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雑所得はいくらから確定申告する?申告書の書き方も

最終更新日: 2020年02月10日

一般企業で働く傍ら、副業で収入を得る人は多いでしょう。ITが発達している現代では、ネットオークションやフリマアプリで稼いでいる主婦もたくさんいます。

副業である程度の稼ぎを得た時、心配になってくるのが確定申告です。雑所得で確定申告は必要なのか、必要な場合どのように書けば良いのか詳しく解説していきます。

この記事の監修税理士

安田亮公認会計士・税理士事務所 - 兵庫県神戸市中央区

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雑所得の解説と計算方法

雑所得の解説と計算方法について説明するための画像
雑所得の解説と計算方法

一部例外はありますが、一般的には本業以外の副業で得た収入が雑所得です。所得が発生すると税金を納める必要がありますが、雑所得はどうなのでしょうか。

まずは雑所得がどういうものか、詳しく見ていきましょう。

雑所得とは

雑所得とは所得区分の中で、他9種類の所得のいずれにも属さない所得のことを指します。所得区分を以下の表に挙げたので参考にしてください。

〈所得区分〉
1.給与所得

会社勤務などによって発生する給与や賞与、役員報酬

2.退職所得

勤務先を退職する際に受け取る退職手当など

3.事業所得

サービス業、卸売業、製造業、士業関係などの事業

4.不動産所得

船舶、航空機の貸付、借地権、不動産賃貸業など

5.配当所得

投資信託の配分、株の配当など

6.利子所得

公社債の利子、預貯金など

7.一時所得

懸賞や生命保険の一時金。一時的に発生する営業目的ではない所得

8.譲渡所得

有価証券、建物、土地などの譲渡による所得

9.山林所得

立木の譲渡、山林の伐採など

10.雑所得

1〜9までに当てはまらない所得

雑所得は下記のような例を挙げることが出来ます。

・公的年金

・印税や原稿料(執筆業をしていない人)

・ネットオークション

・仮想通貨

上記に加え、フリマアプリで得られる所得も雑所得です。営利目的の場合は課税対象となり、衣服や家具などといった通常の生活で必要な生活用動産は課税対象ではありません。

雑所得の計算方法と支払う税額

一般的に雑所得は、以下の計算式で求めることが出来ます。

公的年金以外の雑所得の収入合計ー必要経費=その他の雑所得

雑所得は、公的年金による雑所得とその他の雑所得によって計算式が異なります。また、公的年金の雑所得は65歳と収入金額を基準に計算に用いられる算式が違います。詳しい計算方法は、国税庁のウェブサイトを確認してください。

参考:雑所得 第一表|国税庁

雑所得の必要経費とは?

必要経費とは、収入を得るためにかかった経費のことです。例えば下記のようなものが挙げられます。

・メルカリ商品の梱包、発送代

・ネットオークションを初めた際に購入したパソコンの費用

雑所得は総合課税なので、最後に他の所得と合計することを忘れないようにしましょう。

雑所得の必要経費について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。

参考:雑所得の必要経費はいくらまで?|ミツモア

雑所得と事業所得の違いは?

所得区分の中で混同しやすいのが「雑所得」と「事業所得」です。事業所得とは、事業として成立しているほど本格的に発生している所得のことを指します。

また事業のように思われるものでも、一時的な収入であれば雑所得です。雑所得と事業所得を以下に簡単に区別しました。

雑所得:副業として一時的に執筆活動をして本を出版し得られる印税などの収入

事業所得:副業として行っている事業が独立し、継続的かつ反復して実行され、得られる収入

さらに、損益通算の違いもあります。

損益通算とは、事業などで発生した損失を他の所得と相殺して所得を減らし、税負担を軽くする制度です。この制度は利用できる条件がそれぞれで異なるため注意しましょう。

雑所得:雑所得で損失が出ても他の所得とは相殺できないが、不動産所得、事業所得、譲渡所得、山林所得の4つの所得で損失が出た場合は雑所得の黒字と相殺することが可能

事業所得:給与所得などの他の所得と相互に損益通算が可能

雑所得は対象の所得がマイナスの時のみ損益通算が可能で、事業所得より不利な条件となっています。

雑所得が20万円以下の時は確定申告不要?

雑所得20万円以下で確定申告が不要になる?
雑所得20万円以下で確定申告が不要になる?

「雑所得20万円以下なら確定申告が不要」という噂を聞いたことがあるでしょうか。実の所、これは間違いです。

雑所得の申告不要ルールには一定の条件があります。雑所得が20万円以下でも申告が不要な人と必要な人がいるのです。

雑所得20万円以下で確定申告が不要な人

雑所得が20万円以下で確定申告が不要になる人は、年末調整をした給与所得者(サラリーマン)です。

サラリーマンは一般的に会社が年末調整をしてくれています。そのためサラリーマンが副業等で雑所得を得たとしても、20万円以下なら確定申告が不要なケースがほとんどです。確定申告が必要かどうかは、以下の例を参考にしてください。

〈確定申告必要〉

副業の収入総額:FXで100万円

経費:パソコン代、通信費等で20万円

雑所得:80万円=100万ー20万

〈確定申告不要〉

副業の収入総額:フリマアプリで40万円

経費:仕入れなどで30万円

雑所得:10万円=40万ー30万

雑所得20万円以下でも確定申告が必要な人

そもそもフリーランスや個人事業主は収入から経費を控除した後の所得額が38万円以上の時、確定申告をしなければなりません。その際に雑所得も申告する必要があります。

一方で給与所得者の場合、雑所得が20万以下でも確定申告が必要な人は以下のような人です。

  • 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
  • 同族会社の役員などで、その同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人
  • 災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人
  • 源泉徴収義務のない者から給与等の支払を受けている人
  • 退職所得について正規の方法で税額を計算した場合に、その税額が源泉徴収された金額よりも多くなる人
参考:給与所得者で確定申告が必要な人

つまり雑所得がいくら少額であろうと、年収が2000万円を超えているなど他の理由で確定申告をする必要がある場合は、雑所得を申告しなければなりません。

雑所得20万円以下でも住民税の申告は必要です

雑所得20万円以下のサラリーマンで確定申告が不要な場合も、住民税は必ず申告してください

雑所得を申告不要なのは所得税の確定申告のみです。住民税にはこのような特例が存在せず、必ず市役所に申告する必要があります。ただし所得税の確定申告をした場合は税務署が市役所に通知するため、住民税の申告は不要です。

雑所得の申告に必要な添付書類と書き方

雑所得の確定申告書への書き方を説明することを表している確定申告書の画像
雑所得の確定申告書への書き方

複雑でわかりづらいからといって確定申告しないと様々なペナルティが課せられてしまいます。いざ確定申告をする際に困らないよう、具体例を参考に書き方を見ていきましょう。

雑所得の申告に必要な添付書類

確定申告には以下の書類が必要です。

  • 確定申告書AまたはB
  • 給与所得や公的年金等の源泉徴収票(原本)
  • 私的年金等を受けている場合には支払金額などが分かるもの
  • 医療費の領収書等、社会保険料(国民年金保険料)控除証明書、生命保険料の控除証明書、地震保険料(旧長期損害保険料)の控除証明書、寄附金の受領証など
参考:申告手続きの流れ|国税庁

また確定申告書には、以下の2種類があります。

  • 確定申告書A:一般的に給与所得者や年金受給者が使用する申告書。
  • 確定申告書B:所得の種類関係なく、どなたでも使用できる申告書。個人事業主や不動産収入を得ている方はBを使用する。

確定申告書 第一表の書き方

確定申告書にはAとBがありますが、どちらも雑所得に関する表記や記入方法は同じです。

以下の確定申告書第一表をご覧ください。

確定申告書A 第1表の雑所得の説明用の画像
確定申告書 第一表

この表の赤く囲われた部分が雑所得の記入欄です。では、具体例を用いて説明します。

本業:中小企業の事務員

給与所得:300万円

副業:フリマアプリ

副業の総収入:40万円

必要経費:10万円

雑所得:40万円ー10万円=30万円

この場合、給与所得と雑所得は以下のように記入します。

確定申告書A 第1表の書き方
確定申告書 第一表の記入例

確定申告書 第二表の書き方

確定申告書の第二表は以下になります。

確定申告書A 第2表
確定申告書 第二表

この表の赤く囲われた部分が雑所得の記入欄です。では、先ほどの例を用いて記入してみましょう。

確定申告書A 第2表雑所得記入例
確定申告書 第二表の記入例

確定申告をしないとどうなるか

確定申告とは所得税を自分で計算して国に申告することです。申告をきちんとすることで多く払っていた所得税は戻ってきますが、納税額が実際より少なかった場合は納税もれ、つまり「脱税」になる可能性もあるので注意しましょう。

さらに、以下のようなデメリットも挙げられます。

・無申告加算税や延滞税の支払いを求められる

・刑事罰を受ける可能性がある

無申告加算税とは、簡単に言うと罰則のことです。

申告を怠ってしまうと、納めるべき税金に対して50万円までは10%、50万円を超える部分は15%の割合を掛けた金額を支払わなければなりません。(平成29年以降の税率)

参考:国税庁ホームページ No.2024 確定申告を忘れたとき

さらに、追加で延滞税もかかります。これは利息的な性格のもので、未納の金額と納付期限から納付するまでの日数、税率の掛け算で計算されます。

参考:国税庁ホームページ No.9205 延滞税について

また、副業で得た売上の隠蔽や実際の額よりも所得を少なく申告した場合、刑事罰に処されることもあるのです。刑罰の内容は、懲役10年以上もしくは1,000万円以下の罰金と言われています。

確定申告をしないということはデメリットしかないのです。

とはいえ、申告書の作成は難しいと感じる方もいます。その場合は、プロに任せるのが一番ですので税理士に相談しましょう。

雑所得の確定申告について:まとめ

雑所得の確定申告書を作成している画像
雑所得の確定申告についてのまとめ

雑所得とは、給与所得や事業所得などには当てはまらない区分で、ネットオークションや本業ではない執筆活動などに発生する所得です。副業の所得が20万円以上の場合には、必ず確定申告が必要になるので忘れないようにしましょう。

また雑所得は総収入ではなく必要経費を差し引いた額なので、計算して20万以下の場合には所得税の確定申告は不要です(ただし、所得税の確定申告は不要でも住民税の申告が必要になるケースはありますのでご注意ください)。確定申告書の雑所得記入欄には、必要経費の記入も必要なので必ずレシートや領収書などを保存して確認できるようにしておきましょう。

監修税理士のコメント

安田亮公認会計士・税理士事務所 - 兵庫県神戸市中央区

ここ数年でサラリーマンの副業が解禁され、給与所得以外の収入を得る方が増えてきています。事業的規模でない場合は雑所得として申告することになります。 事業所得と雑所得の区分はとても曖昧であり、どちらで申告するか迷う方も多いと思います。事業所得として申告し、青色申告承認申請書を提出すると65万円の控除を受けることができます。これを受けたい場合は、開業届を出し、ある程度の売上規模になるように事業を拡大させましょう。
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この記事の監修税理士

安田亮公認会計士・税理士事務所 - 兵庫県神戸市中央区

安田亮(公認会計士・税理士・CFP🄬)1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格、2010年京都大学経済学部経営学科卒業。大学在学中に公認会計士試験に合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応等を経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。所得税・法人税だけでなく相続税申告もこなす。
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