「元請けからの入金は数ヶ月先なのに、材料費や人件費の支払いは待ってくれない」という悩みをお持ちではありませんか。その解決策として注目されているのが、お手元の請求書を最短即日で現金化できるファクタリングです。
請求書だけでなく、受注時点の「注文書」も現金化でき、融資ではないため会社の信用情報に影響を与えません。
建設業に強いファクタリング会社について、サービスの利用実態から手続きの流れを含めて解説します。
建設業におけるファクタリングサービスの利用実態
ミツモアの調査(2024年11月5日〜2025年11月5日)によると、ファクタリングサービスについて問い合わせた建設業者は48.0%です。実際にサービスに求める条件も以下のようになっています。
資金調達の希望額が30万円までの割合:45.0%
ファクタリングというと、数百万円〜数千万円単位の大型調達をイメージされるかもしれません。ただ、ミツモアの調査によると、資金調達の希望額が「30万円まで」という建設業者は45.0%でした。
大型の運転資金というよりも、目前に迫った小口の支払いや、一時的な資金ショートを乗り越えるための「つなぎ資金」としてファクタリングが求められている実態を示しています。
銀行融資では、このような「数日だけ、数十万円」といった少額かつ短期のニーズには対応しにくいのが現実です。そのため、10万円単位からでも迅速に資金化できるファクタリングが、現場の細かな資金繰りを支える重要な手段として選ばれています。
2社間ファクタリングを希望する割合:94.0%
建設業において、元請けや発注元との信頼関係は事業の生命線です。ミツモアの調査によると、実に94.0%もの建設業者が「取引先に知られずに資金調達したい(2社間ファクタリングを希望する)」と回答しています。
2社間ファクタリングが選ばれる背景には、ファクタリングの利用を知られることで「あの会社は資金繰りが厳しいのではないか」と勘繰られ、将来の取引に影響が出ることを極度に恐れる建設業者特有の心理があります。
建設業者とファクタリング会社の2社間だけで契約が完結できるため、取引先との良好な関係を一切損なうことなく、必要な資金だけをスマートに調達できる手段として、建設業者から圧倒的な支持を集めているのです。
「即日の資金化」を希望する建設業者:88.0%
建設業の資金ニーズは、極めて緊急性が高いケースが少なくありません。ミツモアの調査によると、88.0%もの建設業者が「即日の資金化」を希望していることがわかりました。
余裕を持った運転資金の確保というよりは、すでに期日が迫っている支払い(給与、材料費、外注費など)に対応するための、切迫した資金需要の表れといえます。
「オンライン完結」を希望する建設業者:89.0%
ミツモアの調査結果によると、89.0%の建設業者が「オンライン完結」を希望しています。経営者や担当者は現場へ出向いたり、顧客対応、事務作業などで多忙を極めていることもあり、場所や時間を選ばない手続きを求めているのが主な理由です。
書類の郵送や訪問の手間がなく、すべての手続きがPC・スマホで完結できるため、自分の都合の良いタイミングで、資金調達が完了できます。
ファクタリングサービス選びなら、ぜひミツモアをご利用ください。従業員数や資金調達希望額などの各項目を画面上で選択するだけで、ぴったりのサービスを最短1分で自動診断。理想のファクタリングサービスが見つかります。 |
建設業におすすめのファクタリング会社8選
建設業に強いおすすめのファクタリング会社は、以下のとおりです。
| サービス名 | 手数料 | 入金速度 | 利用可能額 |
|---|---|---|---|
| 株式会社ウィット(けんせつくん) | 2%~ | 最短2時間(即日) | 要問合わせ |
| 株式会社アクセルファクター | 2社間:1%~12% 3社間:0.5%~10.5% |
最短2時間(即日入金) | 30万円~1億円 |
| 株式会社エスコム | 2社間:5%~12% 3社間:1.5%~5% |
最最短即日(審査完了次第、当日中の振込に対応) | 30万円~1億円 |
| 株式会社ビートレーディング | 2社間:4%~12% 3社間:2%~9% |
最短50分(審査完了次第、当日中の振込に対応) | 1万円~7億円(上限なし、小口~超大口実績あり) |
| 株式会社アクシアプラス | 4%~ | 最短即日(平均2~3日とされるケースもあり) | 最大2,000万円(3つのプランで上限額が異なる旨の記載あり) |
| 株式会社ウィット | 要問合わせ | 最短2時間(即日入金対応) | ~500万円(小口専門) |
| 株式会社アンカーガーディアン | 3%~(3社間ファクタリング時は3~10%、2社間では5~15%が目安) | 最短即日(審査後すぐに振込可能) | 上限1億円 |
| 株式会社アクティブサポート(QuQuMo) | 1%~ | 最短2時間(オンライン審査30分~1時間程) | 上限1億円 |
株式会社ウィット(けんせつくん)
「けんせつくん」は、建設業界専門のファクタリングサービスです。建設業界なら少額でも個人事業主でも対応しています。
また請求書だけでなく、発注時の注文書でもサービスを利用可能で、スマホだけで申し込みでき直接対面する必要がないので、最短2時間で資金を調達することが可能です。金額の制限もないので、他のファクタリング会社から嫌煙される金額でも利用できます。
| 手数料 | 2%~ |
| 入金速度 | 最短即日(審査完了後、最短2時間程度での入金に対応) |
| 利用可能額 | 要問合せ |
| 必要書類 | 請求書または注文書、通帳コピー等(詳細は要問合せ) |
| 契約方法 | 2社間・3社間ファクタリング対応 |
| 注文書ファクタリング可否 | ◯ |
| 特徴 / 備考 | – 建設業の債権(注文書含む)を専門に取り扱い – 個人事業主から大手まで幅広く対応 |
株式会社アクセルファクター
アクセルファクターのファクタリングサービスは、売掛債権額の下限を設定しておらず、少額から高額まで幅広く対応できるのが特徴です。即日入金をモットーにしており、実際の申込みの50%以上が即日で入金されます。
全ての取引がノンリコースで、債務不履行時の責任を利用者が負う心配がありません。最大1億円の事業資金をスピーディーに調達できるため、大型案件や公共事業を手掛ける建設業者にとって、心強いパートナーになるでしょう。
| 手数料 | 2社間:1%~12%、3社間:0.5%~10.5% |
| 入金速度 | 最短2時間(即日入金可) |
| 利用可能額 | 30万円~1億円 |
| 必要書類 | 請求書、身分証明書、直近の通帳(3か月分) ※金額によっては決算書等 |
| 契約方法 | 2社間・3社間ファクタリングに対応 |
| 注文書ファクタリング可否 | 要問合せ |
| 特徴 / 備考 | – 経済産業省認定の経営革新等支援機関 – 全国対応で即日資金化に強み – 法人・個人事業主を問わず申込可能 |
株式会社エスコム
エスコムは2003年に創業したファクタリング会社で大阪を拠点にしています。郵送や電子文書による契約が可能なため、対面契約が難しい人でもスムーズな資金調達が可能です。
売掛債権額の範囲は30万円〜1億円と幅広く、範囲内であれば少額利用を断られる心配はありません。
手数料は2者間ファクタリングが5%〜12%、3者間ファクタリングが1.5%〜5%で、最短即日の資金化に対応しています。
| 手数料 | 2社間:5%~12%、3社間:1.5%~5% |
| 入金速度 | 最短即日(審査完了次第、当日中の振込に対応) |
| 利用可能額 | 30万円~1億円 |
| 必要書類 | 請求書、通帳(直近3ヶ月分~6ヶ月分)、代表者の本人確認書類、決算書(直近1期~2期分) |
| 契約方法 | 2社間・3社間ファクタリングの両方に対応 |
| 注文書ファクタリング可否 | 要問合せ |
| 特徴 / 備考 | – 最短即日・全国対応 – 中小事業者にも柔軟対応可能 |
株式会社ビートレーディング
ビートレーディングはファクタリング事業とコンサルティング事業を運営している会社です。建設業では、2者間ファクタリングを中心に150万円〜3,000万円調達した実績があります。
2者間ファクタリングや3者間ファクタリングのほか、注文書の売却による「注文書ファクタリング」にも対応しています。
手数料は2者間ファクタリングが4%〜12%、3者間ファクタリングが2%〜9%で、最短即日の資金化に対応しています。
| 手数料 | 2者間:4%~12%、3社間:2%~9% |
| 入金速度 | 最短50分(審査完了次第、当日中の振込に対応) |
| 利用可能額 | 1万円~7億円(今までの実績) |
| 必要書類 | 請求書の写し、通帳の写し(直近2ヶ月分)、作業の予定表(300万円以上調達したい場合) |
| 契約方法 | 原則2社間(3社間も対応可) |
| 注文書ファクタリング可否 | ◯ |
| 特徴 / 備考 | – 老舗の大手ファクタリング会社 – 大口(数億円規模)にも積極対応 – 事業拡大・急な資金ニーズに強み |
株式会社アクシアプラス
アクシアプラスでは「スピードプラン」と「ノーマルプラン」、「リーズナブルプラン」のプランを用意しているのが特徴です。売掛債権額の上限は2,000万円で、審査は最短即日、審査通過率は90%以上を誇ります。
銀行の融資に通らなかった建設業者でも、まとまった資金が調達できる可能性が高いでしょう。LINEから無料で問い合わせができ、導入前に疑問点を解決できます。
| 手数料 | 4%~ |
| 入金速度 | 最短即日(平均2~3日とされるケースもあり) |
| 利用可能額 | 最大2,000万円(3つのプランで上限額が異なる旨の記載あり) |
| 必要書類 | 請求書、通帳(3か月分)、必要に応じて決算書など(書類作成代行サービスあり) |
| 契約方法 | 2社間・3社間の両方式に対応 |
| 注文書ファクタリング可否 | ‐ |
| 特徴 / 備考 | – 「スピードプラン」「スタンダードプラン」「リーズナブルプラン」の3区分で手数料・入金スピードを選べる |
株式会社ウィット

ウィットのファクタリングサービスは、利用したいが、売掛債権額が低くて他社に断られた建設会社におすすめです。
500万円までの小口専門で、下限は設定されていません。完全非対面のネット完結型のため、全国どこからでも申し込みができ、最短2時間で資金調達が可能です。
また経営改善や資金対策にも力を入れており、利用者の状況に合わせて最適な資金調達方法を提案してくれます。
| 手数料 | 要問合せ |
| 入金速度 | 最短2時間(即日入金対応) |
| 利用可能額 | 上限500万円(小口専門) |
| 必要書類 | 請求書または注文書、通帳 ※その他詳細は申込時に確認) |
| 契約方法 | 2社間・3社間両方に対応 (非対面・オンラインで完結可能) |
| 注文書ファクタリング可否 | ◯ |
| 特徴 / 備考 | – 500万円以下の小口に特化 – スマホのみで契約完結 – 個人事業主・フリーランスも対応 |
株式会社アンカーガーディアン
アンカーガーディアンは福岡市に本社を構えるファクタリング会社です。九州、関西を中心にサービスを提供しており、債務超過や税金滞納などで銀行融資を断られた人でも申し込みができます。
メールやFAX、郵送による手続きにも柔軟に対応しているため、まずは気軽に相談してみましょう。手数料は2者間ファクタリングが5%〜、3者間ファクタリングが3%〜です。建設業者の利用者も多く、800万円の即日入金に成功した事例もあります。
| 手数料 | 3%~(3社間ファクタリング時は3~10%、2社間では5~15%が目安) |
| 入金速度 | 最短即日(審査後すぐに振込可能) |
| 利用可能額 | ~1億円 |
| 必要書類 | 請求書・通帳・決算書など(詳細は要問合せ) |
| 契約方法 | 2社間が中心(3社間も対応可) |
| 注文書ファクタリング可否 | ‐ |
| 特徴 / 備考 | – 福岡を拠点に全国対応 – 建設・運送・ITなど幅広い業種に対応 – 最低手数料3%~と低コストを強調 |
株式会社アクティブサポート(QuQuMo)
アクティブサポートの売掛金前払いサービス「QuQuMo」は、事務手数料や債権譲渡登記を必要としないのが特徴です。請求書と通帳のコピーがあれば、オンライン上で手続きができます。
審査時間は30分で、審査後は最短1時間で入金が行われます。手数料は1%〜、事務手数料は0円なので、他社よりもコストが抑えられる可能性が高いでしょう。
| 手数料 | 1%~ |
| 入金速度 | 最短2時間(オンライン審査30分~1時間程) |
| 利用可能額 | 30万円~1億円 |
| 必要書類 | 請求書、通帳のコピー
(債権額や企業状況によって追加書類が必要な場合あり) |
| 契約方法 | 2社間(基本オンライン完結) |
| 注文書ファクタリング可否 | ‐ |
| 特徴 / 備考 | – オンライン完結型サービス「QuQuMo」を提供 – 債権譲渡登記不要(条件有)などでスピード契約 – 個人事業主も可 |
建設業におけるファクタリングサービスの利用事例
ファクタリングサービスを利用して資金調達した事例を3つ紹介します。
(1)建設業許可要件をクリアして大型案件の受注に成功
S社では過去最大規模の請負工事を契約できそうでしたが、受注には建設業許可を取得する必要がありました。しかしB/S上の現金預金が300万円しかなく、建設業許可の取得要件である「500万円以上の現金預金」には届かない状況でした。
そこでファクタリングサービスを利用し200万円の資金調達に成功しまいた。その日のうちに振込みしてもらい翌日には残高証明書を取得。無事に建設業許可要件をクリアできたそうです。
(2)入金遅れによる資金繰りの悪化を解消
足場の組立・解体を請け負う一人親方のOさんは、元請会社からの入金遅れによってキャッシュフローが安定しないことに不安を抱えていました。
そんな時に同業の仲間からファクタリングサービスを教えてもらい、相談に行きました。すると30分程度で買取額と振込時期が分かり、当日中に振込みしていただいたことでキャッシュフローの不安が改善されたそうです。
(3)売掛金の早期現金化で受注枠を安全に拡大
土木系の仕事をメインで受けているA社は、高速道路建設の下請け工事を受注していましたが複数下請けのうちの一社が倒産してしまいました。穴埋めとして急遽増員と車両の確保が必要になりましたが、支払いサイクルが遅いため資金ショートは確実でした。
事業拡大のチャンスでしたが元請け会社には受注可否を即答しなければならず、銀行融資審査を待っていられないためファクタリングを利用しました。500万円の売掛金を買い取ってもらうことで、10人増員でき無事受注できました。
建設業でファクタリングが有効な8つの理由
建設業界では、材料費や人件費の支払いが先に来る一方、元請けからの入金は数ヶ月後というケースが多く、資金繰りに悩む経営者は少なくありません。ファクタリングサービスは、建設業界特有の資金問題を解決できる選択肢のひとつで、以下のような理由で利用しています。
最短即日で資金化でき、急な支払いにも対応できるため
ファクタリングを利用するメリットのひとつが、申し込みから入金までのスピードが早い点です。銀行融資の場合、審査だけで数週間から1ヶ月以上かかることも珍しくありませんが、ファクタリングは最短即日、遅くとも数営業日以内に資金化できます。
売掛債権(請求書)の信用力を基に審査するため、銀行融資のように複雑な手続きや長い審査期間を必要としません。
赤字決算や税金滞納があっても利用しやすいため
たとえ自社が赤字決算であったり、税金を滞納していたりしても、売掛先が優良企業(国や地方公共団体、大手ゼネコンなど)であれば、ファクタリングを利用できる可能性があります。なぜなら、ファクタリング会社が最も重視するのが、「売掛先が期日通りに支払いを行うか」という売掛先の信用力だからです。
銀行融資の審査では、申込企業の財務状況(決算書の内容)が厳しくチェックされるため、赤字決算や税金滞納があると、融資を受けるのは極めて難しいといえます。
貸借対照表(バランスシート)を悪化させることがないため
ファクタリングは会計上、借入金(負債)ではなく、売掛債権という資産を売却する取引のため、貸借対照表(バランスシート)を悪化させることはありません。
一方、銀行からの融資は、会計上「借入金」として負債の部に計上されます。負債が増えると自己資本比率が下がり、その後の追加融資や取引先との与信審査で不利に働く可能性があります。
決算書を健全な状態に保ちながら必要な資金を確保できるため、今後の融資審査が有利に働いたり、決算書の提出を求められた際も、健全な財務状況を示せるでしょう。
保証人や担保が不要なため
ファクタリングは売掛債権そのものが審査対象となるため、代表者個人の保証や、会社・個人の不動産などを担保として提供する必要は基本的にありません。保証人や担保が不要なことで、会社の経営状況が、建設業を営む経営者個人の生活を脅かすリスクを減らせます。
事業の力だけで資金繰りを改善できるため、健全な経営判断を出せるでしょう。
売掛先の倒産による未回収リスクを回避できるため
建設業では、取引先の経営状況悪化や倒産によって、工事代金が回収できなくなる「貸し倒れ」のリスクが常に存在します。ファクタリング会社と「償還請求権なし(ノンリコース)」の契約であれば、万が一ファクタリング利用後に売掛先が倒産しても、受け取った代金を返済する義務はありません。
ファクタリングは資金調達だけでなく、一種の「売掛債権の保険」として機能するため、新規の取引先や特定の取引先への依存度が高い建設会社に有効です。
資金調達の選択肢が増えるため
資金調達の方法を銀行融資だけに依存していると、銀行の方針変更や融資枠の上限、自社の業績悪化など、様々な要因で急に資金調達が難しくなるリスクがあります。ファクタリングを新たな選択肢として加えることで、資金調達のポートフォリオを多様化し、経営の安定性を高めることが可能です。
銀行融資とファクタリングを状況に応じて使い分けることで、より柔軟で安定した資金繰りを実現し、経営の自由度も高められるでしょう。
大型案件や新規プロジェクトを受注するチャンスが高まるため
ファクタリングを活用して将来の入金を前倒しすれば、手元の資金不足を理由にビジネスチャンスを逃すことなく、事業拡大の可能性が広がります。将来入金される予定の売掛債権を現在の運転資金に変えられるため、受注から入金までの期間が長い建設業のビジネスモデルとの相性が良いです。
ファクタリングを活用すると、大型案件の受注に挑戦できたり、公共事業などの入札に参加しやすくなります。
下請け業者や職人への支払いが期日までできるため
ファクタリングによって資金繰りに余裕が生まれれば、下請け業者や職人への支払いを期日までに行うことができます。常に支払いが早い会社という評判が立てば、協力会社からの信頼が向上したり、優秀な職人を確保しやすくなるでしょう。
建設業でファクタリングを利用する際の注意点
建設業でファクタリング会社を利用するとき、以下のポイントに注意が必要です。
銀行融資に比べて手数料が割高になる場合がある
銀行融資の金利が年利1%〜3%程度であるのに対し、ファクタリングの手数料は売掛債権額の2%〜18%が相場です。ファクタリング会社は、売掛先の未回収リスクを負担することや、最短即日という迅速な審査・入金サービスを提供することから、銀行融資よりも手数料が高く設定されています。
手数料の安さだけでファクタリング会社を選ぶのは避けましょう。契約内容を十分に確認し、信頼できる会社を選ぶことが大切です。
売掛先の信用力が低いと利用できない可能性がある
ファクタリングは、どんな請求書でも必ず買い取ってもらえるわけではありません。自社の状況が良くても、売掛先の信用力が低いと判断されればファクタリングの利用は難しくなります。
売掛先が個人事業主であったり、経営状況が不安定であったりすると、審査に通らない可能性があるため、事前に売掛先の経営状況を確認しましょう。
3社間ファクタリングでは売掛先への通知と同意が必要になる
ファクタリングには、利用者とファクタリング会社の2社間で行う「2社間ファクタリング」と、そこに売掛先も加わる「3社間ファクタリング」の2種類があります。手数料の安さから3社間ファクタリングを選びたい場合は、事前に売掛先に対して債権を譲渡したことの通知と承諾を得ましょう。
売掛先が国や自治体であったり、長年の付き合いで信頼関係が築けていたりする場合は、手数料の安い3社間ファクタリングが有力な選択肢です。
建設業に強いファクタリング会社の選び方
数多くのファクタリング会社があるなかで建設業の場合、業界の商習慣を深く理解している専門性の高い会社を選ぶ必要があります。
建設業に強い優良なファクタリング会社を選ぶポイントは、以下のとおりです。
2社間ファクタリングに対応しているのか
建設業界では、元請けや発注元、協力会社との長期的な信頼関係が事業の基盤となります。そのため、資金調達の事実を取引先に知られたくないと考える経営者がほとんどです。
もし取引先に知られずに資金調達を進めたい場合、取引先に通知の必要がない「2社間ファクタリング」に対応している会社を選びましょう。あわせて「債権譲渡登記」が必須か確認することも大切です。
建設業における審査の通過実績があるか
建設業界の実績が豊富なファクタリング会社は、業界特有の商習慣や契約形態を熟知しているのが特徴です。ファクタリング会社を選ぶときは、建設業における審査の通過実績があるところを選びましょう。
建設業の売掛債権は、工事の進捗に応じて分割で支払われる「出来高払い」であったり、契約内容が複雑であったりするため、業界への深い理解がなければ適切な審査ができません。会社のホームページで建設会社の声や債権買取例があるか、確認することが大切です。
手数料体系が明確で、追加費用がないのか
ファクタリング会社と契約する前に、手数料の内訳が記載された見積書を書面で受け取り、買取手数料以外に『債権譲渡登記費用』や『印紙代』、『事務手数料』などの費用が発生しないかを確認しましょう。
一見すると手数料が低く見えても、契約段階で追加費用を請求するところがあるからです。
資金が必要なタイミングに間に合う「入金スピード」か
緊急時にファクタリングサービスを利用する場合、最短の入金日とあわせて提出書類を確認することも大切です。実際の入金スピードは、申し込みのタイミングや提出書類の不備、審査の混雑状況によって変動します。
特に急ぎの場合は、AI審査を導入している、あるいはオンライン完結型で土日祝日も対応している会社を選ぶと、スピーディーな資金化が期待できるでしょう。
「注文書ファクタリング」に対応しているか
プロジェクト受注直後の資金繰りに課題を抱えている場合、請求書発行を待たずに資金化できる「注文書ファクタリング」に対応している会社を選びましょう。
通常のファクタリングは請求書(確定債権)が対象ですが、注文書ファクタリングは、発注書や注文書(将来発生する予定の債権)を買い取ってもらえます。
上限金額はどれくらいか
大型案件の資金調達を考えている場合は、ファクタリング会社の公式サイトで「買取可能額」の上限を確認しましょう。会社によっては、数億円規模まで対応できるところがあります。
会社の規模によって変動しますが、一般的な買取額の目安は以下のとおりです。
- 個人事業主・小規模工務店:100万円〜1,000万円
- 中堅建設会社:数千万円単位
- 大規模プロジェクトを扱う企業:1億円以上
償還請求権があるのか
ファクタリング会社と契約するにあたって、契約書に『償還請求権』に関する記載があるか必ず確認し、『償還請求権なし』または『ノンリコース』と明記されている会社を選びましょう。
償還請求権がない「ノンリコース契約」であれば、万が一売掛先が倒産しても、利用者がその責任を負う必要はありません。貸し倒れリスクをファクタリング会社に移転できるため、安心して利用できます。
ファクタリングの申し込みから入金完了までの流れ
建設業者がファクタリングサービスを利用する際、申し込みから資金の入金まで以下の流れで行います。
問い合わせ・無料相談・申し込み
気になるファクタリング会社が見つかったら、公式サイトや電話で問い合わせましょう。多くの会社では、無料で相談や見積もりの依頼ができます。
自社の状況を伝える際、以下の情報をまとめておくと安心です。
- 希望調達額
- 資金が必要な時期
- 売掛先の情報
- 自社の状況
必要書類の提出と審査
正式な申し込みが完了すると、ファクタリング会社から必要書類の提出を求められます。具体的に必要な種類は、以下のとおりです。
| 必要書類 | 具体例 |
|---|---|
| 代表者の身分を証明する書類 | 運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど |
| 売掛債権の存在を証明する書類 | 請求書や注文書、契約書+売掛先との基本契約書 |
| 事業の実態を証明する書類 | ・事業用の銀行通帳のコピー(直近3ヶ月〜半年程度の入出金履歴がわかるページ) ・決算書または確定申告書:(法人の場合)直近2〜3期分、(個人事業主の場合)直近1〜2年分 ・商業登記簿謄本や印鑑証明書:(法人の場合に必要)発行から3ヶ月以内のもの |
契約手続き
審査に通過し、提示された条件に合意したら、最終的な契約手続きに進みます。契約書の内容は隅々まで確認し、少しでも不明な点があれば必ず担当者に質問して、納得した上で契約を結びましょう。
締結前に確認すべき重要なポイントは、以下のとおりです。
- 買取金額
- 手数料の内訳
- 償還請求権の有無
- 入金予定日
入金
契約手続きが無事に完了すれば、ファクタリング会社から指定した銀行口座へ買取金額が振り込まれます。入金が確認できたら、資金を本来の目的(下請けへの支払いや材料費など)に活用しましょう。
2社間契約の場合、期日になったら売掛先からの入金をファクタリング会社へ速やかに送金します。送金を忘れると契約違反となり、遅延損害金などが発生する可能性があるため注意が必要です。
ぴったりのファクタリングサービス選びはミツモアで

ファクタリングサービスは会社によって特徴もさまざま。「どのサービスを選べばいいかわからない・・・」といった方も多いのではないでしょうか。
そんなときはミツモアにおまかせ。最短1分の自動診断で、ぴったりのファクタリングサービスが見つかります。
ぴったりのファクタリングサービスを最短1分で無料診断
従業員数や資金調達希望額などの各項目を画面上で選択するだけで、最適なファクタリングサービスを最短1分で自動診断。もちろん費用はかかりません。
診断結果は最大5サービス!比較・検討で最適なサービスが見つかる
最大で5つのサービスの診断結果をお届けします。検討していた製品だけでなく、思わぬサービスとの出会いもあるかもしれません。
ミツモアなら、ぴったりのファクタリングサービスがすぐに見つかります。








