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会社設立時にかかる費用はいくら?最低限必要な費用や維持費を解説

最終更新日: 2024年06月28日

会社の設立には株式会社で約22万~25万円、合同会社で約10万円の費用がかかります。会社設立後も最低でも月1万8,000円程度の出費は、覚悟しておきましょう。会社設立時にかかる費用や、会社設立後にかかるランニングコストの内訳を解説します。

株式会社を設立するときの費用

株式会社とは株式を発行して株主から資金を集め、事業活動を行う会社です。設立すると社会的信用が手に入るため、取引先や就職希望者に対して好印象を与えられます。株式会社を設立する際にかかる費用を確認しましょう。

定款の認証手数料:3~5万円

定款とは会社を設立するときに定める根本的な規則のことで、事業内容・商号・会社の指針などを記載します

株式会社を設立する場合には、定款の認証が必要です。定款の認証とは、定款が確かなものであることを証明してもらう手続きを指します。定款の認証には手数料が必要です。手数料は以下のように、会社設立時の資本金の額によって異なります。

資本金の額 手数料
100万円未満 3万円
100万円以上300万円未満 4万円
300万円以上 5万円

定款に貼る収入印紙代:4万円

会社設立時に定款を作成する際には、定款に収入印紙を貼り付ける必要があります。収入印紙は印紙税を納めるために必要な証票です。

定款に貼付が求められる収入印紙の額は4万円で、定款が電子定款の場合には貼付は必要ありません

謄本の発行手数料:2,000円

定款の認証を行う際には、謄本の発行も必要です。謄本とは原本の文書をそのまま写した文書を指します。

定款の謄本の発行手数料は1枚250円です。定款の謄本は約8枚で構成されているため、合計2,000円の費用が必要とされます

登録免許税:15万円~

登録免許税は登記を行う際に納める税金です。法人登記における登録免許税の税率は、設立する会社の種類で決まります。

株式会社の場合は資本金の額の0.7%です。なお税額が15万円に満たない場合は、負担額が15万円となります

合同会社を設立するときの費用

合同会社とは会社の経営者と出資者が同一の会社のことです。合同会社では出資額にかかわらず、全社員に会社の決定権が与えられます。安価に設立できるのが、合同会社を設立するメリットです。合同会社の設立時にかかる費用について解説します。

定款に貼る収入印紙代:4万円

合同会社を設立する場合には、定款の認証は不要です。定款に収入印紙を貼り付けるだけで問題ありません。

納付額は4万円で、かつ電子定款の場合は不要です

登録免許税:6万円~

合同会社を設立する際にも、登録免許税の納付が必要とされます。合同会社を設立する場合、登録免許税の税率は0.7%です。なお税額が6万円に満たない場合は、負担額が6万円となります。

資本金や謄本作成にも費用がかかる

これまで紹介した費用以外にも、会社設立時にはさまざまな費用がかかります。中にはまとまった金額が必要なものもあるため、しっかり把握して用意しておきましょう。会社設立時にかかる、そのほかの費用を解説します。

資本金は300万~500万円が相場

資本金とは会社設立のために経営者が調達したお金のことです。資本金の額に定めはありませんが、あまりにも低い額はおすすめできません。

会社設立当初は資本金の額で、信用度が決まる場合も多いものです。資本金が低いと不利になる場面に出くわす可能性もあります。事業を円滑に展開できる程度の資本金を用意しましょう。

資本金の目安は会社の運転資金3カ月分で、300万~500万円程度とされています。目安の金額は株式会社でも合同会社でも共通です。

謄本作成:1通600円

会社を設立する際は登記簿謄本(登記事項証明書)の発行も求められます。登記簿謄本の発行手数料は1通600円です

会社の印鑑作成:1,000~2万円程度

会社の設立時には、会社の印鑑も作成しなければなりません。印鑑の購入代金の相場は、1,000~2万円程度です

会社の印鑑を作る際には、法務局での印鑑登録が必要です。代表者本人が登録を行う場合、登録の際に『発行後3カ月以内の個人実印の印鑑登録証明書』が求められるため、会社の印鑑の登録には、個人の実印の登録が前提となります。

個人の実印の印鑑登録にかかる費用は、自治体により無料~300円程度です。印鑑証明の発行には、200~300円程度の費用がかかります。

会社設立後に必ずかかる費用

事業活動を開始すると、必ずかかる費用があります。それが税金と社会保険料です。黒字か赤字かに関係なく負担が発生するため、資金を用意しておく必要があります。会社を作ったら必ず負担する費用を確認しましょう。

税金

会社を設立したらかかる費用の代表が税金です。税金の一例には、以下のようなものがあります。

  • 法人税
  • 法人住民税
  • 固定資産税

会社に対する税金の筆頭が法人税で、会社が得た所得に対して課せられる国税です。普通法人や協同組合などが課税対象で、税率は法人の種類により異なります。

法人税に代表される税金の多くは、事業が赤字の場合は納税額がゼロになります。しかし中には法人住民税のように、最低額(均等割7万円)が設定されている税金もあるため、注意が必要です。

社会保険料

社会保険料も必ずかかる費用として挙げられます。社会保険料とは健康保険・介護保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険の保険料のことです。会社を設立したら社会保険への加入が必須となります。

社会保険料は会社の売上や所得にかかわらず、負担する必要がある費用です。納付額は従業員数や従業員の給与額によって決まります。

社会保険料を抑えるには、社員数の抑制が効果的です。1人企業であれば、社長である自分の分だけの保険料負担で済みます。

設備投資費や維持費も設立後にかかる

オフィス

会社設立後に特定のアクションをすると、支払いが発生する費用もあります。例えば働く環境を整備するための設備投資費や、人を雇った場合にかかる給与や報酬などの維持費です。会社設立後にかかる費用を解説します。

設備投資費は月々数万円~

会社を運営するには、オフィス内の設備が不可欠です。オフィスに求められる設備として、以下のようなものが挙げられます

  • パソコン
  • プリンター
  • コピー用紙

これらの設備を購入する費用として必要なのが、設備投資費です。会社を設立したタイミングでオフィスを構えると、環境整備のためにまとまった設備投資費がかかります。

自宅をオフィスにすれば、個人事業主時代から使っている設備をそのまま使えるため、設備投資費の節約につながるでしょう。

その他の維持費

その他の維持費の代表例が、社員に支払う給与です。1人企業であっても、会社から自分に対して給与を支払う必要があります。

給与は業績が芳しくなくてもかかる費用です。そのため給与額を設定する際には、業界水準や見込まれる売上などを多角的に評価し、慎重に決定する必要があります。

専門家に支払う報酬も、その他の維持費の例です。例えば会社を設立し、会計作業が煩雑になったタイミングで税理士と顧問契約を結べば、月に数万円の顧問報酬がかかります。

費用をしっかり把握して会社を設立しよう

会社を設立する際には、かかる費用をしっかり把握しておくのが大切です。なんとなくで資金を用意して手続きを始めると、大切なときに資金が足らず慌てる事態に陥るかもしれません。

会社設立時と会社設立後にかかる費用を確認し、いざというときに焦ることのないように資金を準備しておきましょう。準備しておけば必要なお金はそれほど高額ではないため、慌てずに手続きを済ませられます。

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