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お棺に入れるものはどう選ぶべき?入れてはいけないものもチェック

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最終更新日: 2023年02月13日

ご遺体と一緒にお棺(おかん/おひつぎ)に入れる副葬品について、選び方の基準をご存じでしょうか?副葬品を選ぶのは誰か、入れていけないものはあるか、といった知識を持っておくことは大切です。副葬品の概要と一緒に、考え方なども学んでいきましょう。

お棺には何を入れたらいい?

お棺に入れる「副葬品」は、故人が好きだったものと、燃えやすいものを基準に選びます。生前好んでいた食べ物や洋服、タバコなどの嗜好品が良いでしょう。また手紙や折り紙もおすすめです。

お棺に入れてはいけないものは?

金属やガラスといった燃えないもの、膨張して破裂する可能性があるもの、燃やすことで有害物質が発生するものは入れられません。たとえばメガネや指輪、時計、瓶などです。具体的な品物は葬儀社に確認すると良いでしょう。なおメガネや指輪は火葬はできませんが、ご収骨時にお骨と一緒に骨壺に入れることはできます。

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この記事を監修した専門家

株式会社SAKURA 代表取締役/一級葬祭ディレクター
近藤 卓司

お棺に入れる「副葬品」とは

棺に敷き詰められた花

副葬品としてお棺に入れていいものには、どのようなものがあるのでしょうか。事前に申し出が必要となるケースもありますので、葬儀社に確認しておきましょう。

お棺に入れる物品のこと

旅立つ故人へ送る手向けの品として、ご遺体と一緒にお棺に入れる物品を副葬品といいます。土葬の場合は土の中へと埋めることになりますが、火葬する場合は土の中ではなく、お棺の中に入れるのが普通です。

日本以外でも副葬品という風習は存在しています。たとえばエジプトにあるピラミッドは、副葬品が多く埋められている場所です。

故人が生前好きだったものや愛用していたもの、縁のあるものが、副葬品としてよく選ばれます。

事前の申し出が必要なケースも

ご遺体の体には医療行為の一環として、ペースメーカーが埋め込まれている場合があります。その際は火葬の前に、必ず申し出をしなければなりません

ペースメーカーは火葬すると、爆発が起こる可能性があります。地域によって申し出の仕方は異なりますが、いずれにせよ申し出は義務づけられています。

骨接ぎのためなどに入れられる金属プレートや義肢といったものも、申し出ると良いでしょう。

お棺に入れられるもの

お棺には入れてよい副葬品と、そうでないものがあります。基本の考え方を踏まえ、おすすめの副葬品を確認しましょう。

基本は「燃えやすいもの」「故人が好きなもの」

副葬品としてお棺に入れるものは、燃えやすいものであるかどうかを基準に考えれば、失敗しにくいでしょう。基本的には故人が好きなもの、故人の人柄が表れるものを選ぶのが定番です。

遺族側の目線で副葬品を考えることもあります。たとえば故人が何かのコレクターであった場合は、収集物や関連する物品を副葬品としてお棺に入れるケースが多いようです。

入れてあげたいものの例

  • 生前気に入っていた絵・人形・葉巻
  • 好きだった食べ物・お菓子・お花
  • よく着ていた衣類
  • 手紙・寄せ書き・折り紙
  • そのほか故人が希望していたもの(エンディングノートなど)

よく選ばれるものとしては、嗜好品が多く挙げられます。故人の愛用品や好物、たとえば生前気に入っていた絵や人形、食べ物などです

食べ物の包み紙は燃えるものを選びましょう。ビニール包みの場合、火葬したときにご遺骨に付着する可能性があり注意が必要です。小さなお菓子であればビニールの包み紙でも問題ないケースもあります。

なお果物も、ご遺骨に色が付着する可能性があり注意が必要です。ご遺骨に付着する可能性のあるものは、お骨の少ないお足元に入れると良いでしょう。

故人が喜びそうなものとしして、副葬品の定番といえる物品であるお花や衣類もおすすめです。洋服や着物はなるべく薄手の生地を選びます。ハンカチやタオルといった、小さめの衣類もおすすめです。

また手紙も副葬品として多く選ばれています。故人が生前保管していたもの、あるいは残された側が、故人宛に書いた手紙などです。

お棺に入れてはいけないもの

黒いリボンで束ねられた大量のノート

お棺に入れることがNGとされている副葬品とは何でしょうか。例を挙げながら説明していきます。

「燃えにくい素材」「有害な素材」は入れない

安全面や環境面を顧慮して、棺に入れてはいけないものがあります。

金属類・ガラス類などは特に燃えにくく、溶けきらないまま、遺骨に傷をつけてしまうかもしれません

革製品やビニール、プラスチックなども副葬品にしない方が無難でしょう。溶け残ったり有害物質が発生したりするケースがあり、副葬品として受け付けてもらえないことがほとんどです。

爆発して火葬炉の故障を招いたり、有毒なガスを発生させてしまったりする品物は、基本的に棺に入れられません。

ご遺体を傷つける可能性を排除しつつも、故人の気に入っていたものを入れたい場合は、入れても問題ないか、葬儀社に確認することが大事です。

入れてはいけないものの例

  • メガネ・入歯
  • 結婚指輪・腕時計
  • プラスチック・ゴム・革製品
  • 瓶・缶・ペットボトル
  • 水分を含んだスイカ・メロン
  • 厚手の本・ぬいぐるみ
  • 生きている方が写っている写真
  • 医療器具

メガネや入れ歯などは、金属類であるため基本的に入れることができません。メガネのレンズは溶けたとしても、溶け残りのレンズが火葬炉に付着する恐れがあります。指輪、時計も入れるのは避けましょう。

ゴム製のボールや革製の服や靴ななども、溶け残りや周辺環境への影響でNGであることが多いです。また瓶や缶、スイカやメロンは火葬時に膨張して破裂する可能性があります。

また副葬品として本を入れたい場合、厚めの本は入れてはいけません。紙なので燃えると思われがちですが、厚さがあると燃えにくいです。同様に、毛布や大きすぎるぬいぐるみなども避けましょう。

副葬品に写真を入れることはありますが、生きている方が写っている写真は入れない方が良いと言われています。故人とともに魂が成仏する、と考える方もいるためです。写真に写っている方には、事前に確認を取る必要があるでしょう。

医療器具は身体に埋め込まれている場合、病院で取り除ける場合は取り除きます。難しい場合は葬儀社や火葬場に相談しましょう。

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副葬品を準備するポイント

スーツ姿で白い手袋をしている男性

副葬品は事前に準備しておくと、葬儀の進行がスムーズになります。誰がどのように準備し、いつ棺へ納めるのか、事前準備についてまとめました。

主に準備するのは遺族

副葬品の準備は基本的に遺族が行います。ただし明確な決まりがあるわけではないため、友人や知人に、協力してもらうことも可能です。

故人が好きだったものを集めるうえで、人手は多い方が準備にかかる時間が減って効率的になります。葬儀の準備は他にもやることが多く忙しくなりがちなため、協力してもらえる部分は協力してもらいましょう。

また副葬品として手紙を入れる場合、個別ではなく寄せ書きという形にするのも1つの手です。

棺に納めるタイミングは?

副葬品を入れるタイミングは、特に決まりがありません。出棺までの間であればいつでも大丈夫です

一般的には納棺の儀が行われている間に入れるか、出棺前のお花入れと併せて副葬品を納めるケースが多く見られます

また火葬前に再度副葬品を入れるケースもあるようです。ただし地域によっては出棺時に棺の蓋に釘打ちをします。この場合、火葬前に入れることはできません。

事前に葬儀社に、副葬品を入れるタイミングを確認しておくのがおすすめです。

故人が好きだったものを入れてあげよう

百合越しに手を合わせる喪服姿の女性

副葬品はご遺体と一緒にお棺に納める、大切なものです。故人の思い出が込められているものや、故人が好きだったものを選ぶことで、旅立ちの手向けとなります

入れてよいもの・入れてはいけないものをしっかり把握し、火葬の際にトラブルとならないように注意しましょう。

副葬品については、葬儀社に相談すると安心でしょう。一括見積もりサービスのミツモアを利用すれば、信頼できる葬儀社を探せます。気になる葬儀社にはチャットで質問も可能です親身に相談に乗ってくれる葬儀社に、葬儀を依頼することができるでしょう。

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監修者:近藤 卓司

株式会社SAKURA 代表取締役
厚生労働省認定 一級葬祭ディレクター

1964年東京都生まれ、中央大学卒。大手互助会で大型葬儀や社葬、合同葬を担当。独自の音楽葬スタイルを研究し、世に広めるため家族葬専門葬儀社を経て株式会社 SAKURAへ転職。2012年代表取締役に就任後、音楽葬プランの立ち上げ、日本のおもてなしの原点である茶道の取り入れを含め、葬儀プランをすべて見直す。これまでに3,000名以上のお葬式を手掛ける、現役の一級葬祭ディレクター。

著書・監修

  • 『わたしの葬式心得』(幻冬舎) 2016/07/01発行

コメント
故人がこよなく愛した品々を、副葬品としてお棺に入れてさしあげることは、お旅立ちの手向けとなるでしょう。一方形見として、それらの品々をご家族、友人、知人が引き継ぐことも考えなければなりません。副葬品と形見分け品の区別をしっかりと考えておく事も大切です。形見分けされた品々を代々受け継ぐことも、お葬式の重要な意味をなします。また法要などの「1つの区切り」で、品々のお焚き上げをすることも可能です。