確定申告について相談したい場合は、税務署に足を運ぶのがおすすめです。ただし状況によっては、別の相談先が適切な場合もあります。
この記事では、確定申告についてのおすすめの相談先について詳しく解説していきます。
確定申告の相談先は税務署が一般的
確定申告について聞きたいことがある場合、税務署に相談するのが最も手軽です。無料で相談できる上に、税金を専門にしている人から直接アドバイスをもらえるからです。
税務署への相談範囲は形式的な範囲まで
税務署へ相談できる事項は、あくまで形式的な範囲までである点には注意が必要です。
相談OK | 相談NG |
|
|
より具体的にアドバイスを受けたい場合は、税理士へ相談するのがおすすめです。費用はかかってしまいますが、個別具体的なアドバイスや書類作成の代行サービスを受けられます。
税務署に確定申告の相談を行う4つの方法
税務署に相談する方法は、全部で以下の4つがあります。
- 電話で相談する
- 税務署の窓口に直接訪問して相談する
- 確定申告時期に特別会場で相談する
- チャットボットで相談する
順番に詳しく解説していきます。
方法① 電話で相談する
相談が簡単に済む場合や、急いで聞きたいことがある場合などは、「確定申告電話相談センター」に電話で相談できます。受付時間は土日祝を除く平日の8時30分〜17時です。
電話では以下のように、質問事項に合わせて番号を選択します。
引用:「税についての相談窓口」
なお相談そのものは無料ですが、話している間は通話料金が発生する点に注意しましょう。
電話は「税についての相談窓口」の案内を参考におかけください。
方法② 税務署の窓口に直接訪問して相談する
「資料を見せて相談したい」「電話口ではうまく説明できない」といった場合は直接管轄の税務署に出向いて相談できます。税務署が開庁している平日午前8時30分〜午後5時に相談可能です。
管轄の税務署は、国税庁ホームページ「税務署の所在地などを知りたい方」にて、郵便番号や住所で検索できます。
郵便番号を入力して検索をクリックすると、管轄の税務署が表示されます。
方法③ 確定申告時期に特別会場で相談する
2月16日から3月15日までの確定申告時期には、税務署とは別に「確定申告相談会場」が設けられ、確定申告の書き方や提出に関して相談できます。入場するにあたって整理券、もしくは電話予約が必要です。
相談できる時間は土日祝を除く平日8時30分〜17時のみです。相談会場が開設される場所は限られているため事前に確認しておきましょう。国税庁のホームページで検索できます。
また、特別会場での相談は例年大変な混雑になります。時間に余裕がある日に足を運ぶようにしましょう。
方法④ チャットボットで相談する
税務署ホームページのチャットボットで相談する方法もあります。どの時期でも24時間利用できるため、ちょっとした疑問を解決したいときに便利でしょう。
チャットボットのページにアクセスすると、相談したい事項の一覧が表示されます。例として「所得税の確定申告」を選びましょう。
画面中央の質問を選ぶか、一番下の検索窓に質問したいことを入力してみましょう。
チャットボットでは、主に以下のような内容を相談できます。
- 確定申告の手続き
- e-Taxや確定申告書等作成コーナーの操作
- 所得税、消費税、年末調整に関すること
- 所得控除に関すること
- インボイス制度の概要、登録手続き
詳しい相談範囲は「チャットボットの相談範囲」を参照ください。
税務署以外の確定申告についての相談先
税務署での相談には、「形式的な範囲までしか質問できない」「混んでいることが多い」などのデメリットがあります。
そこでここからは、確定申告について相談できる税務署以外の場所を紹介します。
税理士
節税対策や判断しにくい経費などについて聞きたい場合は、税理士への相談がおすすめです。相談だけでなく、確定申告の手続きを丸ごと代行してもらうこともできます。
ただし確定申告について相談できるかどうかは事務所によって異なるため、必ず事前にホームページなどで確認しましょう。
初回相談は無料のケースが多いですが、確定申告に関する作業が発生する場合は一般的に費用がかかります。
相談できる時期 | いつでも可能
※確定申告時期は対応不可の場合もある |
受付時間 | 事務所による |
相談費用 | 初回は無料が多い
具体業務を伴う場合10万円~ |
電話相談 | ×
※一般的に受け付けていない ※メールやFAXが可能の場合がある |
確定申告の時期の場合、依頼せずに相談のみはできない場合が多いです。
「無料で相談したい」「費用をかけるほどではない」という人は、税理士による無料相談会をネットで検索したり、こののち紹介する市役所や役場の相談会場を利用したりすると良いでしょう。
役場・市役所の確定申告の相談会場
確定申告時期には、市役所や役場でも相談会場が開設される地域があります。基本的に無料で、職員だけでなく税理士に相談できる自治体もあるため要チェックです。
お住まいの自治体のホームページなどで確認しましょう。
相談できる時期 | 2月初旬〜3月15日の期間が多い |
受付時間 | 平日9時~17時など
※自治体により異なる |
相談費用 | 基本的に無料 |
電話相談 | × |
相談するには事前に予約が必要だったり、制限時間が30分以内と決まっていたりする場合が多いです。
税務署は国税に関する相談がメインですが、自治体の相談窓口では税金全般の相談ができます。住民税などの地方税は各自治体によって税率や控除などに違いがあるため、地方税の相談がしたい場合は自治体の利用がおすすめです。
青色申告会
青色申告をしている個人や法人が加入できる「青色申告会」という組織では、税務に関するセミナーや帳簿の付け方、確定申告の方法などの指導会が開催されています。
相談には青色申告会への加入が必要で、年間2万~3万円ほどかかることが多いようです。
相談できる時期 | いつでも可能 |
受付時間 | 平日午前9時~午後5時
※各青色申告会によって異なる |
相談費用 | 入会金:1,000円~5,000円程度
月会費1,500円前後 |
電話相談 | × |
青色申告会は地域の事業者と親交が深められる懇親会をはじめ、個人事業主の方にはうれしい共済や各種保険への加入ができるといったメリットがあります。確定申告に関する相談をきっかけに入会してみるのも良いでしょう。
商工会議所
青色申告を行っている個人事業主などは、商工会議所に確定申告の相談をすることもできます。会員であれば無料で、時期を問わず相談可能です。
相談できる時期 | 確定申告の相談は2月中旬~3月中旬だけのケースがある |
受付時間 | 各商工会議所によって異なる。予約制のこともあるため、事前に要確認。 |
相談費用 | 年会費1万〜1万5000円など |
電話相談 | × |
相談できる内容は商工会議所によって異なります。帳簿の付け方から源泉徴収、決算、確定申告の手続きまで一貫した相談ができるところや、記帳代行サービスを行う商工会議所もあるようです。
非会員でも有料で相談に応じる商工会議所もあるため、最寄りの場所に問い合わせてみるとよいでしょう。
信用金庫、銀行の相談会
信用金庫や銀行などの金融機関でも、確定申告の相談会を開催するケースがあります。ただし、地元の税理士会の協力などの特殊事情がある場合に限ることが多いため、個別に確認しましょう。
相談自体は無料の場合が多く、事前予約が必須です。
相談できる時期 | 概ね確定申告の時期、2月中に開催されることが多い |
受付時間 | 10時半~16時など
各相談会による |
相談費用 | 基本無料 |
電話相談 | × |
現役の税理士や税務署OBなどが対応してくれることが多く、専門的な事柄にもきちんと答えてくれます。
金融機関では税務関係のほかにも、各種事業にまつわるセミナーや異業種交流会を主催していることがあります。興味のある方はホームページを調べてみたり、窓口に問い合わせたりしてみてください。
確定申告の相談をする際の持ち物リスト
確定申告に関して相談する際は、以下を持参するようにしましょう。
- 収支がわかる帳簿、または領収書一式
- 控除証明書
- 本人確認書類のコピー(マイナンバーカードなど)
- 確定申告書(作成済の場合)
- 通帳(還付がある場合)
事業所得や副業収入がある人は、取引に関する書類はすべて持参しましょう。たとえば契約書や請求書、領収書などです。
確定申告で必要な書類は人によって異なります。詳しくは以下の記事で解説しています。
確定申告の相談をスムーズに進めるために
確定申告の相談で不明点を残さないようにするには、以下2つの点を意識することが効果的です。
- 質問したいことを箇条書きでまとめておく
- 確定申告の期日直前は避ける
順番に詳しく解説します。
質問したいことを箇条書きでまとめておく
質問したいことをなるべく明確にしてから相談に向かいましょう。紙やメモアプリに箇条書きで書き出しておくと、短時間で効率的に質問を進められます。
「わからないところがどこなのかもピンとこない」という場合は、ネットで確定申告の進め方について調べながら、よく理解できなかった点をメモに書き出してみてください。そのメモ書きをもとに質問を考えればOKです。
確定申告の期日直前は避ける
確定申告の期日直前は、どの相談先もかなり混み合います。特に税務署は無料で相談できることもあり、直前期は人が殺到します。
そのため、なるべく早い時期に相談をするのがおすすめです。可能なら11~12月ごろに相談すると、不明点をスムーズに解決できるでしょう。
もしすでに直前期なら、税務署以外の場所に相談したほうが早いかもしれません。いくつかの相談先に連絡をしてみて、空いてそうな場所を探してみるのも良いでしょう。
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