「葬儀の費用はいくらかかる?」「お葬式の費用を抑える方法は?」とお悩みの方に、葬儀費用の内訳や、一般葬、家族葬、一日葬、火葬式といった葬儀の種類ごとの平均費用を説明します。
葬儀費用を減らすためのポイントも解説しますので、納得して葬儀を執り行うための参考にしてください。。
この記事を監修した専門家
日本葬祭アカデミー教務研究室 代表
二村祐輔
葬儀費用の平均は「105万円」
まずは「一般葬」「家族葬」「一日葬」「直葬・火葬式」などの葬式の規模別の平均相場を紹介します。ミツモアで行ったアンケート調査(※)によると、回答者の平均費用は「105.9万円」でした。
※ミツモア調べ『葬儀・斎場に関するアンケート(2022年9月)』(n=508名)
一般葬の平均費用は【147.9万円】
一般葬は、友人や知人、職場関係の方を呼び、1日目の夜に通夜、2日目に葬儀と告別式を行うものです。多くの人が葬儀と聞いて思い浮かべるイメージに近いかと思います。
一般葬の費用相場は【147.9万円】です。葬儀の費用は参列者の数に大きく左右されるため、参列者の多い一般葬の場合は、当日の金額変更も起こりがちになります。30名~50名程度の参列者の場合は相場の100~200万円で済むことが多いですが、100名以上の規模になると300万円かかってくるケースもあります。
葬儀屋が出す見積もりよりも、実際にかかった費用が10万円以上高い場合もあるので、人数の増減には注意しておきましょう。
家族葬の平均費用は【88.5万円】
家族葬は、親族とごく親しい友人などを招いて行う葬式です。家族葬は一般葬と同じく、通夜と葬儀・告別式を行います。家族葬は密葬と呼ばれることもあり、10~30人程度が人数の目安です。
家族葬では参列者が少ない分、式場や飲食接待などの費用を抑えることができます。費用相場は【88.5万円】です。
最近では、コロナ禍を考慮して、大人数での集会を避けるため、家族葬を選択する遺族が増えています。ただし、参列者が少なくなるため、香典が少なくなる点は注意しましょう。
一日葬の平均費用は【76.5万円】
一日葬はお通夜を行わず、葬儀と告別式を1日で完了させるお葬式です。家族葬と同じく、10~30人程度で実施することが一般的となっています。
一日葬の費用相場は【76.5万円】です。数名程度の規模でしたら30~40万円程で費用を抑えられますが、規模が大きくなると100万円以上かかり、家族葬と大差がないこともあります。
お通夜を実施しない分、通夜振る舞いがなくなるので飲食にかかる費用が抑えられます。
また、一日葬であっても家族だけで小規模に行う、仮通夜を行うという選択肢もありますので、葬儀屋と相談して納得のいく式にしましょう。
直葬・火葬式の平均費用は【35.4万円】
「直葬」は火葬場に直接集まって、火葬と骨上げを行うだけのものです。炉前で読経を僧侶にお願いすることもあり、これを「火葬式」と呼びます。
お通夜や葬儀・告別式を行わないため、他の葬儀種類と比較して最も費用を抑えることができます。
直葬・火葬式の費用相場は【35.4万円】です。
海外からご遺体を搬送する場合やエンバーミング等の高額な処置を行う場合には、火葬式であっても費用が高額となりがちです。
そのため、アンケート上で回答いただいた実際にかかった費用は10万円~150万円前後と幅があります。
火葬式のみだからといって確実に費用を安く抑えられるわけではないことに注意しましょう。
また、参列者がいない場合は香典がないことにも注意しておきましょう。
葬儀費用の内訳
お葬式の費用は弔問客の人数に大きく左右されます。多くの人が参加する場合、広い会場が必要になるほか、飲食費や返礼品代も人数に比例して増えていくためです。
葬儀にかかる費用の内訳とそれぞれの相場を、主要な3つのカテゴリーに分けて紹介します。
内訳 | 詳細 | 費用相場(会葬者50名以下の場合) |
➀葬儀自体の費用 | 【葬儀社手配】
【式場利用料】
|
80万円~120万円 |
➁食事・返礼品費用 | 【食事】
【会葬者へのお礼】
|
数万円~40万円 |
➂お布施(宗教者への謝礼) |
|
数万円~50万円 |
※内訳ごとの費用相場:『第4回お葬式に関する全国調査(2020年)』より抜粋
お葬式自体にかかる費用
葬儀費用は、病院からの遺体の搬送~火葬までに必要なものを含んだ葬儀にかかった全ての費用を指します。
ただし、葬儀を行うには葬儀屋の提示するセット費用や一式費用だけでは不十分なことも多いです。
具体的には➀葬儀屋の手配する内容にかかる費用➁斎場・火葬場の利用費用➂食事代や返礼品の費用④僧侶などの宗教者に支払う費用の合計金額が葬儀費用となります。
以下で、それぞれの項目についての詳細を説明します。
【葬儀屋が手配する費用項目】
葬儀屋に手配してもらうことが一般的な項目の内訳です。式場間の移動距離が少ない場合、車手配の値段を抑えることができます。
ご遺体搬送・安置 | 寝台車、霊柩車、ドライアイス、枕飾り |
納棺の儀式 | 棺、仏衣、湯灌、死に化粧、エンバーミング |
通夜、葬儀、告別式 | 祭壇、供花、位牌、焼香用具、仏具、遺影写真、供物 |
火葬式 | 骨壺、マイクロバス、火葬許可証の代理 |
火葬後 | 後飾り祭壇 |
【斎場・火葬場利用料】
葬儀や火葬を行う施設の利用料金です。葬儀屋のセット料金に含まれていないことが多いです。
公営の斎場・火葬場を使用するか、民営の斎場・火葬場を使用するかにより費用が大きく異なります。
葬儀費用を抑えたい方は、公営の斎場を利用することをおすすめします。
斎場 | 通夜・告別式を行う式場です。式場・安置・休憩室利用料が必要となることが多いです。5万円~20万円が使用に必要な費用の目安です。 |
火葬場 | 火葬炉を利用し荼毘に付す(火葬する)場所です。無料~10万円が費用の目安です。 |
食事・返礼品にかかる費用
参列者(会葬者)への当日の食事や、返礼品にかかる費用は、弔問客の数に大きく左右されます。弔問客の人数が正確に分からない場合は、おおよその人数ごとの見積もりを葬儀屋に出してもらうとよいでしょう。
【食事代】
通夜振る舞い | 通夜の後に、参列者に振る舞う料理です。1名あたり2,000~3,000円が目安です。 |
精進落とし | 「初七日法要」の後にふるまいます。1名あたり3,000~5,000円が目安です。 |
【返礼品代】
会葬御礼 | 会葬者へ渡すお礼状と粗品です。参加者1人当たり500~1,500円が目安です。 |
香典返し | 香典をいただいた方に、当日または後日お返しする費用です。香典費用の半額位を目安にしましょう。一律の場合もあります。 |
なお家族だけで行う家族葬なら、飲食代はほとんどかかりません。同様に香典を辞退することも可能で、その場合は香典返しの必要がありません。
寺院や僧侶(宗教者へのお礼)にかかる費用
寺院や僧侶に払う謝礼、いわゆる「お布施」です。具体的な費用がわからない場合は、葬儀社や宗教者に直接、「他の方はどの程度渡しているのか」と聞くとよいでしょう。
読経 | 葬儀や法要で読経をしてもらう場合に渡します。1回3万円~が目安です。 |
戒名 | 戒名とは故人につける名前のことです。供養料として数万円~が目安です。戒名などのランク付けなどもあり分かりにくい場合もありますので、分かりにくい場合には説明を、僧侶から聞いておきましょう。 |
御膳料 | 宗教者が会食を辞退された際に払う費用です。相場は5,000~1万円です。 |
お車代 | 宗教者が会食を辞退された際に払う費用です。相場は5,000~1万円です。 お車代 宗教者への交通経費です。実費または5,000円から1万円を、それぞれの僧侶に渡します。 |
心づけ | お葬式にかかわる方々(業務者・世話役など)に「不祝儀」として用意するもので、地域慣例に従います。1名あたり2,000円~が目安です。近年では、心づけは不要とする施設や葬儀関係者も多いです。 |
僧侶へのお布施は、通夜後や翌日の式後に渡すことが多いです。また後日、お寺に出向いて御礼のご挨拶とともに渡すケースもあります。
式中や式後は何かとあわただしく、移動なども伴うので、落ち着いたタイミングで、渡しましょう。
葬儀で追加代金が発生するケース
葬儀にて、追加費用が発生しやすいケースを3つ解説するので、思わぬ出費とならないように事前に把握しましょう。
参列者の人数が増えた
葬儀費用が見積もりを超える場合に最も多いケースは、参列者の人数の増加に伴い、飲食接待費が増えた場合です。見積もりの段階では、おおよその参列者の数を見込んで費用を見積もります。しかし当日になると、訃報を聞いて参列する人が増えることがあります。
参列者が増えた分、遺族側は香典返しや飲食費を、追加で用意しなければなりません。
このように予実に乖離が生じるケースが多いため、葬儀社のプランでは、飲食接待費が基本料金に含まれていないことが多くなっています。
なお参列者の増減の影響が出やすいのは一般葬の通夜や告別式、その後の会食です。家族葬や一日葬では、あらかじめ参列者の人数が決まっているため、予定通りの出費となることが多いです。
火葬・葬儀までの期間が長くなった
火葬や葬儀までの期間が長くなることで、追加代金が発生するケースがあります。火葬までの期間が長いほど、遺体を長く保存しなければなりません。そのために安置所の使用料や、ドライアイス代が多くかかるためです。
冬は人が亡くなりやすい季節といわれており、火葬場や斎場の予約が取りにくい傾向にあります。
希望している火葬場の予約が取れず、葬儀まで日にちが空きそうな場合は、代わりの斎場や火葬場を紹介してもらうとよいでしょう。
病院・火葬場までの距離が遠い
病院から斎場、火葬場までの距離が長い場合も、追加代金を請求されることがあります。移動距離が長くなるほど、搬送費用がかかるためです。
近くの斎場や火葬場が予約で埋まっており、やむを得ず遠方の場所を利用する場合には、追加代金に注意が必要です。また旅行先や出張先で亡くなってしまった場合は、長距離の搬送が必要なので、追加料金がかかることを念頭に置いておきましょう。
葬儀費用は誰が負担する?
葬儀費用は高額になることも多く、誰が費用を支払うのかは重要な問題になりがちです。葬儀費用の負担者に明確な決まりはありませんが、一般的には喪主や遺族が費用を分担して支払うことが多いです。
一般的には「喪主」が費用を負担する
喪主が葬儀費用を負担するのが一般的です。喪主とは遺族の代表のことで、式では遺族代表の挨拶や、後日の挨拶回りを担います。
通常、故人の配偶者、または長男・次男、次いで長女・次女が喪主を務めることが多いです。なお故人の遺言で祭祀主宰者に指定された人が喪主を務めることもあります。
血縁者がいない場合は、知人が喪主を務めることも可能です。この場合喪主ではなく、友人代表と呼ぶケースが多くなっています。
厳密には葬儀費用を支払う人を「施主」と呼ぶ
前提として費用を誰が払うべきかという決まりはありません。厳密にいうと、お葬式の費用は主催者の立場の人が責任を持ちます。
こうした責任者は「施主」という役割でよばれます。喪主が遺族の代表であり「供養」するための中心的な「主」であることに対して、「施主」はその経済的な負担を行う人をさします。社葬ならば法人が施主になります。
「施主」と「喪主」を同じ人が行う場合も多いです。喪主と施主が異なる場合の例としては、「喪主」が長男で、費用負担は故人の配偶者である親が「施主」となるケースなどがあります。
葬儀費用は故人の預貯金から支払っても良い?
「故人が生前に、自分の預貯金を葬儀費用にあててほしい、と言っていたけど、使って良いのか分からない・・・」という方はいませんか。
結論からいうと、葬儀費用の支払いに、故人の資産・預貯金をあてることができます。
ただし、故人の資産を無制限で使えるわけではありません。
銀行は口座名義人が亡くなったことを知ると、すぐに口座を凍結します。口座が凍結されると、遺産の引き出しができなくなります。そのため、通常は遺族が遺産の分割前に、故人の資産を引き出すのは困難です。
しかし2019年の法改正により、相続人が故人の遺産がある銀行に申請すれば、口座凍結中でも預貯金を引き出すことができるようになりました。
「預金残高×1/3×1/相続人数の合計」を上限として、遺産を引き出すことが可能です。ただし、1つの金融機関から払い戻しを受けられるのは150万円までとなっています。
凍結している故人の口座から、お金を引き出すために必要な書類は以下の5種類です。
- 故人の戸籍謄本、除籍謄本または全部事項証明書
- 故人の死亡診断書(写し可)
- 相続人の本人確認書類と戸籍謄本
- 葬儀費用の見積書または請求書
- 口座の通帳やキャッシュカード・届出印
葬儀費用を相続財産から支払うと節税できる?
相続した財産を葬儀費用にあてた場合、「葬儀費用を差し引いた額」で相続税の計算ができます。つまり相続した財産から葬儀費用を支払うことで、節税対策になるのです。
ただし、支払った葬儀費用のすべてが、相続税から差し引けるわけではありません。
下記が「相続税の控除対象にならない葬儀費用」です。
- 香典返しのためにかかった費用
- 墓石や墓地の買入れのためにかかった費用や墓地を借りるためにかかった費用
- 初七日や法事などのためにかかった費用
葬儀の費用負担を抑えるには
負担の大きなお葬式費用。費用負担を抑えるための方法を、4つ紹介します。
参列者を限定し、葬儀の規模を控えめにする
お葬式は、会葬者数が多ければ多いほど、式場や食事代、返礼品に費用がかかります。そこで、親族や知人には連絡のみ、葬儀式には親族のみを招く家族葬にして、葬儀の規模を控えめにすると、費用を抑えられるでしょう。
また日程を1日に抑える一日葬や、通夜・葬儀・告別式を行わない直葬や火葬式を選択するのも手です。お葬式規模は、可能であれば生前から相談しておくと悩まずに済むでしょう。
公営の斎場を利用する
自治体が運営している公営斎場を利用するのも1つの手です。民営の斎場だと式場利用に数十万円かかるところ、公営の斎場なら数万円になります。公営斎場は故人の住民票が登録されている地域で利用できます。
また公営斎場には、霊安室や火葬場が併設されていることも多く、お通夜から火葬まで一連の流れで行えます。そのため霊柩車やマイクロバスの手配にかかる移動費用を抑えられるでしょう。
利用する方が多いため予約は取りづらいですが、もし日程に空きがあるのであれば利用するのがおすすめです。
複数の業者を比較する
葬儀社によってプランや料金が異なります。一社だけ見て決めてしまうと、その葬儀社の価格が適正かどうかを判断できません。費用を抑えて適正な価格の葬儀社に依頼するためには、複数の葬儀社を比較することが大切です。
しかしお葬式の事前準備をするなかで、複数の業者を探し、それぞれに見積もりを依頼している時間を取れない人も多いでしょう。ミツモアでは住んでいる地域の郵便番号を入力し、簡単な質問にいくつか答えるだけで、最大5つの葬儀社から見積もりが届きます。複数の業者比較にぜひ活用してみてください。
飲食代や棺、祭壇を高額にしすぎない
葬儀費用は飲食の内容や棺・祭壇の種類によって変わります。「豪華な葬儀でお見送りしたい」というお気持ちもあると思いますが、高額な棺や祭壇を選ぶと、費用負担が増える可能性が高くなります。
棺や祭壇はなるべく安いもの選ぶことで、葬儀費用の負担軽減に繋がるでしょう。
頂いた香典を葬儀費用の支払いに充てる
葬儀費用を抑えるには、参列者から頂いた香典を支払いにあてるのもおすすめです。香典で葬儀費用の全てを賄うことは難しいですが、負担を減らすことができるでしょう。
葬儀費用の支払いは、葬儀終了後1週間以内が一般的です。期限までに、頂いた香典を支払いにあてましょう。
それでも費用を支払えない場合は?
費用を払うのがどうしても難しい場合、以下の方法があります。詳しくは「葬儀の費用が払えない!利用できる制度から葬儀費用を抑える方法まで」で解説しているのでご参考ください。
- 国民保険・社会保険の葬祭費を利用
- 葬祭扶助制度を利用
- 葬祭ローンを利用
- 故人の生命保険を利用
- カードローンの使用を検討
葬儀費用のトラブルを未然に防ぐ2つのポイント
葬儀には多額の費用が発生します。だからこそ、葬儀費用のトラブルには注意が必要です。
ここでは「葬儀費用のトラブルを未然に防ぐために必要な2つのポイント」を紹介します。
金額だけでなく、プランの内容まで細かくチェックする
「安いからこの葬儀社にお願いしよう」と値段だけ見て葬儀社を選んでしまうと、葬儀費用のトラブルが発生する可能性があります。トラブルを防ぐためには、金額だけでなく、その内訳まで細かくチェックすると良いです。追加費用の有無や、プランに含まれる内容まで、しっかりと見ておきましょう。
具体的には、費用が合計10万円を下回るプランは、火葬料金や遺体の搬送費などが含まれていない可能性があります。
「最初は安いと思っていたのに、想定していたよりも費用が掛かってしまった・・・」とならないためにも、プランの内容は細かくチェックするようにしましょう。
利用者の口コミをチェックする
葬儀費用のトラブルを防ぐには、利用者の口コミをチェックするのもおすすめです。
葬儀会社の中には、人件費削減のために担当者が1人で葬儀を執り行ったり、火葬や告別式を作業として簡素化したりする会社もあります。大切なお別れの時間を、思うように過ごせないのは、ご遺族も納得できないでしょう。
もちろん格安な葬儀プランを提供している会社でも、丁寧に対応している葬儀会社は多数あります。
数ある会社の中から、丁寧に対応してくれる葬儀社を見つけるには、実際の利用者の口コミやネット上の評判をチェックするのが良いでしょう。
葬儀費用を抑えると発生しやすい問題とは?
「葬儀費用はなるべく安く抑えたい」と考えている方は少なくないでしょう。事実、多くの葬儀社が「葬儀費用一式○○万円」といったセットプランを、格安で提供しています。
しかし、葬儀費用を抑えたあまり「思い描いた葬儀が行えなかった・・・」などと、後悔されるご遺族も少なくありません。
後悔のないお別れを実現するために、ここでは「葬儀費用を安くすると発生しやすい問題」について紹介します。
理想のお葬式が実施できなかった
安い葬儀プランは、必要最小限の内容・規模で行われることが多いため、理想の葬儀が実現できず後悔される方も少なくないようです。
「葬儀を安く済ませるために参列者を絞った結果、参列してほしい故人の友人に参列してもらえなかった・・・」なんてケースも発生しかねません。
後悔のないお見送りにするために、担当者との打ち合わせは綿密に行いましょう。
弔問客の対応で負担が増加した
費用を抑えるために、葬儀を小規模にした結果、お通夜や告別式を知らされなかった故人の知人が、葬儀後自宅に弔問に訪れることがあります。
ご遺族の中には、ありがたいと感じる方もいらっしゃると思いますが、一方で「弔問客が多すぎて疲れる」「家にずっといなければならない」といったお悩みを抱える方も少なくありません。
葬儀の参列者の人数を絞ると、葬儀後に弔問客が自宅を訪れることがあるということを頭に入れておきましょう。
葬儀費用でよくあるトラブルに注意
お葬式の費用支払いに関するトラブルは多いものです。
遺産を使って葬儀費用を賄う場合、故人の口座からの引き出しには注意が必要です。故人の預金口座は、死亡後一定期間が過ぎると、凍結されてしまうことがあります。凍結後も引き出し自体は可能ですが、葬儀社の領収書といった、資金の用途を証明する書類が必要な場合があるため注意しましょう。
故人の子どもたちが葬儀費用を出し合う場合は、誰かが立て替えることが多いでしょう。その場合、費用を支払わない親族や配偶者が葬儀費用について意見を出してくるケースも考えられます。
トラブルを避けるためには、事前に兄弟や親族の経済状況を共有しておくのがポイントです。またなるべく生前に話し合うのがよいでしょう。
適正な価格を把握して、納得できる葬儀を
近年ではコロナ禍の影響もあり、小規模な葬儀が増え、平均的な葬儀費用も低くなっている傾向にあります。数年前は200万円以上費用がかかるのが一般的でしたが、ここ数年は100万円前後で済むケースが多くなりました。
葬儀ではさまざまな支払いが発生する分、全体にかかる費用が見えいことや、追加で費用が発生することも多くあります。ただでさえ気持ちの整理や諸手続きでバタバタとしているなか、金銭面での負担は減らしたいものですよね。
何にいくらかかるかを理解しておけば、適正な価格を提示している業者を見極めやすくなるでしょう。またお住いの地域で希望するプランの相場を確認するには、複数社に見積もりを取るのがおすすめです。
費用・内容面ともに納得できるお見送りをするために、ぜひ本記事の情報を活用してみてください。
監修者:二村祐輔
日本葬祭アカデミー教務研究室 代表
『葬祭カウンセラー』認定・認証団体 主宰
東洋大学 国際観光学科 非常勤講師(葬祭ビジネス論)
著書・監修
- 『60歳からのエンディングノート入門 私の葬儀・法要・相続』(東京堂出版) 2012/10/25発行
- 『気持ちが伝わるマイ・エンディングノート』 (池田書店) 2017/9/16発行
- 『最新版 親の葬儀・法要・相続の安心ガイドブック』(ナツメ社) 2018/8/9発行
- 『葬祭のはなし』(東京新聞) 2022年現在連載
など多数
コメント
お葬式の費用はその総体で把握しておくべきです。葬儀社への支払いの他に、お布施や接待などの飲食費用もかかります。また施行当日の様々な変化(天候や人数など)に応じて、追加費用が加算されることも。そのため、葬儀社の事前見積もりは必ず受け取っておくべきです。予測される費用も含めて「最大限の概算合計」を提示してくれる業者は親切でしょう。