フローリングについた傷を自分の力で補修する方法を紹介します。身近なアイテムや、簡単に使えるおすすめの補修グッズを用いたやり方を紹介するので、すぐに実践できるものばかりです。
新たな傷を防止するための対策や、業者に頼む場合に参考になる情報も紹介します。
凹み傷・えぐれ傷の補修方法
凹み傷やえぐれ傷は汚れがたまりやすく、ささくれがあるとケガをする危険もあるため、なるべく早く補修しなければなりません。
ここでは深さが1cmを下回るような比較的浅い傷の場合を想定して、手近なアイテムを使ったフローリングの補修方法を紹介します。
アイロンを使う
無垢材で出来たフローリングであれば、アイロンと雑巾を使うだけで凹み傷を直すことができます。なおフローリングが合板や集成材である場合は、アイロンでの補修はできませんので注意してください。
手順
- 水で濡らしてよく絞った雑巾を傷の上にかぶせて、アイロンを1分程度あて続ける
- 1度アイロンを離す
- 雑巾をもう1度濡らしてよく絞る
- 雑巾を傷の上にかぶせ直し、再び1分程度アイロンをあてる
- 1~4の 行程を3回ほどくりかえす
以上の作業を行うと、フローリングの木材が蒸気を吸収して膨張するため、凹んだ部分を元に戻すことができます。
傷部分にパテを詰める
パテとは、欠けた部分を埋めるのに使われる 柔らかい素材です。フローリング補修用のパテをうまく使えば、傷口をきれいにふさぐことができます。
手順
- 傷口のささくれをカッターで取り除く(図1)
- 傷の周囲にマスキングテープを貼る
- パテを温めてやわらかくし、傷の部分に詰める(図2)
- ヘラで傷口からはみ出た余分なパテを取り除く(図3)
- ペンを使って自然な木目を描く
木目を描くときは、後で指を使ってなじませると補修の痕跡が目立ちにくくなります。
おすすめの補修用パテ
自由に形をつくれる使いやすいパテです。カラーパウダーを使って自分の家のフローリングに合わせて色を調整することができます。
傷の部分に流し込んでから約30分で固まるので、比較的短時間で補修をすることができます。固まった上から色を付け直すこともでき、初めてパテを使う方におすすめです。
すり傷・ひっかき傷の補修方法
家具を引きずった際などにできるすり傷・ひっかき傷も、軽いものであれば自分で目立たないように修正することができます。
カラーワックスを塗る
フローリングが傷ついているように見えても、実は表面のワックスがはがれているだけの場合もあります。
細かいすり傷・ひっかき傷であれば、カラーワックスを上から塗ることで、もとのワックスがはがれた跡を目立たないようにすることができます。
手順
- 補修する箇所の周りにあるホコリや汚れを掃除する
- カラーワックスをスポンジにつけ、フローリングの木目の向きに合わせて軽い力で塗る
- 痛みのひどいところは、何度か重ね塗りして乾かす
- 最後に全体にもう一度ワックスを塗って乾かす
おすすめ補修用ワックス
色あせや細かい傷のある場所に上から塗って乾かすことで、フローリングのツヤや色味を取り戻すことができるカラーワックスです。元のワックスをはがす必要はないので、簡単に傷を隠すことができます。
この商品は3種類のカラーバリエーションがあるので、家のフローリングに適したカラーを選ぶことができます。
ハンドクリームを塗る
ハンドクリームも、ワックスと同様に細かい傷を目立たなくする効果があります。家にある普通のハンドクリームを使えばよいので、今すぐ補修したい場合におすすめです。
具体的には、古いタオルやハンカチなど、汚れても良い布にハンドクリームを少量出して、なでるように塗り込んでいけばOKです。
補修ペンを使う
傷を隠すための補修ペンを使う方法もあります。家のフローリングの色に合ったペンがあれば、色塗りをする要領で傷を隠すことが可能です。
手順
- 傷の周辺をふいて、水分やほこりを取り除く
- 補修ペンで傷の上をなぞるようにして色を塗りこむ
- 乾いた布で、傷の部分に塗った補修ペンのインクをフローリングになじませる
※フローリングに木目などの模様があるときは、模様の向きに合わせて塗ると跡が目立たずにすむ
おすすめ補修ペン
筆ペンタイプなので細かい傷を塗りやすいです。6色あるので、実際に使用しながらフローリングの色に最もなじむ色を選べます。
なお商品名に「家具」と記載されていますが、フローリングも使用対象ですので安心して購入できます。
深すぎる傷は業者に相談しよう
深すぎる傷に関してはアイロンやパテを用いても補修することは難しいでしょう。傷が1cmを超える場合には業者へ依頼するのがおすすめです。
フローリングの補修を業者に頼んだときの費用相場や業者の選び方、また張替えや重ね張りといった別のプランを紹介します。
業者に頼んだ場合の費用相場
補修費用はフローリングの傷の程度や材質によって違いますが、一般的に2万円~4万円程度が相場となっています。
補修にかかる費用の計算方法は業者によって異なります。おもに補修にかかる時間や傷の個数、傷の程度、傷の面積などが考慮されます。
フローリングの傷の状況 | おすすめの業者 |
浅い傷が広範囲にある | 時間当たりの料金で計算する業者 |
傷のある範囲が狭い | 面積当たりの料金で計算する業者 |
深い傷が少数ある | 傷の個数当たりの料金で計算する業者 |
図のように、フローリングの傷の状態に応じて、なるべく費用をおさえて済むように賢く業者を選びましょう。
フローリングの張り替えも検討しよう
フローリングの傷みがひどい場合には、部屋のフローリング全体を張り替えてしまうのも1つの手です。
フローリングごと変えてしまえば、今ある傷の問題は一気に解決できます。また機能性やデザイン性の観点から、今よりも好みに合ったフローリングに変えることができるのもメリットです。
上からフローリングを重ね張りするという方法もあります。重ね張りは床が高くなる、下地が見えなくなるなどのデメリットがありますが、張り替えよりも費用を抑えて施工できます。
なお張り替えや重ね張りは一応自力で施工することもできますが、正確におこなうには高度な技術が必要になります。費用はかさむものの、専門の技術を持った業者に頼むのが確実でしょう。
優良な業者を選ぼう
多くの業者の中から、自分の条件に合った優良な業者を選ぶためには、複数の業者から見積もりをとる「相見積もり」がおすすめです。各業者の見積もり内容を比較検討して、最適な業者を選ぶようにしましょう。
相見積もりをする際には、ミツモアの見積もり一括サービスを利用するのが便利です。簡単な質問に答えるだけで、最大5社から見積もりを無料で依頼できます。
フローリングの傷を防止する方法
フローリングが傷ついてから補修をするのではなく、あらかじめ傷がつかないように予防をしておくことが大切です。ここでは、フローリングの傷を防止する方法を詳しく解説していきます。
テーブルや椅子の脚にカバーを着ける
使用頻度が高いテーブルや椅子の脚には、あらかじめ傷防止用のカバーを付けておくのがおすすめです。フローリングへの摩擦や擦り傷を防ぐことができるでしょう。市販のカバーにはさまざまなデザインのものがあるので、好みに合わせて選べます。
また100円ショップやホームセンターに売っているクッションフェルトを貼るだけでも、傷の防止には十分に効果を発揮します。脚の面積・形に合わせて自由にカットして使えるため、便利なアイテムです。
マットやシートを敷く
より手間がかからない簡単な方法として、フローリングにマットやシートを敷いてしまうのも1つの手です。
テーブルや椅子、その他の家具の脚で傷が付くのを防げるのはもちろん、ペットが爪で引っかいてしまう事態にも効果的です。また衝撃を吸収してくれるため、物を落としたときにフローリングがへこむのも防げるでしょう。
おすすめは、洗濯ができるタイプのマットを選ぶことです。簡単に汚れを落とすことができるため、ダイニングでも安心して敷くことができるでしょう。予備を保持しておけば、定期的に洗うことができます。
フロアコーティングという方法もある
フロアコーティングとは、フローリングの表面に専用の薬剤をコーティングすることで、フローリングの傷や経年劣化を予防する方法です。
摩擦に強い「ウレタンコーティング」や、床材の膨張・収縮に強い「ガラスコーティング」などいくつかの種類があるので、家のフローリングの状態に適した方法を選びましょう。
専門の業者なら、フローリングに合わせて最適な施工方法を提案してくれるでしょう。自力でコーティングすることもできますが、きれいに仕上げたい場合は業者に相談するのが賢い選択です。
賃貸の退去時にはフローリングの補修が必要?
賃貸物件には「原状回復義務」というものがあります。原状回復義務とは賃貸物件の入居者が、部屋の損傷があった場合に、それを回復する義務のことです。詳しくは国土交通省が出している「原状回復義務についてのガイドライン」を参考にしてください。
このガイドラインでは、故意に、あるいは注意を怠ってフローリングを傷つけた場合、所有者が補修の義務を負う必要があるとされています。
ただし、経年劣化や賃貸そのものの不備など「入居者がコントロールできない原因」でついた傷については、原状回復義務は発生しません。
退去費用がかかってしまう場合
入居者の過失によって退去費用が発生するケースとしては、次のような例が挙げられます。
- 飲み物や食べ物をこぼしたシミ・カビ
- 家具の移動によってついた引っかき傷・へこみ
- 窓の閉め忘れで雨が吹き込んだことによる色落ちや痛み
- 子どもの落書きやペットによる引っかき傷
これらのケースでは、フローリングを補修するために退去費用が必要です。
一方、家具の重みによるへこみ、日照によるフローリングの変色、建物欠陥による雨漏りなどは原状回復義務の対象外のため、管理人の負担となります。
認識の食い違いによるトラブルを防ぐためにも、両者の切り分けを理解しておきましょう。
契約内容を確認しよう
入居者が賃貸物件のフローリングに傷をつけてしまったとき、入居者自身による補修がどこまで認められるかは、契約内容によって異なります。管理人が定めた方法に従って、全ての補修を行わなければならないケースもあるため注意しましょう。
家主や管理会社に無断で勝手に補修をしてしまうと、退去時に重ねて費用がかかることもあり得ます。
補修方法や、どの程度までの補修が必要かは、独断せずにきちんと契約内容をチェックしましょう。不明点があった場合には、家主や管理会社に確認をしておくと、後々のトラブルを回避できます。
ミツモアでフローリング張り替え業者に見積もりを依頼しよう!
ミツモアでは豊富な経験と知識を持ったプロにフローリング張り替えの見積もりの依頼ができます。まずはプロに相談をしてみてはいかがでしょうか?