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お通夜では何をする?意味や流れ・ご遺族や参列者が知っておきたいマナーを解説

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最終更新日: 2023年03月15日

お通夜とは通常、葬儀・告別式の前日に行う、故人と最後の夜を過ごすための儀式です。一般的に故人が亡くなった日の翌日か、翌々日の夜に、故人の家族や親戚、親しい友人が集まって執り行います

お通夜は家族や身内が逝去してから最初に行う儀式のため、速やかな準備が必要です。お通夜の流れや、開催時・参列時のマナーを確認して、いざという時に慌てないようにしましょう。

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この記事を監修した専門家

日本葬祭アカデミー教務研究室 代表
二村 祐輔

お通夜とは

お通夜

お通夜は故人の家族や親戚、親しい友人が集まり、故人と最後の夜を過ごす儀式です。もともとは灯明と線香を絶やさないように、夜通し故人を見守っていたことから、通夜と呼ばれてきました。

現代では18時ごろから1~2時間ほど行う「半通夜」が一般的です。 

お通夜には仮通夜と本通夜がある

お通夜には仮通夜と本通夜の2種類があります。仮通夜とは逝去した当日の夜に、近親者だけで行うお通夜のことです。

本通夜は式の前日に行い、一般の弔問者にも参列してもらいます。現代では仮通夜は行わず、本通夜のみを実施するケースが多いでしょう。

ご逝去してからお通夜までの流れ

家族や身内が逝去したら、まずはご遺体を斎場やご自宅に搬送し、安置します。その後は葬儀社や寺院、火葬場と連絡を取り、お葬式の日程や段取りを決めるといった流れです。

日程は逝去した翌日・翌々日が一般的

お通夜を行う日程は、逝去した翌日か翌々日の夜が一般的です

明確には、実施する日に決まりはありません。しかしその翌日に葬儀・告別式、火葬を控えているため、斎場や火葬場の予約ができる日程に合わせると良いでしょう。

また「僧侶や葬儀社が希望する日程で対応してくれるかどうか」も確認が必要です。

「友引」は避けたほうがいい?

日の吉凶を示す六曜のなかの、縁起が良い日とされる「友引(ともびき)」を避けるべきかと迷われる方もいますが、六曜は中国由来で仏教とはつながりがないためお通夜を執り行うこと自体は問題ないです。

友引を休業日としている火葬場は多いですが、その前日に執り行うお通夜であれば影響しません。

ただし六曜の考え方を気にされるご親族や参列者がいる場合は、配慮する必要があるでしょう。

スケジュールが固まったら告知や準備を

葬儀社と打ち合わせをして通夜の日程が決まったら、親族や知り合いに電話やメール、FAXなどで告知しましょう。

そして当日に必要な食事や返礼品を手配します。通夜振る舞いや、参列者に渡すお礼状、返礼品は葬儀社が用意してくれることが多いです。

葬儀社が用意 通夜振る舞いの料理や配膳

お礼状(最近は「会葬礼状」を併用)

返礼品

ご自身で用意 礼装(喪服)

香典返し

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お通夜当日の流れ

黒いスーツを着て白い手袋をしている男女

お通夜当日の流れは以下の通りです。お通夜自体は長くても2時間程度ですが、ご遺族集合から通夜振る舞いが終わるまでで考えると、全体で5~7時間になることもあります。

1時間半~2時間前 ご遺族集合

葬儀社・僧侶と打ち合わせ

30分前 受付開始
20分前 ご遺族着席
開式 僧侶入場・読経・焼香・法話・僧侶退場・喪主挨拶
閉式後 通夜振る舞い

受付・一同着席・僧侶入場

通夜当日の受付は、式の30分前から開始しますご遺族はその前に葬儀社や僧侶との打ち合わせがあるので、開式の1時間半~2時間半前に会場に到着しておきましょう。

供花を受け取っている場合、故人と親しい人から序列を考えて、葬儀社に指示して飾り付けてもらいます。僧侶が到着したら、挨拶をして、通夜の進行などについて確認しましょう。

受付担当者は、通常は地域の世話役などに任せます。ただし最終的な現金の受け渡しは、喪主が依頼した親族にしてもらうのが一般的です。弔問客が来場したら芳名帳に記名してもらい、香典を受け取ります。

受付が終わったら一同着席です。ご遺族は前列が通常ですが、席次は地元の慣例などに従うのが良いでしょう。一般の弔問者の着席は、係の案内に一任すれば問題ありません。

僧侶が入場するとお通夜の開式です。

読経・焼香・法話

お通夜が始まると読経から焼香、法話の順番で式が進みます。焼香の順番は、喪主、血縁の近い遺族・親族、その後に一般弔問客です。

焼香の後に僧侶から頂く法話は、時間の関係で省略されることもあります。

僧侶退場・喪主挨拶・通夜振る舞い

僧侶が退場すると、喪主が挨拶を行います。参列への感謝、翌日の葬儀・告別式の案内を述べましょう。お通夜が終わったら、通夜振る舞いに移ります

通夜振る舞いとは、お通夜に参加した弔問客への感謝を込めて設ける宴席です。僧侶が通夜振る舞いを辞退した場合には「御膳料」をお包みすることもあります。

なお参列者への通夜振る舞いは地域によってしきたりが異なるので、葬儀社に事前に確認しておくと安心です。地域やご家庭によっては参列者を呼ばず、親族のみで行うこともあります。

お通夜の前に火葬する地域も

東北を中心に、お通夜の前に火葬をする「前火葬」を実施する地域もあります。「火葬→通夜→葬儀・告別式」の流れです。

なお「通夜→火葬→葬儀・告別式」の流れの場合も前火葬と呼びます。

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お通夜に参列するときのマナー

黒いスーツを着て白い手袋をしている男女

お通夜に親族や一般の弔問客として参列する場合は、以下のマナーに気を付けましょう。よくある疑問とあわせて紹介します。

お通夜への参列基準

お通夜は本来、家族や親しい友人のみで行います。親族、または故人と親しい間柄で、日程が問題なければお通夜と翌日の式の両日参加すると良いでしょう。

もし故人と親しい関係でなければ、お通夜ではなく告別式のみに参加する方が適切です。ただし仕事や予定があり告別式に参列できない場合は、お通夜に弔問しても問題ありません。

なお通夜にも伺えないからといって、お通夜前に弔問するのは避けたほうが良いでしょう。遺族は準備を行っている最中なので、対応の負担を増やしてしまいます。

来場時のマナー

一般参列者の場合、お通夜開始の30分以上前には到着しないようにしましょう。受付が開式の30分前ごろに開始するため、到着が早すぎると先方が戸惑います。

また開式に遅れてしまった場合でも参列はできますが、そのときは葬儀社の指示に従って行動しましょう。

服装のマナー

参列者は準喪服または平服で参加するのがマナーです。正喪服で参加すると、不幸を予期していたような印象を与えてしまいます。

また仕事用のスーツは葬儀・告別式では失礼に当たりますが、お通夜の参列では問題ありません。アクセサリー類は外しておきましょう。

なお喪主は正喪服または準喪服を着用します。

香典の金額の相場やマナー

ご遺族からの辞退がない限りは香典を持参しましょう。普通の付き合いならば、5,000~1万円が香典の目安です。

親族の場合、故人との関係が近しくなるほど金額も上がります。とくに規定はありませんが、お葬式費用の分担ということもあり、相応の金額を包むこともあります。

お札は新札にこだわる必要はありません。ただ新札はマナー違反と考える方もいるため、折り目を入れておくのが無難でしょう。不祝儀袋には「御霊前」あるいは「ご香典」と表書きをし、受付の方に渡します。

通夜振る舞いでのマナー

通夜振る舞いに誘われたら基本的に断らずに参加しましょう。食事を口にすることで故人への供養の意味があるため、一口でも箸をつけるのがマナーです。お酒が振る舞われた際には、節度を持っていただきましょう。

食事の最中は、故人に関する思い出話をしながら、故人を偲びます。故人と関係のない話題は避けるようにしましょう。また不幸が続くことを連想させる「次に」「引き続き」「また」といった忌み言葉を口にしないよう注意が必要です。

一般の弔問客の場合、その後に遺族やお手伝いの方の通夜振る舞いが控えているため、長居せず1時間程度で退席しましょう。

葬儀・告別式との違いは?

葬儀

葬儀・告別式とお通夜の大きな違いは、行われる日付と時間帯が異なる点です。一般的にお通夜は夕方18時ごろから行い、葬儀・告別式はその翌日の午前中、または午後の早い時間の日中に行います。

また本来は、儀式の意味合いも異なりました。お通夜は家族や近親者などのみが故人に寄り添う夜で、葬儀は故人との宗教的なお別れの式、告別式は故人との社会的なお別れの儀式です。

ただし現在は、お通夜に一般の参列者も弔問し、翌日の式は多くが葬儀告別式として同時進行されるなど傾向が変化しています。

関連記事:お通夜と葬儀・告別式の違いは?参列基準や香典マナー、参列できない時の対応を解説

現代ではお通夜をしないケースも

お葬式を行うに当たり、現代ではお通夜への弔問を固辞する、または行わない場合もあります。

遺族の負担や昨今の情勢から実施を見送る

一般の弔問客を呼ばずに家族だけで葬儀を行い、告別式は辞退する場合や、昨今の情勢から人の密集を避けたい場合は、お通夜を実施しないケースもあります

お通夜を行わない場合、不特定多数の弔問者への対応をする必要がありません。そのため負担を軽減するためにお通夜を行わない場合もあるでしょう。

ただし懇意にしている寺院(菩提寺)によっては、「お通夜をしないと供養できない」と考える僧侶もいます。まずは菩提寺に問い合わせると良いでしょう

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お通夜で故人との最後の夜を

黒い数珠と白い花が置いてある様子

お通夜は本来、家族や親しい友人で過ごす、故人との最後の夜です。もともと夜通し故人に寄り添って行う儀式でしたが、現代では夕方から1~2時間ほど行う「半通夜」が一般的でしょう。

現代では多くの人が日中は仕事をしていることから、一般の弔問客も翌日の葬儀・告別式ではなくお通夜に参列するケースが多くなっています。

お通夜の意義や一般的な流れ、マナーを把握して、厳かに故人を偲ぶ夜にしましょう。

葬儀社への相談は余裕を持って行おう

ご逝去からお通夜までの日程は短いため、葬儀社への相談はなるべく早い段階から行っておくのがおすすめです。できれば生前から故人と相談し、葬儀社と連絡をとっておくと良いでしょう。

信頼できる葬儀社に依頼するためには、複数社を比較検討することが大切です。相見積もりを取れば、葬儀にかかる費用の相場や、応対の丁寧さを見極められます。

しかし時間と余裕がない中、複数の葬儀社に見積もりや相談するのは難しいでしょう。

そのような時は、最大5社から一括見積もりが取れるミツモアを利用してみてください。チャットベースで相談ができるため、余計な電話などかかってくる心配もありません。

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監修者:二村 祐輔

日本葬祭アカデミー教務研究室 代表
『葬祭カウンセラー』認定・認証団体 主宰
東洋大学 国際観光学科 非常勤講師(葬祭ビジネス論)

著書・監修

  • 『60歳からのエンディングノート入門 私の葬儀・法要・相続』(東京堂出版) 2012/10/25発行
  • 『気持ちが伝わるマイ・エンディングノート』 (池田書店) 2017/9/16発行
  • 『最新版 親の葬儀・法要・相続の安心ガイドブック』(ナツメ社) 2018/8/9発行
  • 『葬祭のはなし』(東京新聞) 2022年現在連載

など多数

コメント
通夜には2つの意味があります。1つは生死の境をさまよう故人の魂を時間をかけて見守るという意味合いです。そこでは原則、まだ「死」が確定したわけではありません。そのためいろいろなしきたりや慣例が生まれ、今代地域の風習になっています。もう1つは、「通夜」は夜にお葬式をしていた時代の名残だという説です。江戸時代の「おとむらい」などを散見すると、夜にお葬式を施行していたようです。提灯、行燈、雪洞、・・すべて夜を想定した装飾ですね。