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通夜前に行う「納棺の儀」とは?棺に入れてもよいものといけないもの

最終更新日: 2022年09月15日

納棺の儀は通夜前に行われる大事な工程です。故人を棺に納めるために、いろいろな手順が必要になりますが、注意しないとルール違反になってしまう恐れがあります。納棺の儀に際して、覚えておくべきことをまとめて紹介します。

納棺の儀とは

棺に花を納める葬儀社スタッフ

納棺の儀という言葉について、聞き慣れていない人もいるでしょう。納棺の儀が何なのか、全体の流れや費用などを説明します。

故人の遺体を清める儀式

遺体を棺に納める際には、遺体を清めて生前の姿に近づけます。棺に納めるまでにすべき、一通りの作業が「納棺の儀」です

遺体を清める間の時間は、近親者が故人へお別れをするための時間でもあります。それは同時に、お別れを受け入れるための時間ともいえるでしょう。

納棺の儀に立ち会うのは基本的に遺族のみです。ただし場合によっては遺族以外にも、親しかった友人が立ち会うケースもあります。

納棺の儀の流れ

納棺の儀の流れは簡単にまとめると次のようになります

まず「末期の水(まつごのみず)」です。これは故人の口元に水分を与え、潤す儀式となっています。それが終われば次は「湯灌(ゆかん)」です。故人の体を洗って清めるのが、目的となっています。

口元から体までをきれいにしたら、次は故人の服装を死装束へ着せ替える工程です。このとき顔も化粧をして、さらに整えることを「死化粧」と呼びます。

これら一連の流れが終わったら、故人を棺に納めて納棺の儀は終わりです。このときに副葬品を納めることもあります。

納棺にかかる費用について

納棺の儀を行う際の費用は、主に湯灌や死化粧・死装束や副葬品代などです。

葬儀屋やオプションの範囲によって、費用は変わってきますが、平均的な相場としては、100,000円前後を見ておくとよいでしょう。オプションとは装束や、お花の費用などのことです。

また湯灌の方法次第で費用に幅ができます。古式湯灌と普通湯灌という2種類があり、古式湯灌の方が入浴の手間がかからない分、安くなる傾向にあります。

納棺の儀の具体的なやり方

棺の中を整えるスーツ姿の女性

ここからはより具体的に、納棺の儀で行うそれぞれの内容について、深く見ていきましょう。5段階のステップに分けて解説していきます。

末期の水

故人の喉を潤すために水を含ませる儀式が「末期の水」です。これは仏教の教えから来たもので、故人が喉の渇きで苦しい思いをしないように、という目的からできた風習という説があります。

細かいやり方は宗派や地域によって異なりますが、基本的には脱脂綿と割り箸を使うケースが多いようです。割り箸の先に脱脂綿を固定し、水の入ったお椀にそれを浸します。その後は湿った脱脂綿を、遺体の口元へと当てて終わりです。

潤すためだからといって、強引に口の中へ水を含ませなくても問題ありません。口元の表面が湿っていれば、それで大丈夫です。

末期の水を行うのは配偶者、親または子、兄弟や姉妹といった関係性が深い順となっています。最後の一人が終えたら、顔をきれいに拭き取りましょう。

湯灌

遺体を清めるために行う儀式が「湯灌(ゆかん)」です。方法はいくつかありますが、オプションの選び方や、時代によって異なってきます。

かつては遺体を実際にお風呂へ入れていたり、桶に汲んだお湯を用いて親族が洗ったりするケースがほとんどでした。しかし近年は簡略化が進み、清拭(せいしき)だけで済ませるケースも、増えています。

洗うために使われる専用の設備もありますが、大抵の場合はオプションサービスとして、別途料金が発生する仕組みです。

死化粧を施す

死んだ後は顔から生気がなくなり、顔色も変わってしまいます。そこで頬や唇に朱を指して、顔色を明るく見せるのが「死化粧」と呼ばれるものです

死化粧は男女問わず行われることが多く、男性の場合であれば髭を剃るなどの工程も、加わります。化粧は生前の姿に近づけるためのものなので、派手なメイクではなく、薄めのものを施すのが一般的です。

また死化粧と似た目的のものに「エンバーミング」という処置もあります。遺体の防腐・保存を目的として、特殊な技術が使われるため、専門の資格が必要になります。

エンバーミングを施すと、長ければ2週間ほど保存しておけるため、その間ゆっくりとお別れの時間を設けられる点が、大きなメリットです。

死装束を着せる

故人に着せる衣装が死装束で、白い衣装が一般的です。これも仏教が由来とされています。

死後はあの世へ旅立つことであり、その際にふさわしい格好が修行僧の格好である、という考えから、白い装束をまとうようになったという説が有力です。生前と異なる点として、合わせを逆向きに着せるのが特徴です。つまり左前の形となります。

着物以外に数珠や脚絆、頭布、六文銭などを着用させることもあるようですが、宗教や宗派によって、これらは異なってきます。また近年では、故人が好んで着ていた服を使うケースもあるようです。

遺体と副葬品を棺に納める

遺体を清めて外見もきれいにした後は、いよいよ棺に移します。このときすぐに棺のふたを閉めず、納棺の儀の段階ではふたを開けたままにしておきます。閉める前に、副葬品を一緒に納めるためです。

副葬品とは遺体と一緒に棺に納めるもので、故人が生前に好んでいたもの、あるいは深い関わりがあったものなどが、主な対象となります。

遺体を棺に納めるときは遺族が行える場合と葬儀屋が行う場合があるため、要確認です。

副葬品を納める際のポイント

テーブルに置かれた花

副葬品にはさまざまなものがありますが、棺に入れてよいものと、ふさわしくないものがあります。ここでは具体例を挙げて解説していきます。

棺に納めてもよいもの

花や故人宛ての手紙・故人が好きだった服などは、よく副葬品として選ばれる代表格です。基本的に燃えやすいものであれば、問題ありません。洋服は綿や麻など燃えやすい素材のものかどうか、事前にチェックしておくと安心です。

なお葬儀のときに参列者が棺に入れる花については、副葬品とは別です。参列者が棺に入れる花は、別れ花という名称で呼ばれています。

上で挙げたもの以外では、お菓子や写真・ご朱印帳なども、副葬品としてふさわしい品々です。燃えやすいものなら、故人の趣味にちなんだものでもよいでしょう。

棺に納めてはいけないもの

副葬品選びで注意したいのは、燃えにくいものは副葬品に適さないということです。具体的には指輪や時計といった金属類や、プラスチック素材のもの、革製品などが当てはまります。

燃えにくいという点では、水分の多い食べ物も該当します。またライターやスプレー缶など、爆発の恐れがあるものも棺に納めてはいけません。

意外と知られていないものでいうと、まだ生きている人の写真も避けた方がよいとされています。写真を一緒に棺に入れてしまうと、その写真に写った人も、あの世に連れられてしまうという俗説が由来です。

事前に届け出が必要なもの

故人の体にペースメーカーが装着されていた場合、そのままでは火葬を受け付けてもらえません。なぜなら火葬する際に、破裂の恐れがあるからです。

ペースメーカーを入れている場合は、事前に届け出をして、火葬場スタッフへ申告しておく必要があります。場合によっては取り外す必要があることを、覚えておきましょう。

またボルトや鉄板、金属プレートなどを体に埋め込んでいる場合も、届け出を出しておきましょう。自治体によって申告しなければならない内容は変わりますが、燃え残りや事故を防ぐための、大切な手順です。

納棺の儀に関するQ&A

〇とAのプレートを上げる男性のイメージイラスト

納棺の儀の全体的な流れは分かっても、細かな点まで把握できていないと、いざというときに困ってしまいます。納棺の儀についてよく出てくる疑問をまとめました。

納棺の儀に立ち会えるのは誰?

基本的には配偶者や親族といった、ごく近しい家族が立ち会えます。それ以外は葬儀社関係の人のみであり、故人の友人や仕事関係の人は、原則として立ち会えません。

友人や職場の人が立ち会いたいと希望しても、納棺の儀は身内だけで行うのが一般的です。

理由の一つに納棺の儀では遺体を清めるため、肌が露出し、身内以外に見せるのはふさわしくないという考えがあります。

納棺を行う際の服装は?

平服で行くべきか喪服で行くべきかという問題ですが、場所やタイミングによって変わります

たとえば納棺の儀を自宅で行う場合は、平服でも構いません。ただしお通夜のときは喪服でなければならないため、後で喪服に着替える必要があります。時間に余裕を持たせたい場合は、始めから喪服を着ていた方が安心でしょう。

お通夜を基準にすれば、あくまで平服も問題ありませんが、葬儀場で納棺の儀を行う場合は、その後すぐお通夜があるため、喪服にしておきます。

また平服もマナーを守って、常識の範囲内で選びましょう。煌びやかなものや派手な色使いのものは避けて、黒あるいはグレーの落ち着いた服が無難です。

エンディングドレスって何?

近年では死装束にエンディングドレスという概念も登場しました。最後を飾る服として、華やかなドレスを選ぶというものです。終活という言葉も広まった今、「美しい最期を」と考える人が、増えているのでしょう。

納棺の儀で着用する死装束は、経帷子(きょうかたびら)の姿がおなじみです。しかしあらゆるものが多様化してきている昨今では、白い着物以外も認められるケースが増えています。

色やデザインに縛られない、いわゆる普通の着物や、生前気に入っていた普段着でもOKとする風潮が、高まっているのです。

最後の姿を丁寧に整えてあげよう

棺に手を合わせる女性葬儀社スタッフ

納棺の儀は遺体を清めてから死化粧をし、死装束を着せて棺に納めるまでの一連の流れのことです

死装束も最近ではバリエーションが増え、終活の一部として、生前に自ら好きなデザインのものを選べるようになりました。

故人も見送る側も、葬儀には特別な思いを込めています。しっかり準備をし、見送る側は満足して旅立てるよう、故人を送り出してあげましょう。

納棺の儀に詳しい葬儀社に葬儀を依頼すれば、心を込めて故人を送ることができます。一括見積もりサービスミツモアを利用すれば、最大5社の葬儀社の相見積もりを取ることができるため、慌ただしい葬儀前の手間を省くことができます。

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