新築の床はきれいで傷がありませんが、長持ちさせるためにフロアコーティングは必要なのでしょうか。新築物件にフロアコーティングを施工するメリットと、フロアコーティングは必要ないという意見を把握した上で、施工するか否か検討しましょう。
フロアコーティングは新築時に施工するのがおすすめ
フロアコーティングを検討している場合、新築の入居前に施工するのがおすすめといえます。新品の状態でコーティングできる上、余分な費用がかからないためです。それぞれについて詳しく解説します。
新品のきれいな状態で施工できる
フロアコーティングとはフローリングに無色透明の塗膜を塗り、傷や汚れから守るための加工です。劣化やフローリングに付いてしまった傷を修復するためものではなく、現状維持が目的といえます。
フローリングがきれいな状態の新居でも、荷物を入れたり生活したりしているうちに、床が汚れ、傷が生じるものです。
新築で未入居の状態なら、きれいな状態の床にフロアコーティングを施工できます。傷や汚れがない新品のフローリングにフロアコーティングを施工できるため、新築時の施工がおすすめです。
入居後に施工しようとすると費用が上がる
荷物が運び入れてある入居後の状態の新居にフロアコーティングを施工すると、費用が上がってしまうため要注意です。
フロアコーティング施工のために、家具を移動させる必要が生じます。家具の移動や施工までの生活により、フローリングにすでに傷が付いている可能性もあるでしょう。
またワックスやコーティングをフローリングに施した場合、フロアコーティングを施工する前に剥がさなければなりません。
入居後にフロアコーティングを施工する際は、コーティング前の作業が必要になるため、費用がかかります。新築で未入居の状態なら上記の作業は不要です。
フロアコーティングのメリット
新築のきれいな床にフロアコーティングを施すことで、得られるメリットを紹介します。床を長期間にわたってきれいに保ちたい人や、毎日の床掃除を楽にしたい人は、フロアコーティングを検討するとよいでしょう。
- 長期間にわたって傷・汚れからフローリングを守れる
- 毎日の掃除がラクになる
長期間にわたって傷・汚れからフローリングを守れる
フロアコーティングはフローリングに塗膜を塗り、傷や汚れ、劣化から守るものです。フロアコーティングの種類によるものの、長いものでは20年以上の耐用年数があります。
フロアコーティングの種類は、大きく分けて下記の通りです。
フロアコーティングの種類 | 特徴 |
---|---|
ガラスコーティング | 塗膜が硬いため傷が付きにくい。耐用年数15~20年 |
UVコーティング | 摩擦や熱に強く、滑り止め効果・耐薬品性あり。耐用年数20年 |
ガラスコーティング | 塗膜が硬く傷が付きにくい。耐用年数15~20年 |
シリコンコーティング | 滑り止め効果が高く、耐薬品性・耐水性がある。ペットや子どもがいる家庭向き。耐用年数10~20年 |
ウレタンコーティング | 薬品使用不可、水拭きのみ。他に比べると安価。耐用年数10年 |
小さな子どもがいる家庭や、ペットを飼っている場合は、床が汚れたり傷が付いたりしやすいものです。子どもやペットがいない場合でも、椅子を引いたり硬いものを落としたりと、床に細かい傷が生じるケースは多々あります。
フロアコーティングを施工すれば、長期間にわたってフローリングを傷や汚れから守れるので、劣化を防ぎ寿命を延ばせるでしょう。
毎日の掃除がラクになる
日々の生活を送っていると、フローリングに細かい傷が付きます。傷が付いているフローリングの汚れを拭き取ろうとすると、汚れが傷に入り込んでしまい、掃除に手間がかかるでしょう。
フロアコーティングを施工し、フローリングに傷が付きにくくなれば、汚れた際にきれいに拭き取れます。なおかつフロアコーティングしてある床は汚れにくいため、日々の床掃除がラクになる点がメリットです。
フロアコーティングが必要ないという意見
新築の床にフロアコーティングを施すと、きれいな床を長期間保てますが、「フロアコーティングは必要ない」という意見も中にはみられます。どのような意見があるのか確認しましょう。
- まとまった費用がかかるから
- 床の劣化が気にならないから
- 長期間住む予定がないから
- ワックスフリーのシートフローリングだから
まとまった費用がかかるから
フロアコーティングの施工費用はワックスに比べると高額になるので、必要ないという意見もあります。ただでさえ何かと費用がかかる新築時に、「フロアコーティングにお金をかけたくない。ワックスで十分では?」と考える人もいるでしょう。
ワックスを施工する際、70㎡当たりの費用相場は4万円からで、耐用年数は半年~1年程度というケースが多くみられます。
一方のフロアコーティングは、ガラスコーティングが20~40万円、UVコーティングが25万~45万円、シリコンコーティングが20万~35万円ほどです。耐用年数が10~20年のため、1年あたりの費用は割安ですが、一度にまとまった金額が必要になります。
新築時に高額な費用をかけたくない場合はワックス、施工のたびに家具を移動させたり傷を修復したりという事前作業を行いたくない場合は、フロアコーティングがよいでしょう。
床の劣化が気にならないから
「フローリングが劣化しても気にならなければ、フロアコーティングは不要」という意見もあります。
しかしフローリングが劣化すると、変色や日焼けなどで、見た目が悪くなるだけではありません。フローリングが日焼けするとひび割れたり、劣化して表面にささくれができるケースもあります。
また水拭きや結露などでフローリングが水分を吸収すると、表面が浮いて剥がれる『浮き剥がれ』が起こります。
フローリングが劣化するとけがの原因になったり、掃除がしにくくなったりします。劣化により見た目が悪くなるだけでなく、日常生活に支障をきたす可能性がある点を覚えておきましょう。
長期間住む予定がないから
新居を将来的に賃貸に出す、または売却するつもりで、自分は長く住む予定がない場合は、フロアコーティングは不要と考える人もいます。しかし賃貸や売却を考えていても、床をきれいに保っておくに越したことはありません。
賃貸に出す場合は、フロアコーティングがしてあれば、入居者の使用によるダメージが軽減されます。売却する場合は、フロアコーティングが施工してあれば床をきれいに保てるため、購入希望者に好印象を与えやすいでしょう。
将来的に新居の賃貸や売却を検討しているなら、フロアコーティングをしておいた方がよいといえます。
ワックスフリーのシートフローリングだから
ワックスが不要なフローリングを『ワックスフリー』もしくは『ノンワックス』といいます。
ワックスフリーは木目がプリントされた『保護フィルム』が、床材の表面に焼き付けられており、耐久性が高められています。保護フィルムのおかげで、フローリングにつやが出て、汚れにくいというのが特徴です。
木目プリントには細かい凹凸があり、微細な汚れがたまりやすい点に注意が必要です。保護フィルムがすり減ると、つやも保護効果もなくなり、3~5年程度で剥がれます。
ワックスフリーの効果を長持ちさせたい場合は、フロアコーティングを行うとよいでしょう。なおワックスフリーの床にワックスをかけてしまうと、滑りやすい、汚れやすい、ワックスを剥離する際に床が傷むなど、多くの問題が生じます。
新築物件にこそフロアコーティングが必要
フロアコーティングとはフローリングに無色透明の塗膜を塗り、傷や汚れから守るものです。新築かつ入居前にフロアコーティングを施工すれば、新品のきれいな床を、長期間にわたり維持できます。
入居前なら床に傷や汚れがないだけでなく、家具の移動や、すでに施してあるワックスやコーティングを剥がす作業が不要です。それにより費用が節約できるため、入居後に施工するよりもお得といえるでしょう。
フロアコーティングを考えているなら、新築時に施工するのがおすすめです。