お風呂に入っていると、床が白く汚れているのが目に付くことがあります。水回りはいろいろな種類の汚れが付きやすいですが、白い汚れが付くのはなぜなのでしょうか?お風呂の白い汚れを落とす方法や、汚れが付かないための予防策を解説します。
お風呂の床が白くなるのはなぜ?
お風呂は毎日のように使用し、水を使うため汚れやすい場所です。いつの間にか床に白い汚れが付いてしまっていた、という経験がある人も多いでしょう。まずは、この白い汚れの原因を解説していきます。
水垢や石鹸カスなどが原因
白い汚れの原因は、水垢や石鹸カスです。水垢は、水道水に含まれるマグネシウムなどのミネラル分が固まってできます。お風呂を使ったあと、水滴をそのままにしておくと水分だけが蒸発し、ミネラル分が白く残ってしまうのです。
また、体から出る皮脂や石鹸カスなどが水垢と混ざることにより、落ちにくい汚れになってしまうこともあります。さまざまな汚れが積み重なってできているため、放置していると、簡単には落とせなくなってしまうのです。
床の白い汚れを落とす方法
水垢や石鹸カスによって付いてしまう白い汚れは、どのようにして落とせばよいのでしょうか?掃除に使うアイテムや、簡単に落とせる掃除の仕方を紹介します。
クエン酸を使う
白い汚れを落とすには、クエン酸を使うと効果的です。一般的に汚れを落とすときには、反対の性質を持つ洗剤で中和させて落とします。水垢や石鹸カスはアルカリ性であるため、酸性のクエン酸を使うと落としやすくなるのです。
クエン酸は柑橘類に含まれる成分で、100円ショップなど身近な店で手に入ります。界面活性剤を使用していないため、肌に優しい洗剤です。
クエン酸を掃除に使うときには、クエン酸水のスプレーを作ると便利です。クエン酸水は「水200ml」に「クエン酸の粉末小さじ1杯」を入れて混ぜるだけで、簡単に作れます。
掃除の手順
クエン酸を使ってお風呂を掃除するときには、以下のような手順で行います。
- 汚れが気になる部分を中心に、クエン酸スプレーをまんべんなくかける
- かけたらすぐにはこすらず、20分ほど放置する
- 時間が経ったら、さらにクエン酸の粉末をまき、その上からブラシでこする
- 汚れが落ちたら、水で洗い流す
軽い汚れであれば、この手順ですっきりと汚れが落とせます。
このとき、汚れと酸が反応して床が滑りやすくなる可能性があるため、転倒などしないように注意が必要です。
落ちにくいときはクエン酸パック
しばらく置いて洗い流すだけでは落ちない頑固な汚れには、クエン酸パックが効果的です。手順は以下の通りです。
- 汚れがひどい部分にキッチンペーパーを置く
- 1の上からクエン酸水スプレーをかける
- 1~2時間ほど放置する
- 時間が経ったらキッチンペーパーをはがし、ブラシでこする
- 水で洗い流す
パックすることで汚れにクエン酸が染み渡り、落ちやすくなります。放置する時間は、長ければ長いほど効果的です。汚れの状態を見て、放置する時間を決めましょう。
頑固な汚れには重曹をプラスして
お風呂の汚れは、クエン酸だけでは落ちない場合があります。そのときには、重曹をプラスすれば効果的です。
重曹が効果的な理由と、掃除の手順について解説します。
皮脂汚れにはアルカリ性の洗剤が効く
お風呂の白い汚れには、水垢や石鹸カスだけでなく、皮脂汚れも含まれています。皮脂は酸性にあたるので、アルカリ性の重曹が効果的なのです。
重曹は炭酸水素ナトリウムのことで、粒子が細かく水に溶けにくいため、研磨剤としても使用できます。重曹には掃除用と食用がありますが、掃除用であれば100円ショップなどで安く購入可能です。
掃除の手順
クエン酸だけでは落ちない汚れには、重曹クエン酸パックを試してみましょう。重曹とクエン酸を混ぜると発生する炭酸の泡の効果で、頑固な汚れを落とすのです。
- 重曹を汚れが気になる場所にまく
- 1の上からクエン酸水スプレーをかける
- 炭酸の泡が発生している間に、ラップをかぶせてパックの状態にする
- 30分ほど経過したらラップを外し、水で洗い流す
重曹をまく際、汚れが完全に隠れるようにたっぷり使うのがポイントです。
もし黒い汚れが付いていたら?
お風呂には、白い汚れだけでなく黒い汚れが付く場合もあります。黒い汚れの原因と、対処法を紹介します。
主な原因は黒カビ
お風呂で発生する黒い汚れの主な原因は、黒カビです。ただの汚れの可能性もありますが、ブラシなどでこすっても落ちない場合は、黒カビの可能性が高いでしょう。
お風呂は温度や湿度が高くなることが多く、石鹸カスなどのエサもあるため、カビが繁殖しやすい環境です。黒カビが目に見えるようになったときには、すでにかなり成長しているので早めに対処しましょう。
酸素系洗剤でこすり洗い
黒カビを落とすには、酸素系洗剤を使ってこすり洗いをすると効果的です。酸素系洗剤には漂白効果があるため、こするだけでは落ちない汚れにも効果があります。
酸素系洗剤を使った掃除の手順は以下の通りです。
- きれいにしたい場所に熱いお湯をかけ、温めておく
- 酸素系洗剤を床にまんべんなくかけ、軽くこすってなじませる
- そのまま1時間ほど放置する
- 時間が経ったら軽く洗い流す
- ブラシでこすり洗いをして、汚れを洗い流す
酸素系洗剤を使う前に温める理由は、お湯に溶かすことで、酸素系洗剤は酸素が発生させて洗浄効果がアップするからです。より効果的に汚れを落とすために、この事前準備は必ずしておきましょう。
落ちにくいときは漬けておく
汚れがひどい場合には、こすり洗いでは取れないケースがあります。そのときには、漬け置きを行ってみましょう。具体的な手順は以下の通りです。
- 水が流れないよう、排水口に栓をする
- 酸素系洗剤2~3杯をお風呂の床にまく
- 2を40~60度のシャワーで溶かしながら、床にお湯をためていく
- そのまま2~6時間ほど放置する
- 水を抜き、ブラシなどでこする
- しっかりと洗い流す
手順1について、ヘアキャッチャーをビニール袋に入れて排水口にセットし、ビニール袋に水をためると、簡易的な栓を作れます。
掃除するときの注意ポイントと汚れ予防策
掃除するときには、洗剤の扱い方など注意すべき点があります。気をつけておきたいポイントと、汚れが付かないようにするための防止策をみていきましょう。
酸性洗剤と塩素系洗剤は併用NG
お風呂洗いに使える洗剤にはさまざまな種類がありますが、酸性洗剤と塩素系洗剤は併用してはいけません。化学反応をおこして有毒な塩素ガスが発生し、危険だからです。
また、酸性洗剤と塩素系洗剤を同時に使うことも、同様に危険です。必ず洗剤は1種類ずつ使用し、使用後はしっかり水で洗い流してから、別の洗剤を使うようにしましょう。
カビ取りの漂白剤などの塩素系洗剤には、ボトルに「混ぜるな危険」の表記があります。安全に掃除を行うため、表記をしっかり守って使用しましょう。
入浴後の掃除で汚れを防ぐ
お風呂をきれいに保つには、毎日の入浴後に簡単な掃除をするのがおすすめです。入浴後、お風呂の壁や床に45度以上のお湯をかけて、ざっと洗い流します。このひと手間で、皮脂汚れや石鹸カスはかなり洗い流せるでしょう。
また、カビの発生を防ぐためには、ぬれたままの状態にしないこともポイントです。お風呂の換気を徹底したり、体を拭いた後のタオルで壁や床を拭いたりして、水滴が残らないようにしましょう。
汚れを落としてお風呂の床を清潔に保とう
お風呂は水垢や皮脂汚れなどで汚れやすい場所ですが、汚れに合った方法で掃除すれば、またきれいな状態に戻ります。
きれいな状態に戻ったら、できるだけ汚れがでないよう予防しながら、清潔な状態を保つように心がけましょう。