Android端末に不具合が起きた場合や、売却・譲渡する時は初期化が必要です。しかし事前にバックアップを取らないと、大事なデータが消えてしまうこともあります。Android端末を初期化する方法や注意事項、バックアップの方法を解説します。
Androidの初期化とは?
「Android端末を初期化する」とはどういうことなのか、正確にはわからない方も多いのではないでしょうか。初期化をする前に、端末の初期化について基本的なところから解説します。
初期化するとどうなるか?
Android端末を初期化すると、工場出荷状態(購入時の状態)になります。初期化時には端末で保存していたデータが消える仕組みです。初期化することで消えるデータは以下の通りです。
- アプリケーション
- ゲーム(セーブデータ)
- 音楽データ
- 連絡先
- カレンダーのスケジュール
- ブックマーク
- 写真(画像)、動画データ
- メモ
- 送受信メール
- LINEのトーク履歴
一方で、Googleアカウントによって同社のサーバーに保存されているGmailやカレンダーの内容やSNSの書き込み、各種クラウドサービス上に保存したデータなど、Android端末内に保存されていないデータは消えません。
初期化をするとやり直しはできません。バックアップできるデータと、できないデータを確認しておきましょう。
初期化が必要な状況
Android端末の初期化が必要になるケースは端末を売却・交換・破棄する場合が想定されます。端末の不具合が出た際も初期化が必要です。
端末を売却・破棄する場合は、すべての個人情報を削除しましょう。不正に利用されることを防ぐことができるのです。
端末の不具合が原因で初期化するというケースでは、動作が不安定、もしくは再起動が頻発するケースで行います。このような不具合は、初期化することでなおる可能性があります。
初期化が必要なケースに該当するなら検討してみましょう。
初期化する前のバックアップ
初期化する際、バックアップを取っておかないとデータを復元できません。大事なデータを保護するためにも、事前にバックアップを取る必要があります。
Googleドライブへのバックアップ
バックアップにはGoogleドライブを使った方法があります。Googleドライブを使うことで、端末の設定やメール・連絡先・インストールされたアプリなどをバックアップすることが可能です。
Googleドライブを使ったバックアップの方法は次のとおりです。事前にGoogleアカウントを取得し、Googleドライブをインストールしましょう。
- 端末の「設定」アプリを開く
- 「システム」→「バックアップ」をタップ
- 「Googleドライブへのバックアップ」をオンにする
- 自動的にGoogleドライブへバックアップされる
Googleドライブを使用したバックアップは、端末から簡単にできます。初期化が必要でなくとも普段からバックアップを取っておくと万が一の備えにもなるので、試しておくことがおすすめです。
Googleフォトによるバックアップ
動画や写真をバックアップするためには、Googleフォトを使うのがおすすめです。Googleフォトでは最大15GBまで無料で利用でき、Google Oneという有料サービスを使うことで容量を増やすことができます。
Googleフォトを使ったバックアップの手順は以下の通りです。
- 「Googleフォト」を開く
- 「メニュー」→「フォトの設定」を選択
- 「バックアップと同期」をオンにする
この設定により自動的に動画・画像がGoogleフォトにバックアップされます。初期化が完了した後Googleフォトにログインすれば、保存した写真や動画を見ることができますよ。
Googleフォトに保存されたデータはAndroid端末以外にも、パソコンやタブレット端末などからも見られるため便利です。活用してみましょう。
個別アプリのバックアップ
Googleドライブを使ったバックアップ方法を紹介しましたが、この方法ではバックアップができないアプリもあります。代表的な例としてLINEのトーク履歴です。
トーク履歴を残したいのであればバックアップは必要です。LINEの場合は、アプリ内で引き継ぎ設定をする必要があります。
個別バックアップはLINEだけではなくゲームやビジネスツールでも必要なことがあります。やり方については、アプリのヘルプページで「バックアップ」や「機種変更」などの項目に記載されていることが多いため参照しましょう。
Android端末の初期化手順
Android端末を初期化するための手順を説明します。大まかには端末の中身を削除して、作業終了後データを復元するという流れです。
アカウント情報を削除
Android端末を初期化する前に、登録しているGoogleアカウントの削除をしましょう。端末によっては「端末保護機能」でロックがかかるケースがあるためです。
Googleアカウントの削除手順は次のようになります。
- 「設定」アプリをタップ
- 「アカウント」をタップ
- 使用しているアカウントをタップ
- 「アカウントの削除」をタップ
バックアップしたデータはGoogleアカウントにひも付けられているため、忘れてしまうと復元できません。アカウントの削除をする前には、必ずアカウント情報をメモしておきましょう。
設定から初期化を行う
初期化はAndroid端末の設定アプリから行います。端末を初期化する方法をまとめました。
- 「設定」をタップ
- 下にスクロールして、「システム」をタップ
※リセットする前に、バックアップが取れているか確認。バックアップできていない場合は、前述した方法をもう一度確認しましょう。 - 「リセット」をタップ
- 「データの初期化」をタップ
- 注意事項を下までスクロールして「携帯電話をリセット」をタップ
- 「すべて削除」をタップ
操作が完了すると初期化が始まります。しばらく時間がかかるため、終わるまで待ちましょう。初期設定画面が表示されれば、端末の初期化は終了です。
初期化は簡単にできます。注意事項を確認しながら初期化してみましょう。
データを復元する
初期化完了後はデータの復元作業に入ります。端末を売却・廃棄する場合には必要ありませんが、不具合を解消するために初期化した場合は以下の手順のとおりに設定を行いましょう。
- 端末を起動する
- セットアップを進めると「ようこそ」「はじめよう」などと画面に表示がでる
- 「→」または「開始」をタップする
- 画面の表示に従ってWi-Fi設定をする
- 「データのコピー」項目をタップ
- 「クラウドからバックアップ」をタップ
- Googleアカウントにログイン
- 復元するバックアップの選択画面で、復元したいバックアップをタップ
- チェックを入れる。その後、右下の「復元」をタップ。「復元中」と表示される
- 右下の「次へ」を選択して設定を進める
Android端末を使う上でデータを復元する機会は何度もあるでしょう。手順を覚えておくと便利です。
初期化時の注意点
初期化を行う際に、バッテリー切れやおサイフケータイの取り扱いには注意を払いましょう。具体的な対策を説明します。
作業中は充電しておく
初期化中は充電しながら作業します。なぜなら初期化中に電源を失ってしまうと故障する可能性があるからです。
機種や復元するデータの量によって、初期化にかかる時間は変わります。中には1時間以上かかる場合もあるため、充電しながら行うと安心です。
バッテリーが劣化していれば、想像以上に早く充電がなくなる可能性もありますので、バッテリー残量には注意しましょう。
おサイフケータイの扱いに注意
Android端末を初期化するとき、おサイフケータイにある電子マネーの初期化や、残高の移行を行う必要があります。古い端末から新しい端末に、おサイフケータイの残高を引き継げなくなるケースがあるからです。
電子マネーの移行方法は利用するサービスによって操作方法が異なるため、ここではおおまかな流れを説明します。
- 登録した会員情報やチャージ残高などのデータをサービス事業者のサーバーに預けて端末を初期化
- 初期化後サーバーからデータを復元
初期化する際にはおサイフケータイの残高を、無理やりゼロにする必要はありません。残高を引き継いでいれば、おサイフケータイのアプリを入れ直せば再度使えるようになります。
Android端末を初期化してみよう
今回はAndroid端末の初期化やその方法について解説しました。初期化自体は簡単に実行できるため注意して行う必要があります。
データの復元を希望する場合はバックアップが必要となりますが、Googleドライブで一括にバックアップできるデータと、自分で個別にバックアップを取るデータがありますので、メモを取るなどして確実に実行するのがおすすめです。
端末の初期化は工場出荷時に戻すことで端末をリフレッシュし、不具合を直せる可能性もあります。適切にバックアップが取れれば初期化は怖いものではないので、手順や注意点を把握して万一に備えておきましょう。
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