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【シチュエーション別】個人事業主の住所変更に必要な届け出まとめ

最終更新日: 2022年12月13日

個人事業主は開業届を出すときに、納税地として自宅か事業所(バーチャルオフィス含む)、居所を選択します。そのため、自宅や事業所を引っ越し、住所を変更するときには、納税地について考えなければなりません。そして、納税地が変わる場合には、税務署などの関係各所に届け出て、正しく納税をする必要があります。

ここでは、現在の納税地を起点にシチュエーション別の手続きをわかりやすく解説します。

個人事業主が住所変更をする際に必要な届け出まとめ

個人事業主 住所変更
個人事業主が住所変更をする際に必要な届け出まとめ (画像提供:polkadot_photo/Shutterstock.com)

「個人事業主の住所変更」と一口に言っても、自宅を事務所にしていて両方を引っ越す場合と、どちらかだけを引っ越す場合、別々だった自宅と事務所を移転して統合する場合など、様々なケースがあります。ここでは、シチュエーション別に整理しました。

納税地の住所変更をするか否かで必要な手続きが異なる

個人事業主は開業届で、住所地(自宅)・事業所・居所のうち、1箇所を納税地として記入しています。納税地とは、確定申告書を提出するときの住所で、基本的には、住所地=納税地になりますが、「納税地の特例」を使うと、納税地を事業所の所在地や、居所にすることができます。

居所とは、海外に住んでいる人が国内に滞在するときに主として居る場所のことです。個人事業主が自宅(兼事業所)や事務所を引っ越すときには、納税地が変わるか否かで、税務署や関係各所への届け出るべき内容が違ってきます。まずは、下記の一覧でご自身のパターンを確認してみましょう。

(画像作成:ミツモア)

住民票と個人事業の開業届の手続き

住民票については、現在住んでいる自治体の役所に「転出届」を出し、「転出証明書」を発行してもらいます。それを持って、引越し先の自治体の役所に「転入届」を出しましょう。同じ自治体内で引っ越す場合には、「転居届」となります。

また、個人事業については、現在の納税地を管轄する税務署に、「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出し、住所地(自宅)の変更や事業所の新設を伝えます。期限は、事実のあった日から1ヶ月以内です。

書式は、国税庁HPからダウンロードすることができます。

国税庁 「個人事業の開業・廃業等届出書」

納税地の住所変更方法と、納税地「異動」「変更」の違い

納税地の住所を変更をするときには、開業届と同様に、現在の納税地を管轄する税務署に届けを出します。

納税地の「異動」は、住所地や事業所の住所変更のことで、「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」を使います。また、納税地の「変更」とは、納税地として居所地を指定したり、逆に居所地から変更することをいい、「所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書」を使うのです。

書式は、国税庁HPからダウンロードすることができます。

国税庁 「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」

    「所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書」

納税地の住所変更する時以外に必要な届け出

必要な届出の画像
納税地の住所変更する時以外に必要な届け出

続いて、納税地の変更に伴って必要となる届け出を確認しましょう。条件に該当する場合にのみ必要なものと、条件に関わらず必要なものがあるので、下記を参考にして、忘れずに届け出てください。

振替納税を利用している場合の届け出

(引用:【手書用】預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書)

個人事業主が住所変更をするときに振替納税を利用しているなら、「預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」を提出しなければなりません。提出先は、異動の税務署又は金融機関です。振替納税を行っている場合には忘れずに提出しましょう。

従業員に給与を支払っている場合の届け出

(引用:給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書)

個人事業主が住所変更をするときに従業員に給与を支払っているなら、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」を提出しなければなりません。

提出先は、異動の税務署です。提出期限は1ヵ月以内となっているので、早めに届け出をしてください。

ただし、「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」を提出している場合は提出しなくても問題ありません。

労働保険適用事業の事業主の場合

労働保険適用事業の事業主の場合、労働基準監督署またはハローワークへ「名称、所在地等変更届」を提出します。期限は、変更日から10日以内です。書式は、電子政府の総合窓口HPからダウンロードすることができます。

電子政府HP 「名称、所在地変更届」

都道府県税事務所に提出する届け出

(引用:事業開始等申告書 PDF版-東京都主税局)

個人事業主が住所変更をするときには、「事業開始等申告書」を提出しなければなりません。届け出のダウンロードは、各都道府県の税事務所のホームページから行うことができます。提出先も、各都道府県の税事務所です。これは、個人事業税(地方税)を申告するために必要となります。

所得税の確定申告や住民税の申告を行っている場合には提出の必要はありません。

社会保険の住所変更に必要な届け出

(引用:ファイルダウンロード 新規ウインドウで開きます。健康保険・厚生年金保険 事業所関係変更(訂正)届)

個人事業主が住所変更をするときには、社会保険の住所変更のために届け出を提出しなければなりません。

これら2つを、日本年金機構に提出します。

また、国民年金基金の地域型に加入していて、都道府県外に引っ越した場合には加入資格を喪失します。その場合、引っ越し先の国民年金基金の地域型に加入しなければなりません。

納税地の住所変更以外に必要な届け出一覧

(画像作成:ミツモア)

個人事業主の引っ越しにかかる費用は経費にできる?

個人事業主 住所変更
個人事業主の引っ越しにかかる費用は経費にできる?

最後に、引越しの費用について触れておきます。原則として、事業に使っている部分の引越しにかかる費用は経費として計上することができます。個人事業主の場合には、自宅兼事務所としている方も多いので、分け方を把握しておきましょう。

自宅を引っ越す場合

自宅だけを引っ越す場合は、全て個人で負担します。但し、自宅兼事務所にしている場合や、引越しをすることで別々だった自宅と事務所を1箇所にまとめる場合は、事務所の分については費用として計上することができます。

そのとき、費用負担の割合は、使用している面積の比率など合理的な割合で按分しましょう。

事務所を引っ越す場合

事業所を引っ越す場合には、全て費用として計上することができます。但し、何に適用するかや金額によって、経費ではなく資産として計上します。

引越し費用の勘定科目

主なものを下記の表にまとめました。それぞれの金額を按分して、個人で負担するものは事業主貸として帳簿に記入します。

(画像作成:ミツモア)

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