「お昼の混雑時にレジが10秒フリーズして、5人以上の行列ができてしまった」
「急に通信障害が起きたとき、レジが止まってしまわないか不安」
「イベント会場で電波が入らないのに、キャッシュレス決済が使えない」
クラウド型のPOSレジは常時インターネット接続を前提としており、ピーク時の通信集中や通信障害、電波の届かない場所でレジが停止するリスクがあります。店舗オーナーや管理担当者にとって、売上と信頼に直結する課題です。POSレジのオフラインモードを活用すれば、通信環境に左右されずにレジ業務を継続できます。
この記事では、オフライン対応のPOSレジおすすめ10製品を比較し、選び方のポイントを解説します。
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オフライン対応POSレジを導入する3つのメリット

ピーク時の通信集中でもレジが止まらない
クラウド型のPOSレジは、常にインターネットへ接続して動作する仕組みです。ランチタイムや週末のセールなど来客が集中するピーク時には、複数のレジが同時に通信し、回線がパンクして画面が固まることがあります。行列が伸びるレジ渋滞は、売上の機会損失に直結します。
オフライン対応のPOSレジであれば、端末がローカルで処理を続けるため、回線が混み合っても会計が止まりません。書き入れ時こそ安定稼働が求められる現場にとって、オフラインモードは日常的に役立つ機能です。
通信障害・災害時もレジ業務を継続できる(BCP対策)
通信障害や自然災害が発生すると、クラウド型のPOSレジは一斉にダウンし、店舗のレジ業務が完全に停止する恐れがあります。多店舗を展開する企業であれば、全店が同時に売上をあげられなくなるリスクはとくに深刻です。
オフラインモードを備えたPOSレジなら、ネットワークが途絶えても端末単体で会計を継続できます。事業継続計画(BCP)の観点から、オフライン対応はあると便利ではなく、ないと困る機能です。
ネット環境がない場所でも商売のチャンスが広がる
キッチンカーの出店先やイベント会場、地下テナント、山間部の店舗など、そもそもインターネットにつながらない環境で営業するケースは少なくありません。
オフライン対応のPOSレジがあれば、電波状況に左右されず現金会計や売上記録をおこなえます。ネット環境を確保できない場所でも販路を広げられる点は、オフライン対応ならではのメリットです。
オフライン対応POSレジの選び方
オフライン対応と謳うPOSレジでも、対応レベルは製品ごとにまったく異なります。自分の店舗が何に困っているかを見極めるところが、製品選びの出発点です。
ピーク時の安定性で選ぶ
ランチピークや週末セールの時間帯に回線が混み合い、レジの動作が不安定になるリスクを避けたい場合は、オフラインモードが標準で搭載された製品を選びましょう。
スマレジは全プランでオフラインモードに対応しており、ネットワークが不安定になっても各店舗のレジがローカルで動き続けます。BCPOSはWindows PCでローカル処理する設計のため、通信の混雑に左右されにくい点が強みです。POS+ retailはオフライン対応に加えて駆けつけサポートが月額内に含まれており、トラブル発生時にスタッフが現地で対応してくれる安心感があります。
導入費用で選ぶ
初期費用を抑えてオフライン対応のPOSレジを導入したい場合は、月額0円から利用できる製品が候補になります。
Square POSレジはフリープランが0円で、オフライン時にもカード決済の一部に対応している点がほかの無料製品にはない強みです。Airレジは初期費用も月額も完全無料のため、導入のハードルを低く抑えられます。Loyverse POSも本体無料でオフライン中に販売やレジ締めができ、多店舗管理にも対応しています。
なお、POSレジの導入費用はデジタル化・AI導入補助金2026の対象です。個人事業主は最大5分の4、法人は最大2分の1の補助を受けられるため、あわせて検討してください。
多店舗のデータ同期で選ぶ
多店舗を展開する企業にとって、オフライン中に各店舗の売上データがバラバラに分断されるリスクは見過ごせません。復帰後に売上速報がそろわなかったり、締め作業でデータ飛びが発覚したりすると、本部の経営判断に支障が出ます。
スマレジはクラウドへの自動同期に対応しており、復帰後に各店舗の売上が速やかに反映されます。BCPOSはクラウド本部管理システムTenpoVisorで30分間隔のデータ収集をおこない、全店を一元管理できる仕組みです。ORANGE POSはAPI連携に強みがあり、既存の基幹システムとの接続を重視する中堅から大規模の法人に向いています。CASHIERやPOS+ retailもクラウド自動同期とセルフレジ連携に対応した製品です。
サポート体制で選ぶ
オフライン運用中にトラブルが起きたとき、すぐにサポートを受けられるかどうかも選定の重要なポイントです。
POS+ retailは月額料金の中に駆けつけサポートが含まれており、現地でのトラブル対応を依頼できます。USENレジ TAB STOREは24時間365日の電話サポートと全国の拠点網を備え、営業時間外の急なトラブルにも対応しています。ITに詳しい担当者がいない店舗ほど、サポート体制を重視して選びましょう。
オフライン対応POSレジおすすめ10選 比較表
以下の比較表では、法人向けのBCP対策に強い製品から、費用を抑えて導入しやすい製品、拡張性を重視する製品の順に掲載しています。全10製品が多店舗管理に対応しています。オフラインモードの対応レベルやデータ同期方式は製品によって異なるため、自店の課題にあわせて確認してください。
| 製品名 | 月額料金(税込) | オフラインモード | セルフレジ | データ同期方式 | サポート体制 |
| スマレジ | 0円/月から | ○ | ○ | 端末蓄積→復帰後手動送信 | メールやチャット(全プラン)、電話はプレミアムプラス以上 |
| POS+ retail | 1万4,000円/月から(税別) | ○ | ○ | 端末蓄積→復帰後自動アップロード | 365日コールセンター、全国駆けつけ(月額内) |
| CASHIER | 0円/月から | ○ | ○ | 端末蓄積→復帰後手動送信 | 電話やメール(平日10時から21時) |
| ORANGE POS | 要問い合わせ | ○ | ○ | 端末蓄積→復帰後自動再送 | 電話(年中無休)、導入伴走支援 |
| BCPOS | 5,000円/月から(税別) | ○ | ○ | ローカル処理+TenpoVisor 30分間隔 | 平日電話(無料)、365日有償あり |
| Square POSレジ | 0円/月 | △ | ○ | 再接続時自動(72時間期限) | 電話やメール(10時から18時) |
| Airレジ | 0円 | △ | × | 端末蓄積→復帰後手動送信 | メールやチャット、全国サービスカウンター |
| Loyverse POS | 0円 | ○ | × | 復帰後自動同期(手動も可) | チャット24時間365日(英語のみ) |
| USENレジ TAB STORE | 要問い合わせ | ○ | △ | 端末蓄積→復帰後自動同期 | 電話24時間365日受付、全国訪問 |
| ユビレジ | 6,900円/月から(税別) | △ | ― | 端末蓄積→接続時自動アップロード | 電話(平日)、メール、駆けつけ(有償) |
※「―」:公式Webサイトに記載なし
オフライン対応POSレジおすすめ10選
スマレジ(株式会社スマレジ)
スマレジは、全プランでオフラインモードを標準搭載したクラウドPOSレジです。小規模店から多店舗チェーンまで、業種や規模にあわせて5つのプランから選べます。
ネット接続が途切れると自動でオフラインモードへ切り替わり、会計やレシート印刷、商品検索を継続できます。復帰後に売上データを手動でクラウドへ送信すれば同期は完了です。回線障害への備えとして、バックアップSIMに自動切替するネットあんしんBOX(月額2,200円から)も用意されています。
アカウント作成から30日間は全有料プランの機能を無料で試せます。トライアル終了後はスタンダードプランに自動移行するため、費用をかけずに導入を検討できます。
POS+ retail(ポスタス株式会社)
POS+ retailは、棚卸や在庫管理、予約販売といった小売業務に必要な機能を備えた業界特化のPOSレジです。
オフライン環境では売上データがタブレット内に蓄積され、復旧時にクラウドへ自動でアップロードされる仕組みです。通信が途切れても会計業務を継続できるため、BCP対策に活用できます。365日対応のコールセンターと全国駆けつけサポートが月額に含まれており、トラブル時に専門スタッフが直接店舗を訪問する体制が整っています。
月額で3台分まで利用でき、複数レジを設置する店舗に向いています。SIM対応のスマホPOSも提供されているため、店舗外でのイベント販売にも対応可能です。
CASHIER(株式会社ユニエイム)
CASHIERは、プリンターやスキャナーを内蔵したAndroid一体型端末で動作する高機能クラウドPOSレジです。セルフレジや券売機、モバイルPOSなど店舗にあわせたハードウェアを選べます。
券売機やセルフレジにはオフラインモードが搭載されており、通信が途切れても現金での販売処理を継続できます。売上データは未送信状態として端末に蓄積され、復旧後に手動で送信してクラウドに反映させます。キャッシュレス決済はオフライン時に利用できないため、現金対応の準備が欠かせません。
無料のスタータープランでは商品200点まで、データ保存100日間の制限があります。プロフェッショナルプランに移行すれば制限なく利用でき、土日祝サポート付きのPrimeプランも選択可能です。
ORANGE POS(株式会社エスキュービズム)
ORANGE POSは、店舗の業務フローにあわせたカスタマイズが可能なタブレットPOSシステムです。ソースコードが開示されているため、自社開発や委託先での追加開発にも柔軟に対応できます。
オフライン時でも会計処理を継続できるモードを備えており、公式WebサイトではBCP対策としての活用を明記しています。復旧時に売上データを自動でクラウドへ再送するため、データ消失のリスクを抑えられます。多店舗チェーンでは、全店舗が同時にオフラインになっても各店の売上データを保持できる点が強みです。
料金は店舗規模やカスタマイズ要件に応じた個別見積もりです。無料プランやトライアルの公式記載はないため、導入を検討する場合は問い合わせが必要です。
BCPOS(株式会社ビジコム)
BCPOSは、Windows PCをもとにローカル処理をおこなうオールインワンPOSレジです。レジ業務に必要な機能を1台に集約し、オンプレミスとクラウドを組みあわせたハイブリッド運用にも対応しています。
オフライン環境ではPC端末が単独で販売や在庫管理、顧客管理を処理するため、ピーク時の通信集中や回線障害の影響を受けにくい設計です。通常レジからセミセルフ、フルセルフまで3モードを追加費用なしで切り替えられ、混雑状況にあわせて柔軟に運用できます。
月額は税別5,000円からのプラン構成で、利用する機能にあわせてオプションを追加できます。
Square POSレジ(Square株式会社)
Square POSレジは、月額無料のフリープランから利用できるクラウド型のPOSシステムです。対面決済にかかる費用は手数料のみのため、申し込み当日から手軽に使いはじめられます。
オフラインモードでは現金会計に加え、磁気ストライプ式カードのスワイプ決済を受け付けられます。ICチップやタッチ決済、QRコードはオフライン中に利用できないため、再接続までの間は現金か磁気カードで対応します。イベント会場や電波の届きにくい場所でもカード決済を継続できる点は、ほかの無料製品にはない強みです。
フリープランのほか、上位のプラスプランやプレミアムプランへの移行にも対応しています。
Airレジ(株式会社リクルート)
Airレジは、初期費用も月額も0円で利用できるiPad対応のPOSレジアプリです。商品登録から会計、売上分析までの基本機能を無料で備えており、導入のハードルが低い製品として幅広い業種で活用されています。
オフラインモードでは注文入力と現金での会計が可能で、野外イベントやネット環境の悪い場所でも営業を続けられます。ただしAirペイと連携したキャッシュレス決済はオフライン中に利用できないため、現金を中心とした会計になる点はあらかじめ把握しておきましょう。
キャッシュレス決済もあわせて導入する場合は、Airペイとの連携が必要です。
Loyverse POS(Loyverse)
Loyverse POSは、iOSとAndroidに対応した無料のモバイルPOSレジアプリです。オフラインモードを標準搭載しており、通信が途切れても販売処理やレジ締めをそのまま継続できます。
オフライン中に記録した売上データは端末にローカル保存され、通信復帰後にクラウドへ自動同期されます。手動でも同期できます。ただしカード決済端末はオフラインでは利用できず、現金のみでの対応が前提です。返品処理や新規顧客の登録もオフライン中は制限されます。
POSレジアプリ本体は無料で利用できます。従業員管理や在庫管理などの有料オプションは月額5ドルから提供されており、14日間の無料トライアルがあります。サポートは英語チャットが24時間365日対応で、ヘルプセンターは日本語にも対応しています。
USENレジ TAB STORE(株式会社USEN)
USENレジ TAB STOREは、小売店に特化したiPad用のタブレットPOSレジです。ネットワーク切断時も売上データは端末に保存され、接客や店舗運営を止めずに継続できます。
オフライン中の売上データはローカルで保持され、接続回復後にクラウドへ反映されます。未転送の伝票はお知らせ機能で検知できるため、データの取りこぼしを防げます。トレーニングモードもオフラインで動作し、新人スタッフが注文や会計、伝票印刷の操作を練習する際に役立ちます。
料金は要問い合わせです。24時間365日受付のカスタマーセンターと全国拠点からの訪問サポートに対応しており、導入時には自社スタッフが設定やトレーニングを担当します。
ユビレジ(株式会社ユビレジ)
ユビレジは、iPadで操作するクラウドPOSレジです。オフライン環境でも会計登録やレシート印刷を継続でき、入力した会計データはiPadに一時保存されます。
ただしオフライン中は会計データのクラウドへのアップロードや商品マスタの更新ができず、接続復帰後に自動同期される仕組みです。回線障害への備えとして、メイン回線の切断時にサブ回線へ数秒で自動切替するオプション「ユビレジ 回線 Connect+」が月額1,500円で利用できます。
プレミアムプランは税別で月額6,900円からです。電話サポートや会計データの無期限保存が含まれ、1カ月間の無料お試しプランも選べます。
オフライン対応POSレジを導入する際の注意点
オフライン時にできないことを導入前に確認する
オフライン対応と表記されていても、オフライン中に使えなくなる機能は製品によって異なります。たとえばキャッシュレス決済はオフライン時に利用できない製品が大半です。顧客情報の参照やポイント付与、返品処理にも制限がかかる場合があるため、自店で必要な業務がオフライン中にどこまでおこなえるかを導入前に確認しておきましょう。
無料トライアルやデモ環境が用意されている製品であれば、実際にオフライン状態を再現して動作を試してみてください。
復帰後のデータ同期の仕組みを理解しておく
オフライン中に記録した売上データをクラウドへ反映させるタイミングや手順は、製品ごとに異なります。自店舗が導入する製品の同期方式を把握したうえで、運用開始前にオフラインからの復帰テストを一度おこなってください。復帰手順と同期完了までの流れを現場で確認しておけば、日計のずれや売上の取りこぼしを未然に防げます。
オフライン環境ではキャッシュレス決済が原則利用できない
キャッシュレス決済がオフラインで使えない理由は、カード会社や決済事業者への承認(オーソリゼーション)にインターネット接続が必要なためです。QRコード決済や電子マネーも同様です。
唯一の例外であるSquare POSレジのstore-and-forward方式も、対象は磁気カードのみで、72時間以内にインターネットへ再接続して決済データを送信しなければなりません。承認が取れなかった場合は売上が確定しないリスクも残るため、オフライン決済を過信するのは危険です。
オフライン運用を前提とする場合は、現金での会計に対応できる体制をあらかじめ整えておきましょう。
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