洗濯機をキレイに使うためには、定期的に洗濯槽を掃除する必要があります。槽洗浄に使える洗剤はいくつか種類がありますが、「重曹を槽洗浄に使える」と聞いたことがありませんか?
しかし実は槽洗浄に重曹を使うのはあまりオススメできません。その理由や、槽洗浄に使えるほかの洗剤について紹介します。
洗濯槽掃除には重曹はおすすめできない
重曹は家の掃除に役立つ便利なアイテムです。アルカリ性の性質があるので、油汚れや皮脂汚れなどの酸性汚れにたいしては非常に効果的。化学成分を使わなくて済むので、ナチュラルクリーニングとして有名です。
しかし洗濯槽を掃除するなら、重曹はオススメできません。洗濯槽の裏側にはカビや雑菌が繁殖しますが、重曹だとこれらの汚れを落とすほどの高い洗浄力は期待できないからです。
槽洗浄をするなら大量の重曹が必要になりますが、重曹には水に溶けにくい性質もあるので、洗濯槽の中でダマになって排水用の穴に詰まってしまう可能性があります。
どうしても重曹を使いたい場合は、デメリットを踏まえたうえで
これらのデメリットを踏まえたうえで、洗濯機が故障しないように注意しながら洗濯槽を洗浄するならそれでも問題ありません。
とくに専用クリーナーを使うと肌荒れしてしまうような敏感肌の方にとっては、重曹は肌に優しいというメリットもあります。
しかし洗濯機メーカーが推奨している方法ではないので、万が一重曹で槽洗浄をして故障してしまった場合は、新品の洗濯機だとしても保証の対象外となる可能性が高いです。
クエン酸やセスキ水もオススメはできない
クエン酸は「酸性」なので、重曹と真逆の性質を持っています。水垢や石鹸カスなどの汚れに対しては効果的ですが、こちらも洗濯槽に使うのは避けましょう。洗濯槽に使われているステンレスや金属の部品は酸性の薬剤と相性が悪く、サビや腐食の原因になってしまいます。
セスキ水は、重曹よりも強いアルカリ性です。そのため洗浄力も高くはなりますが、洗濯槽に生えたカビや雑菌にたいしては、やはり専用クリーナーよりも効果が薄いと言えます。洗濯槽を掃除ときには、なるべく専用クリーナーを使うのがオススメです。
洗濯槽の掃除には、専用の漂白剤がおすすめ
洗濯槽の掃除には、重曹よりも槽洗浄専用の漂白剤が適しています。槽洗浄用の漂白剤には「酸素系」と「塩素系」の2種類があるので、それぞれの特徴を紹介します。
塩素系漂白剤
塩素系漂白剤は、「次亜塩素酸ナトリウム」という成分でカビを分解除去する洗濯槽クリーナーです。殺菌効果が高く、各家電メーカーも推奨している種類。そのため基本的には、塩素系漂白剤を使って槽洗浄をするのをオススメします。
塩素系漂白剤を使う際には、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 塩素系の独特のニオイがある
- 酸性の洗剤と混ぜてしまうと有毒ガスが発生する
塩素系の薬剤を使うので、独特のニオイが出ます。気分が悪くならないよう、換気しておきましょう。またほかの薬剤と混ぜてしまうと、有毒ガスが発生するので必ず単体で使用してください。
標準の洗濯コースか槽洗浄コースで運転すれば、ふつうは2回以上すすぎをします。そのため塩素系漂白剤が洗濯機のなかに残ることはありません。
しかし服へのダメージがどうしても気になるときや、化学成分に対して肌が敏感に反応してしまう体質の方なら、酸素系漂白剤を使うのがオススメです。
酸素系漂白剤
酸素系漂白剤は「オキシクリーン」などに代表される、発泡の力で汚れを浮かし取る洗剤です。「過炭酸ナトリウム」という名前で販売されていることもあります。
化学成分を含まない製品が多いので、その点では重曹と似ていますが、より洗浄力が高い洗剤だと考えてください。酸素系漂白剤で槽洗浄する場合は、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 殺菌力は塩素系に劣る
- ぬるま湯(40~50℃)を使う必要がある
- 浮いた汚れを自分ですくい取る必要がある
- 基本的にドラム式洗濯機では使えない
酸素が発泡する力で汚れを落とすクリーナーなので、カビや雑菌を分解する力は塩素系に比べるとやや劣ります。またぬるま湯を用意したり、自分で洗濯槽の汚れを処理したりするので手間がかかるという点に注意。
ドラム式洗濯機の場合はフタが側面についているため、水を入れた後に浮いたゴミを取ることができないので不向きです。また通常の縦型洗濯機でも、家電メーカーは非推奨の場合があるので不安な方は塩素系漂白剤を選びましょう。
洗濯槽を重曹で掃除する方法は?
繰り返しになりますが、洗濯機の掃除に重曹を使いたい場合はリスクに納得したうえで、自己責任で作業しましょう。その場合の手順を紹介します。
重曹を使うときには、途中で洗濯機のフタを開けてゴミを取る必要があります。そのため途中でフタを開けられないドラム式洗濯機では、そもそも重曹を使用できないので注意してください。
1.糸くずフィルターを外し、洗濯槽にぬるま湯をためる
洗濯槽を掃除する前に、まずは糸くずフィルター(ゴミ取りネット)を取り外しましょう。残ったまま掃除すると、カビの破片がごみ取りネットにくっついて、掃除の邪魔になってしまいます。
重曹の効果が高まるように、40℃〜50℃のお湯を使用することをおすすめします。水が冷たすぎると重曹がうまく溶けず、熱すぎると洗濯槽を傷つけてしまうため、適温を守りましょう。
ただし洗濯機の種類によっては、50℃程度のお湯でも使用できないことがあるので、かならず取扱説明書で確認しておきましょう。
2.重曹を投入して、5分ほど洗濯機を回す
お湯を張った洗濯槽に重曹を投入します。洗濯機に最大量まで水を入れた状態で重曹1カップ(200g)が目安です。この分量を超えると重曹が詰まる可能性があるので注意してください。
つぎに洗濯機の標準コースか、槽洗浄コースを選択して5分ほど運転しましょう。そのまま運転を続けると脱水してしまうので、5分後に運転を止めてください。
3.つけおきして、浮いた汚れをすくい取る
重曹水で洗濯槽をつけおきします。最低でも5〜6時間以上放置しましょう。
時間を置いて放置すると、洗濯槽にたまっていたゴミやカビが水面に浮いてくるので、ゴミが完全に無くなるまですくい取りましょう。
4.再度5分ほど運転する
ゴミやカビをすくい取ったら、再度すすぎや脱水は行わずに、洗いコースで洗濯機をまわします。
このとき、また汚れが浮いてくることがあります。先ほどと同じ要領で1回洗濯機を止めて、ゴミやカビを全てすくい取りましょう。
5.最後まで洗濯機を運転させて、完全に乾くのを待つ
ゴミが出てこなくなるまで4の手順を繰り返したら、あとは標準コースか槽洗浄コースで最後まで運転しましょう。
排水が終わったらフタを開けて、洗濯機を乾かします。しっかり乾燥するように、部屋の窓を開けるなどして風通しがよい状態にしておきましょう。
洗濯機をキレイな状態に保つための知識
毎日洗剤をいれて洗濯機をまわしているのに、どうして洗濯槽が汚れるのか不思議ではないですか。実は毎日洗濯機をまわしていても、知らず知らずのうちに洗濯槽には汚れが蓄積しています。
洗濯槽が汚れる原因は主に3つ
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衣類は皮脂、汗、食べかすやゴミで汚れており、洗濯するとそれらが洗濯槽の中に残ってしまいます。また、洗剤の残りカスも洗濯槽の中に残りがちです。
洗濯槽は表面が凸凹しているうえ、タテ型式洗濯機は二重構造になっています。そのため洗濯槽のスキマには衣類の汚れや洗剤が付着しやすいのです。
洗濯機は水を使用するので湿気も溜まります。その結果、カビが繁殖しやすい湿度になり、洗濯槽に残った汚れをエサにしてどんどん繁殖していくのです。
毎日のひと手間でカビ・雑菌を予防
毎日の習慣を見直すことで、洗濯槽に汚れがたまりにくくなります。
- 洗濯物を洗濯機の中にためない
- 洗濯機のふたを開けたままにする
上記2つを守るだけでも、カビの繁殖を抑えることができるので、おすすめです。
月1回は洗濯槽を掃除
定期的に洗濯槽を重曹で掃除することで、汚れもたまりにくくなります。月1回は重曹で洗濯槽をキレイにしましょう。
ひどい汚れの場合
ひどい汚れの場合は洗浄力の強い塩素系の漂白剤を使って、洗濯槽を掃除してみましょう。それでもにおいが気になる場合は、お掃除のプロにお任せすることをおすすめします。
重曹は他の場所の掃除に便利
重曹は洗濯槽の掃除にはあまりオススメできませんが、別の場所の掃除にはかなり役立ちます。その仕組みと、オススメの掃除場所を紹介します。
重曹が掃除に役立つ仕組みと、適した掃除場所
重曹は弱アルカリ性です。酸性と混ざり合うことで中和されます。
普段あまり意識することはないかもしれませんが、実は汚れはアルカリ性と酸性とに分かれています。キッチンの油汚れや、壁(とくにスイッチ回り)についた手垢、バスタブの皮脂汚れなどは酸性です。
弱アルカリ性の重曹でこれらの場所を掃除すると、汚れを中和して浮かしてくれます。それでいて化学成分は不使用なので、肌に優しい洗剤として使うことができるのです。
消臭効果などのメリットも
重曹には消臭効果や吸湿効果があります。たとえばトイレの室内に重曹を山盛りにしておくと、ニオイや湿気を吸い取ってくれるのです。
また重曹は近所のスーパーや100均で売っているので手に入りやすく、安い物だと100円から手に入るのでコスパがいいのがメリット。
重曹は石けんと同じ成分でできていて、お菓子にも入っている物質なので、洗剤よりも安全性が高くすぐれものです。
洗濯機のクリーニングをプロに依頼しよう!
漂白剤や重曹を使って洗濯槽を掃除してみても、100%汚れを取るのは不可能なようです。キレイさっぱり汚れとおさらばしたいという方は、お掃除のプロにお任せるのをおすすめします。
洗濯機を解体して掃除
自分で洗濯槽を掃除するときは洗濯機を分解できないので、汚れが残ってしまいます。洗濯機の分解は危険ですし、故障してしまうと保証の対象外になってしまうので、お掃除のプロに頼みましょう。
洗濯機クリーニングの費用相場は、1台につき約11,000~22,000円ほど。ただし洗濯機の機種やクリーニング方法よって価格は変動するので、詳しい料金については実際に業者から見積もりを取って確認しましょう。
プロの技術でしつこいカビも除去
市販で売っている漂白剤や重曹では洗濯槽の一部の汚れしか落とせません。表面はキレイに見えていても、分解するとカビや汚れがびっしりついています。
私は購入してから1年しか経っていない洗濯機を分解してもらったことがありましたが、衝撃的なほど中身はカビと汚れまみれでした。
業者専用の漂白剤を使うことで、しつこいカビや汚れもキレイさっぱり落ちるので、まずは相談してみることをおすすめします。
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プロに掃除してもらうといっても、「いったい値段はどれくらいかかるの?」「たくさんある業者の中からどれを選んでいいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
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