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チャタテムシとは?人や家財への害や発生原因、予防策を解説

最終更新日: 2023年07月12日

畳やカーペット、障子、古本などの上を這いまわっている小さな虫を見かけたら、チャタテムシかもしれません。この記事では、チャタテムシの特徴や人間に与える被害、繁殖しやすい環境や予防方法を解説します。

チャタテムシってどんな虫?

体長1mmほどの、黄色っぽい虫

チャタテムシ

チャタテムシは世界中で1700種類以上が確認されています。そのため厳密に分類すると様々な種類がいますが、どの種類のチャタテムシも一般的に以下のような特徴を持っています。

  • 体長2mm以下
  • 淡い黄色、淡い褐色
  • 屋外発生する種類には羽がある
  • 柔らかい体
  • 多湿を好む
  • 雑食性でカビ類・酵母類を好む

世界的にみても日本国内でみても、室内に発生する代表的な種類は「ヒラタチャタテ」です。そのためこの記事では、ヒラタチャタテの特徴に基づいて解説していきます。

ヒラタチャタテは1~1.3mmほどで羽がなく、飛ぶことはありません。25~29度くらいの気温、75%以上の湿度になる環境を好んで生息し、繁殖します。

またヒラタチャタテの場合はオスが存在せず、メスの単為生殖で繫殖します。170日前後の寿命の中で、一生に100個以上もの卵を産むため、室内で繁殖されるとかなり厄介です。

ダニやシラミとの違いは?

チャタテムシ、ダニ、シラミの比較

チャタテムシはかなり小さい虫で判別が難しいので、ダニやシラミといった別の害虫と間違われることがあります。

しかしダニのサイズは0.2~0.4mm程度で、肉眼では視認が難しいくらい小さいです。1匹だけで目に見えるくらいの大きさの虫なら、ダニではないでしょう。

シラミに関しては、約2~4mmほどの大きさで、体の特徴・見た目も似ています。それもそのはず、チャタテムシは生物学的にはシラミの仲間なのです。

ただシラミの場合には衣類や、人の頭髪などにくっついて吸血します。チャタテムシは畳や押し入れなど、別の場所に発生するので見分けることができます。

関連記事:これってダニ刺され?症状の特徴と見分け方 | ミツモア

チャタテムシの名前の由来は、鳴き声

茶道、抹茶

「チャタテムシ」という名前の由来は、その鳴き声にあります。

チャタテムシは、漢字で書くと「茶立虫」。スカシチャタテという種類の鳴き声が、茶筅(ちゃせん)でお茶を点てたときの「シャッシャッシャ」という音に似ていることから、江戸時代にはすでにこの名前で呼ばれていたようです。

1匹だとそこまで大きな音はせず、大量発生したときには聞こえるくらいの音量です。

チャタテムシによる被害は?食害やアレルギーに注意

古本や食品への食害

古本に潜むチャタテムシ

チャタテムシは、古本や古紙などの湿った紙類をエサにすることがあります。

本に付いているカビやホコリなども食べるので、本棚や押し入れなどをウロウロしている可能性が高いです。

ほかにもおもに考えられる被害として、部屋の壁紙や畳などなど、室内にある様々なものに食害を与えてしまうのが特徴です。

また人間の食べ物にも、食害を与えます。米などの穀物や、ビスケットや乾麺などの乾燥食品、カツオ節などは、とくに被害を受けやすいので注意しましょう。

ちなみにチャタテムシと体長がかなり違いますが、同じく古本などに食害を与える虫には「紙魚(しみ)」という種類がいます。

関連記事:紙魚(シミ)とは?発生した際の駆除方法と発生させないための対策も紹介 | ミツモア

チャタテムシに毒性はないが、ツメダニの繁殖原因になるかも

ダニに刺された腕

チャタテムシに似ているダニ・シラミは、人間から吸血します。

ダニやシラミは、吸血することによって人体に病原菌を媒介してしまうので、衛生面での被害を与える「衛生害虫」とされています。しかしチャタテムシは病気を媒介することはありません。

また毒性もないので、直接的に人に対して被害を与えることはほとんどないと言っていいでしょう。

ただし、日本の家屋に繁殖することがある「ツメダニ」というダニは、チャタテムシを餌(エサ)にしています。そのためチャタテムシが繁殖すると、ツメダニも繁殖する可能性が。

ツメダニは人間を刺すことがあり、腫れやかゆみなど、アレルギー反応の原因になります。そのような二次被害を防ぐためにも、チャタテムシがいるなら早めに対処しておきましょう。

アレルギー症状に注意!

マスクをして咳こむ女性

チャタテムシはダニと比較して害が少ないと思われていました。

しかしチャタテムシは、アレルゲン(アレルギーを引き起こす原因)になってしまう可能性が判明しています。

喘息(ぜんそく)やアレルギー性鼻炎、蕁麻疹(じんましん)などの血液検査では、「IgE抗体」を調べることで、何にアレルギー反応しているのかが分かります。

これまでの研究結果から、アレルギー性喘息の患者のうち20%前後が、チャタテムシに対するIgE抗体を持っていることが証明されています。

つまり「アレルギー症状を起こしている5人に1人の割合で、チャタテムシが原因になっている」ということです。

また室内に発生するハウスダストなどを調べると、そのうち90%以上のケースでヒラタチャタテが検出されるとも言われています。個体数も、ダニに次いで発生数が多いため、注意が必要です。

チャタテムシによるアレルギー症状を抑えるには、なるべく部屋の日当たりをよくして、畳やカーペットなどを頻繁に掃除機掛けすることが大切です。

【IgE抗体とは?】

「IgE抗体」とは、アレルゲンに対して生産される抗体です。なんらかのアレルゲンが侵入すると、それに対応した形のIgE抗体が生産され、皮膚や粘膜などに配置されていきます。

そしてこのIgE抗体のもとになったアレルゲンが再び侵入すると、両者が反応してアレルギー症状を引き起こすのです。

ちなみに、寝室が畳もしくはカーペット時期の場合は、チャタテムシに対するIgE抗体を保有する確率が5.9倍にも上るという調査結果があります。

出典:「室内塵中に最も普遍的に存在する微小昆虫・ヒラタチャタテに対する吸引性アレルギー」

課題番号24791017 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所) (https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-24791017/24791017seika.pdf))

チャタテムシが繁殖しやすい室内環境

梅雨、室内にカビ

チャタテムシが好みやすい環境や、エサになるものを以下にまとめます。これらを放置している室内は、チャタテムシが繁殖しやすい環境と言えるでしょう。

  • カビ、酵母
  • 米や乾麺
  • 動植物の標本
  • 古本、古紙
  • 段ボール箱
  • 畳、カーペット
  • 和室

チャタテムシは高温多湿な環境を好み、そこに発生するカビや酵母をおもなエサとしています。そのためジメジメしている梅雨の時期には、とくに活発に動き回るのです。

雑食性なのでカビ以外にも、米や小麦粉、貯蔵食品や動植物の標本まで食べます。そのため、これらの食べかすが落ちていたり、密閉容器に収納されていなかったりする環境は絶好の繁殖所に。

またチャタテムシが住みやすい環境は、書棚や押し入れの中、冷蔵庫の後ろ、畳の中、段ボールや布団の中など。

とくに部屋の中で段ボールを放置していたり、寝室の畳やカーペットを掃除していなかったりすると、絶好の繁殖場所になってしまいます。

チャタテムシが繁殖しにくい部屋にするには、定期的な掃除機がけや、換気・除湿、太陽の光を当てることなどが大切です。

チャタテムシの繁殖を予防する方法

チャタテムシの繁殖を防ぐには、普段から室内環境をキレイに整えておくのがイチバン効果的です。

  • 寝室の畳・カーペットを掃除する
  • 段ボールなど不要な紙資材を捨てる
  • 防カビ・除湿で対策する
  • 食品は密閉容器に入れる
  • 庭や玄関からの侵入を防ぐ

具体的には、上記のような対策をとるとよいでしょう。

すでに繁殖しているチャタテムシの駆除方法については、以下の記事で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

関連記事:チャタテムシを徹底駆除する方法とは?発生させない習慣が大切 | ミツモア

チャタテムシの駆除を依頼する

寝室の畳・カーペットを掃除する

畳に掃除機をかける

湿気がたまりやすい部屋や、梅雨の時期などには、畳やカーペットにチャタテムシがいる可能性が高いです。

とくに寝室など、普段あまり換気をする機会がない場所は要注意です。

前述したとおり、チャタテムシにアレルギー反応を起こす人の多くは、寝室に畳やカーペットを使っているという相関関係がみられます。

布団やシーツなどを選択したり、天日干ししたりするのはもちろん大事ですが、あわせて床面も掃除しておきましょう。換気しながら、掃除機やコロコロを使うのがオススメです。

チャタテムシそのものを駆除するというよりも、エサになるものを無くすことを意識するとよいでしょう。

段ボールなど不要な紙資材を捨てる

部屋に溜まった段ボール

段ボールや古紙などはチャタテムシにとって絶好のエサ・住み処になってしまいます。

とくに段ボールの中にある隙間は、住み処として最適です。

配達物の段ボールなどはついつい溜めてしまいがちですが、こまめに捨てるようにしましょう。

ほかにも広告チラシや新聞紙、古本などを定期的に処分し、溜め込まないことでチャタテムシの繁殖を防ぐことができます。

これらの紙素材は湿気を吸収するので、とくに梅雨や台風、秋雨の時期には注意しましょう。

防カビ・除湿・換気で対策する

窓を開けて換気

高温多湿な環境を好むチャタテムシを防ぐには、家の湿度を低く保ち、カビなどを発生させないことがイチバンです。

気温差などによって結露しやすい場所や、湿度がたまりやすい木部を中心に対策しましょう。

晴れの日には窓を開けて空気を入れ換え、室内の湿度を適切に保ちます。

また日当たりが悪い部屋には、除湿機やエアコンの除湿機能を使うようにしましょう。どうしてもカビが出てしまう場合には、アルコールや防カビ剤などで処理しましょう。

ただし換気や除湿だけでチャタテムシを駆除することは難しいので、あくまで予防だと考えておいてください。継続的に除湿を心がけることで繁殖を防ぎ、長期的にチャタテムシをいなくさせることができます。

ちなみにチャタテムシは寒さに弱いので「冬に換気して駆除しよう」と考える方もいるかもしれませんが、気温0度の環境でも、死ぬまでには3時間ほどかかります。

食品は密閉容器に入れる

タッパー 密閉容器

前述したように、チャタテムシが食害をおよぼす対象はかなり広範囲です。

カビやホコリ以外にも、人間が食べる食料が荒らされることもあります。

おもにマカロニなどの乾麺類や、ビスケットなどの乾燥した食品、また米などの穀物が被害に落ちやすいです。

これらの食品は保存しやすいのでそのまま放置しがちですが、袋を開けっぱなしにせずに、タッパーや米びつなどの密閉容器で保存するようにしましょう。

庭や玄関からの侵入を防ぐ

庭の掃除、ほうきがけ

室内でよく見かけるチャタテムシですが、小さくて気づかないだけで、野外でも活動しています。

たとえば木の幹に隠れていたり、コケや切りカブに隠れていたり。また落ち葉や、枯れ葉などを餌場として活動していることがあります。

庭などにチャタテムシがいる可能性は十分考えられるので、屋外もきちんと掃除して、チャタテムシの侵入を防ぎましょう。

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