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推計課税はなぜ適用される?対策法を徹底解説!

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最終更新日: 2019年08月21日

推計課税とは、税務調査の際に、税金の額を推定して決定する方法のことです。提出された帳簿が不正確であったり、税務調査に非協力的な納税者に対して税務署は推計課税の制度を使って、課税額を決定することができます。

実所得より高く所得を推定され、課税額が高くなることの多い推計課税は、どのように試算されるのでしょうか。制度の概要から適用を防ぐために注意すべき点まで、余すことなくご紹介します。

推計課税とはどんな制度?試算方法を解説

所得税の推計課税は個人でも適用されることがあります
所得税の推計課税は個人でも適用されることがあります

提出された確定申告の書類について税務署が疑問を持った際に行われる税務調査。
そして調査時に帳簿の不備や不足があると、「推計課税」という方法で税率が試算されることがあります。推計課税とはどんな試算方法なのでしょうか?制度概要と試算方法を解説します。

推計課税とは?

「推計課税」とは、文字通り推計で所得税を課税する制度です。

推計課税について理解するには、まず対極である「実額課税」の概念から理解する必要があるでしょう。

所得を計算する際は、収入や経費などの支出を記載した帳簿や帳票を確認することで、実際にどのくらいの収入があり、それに対し適切に支出されているかを計算します。
そして計算後に帳簿や帳簿資料などを添えて確定申告することで所得が確定し、課税額が決まります。これが「実額課税」です。
申告後に帳簿や書類に誤りが指摘されたら、帳簿の修正や必要な帳簿書類を添えて修正申告をすることで、税額修正などの対応を行います。

しかし、誤りや疑問を指摘された際に必要と思われる経費が帳簿にない、またはあるはずの売り上げが記載されていない、といった事実が発覚したり、帳簿の記載内容に疑いが出たりした場合には、帳簿の内容を確認するための税務調査が入ります。
そして帳簿の内容を裏付ける領収書や請求書などがない場合には、「近隣の同規模同業者の差益率(売上に対する粗利益の割合)」・「売上や仕入れ・経費の単価」・「資産や負債の増減状況」・「水道やガスの使用量」などから推計した収入や経費を根拠として課税する方法がとられます。

これが「推計課税」です。

推計課税の試算方法は?

推計課税の方法は以下の4つがあります。

  • 比率法
  • 効率法
  • 消費高法
  • 純資産増減法

このうち、比率法と効率法が主に適用されます。

・比率法
同業者比率法とも呼ばれる算出方法です。立地条件や事業規模などが似ている同業者の申告内容を基に、売り上げや経費支出を算定します。

・効率法
売り上げや経費について、単価を基に計算し、所得を推計します。推計された利益から、人件費や光熱費などの固定経費を引いて、最終的な所得を試算します。

例えば、以下のケースを想定します。

  • 1人あたりの単価 1,000円
  • 1人あたりの必要経費 300円
  • 1日の客数 100人

この場合、所得の試算額は以下の通りです。

  • 1日の総売上の推計額=100,000円
  • 1日の総経費    =30,000円
  • 1日の利益     =70,000円

・消費高法
「消費した支出額の分は所得がある」という考え方に基づく推計方法です。毎日の消費支出がどのくらいかを計算し、その金額を基に所得を推計します。

・純資産増減法
前年より増加した純資産額が所得に近いという考え方による推計方法です。その年の純資産の増加額から、所得を推計します。

推計課税のデメリット

推計課税のデメリットは主に以下の2つが挙げられます。

  • 実際の所得より高い所得額に推計されてしまう
  • 消費税の仕入税額控除を受けられなくなる

同業他社の状況や売上単価などから試算された所得は実際より高くなることも多く、所得および課税額も高くなってしまいます。

例えば、「実際の売り上げは800万円なのに、推計で1000万円にされる」ことや、「実際は赤字なのに、領収書の不備などで経費が認められず、黒字扱いになってしまう」などの場合があります。本来払うべき税金よりも重たい税金に悩まされてしまうので、大きなデメリットであると言えるでしょう。

また、仕入れのために支払った消費税額を差し引くことができる「消費税の仕入税額控除」も受けられなくなります。この控除を受けられないと、税負担が大きく増えてしまうためデメリットになります。

そして税務署による税務調査は法人だけでなく、個人も対象になります。そのため、個人であっても推計課税が適用される可能性があり、税務調査にしっかり対応できないと、過剰な追徴課税が請求される可能性があるのです。

推計課税はどのようなときに適用される?

推計課税は帳簿がない、不備がある際に適用されます
推計課税は帳簿がない、不備がある際に適用されます

推計課税による所得税の試算は、税務調査に入られたすべての事業者で適用されるわけではありません。裏付けとなる帳簿書類があれば、実額計算が行われます。では、どんな場合に推計課税が適用されるのでしょうか。

推計課税を適用するための三要件

そもそも推計課税は誰にでも適用して良いということはなく、推計課税が適用されるためには要件があり、基本の要件は以下の三つです。

  • 国内の納税者であること
  • 納税額を更生する場合であること
  • 青色申告者ではないこと

この三要件を満たしている納税者の中で、推計課税が適用される場合についてご説明します。

帳簿書類がない場合

推計課税が適用される場合で最も多いのは、所得税申告の際の帳簿に不備があり、それを裏付ける帳簿書類がない場合です。

税務調査の際は、帳簿に記載された収入や経費の裏付けとなる帳簿書類の提出が求められます。この際、「提出された帳簿書類が信用できない」「そもそも帳簿書類がない」というときに、推計課税が適用されます。

税務調査を拒否した場合

税務調査には「任意調査」と「強制調査」があります。よく、映画やドラマ、ニュースなどで見るのは強制調査です。脱税額が大きい納税者を対象に国税局査察部(通称マルサ)が行います。

資本金1億円未満の法人や個人事業者には任意調査が入ります。税務署の調査員が、申告内容に間違いはないかを確認する調査です。
任意調査の場合は事前に税務署から連絡があり、調査日程の調整などが行われます。このときに調査を拒否した場合には実額課税ができないとみなされ、推計課税が適用されることがあります。

また、税務調査を受け入れた場合であっても、提出を求められた帳簿や書類を出さないなど、調査に非協力的であるとみなされれば、推計課税が適用される可能性が高くなります。

青色申告者には原則として適用されないけれど・・・

先述した推計課税の適用要件にもあるように、青色申告をしている法人や個人事業者は、税務調査が入ったとしても推計課税が適用されることは原則ありません。

しかし、条件によっては青色申告を取り消して、推計課税が適用される場合があります。青色申告の取り消し条件は以下の5つです。

  1. 青色申告の必要要件となっている帳簿書類を提示しない
  2. 帳簿書類の備付・記録・保存が財務省令で規定された内容にのっとっていない、あるいは税務署長からの改正指示を無視した
  3. 所得金額や欠損金額を隠ぺい、仮装した
  4. 無申告または、期限後申告が2事業年度連続した
  5. 取り消しが相当であると判断された場合

青色申告の取り消しは、最大で7年間さかのぼります。もしも過去にさかのぼって青色申告が取り消された場合、過去に申告した分の青色申告の特典がなかったことになり、その分が追徴課税されることもあります。

さらに万が一、青色申告が取り消された場合は、1年間は再申請しても承認されにくいので注意しておきましょう。

推計課税の対象となるのを防ぐには?

推計課税を防ぐには、日々の帳簿作成・保存が重要
推計課税を防ぐには、日々の帳簿作成・保存が重要

多額の税金が課せられ、その後の確定申告にも影響を及ぼしかねない推計課税。税務調査が入ったとしても推計課税の対象にならないために、注意すべきポイントを解説します。

帳簿を保管すること

推計課税は「帳簿が確認できない」「帳簿が信頼できない」ということが適用される最大の理由です。そのため、帳簿を適切につけることや帳簿書類をすべて保管することが最も重要なポイントです。
いつ、どんな売り上げがあったのか、どんな経費が発生したのか、請求書や領収書でも確認できるよう、証拠書類を保存しておきましょう。

個人事業者や現金取引が多い業種であれば、現金の手渡しのみで、領収書なしに取引する場合も多いかもしれません。しかし、一度疑われてしまうと、過去にさかのぼって調査されることもあります。領収書や請求書が手元にない場合は、取引先への反面調査も行われます。その場合、その後の取引に影響を与えてしまうこともあるのです。

帳簿をきちんとつけて、書類を保管しておくことは、推計課税を防ぐだけでなく、その後、取引先と円滑に仕事を続けていくためにも、大切なポイントです。

日々の業務で帳簿の作成の時間がとりにくい場合は、売り上げや経費を入力するだけで帳簿にしてくれる会計ソフトを利用してもよいでしょう。また、個人事業主向けの簿記セミナーを受講したり、税務署などで開かれる税理士や会計士への相談会を利用して、わからない点を相談してみるのもおすすめです。

赤字でも帳簿をつけて証明できるようにしておく

以下の4パターンでは確定申告が不要とされています。

  • 事業などにおける所得が38万円以下の場合
  • 副収入が20万円未満の場合
  • 会社で年末調整を受けている場合
  • 公的年金が400万円以下で源泉徴収を受けている場合

赤字の場合は「事業などにおける所得が38万円以下の場合」になるので、確定申告は不要です。

しかし、税務調査は赤字であろうとやってきます。そして調査時に赤字であることが証明できなかったら、推計課税により売上や経費が推計され、本来払う必要のなかった多額の税金が課せられることも考えられます。

ですので、たとえ事業が赤字であってもきちんと帳簿をつけて税務調査で証明できるようにしておくことが重要です。

無申告は絶対にやってはいけない

確定申告が必要なのに申告しない(無申告)場合や申告期限後に申告した場合は、ペナルティが課されます。これらのペナルティには罰金や最悪の場合は刑事罰があります。

無申告が発覚した後に推計課税され、重加算税が加算されたとなると、ただの申告ミス等と比べて納税金額が大きくなってしまうので、無申告は絶対にやめましょう。

推計課税となっても再調査の請求や審査請求できる

税務調査を受けた場合、指摘されても見つけられない領収書などが出てくることもあります。その結果、推計課税が適用されて過大な所得税額が決定してしまったら、観念するしかないのでしょうか。

あきらめるのはまだ早いです。推計課税適用後の結果に納得がいかない場合や青色申告が取り消された場合、「再調査請求」や「審査請求」をして、処分の取り消しや変更を求めることができるのです。

 請求先請求期限
再調査請求税務署長または国税局長処分通知を受けた翌日から3か月以内
審査請求国税不服審判所長再調査請求をした場合は1ヶ月以内
審査請求を直接する場合は3ヶ月以内

審査請求は、再調査後の決定にも不服がある場合に行うものですが、再調査請求を経ずに行うことも可能です。
いずれの場合も、推計課税により決定された所得額と実際の所得額が異なることを、自分で証明しなければなりません。
領収書の再発行や取引先への書類作成依頼など、裏付けとなるさまざまな書類を集め、決定と事実が異なることを合理的に証明します。
どのような資料を提示すればよいかは、専門的な知識が必要です。税理士などに相談して対応するとよいでしょう。

推計課税や税務調査に関する相談は税理士に!

日頃のちょっとした油断や甘えがまねく、税務調査での推計課税。不服申立ができるとはいえ、その対応には、日頃の帳簿作成以上に手間がかかってしまいます。税の負担が重くなり、余計な時間を使わなければならなくなる前に、日々の帳簿作成や書類保管などの準備をしておきましょう。

とはいえ、日常の業務が忙しくて帳簿付けもままならない方もいらっしゃるのでは。そんな方には、税理士への相談をおすすめします。

税理士なら帳簿付けも依頼して推計課税を防げる

税理士に日頃の帳簿付けまで依頼すれば、税務調査時に推計課税とされる確率は大きく下がることでしょう。また、税務調査の対応も、税金のプロである税理士におまかせすれば安心です。

自分では答えられない質問にも、最新の税務知識を用いて理路整然と回答してくれることでしょう。

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