを副葬品として納めます。副葬品は燃えやすいものに限られるので、入れていいものかどうかを、葬儀社に確認しながら行うと良いでしょう。

関連記事:通夜前に行う「納棺の儀」とは?棺に入れてもよいものといけないもの

お通夜を執り行う

お通夜

納棺が終わったらお通夜です。家族や親族の他に、故人の友人や会社の人など、関係のあった人に参列してもらいます。

多くの場合お通夜は18~19時頃に開式します。会社や学校を休まなくてもいい時間帯なので、日中に行われる葬儀・告別式よりも、多くの人が参列するケースもあるでしょう。

僧侶による読経、焼香から、ご遺族や参列者が焼香をする流れです。焼香は故人と関係の深い順番という決まりがあります。

焼香後に喪主が参列者に挨拶をし、お通夜の閉式です。参列者の人数によって変わりますが、21時頃に終了するケースが一般的です。

お通夜の後に、「通夜振る舞い」を開催することもあります。

関連記事:お通夜では何をする?意味や流れ・葬儀や告別式との違いを解説

葬儀と告別式を執り行う

僧侶が読経する様子

お通夜を執り行った翌日に、葬儀・告別式を行います。多くの場合11時頃に開式し、およそ1時間で閉式・出棺という流れです。

喪主と遺族は、準備のために30分~1時間前には会場に集合します。葬儀・告別式開式の15分前には、参列者が全員着席できるように、受付は1時間前頃から開くと良いでしょう。

定刻になったら開式し、僧侶による読経、焼香が行われます。続いて参列者が焼香を行い、故人と縁の深い友人や会社の上司による弔辞、司会者が届いた電報を奉読、別れ花や釘打ちの儀を行い、喪主が挨拶をして閉式です。

葬儀・告別式の式次第は、地域や葬儀会場により異なります。事前に葬儀社に確認しましょう。

閉式後は火葬場に出棺します。火葬場に行かない参列者は、ここでお見送りし、解散の流れです。火葬場に行く人は、手配したマイクロバスやハイヤーに乗って出発します。

関連記事:告別式とは何を行う儀式?通夜・葬儀との違いやマナーをチェック

火葬・お骨上げ

火葬

火葬場で故人を見送るのは、多くの場合、家族や親族など故人と縁の深い人たちのみです。

火葬場に着いたら事務所に火葬許可証を提出します火葬場での手続きは葬儀社に任せると良いでしょう。

納めの式・火葬

火葬場ではお別れの式である「納めの式」を執り行います。火葬炉の前にある祭壇に、位牌と遺影を飾り、僧侶が読経と焼香をします。その後、喪主から家族、親族と続いて焼香、合掌、拝礼します。ここが故人の顔を見られる最後のタイミングとなるため、棺を開けてお別れのあいさつをすることも多いです。

火葬場により方法が異なるので、打合せ時に葬儀社に確認しておきましょう。

「納めの式」が終了したら、棺を火葬炉の中に納め、遺族は控室へ移動します。火葬が終わるまでは1~2時間ほどかかるのが一般的です。参列者に対する感謝をあらわし、故人の思い出話をしながら待ちましょう。

また喪主が用意したお菓子を、僧侶や参列者に振る舞うこともあります。ただしお菓子、飲料などを持ち込めない火葬場も多々あるため、葬儀社に事前確認することが大切です。

お骨上げ

お骨上げの準備が整ったら、係員から収骨室まで案内されます。お骨上げとはお骨を骨壺に入れる儀式です。地域によって作法があるので、係員の指示に従いましょう。

基本的には2人1組になって、竹の箸を使って行います。2人で1つのお骨を一緒に箸で挟み、骨壺に納めます。収骨も焼香同様、故人と関係の深い順番です。下半身から上半身へと近づくように拾っていき、最後に故人と最も関係の深い人が喉仏を納めて終了です。

係員が骨壺を箱に入れてくれますが、そのとき埋葬許可証も一緒に入れられます。埋葬許可証とは火葬許可証に、日付と火葬済証明印が押されたものです。埋葬許可証がないと納骨できないので、なくさないように保管しておきましょう。

関連記事:お骨上げの方法とマナーを紹介。地方によって風習が異なる場合も

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初七日法要・精進落とし

初七日法要・精進落とし

火葬が済んだ後も、儀式は続きます。食事の手配や参列者への香典返し、僧侶へのお布施が必要なので、抜け漏れのないようにしっかり確認し、用意しておきましょう。

火葬直後に初七日法要を行うケースが増えている

初七日法要とは故人を供養するために、亡くなった日から数えて七日目に、家族と親族が集まって行う法要です。しかし現在は親族が集まることが困難なことが多いことから、葬儀・告別式当日に行うケースが増えています

火葬のすぐ後に行う初七日法要が「繰り上げ初七日法要」です。お骨を祭壇に安置し、お花や果物、お菓子を供え、参列者に食事を振る舞います。僧侶へお布施を渡したり、参列者へ香典返しを渡したりします。初七日法要の進行は、葬儀社に任せましょう。

地域によっては初七日を葬儀・告別式の日に行わず、七日目を守っているところもあります。また火葬後ではなく、葬儀・告別式の中に初七日法要を行うケースもあり、これを「繰り込み初七日」といいます。

精進落とし

初七日法要で参列者に振る舞われる料理を、精進落としといいます。本来は俗世の穢れを捨て、修行に励むという意味です。最近では初七日法要における精進落としは、「喪主と家族が僧侶や参列者に感謝を伝えるために振る舞う」という意味を持つようになりました。

故人の供養をするという意味もあるので、食事開始時は乾杯でなく、グラスを合わせない献杯を行います。

僧侶と火葬に同行した参列者の、人数分の料理を、懐石料理のようなスタイルで出します。故人との思い出を話題にし、大騒ぎをせず落ち着いて食事をしましょう。

食事が終わったら散会です。

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葬儀後に必要な手続き

葬儀に関するチェックリスト

葬儀が終わった後にも、故人に関する多くの手続きがあります。「気付いたら手続きの期日が過ぎていた」ということがないように、確認しながら済ませていきましょう。

納骨は後日行う

火葬場で受け取ったお骨を、お墓に納めることを納骨といいます。四十九日の法要後に行われるケースが一般的ですが、納骨までの日数は決められていません

お墓がまだできていない、家族の心の整理がついておらずお骨と離れがたいなど、さまざまな理由で、四十九日に納骨を行わないこともあります。その場合は納得のいくタイミングで行うといいでしょう。

納骨はお墓に入れる以外、納骨堂に入れる・散骨する・分骨し手元に置くなど、さまざまな供養の仕方があります。いずれにせよお骨を手元に置く場合以外、火葬場で渡された埋葬許可証が必要です。

葬儀社への支払いや菩提寺へのお布施を行う

葬儀社への支払いは、一般的に葬儀の翌日から1週間以内です。葬儀一式の費用だけでなく、葬儀を進めるにあたって、葬儀社が立て替えて払った代金も請求されます。

葬儀終了後に即日払いのケースや、依頼時に前金としていくらか支払っておくケースもあるため、見積もり時に確認しておきましょう。代金の支払いに不安がある場合は、依頼時に期限の調整不可や、分割払いの有無を確認しておくと安心です。

葬儀で菩提寺にお世話になった場合は、当日にお布施を渡します。葬儀終了後に渡し忘れていたことが判明したら、早めに持参しましょう。

葬儀後にしなければならない手続き

葬儀にかかる支払いが済んだら、故人の保険や年金などの手続きを行います。一般的な手続きと期限は以下です。2週間以内が期限のものもあるため、しっかり確認して進めましょう

  • 年金受給停止:死亡日より国民年金14日以内、厚生年金10日以内
  • 介護保険資格喪失届:死亡日より14日以内
  • 住民票の抹消:死亡日より14日以内
  • 国民健康保険の脱退:死亡日より14日以内
  • 国民健康保険の葬儀費用請求:死亡日より2年以内
  • 国民年金の一時死亡金請求:死亡日より2年以内
  • 国民年金の遺族基礎年金請求:死亡日より5年以内

他にも遺言書の確認や、相続税の申告・納税、生命保険金の請求手続きなど、多くの手続きがあります。故人の所得税の準確定申告と納税も必要になるので、チェックリストを作成し、抜け漏れのないように対応しましょう。

関連記事:死亡後の手続きは何から始めればいい?効率的に行うポイントを解説

葬儀の流れを把握しスムーズに執り行おう

喪服姿の男女

家族が危篤になってから臨終、葬儀まで、悲しむ間もなく次々と決定すべきことや手続きが発生します。喪主として危篤から葬儀終了までの流れを把握しておくと、焦らずに済むでしょう

とどこおりなく葬儀・告別式を行うには、頼れる葬儀社に依頼するのがおすすめです。

ただし時間がない中では、葬儀社を探すだけでも一苦労でしょう。そんな時はミツモアの相見積もりを利用してみてください。

ウェブ上で簡単な質問に答えるだけで、最大5社の葬儀社から相見積もりを取ることができます。気になる葬儀社とチャットできるため、信頼できる葬儀社を探す一助になるでしょう。

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監修者:近藤 卓司

株式会社SAKURA 代表取締役
厚生労働省認定 一級葬祭ディレクター

1964年東京都生まれ、中央大学卒。大手互助会で大型葬儀や社葬、合同葬を担当。独自の音楽葬スタイルを研究し、世に広めるため家族葬専門葬儀社を経て株式会社 SAKURAへ転職。2012年代表取締役に就任後、音楽葬プランの立ち上げ、日本のおもてなしの原点である茶道の取り入れを含め、葬儀プランをすべて見直す。これまでに3,000名以上のお葬式を手掛ける、現役の一級葬祭ディレクター。

著書・監修

  • 『わたしの葬式心得』(幻冬舎) 2016/07/01発行

コメント
葬儀のお打ち合わせは、短期間にさまざまなことを決定しなければなりません。中には決めかねることも多々あるでしょう。葬儀のお打ち合わせ時には、可能であれば、ご家族全員が参加されるのがおすすめです。親戚代表の方、経験のある友人・知人にお立合いいただけるとさらに良いでしょう。
また「筋道を通す」ことも重要です。具体的には、菩提寺などの決まった宗教者がいる場合に、宗教者の要望などを優先しなければならないということです。葬儀終了後には様々な諸手続き、法要があります。そのため深い悲しみとは別に、必ず進めて行かなければならないことも多々あるものです。
「葬儀は故人の死を受け入れるための通過点」であるという意識を持ち、周囲の協力や葬儀社から適切なアドバイスをいただきながら執り行うと良いでしょう。