床のリフォーム方法を解説!カビへの対処法や、メリット・デメリットは?
毎日直接肌が触れ、毎日きれいにしておきたい場所といえば、フローリング。
ところが気がつけば、あちこち傷だらけになっていることも。カップを落とした傷、重いソファーを引きずってしまった傷など、自分の部屋をよく見てみるとそろそろ張り替えの時期かもしれません。
フローリングのリフォームはかなり大掛かりなイメージですが耐水性、耐久性がアップする、防音性が高まる、滑りにくくなるなどの効果があります。
この記事では「重ね張り」と「張り替え」、2つの方法についてメリット・デメリットを挙げつつ紹介。梅雨の時期などに気になる、カビへの対処方法も解説していきます。
床リフォームを手軽に行いたいなら「重ね張り」!
古い床を全部剥がして張り替えするのは予算と工事期間が心配、という方には「重ね張り」をお勧めします。
古いフローリングを剥がす必要がないので、その分の工事費用や工事期間がかからず、比較的簡単な工法です。
重ね張りのメリット
- 張り替え工事と比べて安価なうえ、工事期間が短い
- 騒音がなく、近隣の方に迷惑かけずに工事ができる
- 床が二重になるため防音効果がある
- 施工時にホコリが出にくい
- 廃材が少ないので、処分費用が抑えられる
フローリングの重ね張りをするメリットは上記のようなものがあります。特に盲点になりやすいのは、施工後の廃材。施工費だけでなく処分費用の点でもコストを抑えることができます。
重ね張りのデメリット
- リフォーム前に比べて、床材の厚み分の高さが出てしまう
- ドアやサッシと干渉する可能性がある
- 下地にカビなどが生えていても確認ができない
- 床暖房が効きづらくなる可能性がある
フローリングを重ね張りするデメリットは、上記のようなものがあります。あらかじめ床の高さを確認しておかないと、高くなったフローリングにドアが擦れてしまい、せっかく交換したのにすぐ傷がついてしまうことも。
キッチン引き出しが開けられなくなったり、廊下よりもお部屋の床が高くなってしまったりといった失敗談もよくあるので、しっかり確認しましょう。
重ね張りの注意点と対処法!カビが生えていたらどうする?
カビの上から重ね張りするのはOK?
カビが生えてしまったことでフローリングを変えるか悩んでいる人は多いはず。この場合、カビへの対処はどうするべきでしょうか。
結論から言えば、カビの生えた床は放置せずにしっかりと対処したうえでリフォームするのがお勧めです。
カビは非常に繁殖力が強いため、下地になっているフローリングがどんどん浸食されていってしまいます。しかも一度重ね張りするとカビの様子が見えなくなるので、対処が遅れてしまいます。
予算があるならば大きくフローリングを剥がしたうえで張り替えるのが、最も安全といえます。
一度カビが広がってしまうと費用がかさむので、普段からエタノールなどを使ってしっかりカビ予防しておきましょう。
段差には見切り材
重ね張りによって床に段差や境目ができてしまった場合の対処法として、見切り材を使うという手段があります。
見切り材は細長くなだらかなカーブがあります。そのため、床の段差部分に設置することでなだらかな床にすることができます。
フローリングをリフォームする前から見切り材を選択肢に入れておくことで、スムーズに施工できるかもしれません。
引っ越し時の原状回復は?
賃貸の場合、フローリングを重ね張りした部屋は引っ越すときにお金がかかるのでしょうか。
引っ越し時には部屋の「原状回復」が必要になります。「元の状態に戻す」ことを指し、借主の意思で行った改装などは元に戻さなくてはなりません。
退去時に揉めることの無いよう、リフォーム前に大家さんの確認を取っておきましょう。
重ね張りフローリング材の種類
重ね張り専用のフローリング材について、代表的な種類をご紹介します。
塩ビ系フローリングシート
塩化ビニール素材のシートです。厚みが1.5mm~1.6mmと超薄で、中には両面テープや接着剤で貼り付けるだけ、というお手軽タイプも登場しています。ただし、これはフィルムに木目をプリントしたシート、パッと見たかんじは天然木に近いのですが、やはり素材感や足触りなど、人工的になってしまいます。
材質の特性上、キッチンなど水回りにも安心して使うことができます。他の重ね張りフローリング材に比べて安価ですし、施工方法も簡単なので、工事費も安く済ませることができます。
クッションフロア
クッションフロアはその名の通り、ほどよいクッション性がポイントです。
表面は本物の木材のように凹凸がプリントされているものや、石目調のものなど、デザインも幅広く存在します。住宅用なら1.8mm程度の厚みです。
最大のメリットは防水性。塩ビ素材で出来ているため水をはじき、キッチンや洗面所に使用してもカビの繁殖が少ないのが特徴です。
一方デメリットとしては、重い家具などによる凹みがつきやすいことが挙げられます。クッション性があるがゆえに、耐久性は他のフローリングシートと比較するとあまり優れていないという点が難点です。
フロアタイル
フロアタイルは、クッションフロアと同じく塩ビ素材の床材ですが、シートではなくタイルである点が異なります。
クッションフロアと比べても木目柄や石目柄がよりリアルで、傷に強い点が特徴です。最大のメリットはメンテナンスが簡単であること。タイル状なので、傷がついた一部分だけ交換することができます。
またクッション性がない分、耐久性はクッションフロアよりも優れていますが、少しコストが高いというデメリットも。さらに、よく歩く場所にはあまり適していないため、敷く場所を考える必要があるかもしれません。
MDF材フローリング
MDFとは木材を繊維状にほぐして、接着剤などと混ぜて固め整形した材料です。表面に天然木を貼り付けたり、樹脂フィルムが貼られたりしています。
木の風合いや素材感が感じられ、誰が見ても美しいフローリング床だと思うことでしょう。ただしMFDを使うには、既存の床がフローリングでなければなりません。
デメリットとしてはコストの高さが挙げられます。専用両面テープの費用や、カットする際にはノコギリを使う手間など。
またMDFは湿気を含むと膨らむ、という特性があるので、キッチンなどの水周りには適していません。
WPB系フローリング
WPBは樹脂と木粉を加工したもので、木質系プラスチックボードと呼ばれる素材です。1.6mmの薄さのものもあり、水に強いので、キッチンやトイレ、洗面所にも適しています。
思い切ってリフォームするなら「張り替え」
床は、毎日いちばん肌が触れる場所であり、インテリアの要でもあります。どんなに高級で洗練された家具を置いても、床のグレードが低いと残念な結果になってしまいます。
そこで既存の床を剥がしてしまう「張り替え」という選択肢が登場します。しっかりと予算をかけて一新したいなら、思い切って張り替えをするのがいいでしょう。
張り替えのメリット
- リフォーム前後で床の高さがほとんど変わらない。
- 床の下の状態が腐食していないか、カビでいないかなど確認できる
床下の状態をチェックできるので、点検と補修を合わせて行えるという利点があるので、予算に余裕がある場合は、張り替えがおすすめです。
張り替えのデメリット
- 古いフローリングを剥がす工事が必要
- 巾木など周辺部分の工事が別に必要になることがある
- 工事の手間がかかり、工事期間が長く、費用がかさむ
- 廃材がたくさん出るので、処分費用がかかる
張り替えフローリング材の種類
様々な床材がありますが、それぞれに長所、短所があります。事前にカタログやサイトをチェックし、ベストな床材をチョイスしましょう。
せっかくの張り替えなので、床暖房を検討するのもよいかもしれません。
無垢フローリング材
無垢の木は多孔質と呼ばれている構造をしていて、小さな穴が呼吸しています。調湿効果があるので、乾燥する時期には湿気を出し、湿気が多い時期には吸収します。断熱性が高いので、冬に素肌で歩いても冷たくありません。逆に夏はさらっとした感触です。
傷はつきやすいですが、削って補修できます。経年変化を楽しむことができ、使えば使うほど味がでます。風合いや香りが良いので、定番の人気となっています。
同じ無垢材と言っても、パイン材、ウォールナッツ材、杉材、オーク材などいろいろと種類があります。特にウォールナッツ材は高級木材なので、価格が高くなります。
合板フローリング
合板フローリングは、床材の中でいちばん広く使われています。木質ボードの上に薄い仕上げ材を貼り付けて熱圧接着したもので、反りや狂いや割れが生じにくいという特徴があります。
傷や凹みがつきにくく耐久性があり、汚れにくいという優れた耐久性。
ワックス不要タイプ、抗菌塗装タイプなど表面加工の選択肢も豊富なので、生活スタイルや用途にあわせて選ぶことができます。
カーペット
カーペットは従来、ハウスダストやホコリがたまりやすいというイメージでした。しかし近年は防汚加工や防ダニ加工、消臭加工に抗菌加工など、商品バリエーションが豊富にあります。
カーペットは吸音性や保温性が高く、光の照り返しも防げるため、寝室や書斎などにピッタリです。
コルク
コルク樫の樹皮を粉砕し、圧縮した床材です。
吸音や遮音に優れており、断熱性があるため温かみを感じます。転んでもクッション性があるので、子供部屋に使用するのがおすすめです。
デメリットとしては、色やデザインのバリエーションに欠き、値段が高いという点が挙げられます。
クッションフロア
塩化ビニールの床材で。柔らかくクッション性に富み、水に強いので、キッチン、トイレ、洗面所などにオススメです。
他の床材に比べて安く、耐水性に優れ、汚れにくくお手入れが簡単なので、使いやすい床材です。ただし、上に重たい物を置くと、凹んだ跡が残りやすくなります。
フロアタイル
フローリング材を塩化ビニールで再現したタイルです。耐久性に優れていますし、耐水性にも優れていてお手入れが簡単。キッチンにオススメです。
床材のテイストを決めよう
床の「色」
部屋を優しく見せるライト系、ナチュラルに見せる中間色系、シックで落ち着いた雰囲気に見せるダーク系、などイメージに合わせて色のトーンを選択しましょう。
メーカーによっては「アンティーク加工」など、ヴィンテージ好きにはたまらないラインも。
床の「素材」
温かみのある木材か、スタイリッシュにみせるタイル系、カーペットかコルクか。素材を決める時には部屋の用途だけでなく、デザインが与える部屋の印象も重要です。
変り種としては天然素材の藤や竹、サイザル麻やココヤシなど、ぬくもり感じるナチュラルな素材もあります。
床の「張り方」
同じ寸法の材を一定の幅で規則的に張る定尺貼り、様々な長さの材を用いる乱尺張り、洋風なスタイルが似合うヘリンボーン張りなどなど……。
どんな張り方があるのかを調べてみるのも楽しいかもしれません。
床リフォームってどんな業者に頼めば良いの?
フローリングにカビが生えてしまったときや、大きな傷・汚れをつけてしまったとき、せっかく発注するのなら業者についても知っておくとよいかもしれません。
工務店
リーズナブルな価格でしっかりとしたリフォームをしてくれるのが、地域密着型の工務店です。しかし当たりはずれも多いため、地元の施工事例や口コミを聞くのが安パイです。
リフォーム専門会社
実績と提案力のあるリフォーム会社なら安心です。予算は地元の工務店などに比べると、高くなる可能性があります。
ハウスメーカー
家を建ててもらったハウスメーカーなら、家の構造や商品を熟知しているので、安心して任せられます。しかしやはり予算は地元の工務店などに比べると高くなる可能性があります。
床リフォーム専門会社
専門会社なので、床に関しての工法や商品の知識を熟知。そのうえ比較的安くリフォームできます。
気になる床リフォームの価格相場は?
6帖の部屋を例に挙げた場合、業者に発注して床をリフォームするときの価格相場は以下のようになります。
床材 | 張り替え | 重ね張り |
フローリング | 9~18万円 | 6~14万円 |
クッションフロア | 4.5~10万円 | 4~5.5万円 |
フロアタイル | 5.5~10万円 | 5~6万円 |
カーペット | 5.3~12万円 | 4.5~6.5万円 |
フローリング材の種類によっても大きく値が変わるのが分かりますね。また廃材処分・諸経費で数万円かかることもあるので、事前にしっかりと計算しておきましょう。
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フローリングを変えるには、たくさんの注意点がありました。「やっぱり面倒だから業者に依頼しようかな」と思った人もいるのではないでしょうか。
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