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【税理士監修】勘定科目「通信費」の経費処理を解説 仕訳例も紹介

最終更新日: 2019年12月25日

個人事業主として独立して、仕事で使用したインターネットやスマートフォンの利用料金を経費として計上したいが、どのように処理してよいのかわからないというお悩みをお持ちではないでしょうか。

今回の記事では、通話料金やインターネット関連の経費を計上する「通信費」についてわかりやすく解説していきたいと思います。この記事を読むことで、どのような経費を「通信費」に計上するのかをすぐに判断することができるようになります。

勘定科目「通信費」を使う経費

通信費 勘定科目 インターネット
勘定科目「通信費」を使う経費

「通信費」とは、事業で使用される取引先との連絡に関する経費です。近年では、通話料金だけでなくインターネット関連の費用も計上されるようになっています。「通信費」は基本的に消費税の課税対象ですが、国際電話、国際FAXなどを利用した場合は、消費税の課税対象外となります。海外との取引がある場合は注意が必要です。

「通信費」で経費計上できる費用

「通信費」に計上できる経費は電話料金、郵便料金、インターネット料金などがあります。事業の際に取引先との連絡に関わる経費が計上されるので、FAXや切手なども対象となります。「通信費」に計上される具体的な内容は下記のようなものが挙げられます。

  • 電話代
  • テレホンカード代
  • FAX代
  • 切手代
  • インターネット料金
  • プロバイダ等の初期費用
  • ドメイン代
  • 商品発送でない宅急便代
  • 商品発送でない郵便

「通信費」以外の勘定科目を使う経費

通信費 勘定科目 荷造運賃
「通信費」以外の勘定科目を使う経費

「通信費」となる経費の具体例について説明しましたが、「通信費」と間違えやすいものも多くあります。

荷造運賃として計上する経費

「荷造運賃」とは商品の発送や返送に関わる費用を計上する勘定科目です。商品を発送する際の梱包材料や配送業者への費用が該当します。「荷造運賃」と「通信費」を混同しやすいのは、商品と直接関係ないものを送る場合です。「荷造運賃」は商品の発送に関わる場合のみ計上されることに注意しましょう。

具体的に「通信費」と間違えやすい「荷造運賃」は以下のような例が挙げられます。

  • 商品を宅配で郵送する際に発生した費用
  • 商品の返品の際に発生した宅配の費用

次に「荷造運賃」と間違えやすい「通信費」の例も挙げてみます。

  • 商品カタログを郵送した際の費用
  • 商品の領収書を郵送する際の費用

「通信費」にするのは、売上と直接関係のない場合に限定されることに注意しましょう。

消耗品費として計上する経費

「消耗品費」についても、「通信費」と混同しやすいものがあります。郵送や連絡に関わる経費でも、用紙などの事務用品は「消耗品費」となります。

具体的に「通信費」と混同しやすい「消耗品費」は以下のようなものがあります。

  • FAXを送信する際の用紙代
  • 封筒代

目的によって異なる勘定科目を用いる経費

経費の使用目的によって計上方法が変化する場合もあります。「荷造運賃」が商品の配送に関わるかどうかで「通信費」と区別するように、使用目的に応じて勘定科目を検討する必要があります。

使用目的を考えて勘定科目を決める必要がある具体例を挙げると以下のようなものがあります。

  • 宣伝目的で使用したテレホンカードは「広告宣伝費」
  • テレホンカードを取引先への贈答品として購入した場合は「接待交際費」

「通信費」に限らず経費の勘定科目を決定する際には、使用目的がどのようなものであるかを意識するようにしましょう。

その他の勘定科目を間違えやすい経費

「通信費」と混同しやすい取引内容を紹介してきましたが、上記以外にも間違えやすい処理があります。以下のようなものがあるので、さらに紹介していきます。

収入印紙

契約書等に貼付する収入印紙ですが、「通信費」ではなく「租税公課」を使用します。郵便局で購入することが多いので、間違われる方が多いです。

祝電、お悔やみなどの電報

祝電やお悔やみなどの電報に関する費用も「通信費」以外の勘定科目を使用します。外部に対して使用する場合は「接待交際費」となります。

電話加入権

電話加入権とは、電話回線を契約するための権利のことです。この権利を取得するために支出する代金は費用勘定の「通信費」ではなく、資産勘定の「電話加入権」を使用します。

仕事とプライベートの両方に係る支出の場合

通信費 勘定科目 按分
仕事とプライベートの両方に係る支出の場合

個人事業主の場合、仕事とプライベートの両方に関わる支出が合算して請求されてしまう場合も多いでしょう。そのようなときには事業に関係する支出のみを経費にすることができます。「家事按分」という方法を用いて事業に用いた支出を算出します。

家事按分とは

「按分」とは特定の数量・単位を基準として比率を算出して、その比率をもとに費用金額を事業用とプライベート用に割り振ることです。具体的には、使用した日数や使用した量などを基準にして事業利用の割合を算出し、算出された金額を経費として計上します。

ただし、白色申告者の場合は、按分したときに事業割合が50%超でないと経費にできないので注意しましょう。

通信費の按分方法

インターネット料金、通話料金は仕事とプライベートの兼用になる場合が多いかと思います。このような費用を按分する基準としては、「使用日数」「使用時間」などがあります。

「使用日数」で按分する場合は、平日は仕事、休日はプライベートで使用すると考えることができます。

  • 事業用比率(%)の計算方法
    (平日の日数)/(その月の日数)×100 

上記のような計算方法で比率を計算できます。業態に合った適切な按分方法を検討してみてください。

この記事を監修した税理士からのコメント

安田亮公認会計士・税理士事務所 - 兵庫県神戸市中央区

自宅で行なっているネットビジネス等では、掛かる経費も少ないので所得が多くなってしまいます。面倒ではありますが、自宅で契約しているインターネットや電話に関する費用も家事按分して、経費に入れることをおススメします。
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通信費の具体的な仕訳例

通信費 勘定科目 仕訳
通信費の具体的な仕訳例

それでは「通信費」が発生する具体的な仕訳例を確認してみましょう。按分の場合は、私用の金額が、「事業主貸」という科目になることに注意しましょう。なお、税込経理方式であることを前提とします。

電話料金が預金口座から引き落とされた場合

まずは、事業用の電話料金が発生した場合について確認してみましょう。

(具体例)

9月に事業で使用した電話料金43,200円(税込)が発生した。普通預金口座から同月末に引き落としがなされた。

借方 貸方
日付 勘定科目 補助科目 金額 勘定科目 補助科目 金額 摘要(具体的な内容)
9/30 通信費 43,200 普通預金 43,200 電話料金

借方に費用勘定の「通信費」を計上して、資産勘定の「普通預金」を貸方に計上します。

切手を現金から購入した場合

次に、連絡目的で切手を現金で購入し、すぐに使用した場合についても確認してみましょう。

(具体例)

9/1に書類の郵送のために切手10,800円(税込)を購入して、現金で支払った。なお、購入した切手はすぐに使用した。

借方 貸方
日付 勘定科目 補助科目 金額 勘定科目 補助科目 金額 摘要(具体的な内容)
9/1 通信費 10,800 現金 10,800 切手代

借方に費用勘定の「通信費」を計上して、貸方に資産勘定の現金を計上します。

インターネットの利用料金を按分した場合

インターネットの利用料金が私的利用と合算されて請求されている場合に按分して計上する方法を確認してみましょう。

(具体例)

9月に使用したインターネット使用料5,400円(税込)が同月末に事業用の預金口座から引き落とされた。ただし、事業利用と私的利用が合算して請求がなされている。事業用比率を70%として按分することとする。

  • 通信費の計算式
    インターネット料金×事業利用の割合= 5,400円×70%=3,780円
借方 貸方
日付 勘定科目 補助科目 金額 勘定科目 補助科目 金額 摘要(具体的な内容)
9/30 通信費 3,780 現金 5,400 事業用インターネット料金
事業主貸 1,620 私用インターネット料金

通信費を正しく経費にして節税しよう

ここまで、「通信費」を正しく計上する方法を紹介してきました。

重要なポイントをまとめると以下のようになります。

  • 「通信費」は事業に用いられる取引先との連絡にかかる費用が計上される
  • 商品の郵送は「荷造運賃」、販売促進物にかかる費用は「広告宣伝費」となるなど、使用目的によって費用の勘定科目が変化するので注意する
  • 青色申告で、「通信費」が事業利用と私的利用が合算されている場合には、「使用日数」や「使用量」などのできるだけ客観的なデータを用いて按分する必要がある

「通信費」を適切に計上することで節税をすることができます。按分などの具体的な方法で迷った場合は、税理士に相談するのもおすすめです。

この記事を監修した税理士からのコメント

安田亮公認会計士・税理士事務所 - 兵庫県神戸市中央区

パソコンとインターネット環境さえあれば手軽に副業やビジネスを始められる時代になっています。ネットビジネスではあまり経費が掛かりませんが、インターネット料金やスマートフォンの利用料は立派な経費です。家事按分した上で経費に入れ、少しでも節税しましょう。ミツモアでは、税理士も多く登録しておりますので、通信費の処理に困った場合などはミツモアを使ってみてはいかがでしょうか。
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この記事を監修した税理士

安田亮公認会計士・税理士事務所 - 兵庫県神戸市中央区

こんにちは、神戸市で会計事務所を開業している安田亮と申します。 私は大手監査法人と東証一部上場企業で働いてきましたが、上場企業の経理部の方でも決算や税務申告が分からない、良い経理人材を確保できない、繁忙期にどうしても人手が足りないなど、様々な悩みを持っておられることに気付きました。 1つの会社の中で縛られることなく、もっと色々な企業様や、これから事業を起こそうとしている個人の方々に私自身の知識・経験を活かして決算・税務申告業務、経営全般のサポートをしていきたいという思いから、31歳になった2018年に神戸市中央区で独立開業しました。 公認会計士・税理士・FPのトリプルライセンスを有しており、実務経験も豊富ですので、実務能力には自信があります。その知識・経験を活かして皆様の経営に貢献していきます!
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