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畳の表替え・裏返し・新調の違いは?行うタイミングや依頼したときの相場紹介

最終更新日: 2024年06月28日

年月とともに傷みが出てきた畳は、きれいにお手入れしてお客様をお迎えしたいですよね。

そのためには、畳の使用年数や状態に合わせたメンテナンスを適切に行うことが大切です。

この記事では、「裏返し」「表替え」「新調」という3種類の畳の張り替え方法やそれぞれにかかる費用相場、張り替えのタイミングを詳しくお伝えします。

畳のお手入れ方法は「表替え」「裏返し」「新調」の3種類

畳の張り替え方法には、「裏返し」「表替え」「新調」の3つの方法があります。

丸ごと入れ替える「新調」をする前に、「裏返し」「表替え」で部分的に交換すると、畳を長持ちさせることができます。

まず、畳の基本的な構造や、3つの手法の大まかな違いをお伝えします。

畳の構造

畳の構造の図解

畳は「畳表(たたみおもて)」「畳床(たたみどこ)」「畳縁(たたみべり)」の3つのパーツからできています。

【畳表(たたみおもて)】

表面のゴザ部分が「畳表」で、い草の茎を麻糸や綿糸で織ったものです。安価で耐久性のある樹脂や和紙が使われることもあります。

畳表はもっとも傷みやすい部分で、年月とともに若草色から褐色に変化し、清々しい香りもなくなります。

【畳床(たたみどこ)】

「畳床」は、畳表を貼る土台のことです。

昔はわらを圧縮して縫い上げて作られていましたが、今では高級品。現在は、ポリスチレンフォームをボード2枚ではさんだ畳床が主流です。

長く使って畳床がへたってくると、踏み心地が悪くなります。

【畳縁(たたみべり)】

畳の側面に縫い付けた布生地を「畳縁」と呼びます。

本来の役割は畳の縁を保護することですが、さまざまな色や模様があるので、デザイン性も楽しめます。

張り替える時にこれまでとは違う色や柄を選ぶと、お部屋の印象も大きく変わります。

3種類の費用相場・所要時間・時期を比較

3種類ある貼り替え方法の違いは、「畳のどの部分を交換するか」という点です。

それによって「費用」や、張り替えができる「時期」が変わってきます。

詳しい方法を知る前に、どれくらい違うのか比較してみましょう。

方法 費用相場(1枚あたり) 所要時間 時期
裏返し 3,000円〜6,000円 1日 2〜3年
表替え 4,000円〜20,000円 1日 5〜10年
(裏返し後3〜5年)
新調 7,500円〜30,000円 1日〜1週間 10〜20年

「裏返し」と「新調」では、費用がかなり違いますね。

畳を使い始めて数年なら、新調するより裏返しを選んだ方が負担を少なくできることがわかります。

大まかな違いがわかったところで、それぞれの貼り替え方法について詳しく見てみましょう。

以下の関連記事では、畳の張り替えにかかる費用相場をより詳しく紹介しています。張り替え業者の選び方についても解説しているのでぜひ参考にしてみてください。

関連記事:畳の張り替え費用相場と目安時期を解説!自分でもできる?|ミツモア

畳表をひっくり返す「裏返し」

畳の裏返し

傷んだ畳表をはずしてひっくり返し、きれいな面を表に出して貼り直すのが「裏返し」です。

新しい部材を使わず再利用するものの、新品同様の見た目に直せる方法です。

畳表は若草色になり、い草の清々しい香りも復活します。

タイミング
  • 新品設置から2〜3年後
  • 表面の傷やささくれが気になる
  • 色あせしてきた
費用相場 1畳あたり3,000円〜6,000円
所要時間 1日

よく畳本体を裏返す方法と誤解されますが、リバーシブル仕様になっている畳表だけを裏返す方法です。

裏返しを行うタイミングの目安

裏返しを行うタイミングは、新しい畳を使い始めてから「2〜3年後」が目安です。

また年数に関わらず、表面の傷やささくれが目立つ、黄色っぽくなってきた時も、裏返しを検討した方がよいでしょう。

意外と早いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし5年を過ぎると、畳表の裏面まで日焼けしたり傷んだりして、裏返しができないことがあります。

「裏返し」は1回しかできないので、傷む前に早めに「裏返し」をしておくのが、畳を長持ちさせるポイントです。

裏返しの方法

裏返しの作業はシンプルで、次の3ステップで完了します。

1.畳を床からはずす

2.畳縁をほどいて、畳表をはずす

3.畳表を裏返し、畳縁を縫い付けて完成

作業は、畳屋さんの作業場で行うことが多いです。

朝、業者さんが畳を引き取りに来てくれて、夕方には元通りに設置してくれるので1日あれば終わります。

一度畳を持ち帰るので、運搬費がかかる場合もあります。

見積もり時に、合わせて相談しておきましょう。

畳表を交換する「表替え」

畳の表替え

表替えは、畳床はそのままに、畳表と畳縁を新しいものに交換する方法です。

新品同様の見た目に生まれ変わり、い草の香りも楽しめます。色や柄の違う畳縁を選べば、お部屋の印象もガラリと変わるでしょう。

タイミング
  • 新品設置から5〜10年後
  • 裏返しをしてから3〜5年後
  • 表面に傷やささくれがある
  • 裏返しができないほど畳表が傷んだり、擦り切れたりしている
費用相場 1畳あたり4,000円〜20,000円
所要時間 1日

畳床は交換しないので、踏み心地は変わりません。もし畳の凹みやヘタリが気になる場合は、表替えはできず「新調」を選ぶことになります。

表替えを行うタイミングの目安

表替えを行うタイミングは、新しい畳を使い始めてから「5〜10年後」、裏返しをしていれば裏返してから「3〜5年後」が目安です。

また、畳の表面にすり切れや毛羽立ちが出てきた、畳表の裏面も劣化していて裏返しができない場合も、年数を待たずに表替えを検討した方がいいでしょう。

表替えは、畳床が傷んでいなければ何度でも可能です。適切なタイミングで表替えを繰り返せば、長持ちさせることができます。

表替えの方法

表替えは1日で作業が完了します。畳表と畳縁を新品に交換するため、裏返しよりは時間が掛かります。作業の流れは以下の通りです。

  1. 畳を剥がす
  2. 畳を作業するところに運ぶ
  3. 畳表と畳縁を新品に交換
  4. 畳を家に運ぶ
  5. 変えた畳を貼り直す

表替えができるかどうか確認する方法

表替えは何度でもできますが、畳床が傷んでいては表替えをすることができません。

表替えできるかどうか判断する目安の1つは畳の使用年数ですが、部屋の環境や使い方で傷み方も違ってきます。そのため、使用年数だけでなく畳の状態からも劣化状況を確認することが大切です。

まだ表替えができるかどうか確認するには、次の項目に当てはまるかどうかをチェックしてみましょう。

  • 畳を踏んだ時に、ふかふかと柔らかいところがある
  • 畳が凹んでいる部分がある
  • 畳の厚みが、敷居から5mm以上低くなっている
  • 畳と畳の間に、すき間ができている
  • 畳の芯が腐っている
  • 畳の裏にシロアリが出ている

畳の上を歩いたり畳をはずして裏側を見たりして、よく確認してみましょう。

もしひとつでも当てはまる項目があれば、もう畳床の寿命がきています。こうなると、表替えはできず、新調するしかありません。

畳表の素材によって価格が変わる

畳表と畳縁を張り替える表替え、「化学繊維か植物素材か」「国内産素材か海外産素材か」など、素材の品質とランクによって価格が変わります。

価格の相場は業者やメーカーによっても違いますが、1畳あたり1,000円程度予算を増額することで畳表と畳縁を上のランクの素材を利用できることもあるようです。例えば畳表の素材を、イグサの代わりに和紙を使うなどしてアップグレードさせるなど。

高級感をもたせたり、デザインをこだわったりしたいという人は、そういったオプションも活用し、自分のこだわりを反映したオリジナルの畳を取り入れてみることをおすすめします。

畳本体をすべて新しくする「新調」

畳の新調

「新調」は、畳表、畳縁、畳床の全てを丸ごと新しいものに入れ替える方法です。

見た目はもちろん、歩いた時の踏み心地も一新。新築の住まいのような、さわやかなイグサの香りも感じられます。

その分費用はかかりますので、裏返しや表替えでは対応できない場合におすすめしたい方法です。

タイミング
  • 新品設置から10〜20年後
  • 畳に凹みがある、踏み心地が悪い
  • 畳がカビやシロアリで傷んでいる
費用相場 1畳あたり7,500円〜30,000円
所要時間 1日〜1週間

畳を新調する時は、元の畳を採寸し同じ大きさの畳を作ってもらいます。採寸から搬入までは1週間程度かかりますが、入れ替えの作業自体は1日あれば完了します。

新調を行うタイミングの目安

畳を新調するタイミングは、新しいものを使い始めてから「10年〜20年」が目安です。

ただし、部屋の環境や畳のグレードによって交換時期が早くなることもあります。

家具を置いた凹みが目立つ、歩くとふわふわするなど、見た目や踏み心地に違和感がある場合や、カビやシロアリなどで畳自体が傷んでいる場合は、時期に関わらず新調することをおすすめします。

新調の方法

新調するときの作業の流れは以下の通りです。

  1. 古い畳の寸法を測り、サイズの合う新しい畳を用意する
  2. 古い畳をはがして運び出す
  3. 新しい畳を搬入し、設置する

新しい畳の選び方

畳はリーズナブルなものから伝統的な素材を使った高級なものまで、幅広い選択肢があります。

高級品と言われる畳は、イグサの代わりに和紙を使った和紙畳や、七島イグサという琉球で栽培されているイグサを使用した琉球畳などの特殊な畳が挙げられます。また他にもすべて職人の手作業で作られたものなど、模倣することが難しいものは高い場合が多いです。

せっかくだから品質が高い畳や、丈夫な畳に張り替えたいなど畳に変更を検討している方は以下の記事で賢い選び方など紹介しているため、参考にしてみましょう。

関連記事:畳の種類と賢い選び方!品質の高い畳を見抜くためのポイント|ミツモア

畳を長持ちさせる普段のメンテナンス方法

光が差す畳

畳は基本的に10年、20年使用できると言われていますが、日頃の手入れやちょっとした工夫することでより長く使用することができます。ここでは、より長く使えるため日頃できる畳のお手入れやポイントについて説明していきます。

乾拭きで拭き、掃除機で掃除

畳と掃除機

週に1回は、乾拭きなどでほこりやゴミを取り除き、綺麗な状態を保ちましょう。

畳は湿気に弱いので、濡れた雑巾での掃除は避けるのが鉄則。濡れた雑巾で畳を拭くと、光沢がなくなったり、黒ずんだりするので、乾いた雑巾での拭き掃除が基本です。このとき、畳の目に沿って同じ箇所を2、3回拭いて汚れを取り除きます。また掃除機をかけてもオッケーで、その際は畳の目に沿ってゆっくりとかけましょう。

もし気になる汚れがある場合は、雑巾を濡らして水気をなるべく無くすために固く絞りましょう。それでも取れない汚れは、水500mlに対してお酢大さじ1杯混ぜた液体に雑巾を入れて固く絞って掃除すると効果的に落とすことができます。

この方法で掃除する際は、カーテンや障子などで部屋に日光が入らないようにしましょう。直接日光があたるとお酢の酸化を進めて変色を招くことがあります。

畳をしっかり手入れして掃除したいという方は、以下の記事でより詳しく説明しているのでぜひ参考までに。

関連記事:畳掃除の3つの心得|正しい掃除方法で傷めずきれいに|ミツモア

カビ・ダニ予防のためにできること

畳と換気

換気は畳にカビ・ダニが生えない対策としてとても有効です。カビ・ダニが繁殖してしまうと、最悪新調する必要があるため、普段から予防対策をしておきましょう。以下のような手段でカビ・ダニ予防ができます。

  • カーペットや絨毯を敷かない
  • 水槽や観葉植物を置かない
  • 洗濯物の室内星を行わない
  • 畳の張り替え時に乾燥材を敷く
  • 換気をして畳に風を通す

カーペットや絨毯が敷いてあると、畳の表面から湿気を逃がすことができず、湿度調整ができなくなります。カビやダニは湿気のある環境を好むため、カーペットや絨毯を敷くことで繁殖させてしまうため敷かないようにしましょう。

また水槽や観葉植物、洗濯物を畳のある部屋に置くことで部屋自体の湿気が増えてしまいます。湿気がないようにしっかりと対策しましょう。

畳の張り替えを行うときに、乾燥材を敷いておくといいですね。湿気を吸収し、カビやダニの繁殖を抑えることができるでしょう。

また換気を行うことで、部屋にこもった湿気を除湿することができます。6〜8畳の部屋であれば5〜10分の換気で十分です。畳の片面を持ち上げて、空のペットボトルなどを挟んでおけば、床との隙間にも風を通すことができます。

畳に虫がわいたときの駆除・張り替え方法は?

真新しい畳の和室

畳の部屋にいるとなんだかかゆい、すき間から虫がわいている……そんなときはどうすれば良いのでしょうか。

畳に着く害虫には、ダニやチャタテムシ、シロアリなどがいます。

駆除の方法や虫がわいてしまった畳のメンテナンスについて把握しておきましょう。

畳にわいた虫の駆除方法

畳に虫がわいてしまう原因の1つは、エサとなるカビやホコリがたまっていることです。

まずは、上記でご紹介したメンテナンス方法を参考にしっかり掃除をしてみましょう。虫が寄ってきた段階なら、大量発生を防ぐことができます。

もし、掃除してもまだ虫が目につくようなら、殺虫剤やくん煙剤を使って駆除しましょう。

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薬剤を使用したくない場合は、畳屋さんに相談して「畳用熱風乾燥機」の使用も検討します。高温・乾燥処理で駆除できる機械で、一部の畳屋さんで導入しています。

虫がわいてしまったら「新調」がおすすめ

すでに虫が大量発生していると、紹介した方法では駆除しきれないこともあります。虫が畳床まで広がって棲みついてしまっている可能性があるからです。

ある程度年数が経った畳なら、「新調」してしまうのが一番おすすめの方法です。

古い畳を処分する時に、床の消毒もしておくと良いでしょう。

「裏返し」や「表替え」ができない畳もある

琉球畳

畳の種類は多様化しており、モダンな縁なし畳や、バリアフリー仕様のマンションでも使える薄い畳も増えています。

このような畳の中には「裏返し」や「表替え」ができないものがあります。

手入れして長く使おうとしていたのに、張り替えできない畳を選んでしまっては残念ですから、新しく畳を入れる際は慎重に選びましょう。

近年増えている「薄畳」は畳表を張り替えられないことも

「薄畳」とは、従来の畳の半分から1/3くらいの厚みの畳のことです。

フローリングの部屋で使う半畳サイズの「置き畳」や、段差のないバリアフリー仕様のマンションに敷かれる「薄畳」などで使われています。

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 薄畳を採用する場合に知っておきたいのは、「裏返し」や「表替え」ができないケースがあることです。

例えば、琉球畳のような畳縁のない畳は、初めから縁が折り込まれているため「裏返し」ができません。

また、畳表をはずせる構造になっていても、いざ張り替えようとしたら対応できないと断れてしまう場合があります。

畳床が薄く、湿気や日差しの影響で反ったり、踏まれてフニャフニャになってしまったりするからです。

さらに中には、もともと畳表がはずせない作りになっているものもあります。

通常の畳と同じように、お手入れしながら長く使うことは難しいと考えた方がいいかもしれません。

賃貸の畳は張り替え・交換できる?費用負担は?

畳の目

賃貸物件の畳の傷みが気になる場合、張り替えや交換できれいにすることは可能です。

ただし、賃貸物件の設備は畳も含めて大家さんや管理会社の持ち物ですので、勝手に交換することはできません。

大家さんや管理会社に頼んで交換してもらうか、許可を得て入居者の負担で交換することになります。

気になるのは、その費用を大家さんと入居者のどちらが負担するのかと言うことですよね。

張り替えたい理由によって誰が費用を払うか決まる

賃貸物件では、誰が畳の張り替え費用を負担するのかは、張り替える理由によって変わります。

国土交通省のガイドラインによると、入居中に「もっと快適にしたい」「見た目をよくしたい」という入居者の都合で畳の張り替えを希望する場合は、入居者が費用を負担することになります。

例えば、模様替えをしたら家具を置いていた部分だけ色が違って気になる、畳の繊維が服に付くのがイヤといった事情です。

また、子供が落書きして汚れてしまった、タバコを落として焦げてしまったなど、過失による破損が理由の場合も入居者の負担で張り替えます。

貸主である大家さんや管理会社が負担するのは、次の入居者募集のための張り替えや交換を行う場合です。

ただし、入居期間が長くなり経年劣化による傷みが気になる場合は、大家さんに相談してみましょう。通常使用による劣化なら、貸主負担で修繕してもらえることがあります。

参考:原状回復をめぐるトラブルとガイドライン|国土交通省

勝手に張り替えるとトラブルの原因に

入居者が費用を負担する場合も、必ず大家さんや管理会社に相談し、許可を得てからにしましょう。

賃貸借契約書では、入居者による修繕を禁止したり、報告を義務付けたりしていることもよくあります。勝手に作業を進めてしまうと、トラブルの原因になることもあるので気をつけたいですね。

管理会社によっては、指定の畳屋さんやリフォーム会社を紹介してくれたり、金額の目安を教えてくれたりすることもあります。

事前に相談しておけば、安心ですね。

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畳の張り替え方法は、購入・張り替えを行ってからどの程度の期間が経過したかによっても変化します。最も見るべきポイントは、期間ではなく現在の畳の状態です。

畳床が傷んでいる場合には新調しなければなりませんし、畳表が傷んでいるだけであれば、裏返しで済むこともあります。

素人目にはなかなか見極められない部分でもあるので、一度業者に相談して張り替え方法を提案してもらいましょう。 

ミツモアでは豊富な経験と知識を持ったプロに畳張り替えの見積もりの依頼ができます。まずはプロに相談をしてみてはいかがでしょうか?

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