畳にはいくつかの種類が存在しますが、それぞれ大きさが違うことを知っている人は少ないでしょう。
購入後に大きさの違いに気づいて、買い直しになるケースも珍しくありません。畳の種類とサイズの違い、表記に関する注意点などについて解説します。
以下の関連記事では畳の張り替えにかかる費用相場を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
畳のサイズに違いがあるのはなぜ?
畳の種類によってサイズが違うのはなぜなのでしょうか。はじめに、畳のサイズについて詳しく解説していきます。
時代によって大きさが異なっていた
畳のサイズを表す単位は「間(けん)」です。この単位の長さが時代によって変化してきたため、サイズの違いが生まれたといわれています。
特に変化が多かったのは戦国時代で、織田信長が統治する時代には6尺5寸とされていました。豊臣秀吉の時代には6尺3寸、徳川家康の時代(江戸時代初期)に入ると6尺と徐々に小さくなり、畳の大きさもそれに応じて小さくなっていったとされています。
また、時代の流れや地域によって「家の建て方」が変化してきたため、それに合わせて畳のサイズが変化したという説もあるようです。
畳の種類とサイズ
ここからは、4種類の畳とそれぞれのサイズについて解説していきます。
江戸間・関東間
江戸間はその名の通り、江戸時代に普及し始めた畳です。関東間や田舎間とも呼ばれ、「畳のサイズが5尺8寸あるから」という理由で五八間と呼ぶこともあります。
この畳のサイズが普及した背景には、江戸時代から建物の建築方法が「畳割り」から「柱割り」に変わったことが大きく関わっています。
江戸時代には日本の人口が大きく増加し、効率的な建築が求められるようになりました。そこで建物の骨組みを先に作って、後から内装を作っていく「柱割り」という手法が生まれ、畳のサイズもその手法に適した大きさになったのです。
江戸間は縦 176.0cm横 87.8cmの大きさで、平米数に換算すると6畳で9.2716㎡、8畳だと12.36224㎡になります。
京間・本間
京間と呼ばれる畳は、関西地方から九州地方まで広く普及している畳です。関西間・本間と呼ばれたり、大きさが6尺3寸あることから「六三間」と呼ばれたりすることもあります。
茶室や書院など、広々とした空間が好まれていた関西圏では、建築方法として「畳割り」が採用されていました。「桃山時代」から建築方法が変わらず残っているため、現在でも使用されることがある畳のようです。
京間は縦 191.0cm横 95.5cmの大きさで、平米数に換算すると6畳で10.9443㎡、8畳だと14.516㎡になります。
中京間・三六間
中京間は愛知県・岐阜県・三重県などで使われている畳です。縦6尺・横3尺の大きさを取るため三六間と呼ばれることもあります。
江戸間が普及した後に考案され、主に中京地域で普及してきましたが、現在では関西圏や九州地方で利用されることも増えてきています。関西圏や九州地方への引っ越しを検討する際には、一度確認しておいてもよいかもしれません。
中京間は縦 182.0cm横 91.0cmの大きさで、平米数に換算すると6畳で9.9372㎡、8畳だと13.2496㎡になります。
団地間・五六間
日本が高度経済成長期に入り、アパートやマンションなどの共同住宅が多く建てられるようになってきた頃に普及し始めたのが、団地間と呼ばれる畳です。一般的に5尺6寸の大きさを取るため「五六間」と呼ばれることもあります。
一軒家で使われることの多い江戸間や京間に比べるとやや小ぶりなサイズで、初めての引っ越し先がアパートやマンションの場合、思っていたより狭いかもと感じることもあるでしょう。
団地間は縦 170.0cm横 85.0cmの大きさで、平米数に換算すると6畳で8.67㎡、8畳だと11.56㎡になります。
畳のサイズに関する注意点
実際に引っ越しをするときは、畳のサイズ表記と家具のサイズに気を付けなければなりません。現在引っ越しをしようと考えている人は、ぜひこれから紹介する内容を参考に検討しましょう。
不動産物件での表示基準
畳には多くの種類があり、その建物で使われている畳もさまざまです。たとえば、同じ6畳間でも地域によって広さが少しずつ違うため、思っていたより広さが違う場合も少なくありません。
このような事態を避けるべく、不動産業界では「統一表示基準(表示規約施行規則第11条第16号)」を設け、1畳あたり1.62㎡以上として表示することになりました。
1.62㎡は京間より小さく、江戸間・中京間より大きいサイズです。部屋選びを行う際には、この点に注意して部屋の広さをイメージしておくとよいでしょう。
家具を置くときは必ずサイズを確認
今使っている家具を引っ越し先に持ち込む場合は、家具のサイズを確認しておくことも大切です。家具は縦・横表記の場合もあれば、「京間○畳」のように畳数換算で表記されていることもあります。
畳数で表記されている場合、畳の種類によっては大きさが合わず部屋に置けなくなる可能性もあるため、必ず事前に確認しておきましょう。
また、不動産物件の見取り図に表記される広さは「壁の厚み」や「柱の幅」も含まれています。床にカーペットを敷くのであれば、室内の寸法を自分で計測しておくのがおすすめです。
サイズの違いを知っておこう
畳は種類や地域によって大きさが細かく違います。現在引っ越しを検討している人は、「畳のサイズの違い」や、「家具を配置する際の注意点」を把握しておき、引っ越し後に家具を設置できないということが起こらないようにしましょう。
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