マンションが売れないと「このまま売れ残るのでは」と不安になるものです。マンションが売れない裏には必ず理由があります。対策を立てれば、売れにくいマンションでも買い手が現れやすくなるでしょう。マンションが売れない10大理由を紹介します。
何日以上で「売れない」と判断する?
売り出しから3カ月以上経っても購入希望者が現れなければ、売却を阻害する要因があるのではないかと、考えてもよいかもしれません。
中古マンションはおおむね3カ月前後で、売却先が決まるといわれています。売り出す前の準備や引き渡し期間などを加味すると、4~6カ月程度かかるのが一般的です。
3カ月以上売れない場合でも、半年以内に売却を決められるように意識しましょう。半年以上売れない物件は、購入検討者や不動産会社から問題のある物件と認識され、さらに売れにくくなる危険性があります。
売れないマンションの10大特徴
マンションが売れない理由はマンションごとに多様です。マンションが売れない理由として考えられる、10の特徴を解説します。売り出し中のマンションに当てはまる特徴がないか、チェックしてみましょう。
不動産市場が低迷している
マンションが売れない理由には、不動産そのものにも売主にも、不動産会社にも起因しないものがあります。それが景気の悪さに伴う、不動産市場の低迷です。
景気が悪化している状況下では、人生最大の買い物ともいわれる住宅は売れにくくなります。不動産市場が低迷すると、家を買いたい人の絶対数が減るため、物件が売れにくくなるのです。
小さな変動はあるものの、不動産市場は直近30年間にわたり低迷が続いています。これから紹介する売れない理由に心当たりがなければ、不動産市場の低迷の影響により、買主が現れにくくなっている可能性を疑いましょう。
市場価格よりも高く設定している
マンションが売れなくて困っている場合は、価格を適正に設定できているかを確認するのが、重要なポイントです。相場よりも高い値段設定であるために、売れにくくなっているのかもしれません。
マンションを売却する際にはついつい高い値段を設定しがちです。「住み替えの資金を少しでも多く確保したい」「思い出深いマンションだから安く売りたくない」といった気持ちが働くケースも多いでしょう。
しかしどのような商品であっても、相場より高い商品は売れにくくなります。販売価格が高いマンションならなおさらといえるでしょう。
管理費や修繕積立費が高い
マンションが売れない理由として、管理費や修繕積立費などの維持費が高いという理由も考えられます。
マンションを購入すると、ランニングコストとして管理費や修繕積立費がかかります。管理費や修繕積立費は毎月負担しなくてはならないため、これらの費用が高額に設定されていると、買主にとっては大きな負担となるでしょう。
同じ条件・同じ販売価格の物件であれば、よりランニングコストが安い物件が選ばれるのは必然です。マンションの購入を検討している人たちは、ランニングコストも含めたトータルの価格で、物件を吟味している点を忘れないようにしましょう。
駅からの距離が遠い
マンションの条件によっても、売れやすさは大きく異なります。マンションの売れやすさを左右する要素の1つが、駅からのアクセスに代表される立地条件です。
駅近などアクセスが良好な土地に建てられているマンションも多々あります。それなのに駅にアクセスするのに徒歩15分以上かかる、駅まで出るのにバスに乗らなくてはならないなど、駅からの距離が遠いと購入希望者から敬遠されがちになるでしょう。
立地条件の問題は解決が難しい要素です。アクセスの悪さを凌駕する魅力を探し、買主候補者に効果的にアピールすることが大切といえるでしょう。
近くにスーパーや小学校がない
生活に必要な施設が近隣にないマンションは、どうしても売れにくくなってしまいます。
滞りなく生活するには、スーパー・コンビニ・幼稚園・小学校・病院など、生活に必要不可欠な施設が近くにあるかという点が重要です。これらの施設が近くにないマンションは利便性の面で大きく劣るため、買い手が付きにくくなるでしょう。
マンションを購入した当時は、生活に必要な施設が充実していたエリアでも、年月が経つに連れ人口減少が起こり、重要な施設が撤退してしまうケースもあります。購入当初は人気だったエリアでも、現在はその魅力を失っている可能性があるのです。
物件が古い
築年数が長いマンションは、買主を見つけるのに苦労しがちです。日本の不動産市場には、住宅を買うなら新築がよいという新築神話が根付いています。これに付随するように、中古住宅を買うなら築浅という固定観念も存在するのです。
昨今では築古の物件を安く買い、自分で自由にリフォームやリノベーションしたいと考える人も増えています。それでもなお築古物件が売れにくいのは、紛れもない事実といえるでしょう。
売り出しからすぐに買い手が現れるのは、築6~10年程度のマンションです。築20年以上となると、がくっと売れ行きが下がるので注意しましょう。
物件の管理状態が悪い
内覧希望があるにもかかわらずなかなか成約に至らない場合は、マンションの管理状態の悪さが、足を引っ張っている可能性があります。管理状態の悪さが窺われるのは、下記のような状態です。
- ごみ置き場が汚れている
- 共有部分やマンション周辺の掃除が行き届いていない
- 掲示板に古い掲示物が残ったままになっている
管理状態が悪いと物件自体のイメージダウンにつながります。「安心して住めないのではないか」「築年数以上に劣化が進んでいるのではないか」と、余計な不安を抱かせてしまうので、注意が必要です。
物件の間取りが悪い
人気のない間取りの物件であるため、購入希望者が現れにくくなっている可能性もあります。
マンションを買いたいと考えている人の多くは、これから子どもを持ちたい夫婦や子ども連れの夫婦です。そのため子どもがいると手狭になってしまう1DKや、部屋数が多すぎて使わない部屋が出てきがちな4LDKといった間取りは、敬遠される傾向があります。
最も需要が高い間取りとされているのが3LDKです。マンションを求める層にとって3LDKはちょうどよい広さであるため、すぐに買い手が付くケースが多く見られます。
物件の日当たりが悪い
立地条件も申し分なく、間取りも悪くないのに売れない場合には、日当たりの悪さが購入希望者を遠ざけている可能性も考えられます。日当たりが悪いと危惧される事態は、以下の通りです。
- 洗濯物がなかなか乾かない
- 部屋に湿気がこもりカビが発生しやすくなる
- 朝に日光を浴びられず睡眠の質が下がる
駅近のマンションの場合、周囲にも高層マンションが林立しているケースがあります。周囲をマンションに囲まれていると、低層階はどうしても日当たりが悪くなってしまうため、内覧での印象悪化はなかなか避けられません。
不動産業者との連携ができていない
不動産会社との連携不足が、売却を遠ざけているケースも考えられます。マンションの売却は、売主と不動産会社の二人三脚で実行される取り組みです。
不動産会社からマンションの状況に見合った提案を受け、売主の意向を汲みながら売却を進めていきます。連携がうまくなされなければ、スムーズな売却を実現するのは難しいといえるでしょう。
下記のような状況にあるなら、不動産会社との連携不足が疑われます。
- 売却の進行状況を共有してくれない
- 担当者となかなか連絡が取れない
- 売却を進めるために必要な情報を開示してくれない
連携を強める提案をしても満足に対応してくれないようなら、不動産会社の変更も検討すべきです。
中古マンションに買い手が付かないときの対処法
マンションが売れにくくなっている場合は、適切な対策を講じることが大切です。売れない理由に合った対策を選択しましょう。販売中のマンションになかなか買い手が付かない場合の、対処法を紹介します。
競合よりも有利な価格を調整する
マンションがなかなか売れないのであれば、まずは販売価格を見直してみましょう。競合するマンションよりも手頃な価格を提示できれば、購入希望者を増やすことが可能です。
価格を調整する際には、相場を基準にしましょう。相場をはるかに下回る価格を設定してしまうと、せっかく売却が決まっても損をする結果になります。
値下げを行うときは、大胆に価格を下げるのがコツです。少しずつ値下げしていると、売れ残り物件のイメージが定着してしまいます。また中古マンションが売れやすい2月や9月に値下げをするのもポイントです。値下げの効果を最大化できるでしょう。
物件の魅力を再提案する
売れにくい理由がある物件を売る上では、ネガティブなポイントを凌駕するほどの魅力を、アピールする姿勢が大切です。重視したいのが広告活動といえるでしょう。多くの人の目を引く広告を準備できれば、物件の魅力を効率的に購入検討者に伝えられます。
広告をブラッシュアップするのであれば、写真と紹介文を吟味しましょう。写真は「この家に住みたい」と思ってもらえるものを載せる意識が大切です。明るさと清潔さを感じさせる写真で、イメージアップを図りましょう。
紹介文では物件のアピールポイントを、しっかりと紹介することが重要です。買い手の視点に立って、魅力的に映る部分を紹介しましょう。
不動産会社の専門家に相談する
マンションがなかなか売れなくて悩んでいるのであれば、不動産会社に相談するのがおすすめです。
不動産会社は不動産売却の専門家なので、これまでの販売実績で培ったノウハウに基づき、売却を成功に導いてくれるでしょう。マンションが売れず悶々と理由を考えているのであれば、不動産会社に相談して共に対策を考えるのが正解です。
不動産会社に相談しても期待したような返答が得られないなら、不動産会社を変えてみるのも1つの手です。販売力に長けた不動産会社に乗り換えられれば、すんなり売却が決まる可能性があるでしょう。
2025年以降に中古マンションは売れにくくなる?
2025年以降は『2025年問題』のあおりを受け、中古マンションが売れにくくなるといわれています。2025年問題とは1947~1949年に生まれたいわゆる『団塊の世代』が、一斉に後期高齢者になることで起こる諸問題です。
マイホームを購入する層は30~40代が中心といえます。60歳以上の購入者は全体の1~2割程度にとどまるので、後期高齢者の割合が高くなると、それだけマイホーム購入適齢期の絶対数が減ります。そのため中古マンションが売れにくくなると、予測されているのです。
マンションの売却を考えているなら、なるべく早く行動を起こしましょう。売却するか悩むだけで時間を浪費するのは愚策といえます。
マンションが売れない理由を知り対策しよう
マンションが売れにくくなっている背景には、さまざまな理由が隠れています。売れないマンションを無事に売却する上では、隠された理由を明らかにし、理由に見合った対策を施す姿勢が大切です。
マンションが売れない理由として代表的なのが、価格設定のミスといえます。価格設定のミスを防ぐには、不動産会社に一括査定を依頼し、売却相場を把握するのがおすすめです。
一括査定を受けて相場を頭に入れておけば、相場から大きく離れた価格を設定するミスを防げます。一括査定を賢く活用して、価格設定のミスを未然に防ぎましょう。