社内でコグニティブ・コンピューティングの導入を検討しているなら、基礎知識を理解しておきましょう。メリットや活用シーンを知っておけば、スムーズに導入を進めることが可能です。コグニティブでできることや、おすすめサービスを紹介します。
コグニティブ・コンピューティングとは?
ITの発達に伴って誕生した技術の中に、コグニティブ・コンピューティングと呼ばれるものがあります。AIとの違いや活用できるシーンなど、まずはコグニティブ・コンピューティングの基本知識を知っておきましょう。
AIとの違い
コグニティブ・コンピューティングとは「ある事象について、人間と同じように認知・学習するシステム」のことです。コグニティブとは日本語で「認知」を意味します。
コグニティブと混同しやすい言葉がAIです。AIは人間の代わりに、業務を代行することを目的とする側面が強いのに対し、コグニティブは人間がより良い判断ができるよう、サポートすることを目的としています。
ただしコグニティブ自体が、AIの技術を使っていることもあり、両者の定義は曖昧な状態です。コグニティブサービスを提供しているIBMは、AIが「人工知能」と定義されているのに対し、コグニティブ・コンピューティングを「拡張知能」と定義しています。
コグニティブで可能になること
コグニティブの大きな特徴として、答えが一つとは限らない問題に対して答えを導き出せることが挙げられます。あいまいな問いにも正確な回答を出すことが可能です。
コグニティブにはディープラーニングの機能が備わっているため、自ら導き出した回答に対してフィードバックを受ければ、より正確な回答を出せるように学習して進化できます。
すべてのデータの約8割を占めるとされる非構造データも、コグニティブなら理解することが可能です。非構造データとは画像・音声・人の表情などを指します。
コグニティブを活用できるシーン
コグニティブはカスタマーサポートや、コールセンターで活用されています。比較的複雑な質問の内容も理解できるため、オペレーターの対応時間や、人件費の削減に役立っています。
製造業界ではコグニティブで、欠陥品の素早い発見が可能です。設備に何らかのトラブルが発生した場合も、コグニティブを使えば、迅速に異常や故障を発見できます。
マーケティング業界における仮説検証や戦略立案、サービス業界での書類記入やタブレット操作案内なども、コグニティブによる代行が期待されています。
コグニティブ導入のメリット
企業がコグニティブを導入する、代表的なメリットを紹介します。どのような点で高い効果を期待できるのか、確かめておきましょう。
人為的なミスを減らすことが可能
コグニティブを導入するメリットとしては、人為的なミスを減らせることが挙げられます。今まで人間が行ってきた作業をコグニティブに任せれば、作業の精度を飛躍的に高めることが可能です。
例えば製造業界の外観検査は、人が作業を行うとどうしても欠陥品を見逃してしまいます。検査の精度を高めるためには、製造ラインのスピードを下げざるを得ませんでした。
一方外観検査をコグニティブに任せることで、より正確かつ安定的な検査が可能になります。製造ラインの速度を下げる必要もありません。
学習を重ねることで回答精度が上がる
業務を進めるうちに成長していくことも、コグニティブの大きなメリットです。自己学習能力が備わっているため、長く使うほど作業の質が高まっていきます。
業務内容によっては、利用し始めた時期の作業精度は、それほど高くないでしょう。しかし業務トレーニングを積みながら、蓄積データを増やしていけば、自己学習により回答の精度が向上します。
学習を重ねることで、アウトプットの精度が上がる点は、多くの既存ITサービスには見られない特徴です。
コグニティブを利用したサービス
既に実用化されている、代表的なコグニティブサービスを紹介します。自社への導入を検討する際の参考にしましょう。
IBM 「Watson」
IBMが提供する「Watson」は、コグニティブ業界をけん引するサービスです。日頃の作業から生じるデータを業務プロセスに組み込むことで、プロセスの効率化や高付加価値化を実現します。
情報と知見に基づく意思決定をサポートしたり、大量のデータの中から、素早く知見や洞察を見出したりすることも可能です。
医療・広告・人材育成・顧客対応など、Watsonは幅広い業界や業種をカバーしています。日本国内でも数多くの大手企業がWatsonを導入済みです。
IBM Watsonとは?-Japan
Microsoft 「Azure Cognitive Services」
Watsonと双璧を成すサービスがMicrosoftの「Azure Cognitive Services」です。Watsonと同様に各機能がAPIとして公開されています。
一般的にはビジネスにAIを活用しようとすると、専門的な人材を用意しなければなりません。開発や運用にコストがかかるため、導入のハードルが上がります。
しかしAzure Cognitive Servicesなら、学習アルゴリズムの構築や、学習データの用意が不要です。ディープラーニングの分野に詳しくない担当者でも、無理なく利用できるでしょう。
Cognitive Services – AI ソリューション向け API | Microsoft Azure
コグニティブ導入で業務効率の向上を
コグニティブ・コンピューティングを導入すれば、業務における人的ミスを減らせます。機械学習を繰り返しながら処理の精度が向上していくこともメリットです。
コグニティブは既に、さまざまな業界や業種で実用化が進んでいます。API経由で使えるサービスもあるため、コグニティブを導入して業務効率化を図ってみましょう。
MAツールを検討しているなら、ミツモアのツール診断を使ってみよう
コグニティブ・コンピューティングをMAツールと連携させることで、マーケティング部門を強化することができるでしょう。MAツールは様々な会社が提供しており、それぞれ特徴があったりプランによってもできることが変わってきたりします。
そんな中で自社に最適なMAツールを見つけるのは難易度が高いでしょう。そこでMAツールを検討している方はぜひ、ミツモアのMAツール診断を使ってみてください。
この診断では
- 業種
- MAツールの導入時期
- MAツールの導入目的
などいくつかの項目に答えるだけで、最適なMAツールを診断してもらえます。あなたの会社にピッタリのツールが見つかりますよ。
チャット形式で時間をかけずにできるうえ、無料なのでぜひ一度利用してみてください。