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心理的安全性とは?なぜ必要?高める方法やGoogleも推奨する取り入れ方を解説!

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最終更新日: 2022年12月09日

働きやすい職場を作るための方法のひとつに「心理的安全性」があります。これはGoogle社が調査を行い、広く知られるようになったものです。

この記事では「心理的安全性とはどのようなものか」「取り入れるとどのようなメリットがあるのか」について説明していきます。

心理的安全性の作り方や、具体的な取り入れ方も紹介しています。皆さんの職場でも取り入れることができるかどうかの判断材料にしてください。

職場における「心理的安全性」とは?

ミーティング

「働きやすい職場づくり」などの場面で、しばしば目にしたり耳にしたりする心理的安全性という言葉があります。ここでは職場における心理的安全性についてご説明していきます。

心理的安全性とはどのようなものか

心理的安全性は米国・ハーバード大学のエイミー・エドモンドソン氏が1999年に提唱した「Psychological Safety」の日本語訳です。

その定義は「チームの中では対人関係のリスクを侵しても安全である、と共通の信念を持っていること」とされています。簡単にいうと、チーム(組織)の中では、意見を否定されたり叱られたりされずに、自由に発言できる状態のことを意味します。

心理的安全性の高い職場とは

例えば新入社員が会議で基本的な業務について質問した場合、その質問を排除するのではなく「なぜその質問が出たのか?(説明に不備がなかったか?)」「質問の意図は何か?(業務に改善の余地はないか?)」といったことをチームで徹底的に話し合います。

メンバー同士が理解し合い信頼関係が構築されている職場では、どんな質問・意見を出しても否定されないという安心感が生まれます。メンバーそれぞれが思ったことをためらわずに発言できるので、前向きな話し合いができるというわけです。

心理的安全性の高い職場とは、目的達成のための提案・苦言などを何でも発言し合い、生産性向上・業務改善に落とし込める状態にある職場ということができるでしょう。

Googleの調査によって心理的安全性が注目されるように

心理的安全性は、Google社の「プロジェクト アリストテレス(Project Aristotle)」という生産性についての社内調査の発表によって注目されるようになりました。

調査では「チームの生産性向上に影響を与えているもっとも重要な要素が心理的安全性である」と結論付けています。心理的安全性の高いチームは離職率が低く、他のメンバーのアイデアを積極的に活用でき、労働生産性・収益性が高いと確認されたのです。

従来の組織戦略から脱却し、心理的安全性の高い組織を作ることこそ、企業の成長にとって重要であるということが経営者・人事担当者などに注目されているのです。

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なぜ心理的安全性が大切なのか?取り入れるメリットとは

オフィスで喜ぶふたりの女性

心理的安全性の向上を意識し業務を推進すると、以下のようなメリットを得ることができます。

  • 業績アップ
  • 業務改善
  • 優秀な人材の定着

それぞれ詳しく見ていきましょう。

心理的安全性を取り入れるメリット①業績アップ

心理的安全性の高い組織ではメンバー間の信頼関係が構築され、円滑なコミュニケーションが図れています。そのため、組織の目標・現状の分析など詳細にわたりチームで共有が可能です。

その結果、各メンバーが目標達成に向けた「やるべきこと」を明確に理解できることから、無駄のない効率的な業務の遂行ができるようになります。またメンバーの自分の業務への責任感の向上も期待できるでしょう。

メンバーのコミットメントのもと生産性が向上し、組織の業績アップが見込めるようになります。

心理的安全性を取り入れるメリット②業務改善

組織運営において業務の改善すべき点や仕組みの欠陥などに気づいても、なかなか後戻りできないことがあります。中には、見て見ぬふりをしてしまうこともあるでしょう。

心理的安全性の高いチームでは、良いことも悪いこともミーティングなどで共有します。メンバーのネガティブな発言を否定せず、その内容を含めて議論していきます。それにより、業務の軌道修正・目標の再設定などが発生しても、迅速に改善作業を実行することができるのです

また様々な角度からの検討や活発な議論により、思いもしなかった斬新なアイデアが生まれることも考えられます。それにより新たなビジネスチャンスに発展する可能性もあるのです。

心理的安全性を取り入れるメリット③:優秀な人材の定着

会社からのムダなプレッシャーや社員同士の対人関係トラブルがない組織では、メンバーが心理的に守られていると感じ、安心して業務を遂行できます。

働きやすい会社・組織への愛着が沸くため離職率が低くなり、その結果優秀な人材の流失を防ぐことができます。社員のエンゲージメントが強い企業ほど心理的安全性が高い組織といえるでしょう。

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チームの心理的安全性が低いと生産性低下の懸念が高くなる

仕事がうまくいかないビジネスパーソン

先ほどご紹介したエドモンドソン氏は公開プレゼンテーションの中で、心理的安全性が低いとチームメンバーの中に以下の不安が生まれると説明しています。

無知と思われる不安

(IGNORANT)

知識がないなどと思われてしまう不安
能力がないと思われる不安

(INCOMPETENT)

・失敗したらどうしようと考えてしまう不安

・失敗して周りから責められる不安

邪魔だと思われる不安

(INTRUSIVE)

自分の意見が周りの邪魔になってしまうのではないかという不安
ネガティブだと思われる不安

(NEGATIVE)

・いつも否定ばかりする人と思われる不安

・悪い意見を言って輪を乱す人と思われる不安

社員の心理的安全性が低い企業では、メンバー間の適切なコミュニケーションが図られません。分からないことを質問したり相談できなかったりして、きちんと確認をしないまま物事を進めてしまい、後で問題になる可能性があります。また業務上のミスやトラブルを上司へ相談したり報告しづらかったりするため、隠ぺいされる懸念もありますよね。

積極的な発言がなくなると新しいアイディアが出てこなかったり、考えられる問題を指摘せずに終わったりすることも考えられます。

メンバーは日々不安やストレスを抱えた「モチベーションの低い状態」で業務を行うため、生産性の低下・優秀な人材の流出を招きかねません。心理的安全性が低い社員を多く抱える企業では、企業活動に影響を与えてしまうのです。

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心理的安全性は7つの質問で測定可能     

明るい室内でデスクワーク中の女性

前出のハーバード大学・エドモンドソン氏は心理的安全性の測定には、以下の7つの質問をチームメンバーにすることを勧めています。

  1. チームの中でミスをすると、非難されることが多いか。
  2. 他のチームメンバーと、課題・問題点を指摘し合えるか。
  3. チーム内で自分と違うという理由で他のメンバーを拒絶することがあるか。
  4. チームとってリスクのある行動をしても安全か。
  5. 他のチームメンバーに助けを求めにくいか。
  6. 自分の仕事を意図的におとしめるような行動をするチームメンバーがいないか。
  7. チーム内で自分のスキル・才能を尊重され、活かされていると感じるか。

心理的安全性が高いメンバーはポジティブな回答をする傾向があります。一方ネガティブな回答をするメンバーが多い場合、心理的安全性が低い組織ということを意味します。

ただし現在心理的安全性が高いチームでも、何らかの原因で低くなってしまうこともあるでしょう。定期的に心理的安全性を測定していくことが大切です。

職場で心理的安全性を高める方法!具体的に何をすればいい?

団結する若手ビジネスマン

Google社の考え方では、組織にはマネージャー・チームリーダー・チームメンバーの3者がいます。その中で最も重要なのはチームリーダーの役割です。組織のリーダーがメンバーの心理的安全性を高めるために考えなければならないのは以下の2つとされています。

  • チームメンバーからアイデアやコメントを募る
  • 仕事の進め方やメンバーの好みをチームで共有し合う

これらを踏まえて、心理的安全性を高めるために行うべき具体的な方法は3つあります。

  1. コミュニケーションの機会を増やす
  2. 評価の透明性を確保する
  3. チームメンバーの意見に耳を傾ける

それでは詳しく説明していきましょう。

心理的安全性の高め方①コミュニケーションの機会を増やす

社員同士の信頼関係を築き、風通しの良い組織作りに重要になるのがコミュニケーションです。上司と部下・チーム内などで密なコミュニケーションを図るとお互いを理解・承認できるようになるため、業務を円滑に進められるようになります。

心理的安全性の高い組織では否定される不安や無知を怒られる不安がなく、安心して業務に集中できることから、社員が十分に能力を発揮できるのです。

1on1での面談・休憩室での雑談・懇親会などでコミュニケーションを図ることも信頼関係を構築する方法といえるでしょう。

心理的安全性の高め方②評価の透明性を確保する

心理的安全性を高めるには人事評価などの透明性を保ち、社員の誰からも公平だと思われることが重要です。

社員の評価内容・評価基準・評価理由が明確になると社員が正しく評価されていると認識できるため、安心して業務に従事できるようになります

また社員の意見・アイデアの取り扱いを可視化するのも効果的です。自分の意見がチームにどのように反映されているのかが分かると、心理的安全性が高まるだけでなく企業への帰属意識のアップにつながります。

心理的安全性の高め方③チームメンバーの意見に耳を傾ける

何かを決定するプロセスでリーダーがチームメンバーからの意見を聞くと、メンバーたちは信頼されていると認識し心理的安全性が高まります

新人・ベテラン問わず幅広く意見を聞くことでチーム内の公平性も確保され、メンバーたちも自分の意見が少しでも意思決定に反映されると思うとモチベーションが上がります。その際、リーダーは発言者が偏らないように注意しなければなりません。時には多く発言しているメンバーの話を遮り、発言していないメンバーに話を振るといったことも必要です。

メンバーたちが納得するよう、意思決定後にリーダーがメンバーに対して決定の経緯・理由・今後の進め方といった詳細を説明すると良いでしょう。

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心理的安全性の高いチームとぬるま湯チームの違い

ミーティング

心理的安全性の高いチームはメンバーがお互いに理解し合い言い合える組織ですが、それを間違って理解してしまうことがあります。

心理的安全性の高い組織は、うわべだけ居心地の良い「ぬるま湯」の組織ではありません。相手が間違っていると思ったら否定的な発言も辞さない、目標達成に向けて突き進む組織です。他のメンバーに対して否定的意見を言わない・空気を読んで口をつぐんでしまうようなチームではありません。

リーダーが意見衝突がない「なかよしグループ」に陥っていないか見極めることが重要です。チーム目標の共有・メンバーへの積極的な働きかけを行い、心理的安全性の高いチームを組織しましょう。

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