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個人事業主は屋号口座開設を!おすすめ銀行と必要書類、手続きも紹介

最終更新日: 2019年12月12日

「屋号口座」とは、個人事業主やフリーランスの方が開設する、屋号(店名など)を付した口座のことです。この屋号口座を保有することで多くのメリットが享受できます。

本記事では屋号付き口座の特徴、口座開設におすすめの銀行とその開設方法をご紹介します。

個人事業主が屋号口座を作るメリット

個人事業主が屋号口座を作るメリット
個人事業主が屋号口座を作るメリット

個人事業主やフリーランスの人は、「事業で管理しているお金」と「プライベートなお金」を区別することが必要です。

屋号口座を開設すると、「屋号口座を事業用の口座」「個人名義の口座はプライベート用の口座」という具合に口座を分けられ、お金の管理の効率化が図れます。

その他、屋号口座を開設するメリットをいくつかご紹介します。

そもそも屋号口座とは?個人口座との違いはなに?

「屋号口座」と「個人口座」の違いは、「口座名義」の違いです。銀行口座は、原則的に「本名」でしか口座を開設ができません。それは個人事業者の方が事業用の銀行口座を開設する場合も同様です。

しかし、一部銀行では「本名 + 屋号」の名義で屋号口座を開設することができます。

通常、事業者は「屋号」で商売しているため取引先は事業主個人の名前を知りませんが、一方で、代金の入金などは事業主個人名義の口座に振込む必要があります。そのため、この銀行口座の名義の違いによって誤解やミスが起こることも少なくありません。

屋号口座を開設することで、このような問題を解決することができます。そのため屋号口座は事業をする上で不可欠な存在だといえるでしょう。

お金の管理と記帳が楽になる!

個人事業主になると、毎年の確定申告で1年間の所得に対する税金を申告することになります。個人事業に関係する資産や負債などをすべて帳簿に記録することが必要です。その際、売上代金などが入金される預金口座の1年分の取引も記帳しなければなりません。

このとき、個人事業主としての事業用口座と私用の口座を分けないと、生活費の出入りは「事業主貸」「事業主借」といった勘定科目を用いて記帳していくことになります。

事業とは関係ない費用の引落しなども記帳の対象になるので非常に複雑です。

やはり個人事業主として屋号付き口座で管理したほうが、毎月の記帳も円滑に運ぶといえるでしょう。

税務調査に対応しやすい

仮に税務調査の対象となった場合、それまでの収支がわかる書類を提示することになります。このとき銀行口座の中身も確認されます。

事業用と生活費などが一緒になった個人口座では、経費の中に私用で使った費用も含まれているのではないかと疑われてしまう可能性があります。

しかし、個人事業主の屋号付き口座なら、事業用資金だけを確認してもらいやすくなりますし、毎月の記帳も正確にできていると判断されやすいというメリットがあるのです。

また、事業用の口座の取引履歴を示す通帳は保管義務があるので、事業専用のものを準備しておいたほうがよいとも考えられます。

クライアントから信頼されやすい

インターネットなどを使ったネットショップなどを経営している場合、商品の購入者が代金を口座に振り込みする機会が多くなります。

個人名だけが記載された個人口座であれば、顧客に不安を抱かせてしまう可能性があるかもしれません。個人事業主の屋号が付いた口座を使っていれば、お店の名前などが記載されているという安心感を顧客に抱いてもらうことができます。

個人事業主が屋号付き口座を開設できる銀行

個人事業主が屋号付き口座を開設できる銀行
個人事業主が屋号付き口座を開設できる銀行

屋号口座の開設は、個人事業者やフリーランスの方にとてもメリットがあります。しかし、全ての銀行で屋号口座の開設をできるわけではありません。また、個人名義口座の開設と異なり、「屋号口座」を開設するには、銀行窓口へ直接行く必要があります。

ここでは屋号口座を開設できる銀行と、各銀行の特徴をご紹介します。

都市銀行

大手都市銀行で個人事業主の屋号付き口座の開設が可能なのは、以下のような銀行です。

  • 三菱UFJ銀行
  • みずほ銀行
  • 三井住友銀行
  • りそな銀行

いずれも支店やATMの数が多いので、入金・出金・振込など手続きが全国各地どこからでも行いやすいという点がメリットといえます。

都市銀行で口座を開設している人の数は、全国規模でみれば地方銀行や信用金庫などよりも圧倒的に多くなります。ネットショップなどを運営していて、不特定多数の顧客から入金がある場合には、同一銀行間の振込は手数料が安くなるというサービスを受けることができる点からも顧客にとっても有利です。

購買客の中には振込手数料がかかるのか、気になる人が多いという点からも、都市銀行は有利だといえるでしょう。

ただし、いずれ融資を受けたいと考えているなら、大手都市銀行からの融資は地元の地方銀行や信用金庫からの融資よりもハードルが高くなってしまいますので注意しましょう。

注意点として、みずほ銀行の屋号口座は「営業性個人口座」と言い、通常の個人口座と同じ取扱いになります。既に、みずほ銀行の口座を開設している場合は、新たに「営業性個人口座」を開設することはできませんので、注意が必要です。

地方銀行・信用金庫

地域密着型の地方銀行や信用金庫は、小規模な事業者も顧客層としてとらえています。そのため、地元で開業した中小企業や個人事業主などが融資を受けたいという相談にも親身に対応してもらいやすいでしょう。

事業投資などで銀行融資を希望しているのなら、地元の地方銀行や信用金庫などで個人事業主の屋号付き口座を開設して付き合いを続け、信頼関係を構築しておけばいざというとき相談にも乗ってもらいやすくなります。

ただし、基盤となる地域から外れると、圧倒的にATMの設置数は少なくなります。そのため、全国規模で取引がある業種には向かないともいえるでしょう。

ネット銀行

店舗や窓口、通帳のないインターネット専用の銀行がネット銀行です。多くのネットバンクで個人事業主の屋号付き口座の開設が可能ですが、特に以下の銀行は利用者も多いのでおすすめです。

  • セブン銀行
  • 楽天銀行
  • ジャパンネット銀行
  • 住信SBIネット銀行

近年では、ネット銀行を事業用の口座として利用する個人事業主も増えつつあります。

その理由は、銀行窓口やATMまで行かなくても、自宅のパソコンからインターネットを使って口座の取引が行えることにあるでしょう。

店舗がない状態で運営している銀行なのでコストを抑えることができている分、預金金利は高く、振込手数料や引き出し手数料などの手数料も安く抑えられており、利用者に還元してくれているのも魅力です。

コンビニATMからの入出金手数料を無料にしたり、毎月限られた回数までは他行への振り込みでも手数料がかからなかったりと実店舗をもつ金融機関では対応できないサービスも実施しています。

ただし、インターネットを利用するため、IDやパスワードの管理を厳重に行うようにしましょう。

ゆうちょ銀行

銀行の中では唯一、屋号のみで振替口座を開設することができるのがゆうちょ銀行です。

他の銀行では「屋号」に「代表者名」がついた形の口座名となるのと比べれば、屋号だけの銀行口座を利用できるのが最大のメリットといえます。

さらにゆうちょ銀行は、日本国内ほとんどの地域にありますので、ATMを利用しやすいのも特長です。

ただし、個人事業主が屋号口座を開設する場合は、総合口座ではなく振替口座を開設することになります。振替口座は通帳を作ることができないため、入出金明細の確認は送付されてくる証明書で行うことになることから、確認が遅れてしまう部分が不便です。

しかし、ゆうちょが提供しているネットバンキングを利用すれば、リアルタイムで入出金など取引内容を確認することが可能になりますので、あわせて検討しましょう。

またゆうちょ銀行の振替口座は、通常の総合口座に比べて、小切手を発行することができるなど「事業に特化した口座」です。振替口座は当座預金扱いになるため、預金利息が付きませんが、「振替口座内の預金全額」が「預金保護制度(ペイオフ)」の対象となっており、保護されています。

この「振替口座の預金保護制度」が、振替口座を開設する大きなメリットです。通常の総合口座は、普通預金額と定期預金額の預入上限額が1,300万円に設定されており、「預金保護制度(ペイオフ)」の対象額は1,300万円にとどまります。

万が一、ゆうちょ銀行が破綻した場合には、総合口座では1,300万円までしか補償されないのに対し、振替口座では預金全額が補償されます。

屋号口座の開設におすすめの銀行は?選び方を紹介!

屋号口座の開設におすすめの銀行は?選び方を紹介!
屋号口座の開設におすすめの銀行は?選び方を紹介!

ここまでご紹介したとおり、個人事業主が屋号口座を開設できる銀行は、都市銀行・地方銀行・ネット銀行など、さまざまな種類があります。では屋号口座の開設を考えている方は、どのような基準で銀行を選ぶといいのでしょうか。

ここでは、屋号口座を開設する際の銀行の選び方をご紹介します。

予定している事業展開によって選ぶ

将来、銀行から融資を受けることを希望する場合や事業拡大を狙うなら、地元の地方銀行・信用金庫・信用組合といった銀行を利用しましょう。

しばらく銀行からお金を借りる予定がない場合や、売上が入金されたり仕入代金を支払ったりという取引が主な場合はネット銀行を利用すると便利です。

ネット銀行では、ジャパンネット銀行など、ビジネスローンの融資を行っている銀行があります。ネット銀行なので来店不要というメリットもありますが、面談不可というデメリットもあります

また、融資の審査も厳しく、融資の決定までに長い時間がかかる傾向があり、一般的な都市銀行に比べると事務手数料が高額になる場合が多いです。しかし、ネット銀行はオンラインバンキングに特化しており、仕入代金の送金などは365日24時間いつでも決済を行うことができます。

ATMの使いやすさで選ぶ

ATM台数が多い銀行として挙げられるのは、ゆうちょ銀行、そしてネット銀行であるセブン銀行です。

台数自体はゆうちょ銀行の方が多いですが、セブン銀行はコンビニエンスストアであるセブンイレブンから入出金が可能であり、基本的に預け入れはどの時間帯でも無料で24時間対応です。引き出しは夜の7時から朝の7時まで108円の手数料が発生しますが、24時間利用できるという部分のメリットは大きいでしょう。

開設のしやすさで選ぶ

屋号口座の開設のしやすさで選ぶのも1つの方法です。個人事業主が屋号口座を開設しやすいおすすめの銀行は「ジャパンネット銀行」と「GMOあおぞらネット銀行」です。この2つのネット銀行を比べてみましょう。

ジャパンネット銀行

ジャパンネット銀行の屋号口座は「ビジネスアカウント」と言います。ビジネスアカウントの開設に必要な書類は、「本人確認書類(運転免許証など)」と「事業実態の確認書類(個人事業開業届出書など)」です。

また、事業内容を確認するために会社案内やパンフレットの提出が求められる場合があります。屋号口座の開設には固定電話の番号も必要なく、個人口座の開設も必要ないので、簡単に屋号口座の開設が行えます。

GMOあおぞらネット銀行

GMOあおぞらネット銀行で個人事業主が屋号口座を開設するには、まず個人口座を開設する必要があります。個人口座の開設は簡単にできるので、事業を開始する前にあらかじめ開設しておくとスムーズに屋号口座を開設できます。

屋号口座の開設には、「本人確認書類(運転免許証など)」と「個人事業主の確認書類」、「事業内容等が確認できる書類」が必要です。

屋号口座開設の書類は、郵送ではなくカメラで撮影してアップロードを行うだけなので、簡単に口座開設が行なえます。

振込手数料で選ぶ

振込手数料の「安さ」を基準に銀行を選ぶのも1つの方法です。事業を行っていると取引の度に振込手数料が発生します。銀行によって1回あたりの振込手数料の差が少しであっても、取引回数が多くなれば振込手数料の総額も自然と大きくなります。

他行への振込手数料について、銀行によっては「月に数回まで振込手数料が無料」というキャンペーンを行っているので確認してみるとよいでしょう。他行への振込手数料が無料になるキャンペーンは、「住信SBIネット銀行」などのネット銀行が多いです。

また、ネット銀行では365日24時間振込を行うこともできるためとても便利ですが、場合によっては手数料がかさむおそれもありますので注意が必要です。

ATM手数料についても、月の無料回数を定めているネット銀行や、銀行口座のステータスによっては無制限にATMを利用できるネット銀行もあります。

ネット銀行ではない、ゆうちょ銀行などで営業時間外にATMで現金を引き出すと手数料が余計にかかるので注意が必要です。

屋号のみの口座が作りたいならゆうちょ銀行!

屋号口座は、通常「本名+屋号」の口座名義になり、「屋号のみ」の口座を開設することはできません。しかし、ゆうちょ銀行の振替口座だけは、屋号のみの口座を開設することができます。

つまり、ゆうちょ銀行の振替口座を開設すると、取引先に自分の氏名を明かさずに振込依頼をすることができます。

ある意味、匿名性が高くなるゆうちょ銀行の振替口座ですが、インターネットの通販サイトを運営しているなど、不特定多数の人から振込がある事業を行っている方で、自分の名前を明かしたくない方にはぴったりの屋号口座です。

【銀行別】屋号口座開設に必要な手続きと書類

【銀行別】屋号口座開設に必要な手続きと書類
【銀行別】屋号口座開設に必要な手続きと書類

「屋号口座」は、誰でも開設できるわけではありません。屋号口座の開設には、個人口座を開設する際と同様に運転免許証やパスポートなどの「本人確認書類」に加えて、「事業を行っている証拠」を口座開設時に提出しなければなりません。

ここでは、「事業を行っている証拠」として、どのような書類の提出が必要になるかを主要銀行別にご紹介します。

屋号口座の開設に要求されることが多い書類

屋号口座の開設に必要な書類は、主に3種類に分類されます。①本人確認書類、②個人事業主の確認書類、③事業内容等が確認できる書類です。それぞれ、どのような書類が該当するか見ていきましょう。

①本人確認書類

  • 運転免許証
  • 住民基本台帳カード
  • マイナンバーカード(個人番号カード)
  • パスポート
  • 各種健康保険証(カード型健康保険証)
  • 各種健康保険証(紙型健康保険証)
  • 各種年金手帳(厚生年金、国民年金、共済年金等)
  • 印鑑登録証明書
  • 住民票の写し
  • 在留カード(外国籍の方)
  • 特別永住者証明書
  • 外国人登録証明書(外国籍の方)

②個人事業主の確認書類

  • 個人事業開業届出書
  • 青色申告承認申請書
  • 確定申告書
  • 個人事業開始申告書
  • 国税・地方税の納税証明書

③事業内容等が確認できる書類

  • 会社案内、パンフレット・チラシなど
  • 会社のホームーページアドレス
  • 請求書、発注書、受注書、納品書など
  • 締結・調印済みの各種契約書など
  • 事業計画書

※概ね、上記の書類で屋号口座を開設することができますが、細かい部分は各銀行で異なりますので、口座開設を行う銀行に事前に確認する必要があります。

屋号付き口座の開設手続きの手順:三菱UFJ銀行

三菱UFJ銀行では、以下の手順で屋号付き口座の開設を申し込みます。

1.必要書類を用意する

以下の書類を用意してください。

【1種類で大丈夫な書類】

  • 住民票の写し(コピー不可)
  • 住民票記載事項証明書
  • 印鑑証明書

【以下A・Bの1種類ずつが必要な書類】

A:名前が分かる公共料金などの支払書

  • 電気料金
  • 電話(携帯電話も可)
  • ガス料金
  • 水道料金
  • NHK料金

B:身分証などのコピー(有効期間内)

  • 運転免許証
  • 住民基本台帳カード(顔写真入り)
  • 個人番号カード
  • 各種健康保険証
  • 旅券(パスポート)
  • 国民年金手帳
  • 各種福祉手帳

2.以下のいずれかで口座開設を申し込む

三菱UFJ銀行では、以下4つの方法で口座開設を申し込めます。それぞれ営業時間が異なりますので、詳細は三菱UFJ銀行のホームページを確認してください。

  • 各支店の窓口
  • 郵送
  • テレビ電話
  • スマートフォン

屋号付き口座の開設手続きの手順:ゆうちょ銀行

ゆうちょ銀行では、以下の手順で屋号付き振替口座の開設を申し込めます。

1.必要書類を揃える

まずは、以下の必要書類を揃えてください。

  • 身分証明書
  • 屋号が分かる書類
  • 印鑑 ※シャチハタ不可

屋号が分かる書類とは、個人事業主として使用している屋号が掲載されたパンフレットやチラシなどです。

2.郵便局で口座開設を申し込む

最寄りの郵便局で、以下2種類の用紙を記入してください。

  • 振替口座加入申込書
  • 印章票

いずれも氏名・住所・屋号名などを記入します。

屋号付き口座の開設手続きの手順:三井住友銀行

三井住友銀行では、以下の手順で屋号付き口座の開設を申し込みます。

1.必要書類を用意する

三井住友銀行のホームページに口座開設に必要な書類の記載がありません。一般的には、次の書類が必要と言われています。

  1. 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
  2. 印鑑
  3. 税務署に提出した「個人事業の開業の届出書」の控え(コピー不可)
  4. 屋号の変更が確認できる資料(屋号の変更後の賃貸借契約書、名刺、パンフレットなど)

2.最寄りの三井住友銀行の支店で口座開設を申し込む

三井住友銀行での屋号付き口座は、事務所(事業所)の所在地から最も近い支店でのみで屋号付き口座の開設を行うことができます。最も近い支店の検索は、三井住友銀行のホームページから確認しましょう。

参考:三井住友銀行 店舗・ATM検索

屋号付き口座を上手に管理・運用する方法

個人事業用の口座の管理方法
個人事業用が屋号付き口座を賢く運用する方法

個人事業主用として作った屋号付き口座は、売上入金、事務所の家賃や光熱費など引き落としなどの口座として利用します。私用のショッピングなどの引落し口座にしてしまわないようにしてください。

また、個人事業主用の口座を複数開設してしまうとお金の出入りが複雑になってしまうので、できるだけ1つに絞ったほうがよいでしょう。

屋号口座から支払った方が良い費用

毎月必要になる公共料金・事務用品代・宅配便代などは、個人で使用した分と事業で使用した分が混同してしまいがち。個人事業主の屋号付き口座からの自動引き落としで毎月支払われるようにしておくと安心です。

生活費は移動させる

個人事業で得た収入から自分の生活費を支払った場合は、「事業主貸」の支出取引として記帳することになります。所得税や住民税、社会保険料、個人的な医療費などの支払いも、事業主貸として登録します。

事業用とプライベート用が混在している支出は「家事関連費」に該当することになりますが、家事関連費は「事業主貸」または「事業主借」という勘定科目を使うと理解しておいてください。

事業主貸は、事業が事業主にお金を貸したことを意味し、事業主借は、事業が事業主からお金を借りたことを意味します。

事業主勘定には貸したことや借りたことを意味する言葉が入っていますが返済する必要はなく、年度末に元入金に組み込んで相殺することになります。

個人事業主の経費の按分(あんぶん)

事業用とプライベート用が混在する支出が出てくることもあります。例えば、自宅と事務所が一緒になっている場合、家賃や水道光熱費、通信費などは事業としても使用しているということがあるからです。

この場合、使った費用は事業用割合に応じて必要経費に計上することができます。仕事で使っている床面積部分を必要経費とすることになりますので計算してみましょう。

例えば、50㎡の広さの自宅マンション一室を事務所としても使用していて、そのうち一部屋分15㎡が事務所とする場合、事業用割合は15㎡を50㎡で割った30%という計算です。

家賃が毎月10万円の場合、その30%分である3万円が家賃として必要経費に計上できるということになります。

自宅兼事務所においては、水道、電気、電話、ガスなどの支出は按分して経費にすることができます。それぞれ、次のような項目を基準に按分していくようにしてください。

  • 電気代 使用時間、電気器具やコンセント数、床面積、営業時間
  • 水道代 使用時間、使用回数、営業時間
  • ガス代 使用時間、使用回数、営業時間
  • 電話代 使用時間、営業時間

個人事業主の口座管理と確定申告

個人事業主の口座の管理と確定申告
個人事業主の口座の管理と確定申告

サラリーマンであれば、勤務先で給与から所得税が源泉徴収されるので、確定申告を行う必要はありません。一方の個人事業主はどのくらい所得があり、それに対する税金はいくらなのかを、確定申告で申告・納税することが必要になります。

このとき、いくつか注意しておきたい点がありますので確認しておきましょう。

個人事業主は青色申告がお得

関連記事:青色申告の帳簿のつけ方と必要書類|65万円控除を目指そう

確定申告には青色申告と白色申告があります。白色申告のほうが、毎月の記帳などが簡易的なので面倒がありませんが、複式簿記で記帳していく青色申告で申告したほうがいろいろなメリットがあります。

まず最大のメリットが65万円の控除を受けることができる「青色申告特別控除」で、所得税や住民税、国民健康保険の計算に控除が反映されます。

また、損失がでた場合には3年に渡り繰り越すことができるため、翌年度以降黒字になっても節税に繋がります。

さらに「少額減価償却資産の特例」が適用されれば、30万円未満のものをその事業年度の経費として一括処理することができます。

ただし、青色申告承認申請書は事業開始日から2か月以内、または1月1日から3月15日までに提出することが必要です。期限を過ぎるとその年は白色申告で確定申告を行うことになりますので手続きは早めに行いましょう。

「青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書」も、家族に支払う給与を経費として計上する際に必要です。

現金出納帳が帳簿の中心

事業を営んでいれば現金の出入りは必ず発生することになりますが、青色申告で複式簿記を行うとき、記帳の中心になるのは現金取引を記録する「現金出納帳」です。

現金を使ったときにはしっかり記帳していくようにしましょう。また、「預金出納帳」「売掛帳」「買掛帳」も月に一度は忘れないように付けておいてください。

確定申告の期限に注意

確定申告は1年間の収支をすべてまとめて所得を計算する作業なので、毎年1月から12月までの1年で区切ります。

1年分の収支を計算したら、翌2月16日~3月15日までの間に申告を行うことになります。この期限内に、青色申告なら青色申告決算書(白色申告なら収支内訳書)と、所得税確定申告書を税務署に提出します。

申告期限を過ぎてしまうと、延滞金などの対象となるため注意してください。

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個人事業主として事業を営む場合、使用する口座は個人口座と事業用の屋号付き口座と分けておいたほうが様々な手続きにおいてスムーズです。

他にも毎月の記帳、確定申告など、いろいろな面で注意しなければならない点は多く存在しますが、ややこしい作業などに気を取られてしまうと本業に専念できなくなる場合もあるでしょう。

そこで、すでに個人事業主として開業している場合や、これから開業を検討しているという場合、そのような面倒な毎月の作業を安心して任せることができる税理士をみつけてみてはいかがでしょう。

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