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個人事業主で雇用保険加入が必要になる条件は?手続き方法も徹底解説!

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最終更新日: 2019年02月17日

個人事業主として営んできた事業が軌道に乗ってきたら、従業員を雇用することも検討されることでしょう。そして、人を雇った場合、健康保険などの他、雇用保険(労働保険)への加入が必要になります。従業員が正社員の場合はもちろん、アルバイトであっても雇用保険に加入させなければならないケースがあるのです。本記事では、雇用保険加入が必要になる条件から実際の加入手続きまで詳しく解説していきます。

個人事業主で雇用保険への加入が必要になる条件

個人事業主でも従業員を雇い入れたら、雇用保険に加入しなければなりません。

まずは雇用保険個人事業主が従業員を雇用する際の手続きと税務を徹底解説!の仕組みと、加入が義務付けられる条件について解説していきましょう。

雇用保険の加入手続きを解説します

雇用保険とは

雇用保険とは、労働者の雇用環境を守るための保険になります。失業時に支給される「失業手当」が身近な例ですね。

なお、雇用保険とは「労働保険」の一部です。雇用保険と労災保険を合わせて「労働保険」を構成しています。

雇用保険(労働保険)の加入が義務付けられる2つの要件

雇用保険は加入条件に該当する従業員を1人でも雇い入れたら、個人事業主でも加入しなければなりません。

雇用保険の加入条件は、以下の2つです。

  • 1週間あたりの所定労働時間が20時間以上
  • 31日以上雇用されることが見込まれること

両方に該当する従業員を1人でも雇い入れたら、雇用保険の加入手続きをしなければなりません。

では、加入条件にある「1週間の所定労働時間」とは、どうやって決まるのでしょうか。

「所定労働時間」とは雇用時の契約や就業規則で決めた1日の労働時間です。法定労働時間とされる1日8時間以内で設定することができ、休憩は含みません。

例えば午前9時から午後5時までの勤務で、昼休憩が1時間として雇用契約を結んだ場合、1日の所定労働時間は7時間です。

週5日勤務することが通常であれば、この人の1週間の所定労働時間は7時間×5日=35時間です。

祭日や夏季休暇など特別な休みがあったとしても、あくまで通常の勤務が基準となるため、この場合は週5日勤務で計算します。

続いて「31日以上雇用されることが見込まれること」という条件ですが、これは「31日以上雇わないことが明確である場合」以外の全てが該当するという考え方になります。

正社員のように「雇用期間の定めなし」とするものはこの基準を満たすので注意しましょう。

ちなみに雇用保険は失業手当のイメージが強く、「失業保険」と呼ばれることもありますが、実は雇用を継続するための手当もあります。
例えば育児や介護のため休業した人の手当、高齢者の雇用拡大のための手当です。

従業員の生活を守る大切な保険ですので、絶対に加入条件は守りましょう。

労災保険とは

労災保険とは、「労働者災害補償保険」のことで、雇用保険と同様に労働保険の1つになります。

業務や通勤中の事故などが原因で病気やケガをした場合に、その治療費などを補償する保険です。

労災保険も1人でも従業員を雇い入れたら加入しなければなりません。

また、雇用保険のように労働時間や雇用期間による加入条件がないため、雇用保険の対象外の従業員を雇った場合でも、労災保険の手続きは必要になります。

正社員(フルタイム)を雇用したら雇用保険に加入

雇用保険の加入対象者の代表例は、正社員(フルタイムの従業員)です。

繰り返しとなりますが、雇用保険の加入条件は、

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上
  • 31日以上雇用されることが見込まれること

ですから、正社員であれば通常はこの条件に合致するはずです。

アルバイト(パート)でも加入が必要なケース

アルバイトやパート従業員でも、雇用保険(労働保険)加入条件に該当すれば、雇用保険の加入しなければなりません。

例えば、パート従業員で午前10時から午後4時(休憩1時間)で週5日勤務のパート従業員の場合、1週間の所定労働時間は25時間ですから、31日以上の継続雇用が見込まれる時は、雇用保険の加入対象になります。

雇用保険は、正社員やアルバイトといった雇用形態に左右されるものではなく、あくまで所定労働時間と雇用期間の2つで判断される点に注意が必要です。

日雇い従業員でも加入が必要なケース

日雇い従業員は、雇用期間の基準に該当しないため、雇用保険の対象外になりそうですよね。

ただし日雇い従業員でも、

  • 31日以上継続して日雇いで働いている
  • 2ヶ月続けて18日以上日雇いで働いている

上記の条件両方を満たす場合は、雇用保険の対象になります。

また、これ以外にも日雇い労働者は「日雇労働被保険者」として、特別な雇用保険に加入できる制度もあります。

高齢者も2017年から雇用保険加入の対象に

2017年から65歳以上の従業員も雇用保険の加入対象になりました。

65歳になった後も雇用を継続する従業員の場合はそのまま加入を続けられますし、新たに65歳以上の従業員を雇った場合でも、雇用保険の加入条件を満たせば、雇用保険に新規で加入できます。

雇用保険に加入しなくてよい・できないケース

雇用保険は雇用されている人を保護するための保険ですので、個人事業主(雇い主)や法人の代表取締役、一定の役員は加入することができません。

またこれ以外に、「適用除外者」といってそもそも加入が認められない人がいます。

適用除外者に該当すると、例え2つの加入要件を満たしても、雇用保険には加入できません。

例えば、「季節的な事業の従業」員です。季節的な事業とは、例えばスキー場など、季節的な要因で仕事量に大きな差が生じる事業のことです。

この従業員は、

  • 4か月以内の期間で雇用されている
  • 1週間の所定労働時間が30時間未満

上記のいずれかに該当すると、雇用保険の対象ではなくなります。また、学生も適用除外者に該当します。

従業員も加入を拒否できない

事業主が、雇用保険の対象者がいるのに加入手続きをしないことは認められません。

未加入については罰則もありますし、退職後に失業の手当がもらえないことで退職した従業員とのトラブルに発展する恐れがあります。

逆に、従業員側から「加入したくない」と言われた場合でも加入手続きは強制です。

厚生労働省HPでも、「事業主や従業員の意思に関係なく(中略)届け出なくてはなりません」と明記されています。

制度の趣旨を従業員へきちんと説明して、理解を得ましょう。

雇用保険加入時・従業員退職時の手続き

雇用保険(労働保険)の加入対象者を雇い入れた時・退職した時に、事業主が行う手続きを解説します。雇用保険に加入する=労働保険に加入することになりますので、雇用保険と共に労災保険の加入手続きも必要になります。

雇用保険はハローワークで、労災保険は労働基準監督署でそれぞれ手続きを行いますので、それぞれの手続きや申請書類について解説します。

雇用保険加入・脱退の手続きと提出書類は?
雇用保険加入・脱退時の手続きと提出書類は?

雇用保険の申請時にハローワークで行う手続き

提出する書類は、下記の2つです。

  • 雇用保険適用事業所設置届(事業所の届け出)
  • 雇用保険被保険者資格取得届(従業員の届け出)

初めて雇用保険の対象となる従業員を雇い入れたら、雇用した日から10日以内にハローワークへ「雇用保険適用事業所設置届」を提出します。

添付書類は事前に確認が必要ですが、開業届の控え(税務署に提出したもの)など事業の開始を証明する書類が必要になります。

続いて、従業員の雇用保険の加入手続きを行います。

従業員の加入手続きは、雇用した日の翌月10日までに「雇用保険被保険者資格取得届」を作成し提出すればOKです。

その際、添付書類として以下の書類を用意します。

  • 雇用保険被保険者証(前の勤め先で雇用保険に加入していた場合)
  • 雇用契約書
  • 出勤簿(タイムカード)
  • 労働者名簿
  • 賃金台帳
  • 他の社会保険の資格取得関係書類
  • マイナンバー・本人確認ができる書類

2人目以降は、雇用保険被保険者資格取得届の手続きのみを行います。

雇用保険加入には、労働基準監督署で労災保険の加入手続きも必要

従業員を初めて雇い入れたら、雇用保険とセットで労災保険加入の手続きもする必要があります。

まず、雇用した日から10日以内に労働基準監督署へ「労働保険保険関係成立届」を提出します。

そして雇用した日から50日以内に、

  • 労働基準監督署
  • 都道府県の労働局
  • 日本銀行

のいずれかに「労働保険概算保険料申告書」を提出し、労働保険の概算納付を行わなければなりません。

労働保険の概算納付とは、労働保険独自の納付方法です。

労働保険(雇用保険と労災保険)の保険料の納付方法は、まず1年分(毎年4月1日から翌年3月31日の間)の保険料を概算で前払いし、1年たって確定した保険料との差額を納める方法で行います。

もし初めて従業員を雇い入れた日が10月1日であれば、2018年10月1日から2019年3月31日までの分(以下、2018年度分)の概算保険料を、2018年10月1日から50日以内に「労働保険概算保険料申告書」で申告し、納税します。

その後は、2019年6月1日から7月10日の間に、2018年度分の確定保険料を計算してその差額を調整すると同時に、2019年度分(2019年4月1日から翌年3月31日の分)の概算保険料を算出し、納税します。

この6月1日から7月10日に雇用保険と労災保険の保険料の精算と概算納付を行う作業のことを、「年度更新」といい、労働保険に加入する限り行わなければなりません。

雇用保険料の計算

雇用保険料は、従業員の給与や賞与のそれぞれ総支給額に保険料率をかけて計算します。

保険料率は従業員負担分と事業主負担分に分かれていて、事業主の方が多く負担しなければなりません。

保険料率は、

  • 一般の事業
  • 農林水産、清酒製造の事業
  • 建設の事業

上記3つの事業区分で設定され、年度ごとに厚生労働省から発表されます。

例えば、平成30年度の一般事業の雇用保険料率は、

  • 労働者負担が1,000分の3(0.3%)
  • 事業主負担が1,000分の6(0.6%)

です。もし従業員の給与の総支給額が18万円とすると、1か月あたりの雇用保険料は

従業員負担分 18万円×1,000分の3=540円

事業主負担分 18万円×1,000分の6=1,080円

となります。

計算後は、従業員の給与から540円を預り金として天引きし、事業主分は1,080円を未払費用として会計処理を行います。

そして、年度更新で預り金と未払費用を精算するという流れです。

保険料の徴収を始めるタイミングですが、新しく雇い入れた従業員は、その月の給与(つまり初月給)から天引きを開始します。

健康保険料や厚生年金保険料といった社会保険料と違って、ひと月遅れの控除ではなく「当月分」の天引きですので注意しましょう。

ちなみに、労災保険については事業主が保険料を全額負担するため、労働者の給与から天引きすることはありません。

従業員が退職したら「資格喪失手続き」を

従業員が退職したら、退職日の翌日から10日以内に、ハローワークで資格喪失届けの手続きを行います。

必要な書類は、

  • 雇用保険被保険者資格喪失届
  • 雇用保険被保険者離職証明書

上記2つです。

これに加え、以下の退職前の賃金と退職事実が確認できる書類を添えて提出します。

  • 出勤簿
  • 退職辞令の書類
  • 労働者名簿
  • 賃金台帳
  • 離職理由が確認できる書類

そして、ハローワークから交付される「離職票」という書類を、退職した従業員に送付することで完了します。

ちなみに、退職した従業員がいわゆる失業手当を受けるためには、「離職票」が必要になります。

離職票が届かなければ申請が遅れるので、その分失業手当の支給も遅れてしまいます。

無用なトラブルに発展しないよう、資格喪失手続きと離職票の送付はできるだけ迅速に行うことが大切です。

失業保険給付時は「退職理由」に注意

「雇用保険被保険者資格喪失届」と「雇用保険被保険者離職証明書」には、それぞれ退職理由(喪失理由)を記載する欄があります。

退職理由は、

  • 自己都合の退職
  • 事業主の都合による退職

上記どちらかを選択しなければなりません。

ここでもし、事業主がイメージの低下を恐れて、本当は事業主の都合退職なのに「自己都合」としてしまうとどうなるのでしょうか。

まず、退職した従業員が受け取れる手当の支給日数が減ります(例外もあります)。

そうするとトラブルは避けられません。

また、虚偽の申告をしたことが明るみに出れば、刑事罰を受ける可能性もあります。

退職理由は、ごまかさず正直に申告しましょう。

雇用保険の手続きも税理士に相談できる

雇用保険は、個人事業主の事業成長に欠かせない従業員を守るための、非常に重要な制度です。

煩雑な手続きですが、本記事を参考にしつつ円滑に進めて頂ければ幸いです。また、事業の傍らでさまざまな手続きを進めていくのが大変という方は、税理への依頼を検討されてはいかがでしょうか。

税理士は税務以外にも精通している場合が多く、今後の事業拡大や従業員雇用計画の策定に関するアドバイスをくれるはずです。

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