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所定外労働時間とは?法定労働時間との違いや計算例を紹介

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最終更新日: 2024年06月28日

所定外労働時間とは何時から何時までのことを指すのか、疑問に思う人も少なくありません。賃金を正しく計算するためにも、押さえておきたいポイントです。所定外労働時間の意味や、計算方法・法定外労働時間との違いなどを解説します。

所定外労働時間とは

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所定外労働時間とは、企業が定めた「所定労働時間」を超えて働いた時間のことです。いわゆる「定時」を超えて働いたぶんの残業時間と考えるとわかりやすいでしょう。

所定労働時間は企業が自由に決められますが、変形労働時間制などの一部の例外を除いて、労働基準法で定められた「(原則として)1日8時間、1週40時間まで」の範囲を超えることはできません。所定労働時間が何時間なのかは、雇用契約書や労働条件を示す書類に記載されています。

雇用契約書には始業時刻・終業時刻・休憩時間などの、労働条件が記載されているのが一般的です。個々の契約内容によっては、同じ職場に勤めていても所定労働時間が異なるケースがあります。

労働時間に関するトラブルを避けるには、労働者と雇用者側の両方で同じ認識を持つことが重要です。契約内容に変更があったときも、口頭ではなく書面で変更内容を取り交わすようにしましょう。

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所定外労働時間の計算例

所定外労働時間を計算するには、所定労働時間について理解しておきましょう。所定労働時間は「始業時間から終業時間までの時間-休憩時間」で計算できます。

例えば、始業時刻が9時で終業時刻が17時、休憩時間が1時間の場合の所定労働時間は7時間です。そのため、所定の勤務時間を超過して働くと、所定時間外労働になります。

17時が定時なのに18時まで仕事をした場合は、1時間の所定時間外労働が発生したということです。始業時刻より1時間早い8時に出勤し、定時で終業した場合の所定外労働時間も1時間となります。

必ずしも割増賃金が発生するとは限らない

残業時間が「法定時間外」でない限り、法律上は企業に割増賃金を払う義務はありません。

ただし就業規則や労働契約書で、所定労働時間を超えた時間に対して割増賃金を払うと定められている場合は、決められた割増率通りに、時間外勤務手当を支給します。

固定残業代(みなし残業代)制などの、基本給に残業代が含まれる契約をしているケースや、一定額が支給される条件となっているケースもあります。残業代を正しく計算するには、労働者別の契約内容を確認することが大切です。

所定外労働時間と法定労働時間の違い

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所定外労働時間をより深く理解するには、法定労働時間について知ることが重要です。どのような違いがあるのか、見ていきましょう。

法定労働時間は法律上の労働時間の上限

労働時間の限度は原則「1日8時間以内・週40時間以内」です(労働基準法・第32条)。加えて週1日以上の休日を与える必要があります。法律で定められた労働時間と休日のことを、法定労働時間・法定休日と呼びます。

どのような労働条件で雇用契約を結んでいるかは、人によってさまざまです。所定労働時間が6時間の人もいれば、7時間という人もいるでしょう。所定労働時間と法定労働時間が、異なる場合もある点に注意しましょう。

参考:法定労働時間と法定休日、時間外労働の基本|大阪労働局
参考:労働基準法 第三十二条| e-Gov法令検索

所定外労働時間と法定労働時間が異なる場合の残業時間

オフィスのビジネスウーマン

所定外労働時間と法定労働時間が異なる場合、同じ時間だけ残業をしたとしても、時間外勤務手当が発生しないケースもあります。

時間外勤務手当の計算方法

法定労働時間外は、1.25倍以上の割増賃金が支払われるのが基本です。ただし労働基準法・第37条では、法定時間外労働が月60時間以上だと、60時間を超えた分に対し1.5倍以上の割増賃金を払わなければならないと定められています。

割増賃金は「残業時間×1時間あたりの基礎賃金×割増率」で計算できます。例えば1時間あたりの基礎賃金が1,000円で、残業時間が1時間の場合「1時間×1,000円×1.25=1,250円」です。

1時間あたりの基礎賃金の出し方は、月給制の場合は「(基本給+諸手当)÷1カ月の所定労働時間数」となります。

参考:法定労働時間と割増賃金について教えてください。|厚生労働省
参考:労働基準法 第三十七条 | e-Gov法令検索

所定労働6時間で3時間残業したとき

所定労働時間が6時間で、3時間残業した場合の法定内残業は2時間です。労働基準法では労働時間の限度は原則として、1日8時間以内なので、法定外残業は1時間となります。この場合、同じ残業であっても割増にならない点に注意しましょう。

もしも残業時間が2時間で、合計の労働時間が8時間以内なら、法定労働時間内です。そのため企業側は、法律上は割増料金を払う義務が発生しません。

所定労働8時間で2時間残業したとき

所定労働時間が8時間で、2時間残業した場合、合計の労働時間は10時間となります。割増賃金の計算式は「2時間×1時間あたりの基礎賃金×割増率」です。

所定労働時間が法定労働時間を満たしているので、残業分は全て法定労働時間外です。1カ月の残業時間が60時間を超えると、割増率が変わるのを忘れないようにしましょう。60時間を超えた分は、1.5倍以上の割増となります。

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所定外労働時間を把握して労働条件への理解を深めよう

デザイナーズオフィス

所定外労働時間は雇用契約によって定められた「定時を超えて働いた時間」のことを指します。所定労働時間や時間外勤務手当に関する決まりは、雇用契約書や就業規則を確認しましょう。

労働時間の上限は法律で定められており、1日8時間・週40時間以上は法定外労働時間に該当します。上限を超えた残業に対しては、割増賃金が払われる決まりです。

労働時間に対して正しい認識を得るには、労働時間に対する各種制度にも意識を向け、自社でどのような方式が採用されているのかを把握することが大切です。

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