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引っ越し先で固定電話を使うための手続きは?NTT工事の流れと費用相場

最終更新日: 2024年11月28日

新居で固定電話を使えるようにするには、引っ越し日の1か月~2週間前までにNTTの移転手続きが必要です。使用する電話回線によっては工事を行う必要もあり、時期によっては引っ越し日の2か月前から準備を進めないと開通までに間に合いません。

引っ越し先で固定電話を使用する際に必要な手続きについて、申し込みからNTT工事の流れ、費用相場も含めて解説します。

固定電話の移転を含め引っ越し業者を探す

引っ越しで固定電話移転前に確認するポイント

引っ越しに伴ってNTT固定電話の移転手続きを行うにあたって、下記のポイントを確認しましょう。

1.引っ越し先の都道府県がNTT東日本または西日本エリアにあるか

固定電話はNTT東日本とNTT西日本、それぞれでサービスを提供しています。

エリアによって手続きが異なるため、現住所と引っ越し先の住所がどちらに所属しているのか確認しましょう。各社で回線を管轄するエリアは、下記のとおりです。

通信会社 対象エリア
NTT東日本 北海道・東北地方

(北海道、青森、岩手、秋田、山形、宮城、福島)

関東・甲信越地方

(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、新潟)

NTT西日本 東海・北陸地方

(静岡、愛知、岐阜、富山、石川、福井)

関西地方

(三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)

中国・四国地方

(鳥取、島根、岡山、広島、山口、香川、徳島、愛媛、高知)

九州・沖縄地方

(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

2.引っ越し先が同一市区町村内か

NTT東日本、または西日本の管轄かどうか確認したら、現住所と引っ越し先の住所が同一市区町村内にあるのか確認しましょう。同一市区町村内で引っ越す場合、NTT固定電話の番号は引っ越し後も変わらず、基本的には現在の番号を引き続き利用できます。

ただし収容局が違うエリアに引っ越す場合、同じ自治体の中で引っ越しても電話番号が変わります。

電話番号が変わるかどうか確認したいときは、局番なしの116(NTT東日本・西日本共通)か、下記の連絡先に問い合わせてみましょう。

連絡手段 NTT東日本 NTT西日本
固定電話 116番(9:00~17:00、土日祝日を含む) 116番(9:00~17:00、土日祝日を含む)
携帯電話・スマホ 0120-116-000

(9:00~17:00、土日祝日を含む)

0800-2000-116

(9:00~17:00、12/29~1 / 3は除く)

3.引っ越し先で電話回線工事が必要か

引っ越し先で固定電話を使えるには、電話回線の開通工事が必要です。物件によっては宅内工事を行う必要があり、料金も変わります。

新居に引っ越した後、作業スタッフによる電話回線の開通工事に立ち会う必要があるか確認しましょう。マンションやアパートといった賃貸物件の場合、すでに電話回線が引かれているケースが多いことから、作業スタッフの訪問による工事はほとんど発生しません。

ただし新築物件に引っ越すとき、引き込み線や宅内配線をつなげる工事が発生するため、作業の立ち会いが必要です。

4.インターネット回線とセットで契約するか

引っ越し先へ固定電話を移転するのとあわせて、インターネット回線を利用している人は、継続して契約するか確認することも大切です。

NTTの「フレッツ光」を利用している人は、固定電話と同じ手順で期間内に移転手続きができます。ただし別業者のインターネット回線を利用している場合、別途住所変更の手続きが必要です。

固定電話の引っ越し手続き4パターン

NTTの固定電話の引っ越しに関する手続き方法は、主に4つのパターンに分かれます。

引っ越し先の住所 手続き方法 電話番号の変更
現在と同じ市区町村内 移転手続きのみ 今の電話番号が使える
現在と同じ都道府県内で別の市区町村 移転手続きのみ 別の電話番号に変更する可能性あり
現在と異なる都道府県(同一のNTT東西エリア) 移転手続きのみ 別の電話番号に変更する可能性あり
現在と異なる都道府県(異なるNTT東西エリア) 現在の契約を解除した後に新居で再契約 別の電話番号に変更する可能性あり

1.同じ市区町村内で引っ越す場合

市区町村内で引っ越しをする場合、電話かインターネットで住所変更手続きを行う必要があります。電話番号は市外局番が変わらないことから現在使用中の番号を使えます。

手続きを行う際、NTT固定電話でかけるときは116番に、スマホやインターネットで手続きを行う人は、下記の連絡先に問い合わせましょう。

NTT東日本 NTT西日本
連絡先 0120-116-000

(9:00~17:00、土日祝日を含む)

0800-2000-116

(9:00~17:00、12/29~1 / 3は除く)

Webサイト 電話のお引越し 加入電話 お引越し・移転のお手続き

2.現在と同じ都道府県内で別の市区町村に引っ越す場合

現住所のある都道府県内で引っ越すものの、新居が別の市区町村にある場合、電話かインターネットで住所変更手続きを行います

ただし電話番号は市区町村によって市外局番が変わるケースがあるので、注意しましょう。

たとえば東京都中央区から町田市に引っ越すとき、市外局番が「03」から「042」に変わります。

3.現在と異なる都道府県(同一NTTエリア内)に引っ越す場合

東京都から宮城県へ引っ越すケースのように、新居は現住所と違う都道府県になるものの、NTT東日本または西日本エリア内で引っ越す場合も、電話またはインターネットで移転手続きができます

電話番号は電話回線の解約や新規契約は不要ですが、別の市区町村に引っ越すケースと同様に市外局番が変わることから、電話回線の開通工事を行うため注意が必要です

4.NTT東日本と西日本のエリアをまたいで引っ越す場合

東京都から大阪府のケースのように、NTT東日本と西日本のエリアをまたいで引っ越す場合、現住所で休止や解約の手続きをした後、新居で新規契約の手続きを行います

電話またはインターネットで手続きができますが、電話回線の解約が自動で行われるわけではありません。旧住所で解約を忘れたまま引っ越し先で新規契約すると、両社から料金が請求されます。

NTT東日本・西日本をまたぐ引っ越し手続きは、NTT固定電話から116に電話をかけるのがおすすめです。解約と新規契約を一度に行えるため、両方のNTTに連絡する手間がなくなります。

固定電話の引っ越し時に行う工事の流れ

現住所から新居へ引っ越す際、固定電話の開通工事は下記の流れで行われます。

1.通信事業者に住所変更を申し込む

新居が決まったら、引っ越し日の1か月〜2週間前までを目途に通信事業者に住所変更を申し込みましょう

NTT東日本と西日本のエリアをまたいで引っ越すときは、現住所の電話回線を解約または利用休止、一時中断の手続きを行ってから、新居を管轄する通信事業者に新規契約を申し込みます。

住所変更手続きを行う際、下記の情報を用意しましょう。

  • 現在使用中の電話番号
  • 契約者名
  • 現住所と引っ越し先の住所
  • 電話回線開通工事の希望日
  • 電話料金の支払い方法(クレジットカード、口座振替など)
  • 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード など)※名義変更時

2.引っ越しと工事の日程を調整する

引っ越し日を決めた後、新居で行う電話開通工事の日程調整を行いましょう

日程が決まらないと、引っ越し先で電話がつながらなかったり、引っ越し前の住所で通話料が発生したりする可能性があります。

3.引っ越し先で固定電話の引き込み工事を行う

引っ越し先で固定電話の回線が引かれていないとき、引き込み工事を行います。すでに電話回線が引かれている場合、引っ越しの日程を通信事業者に連絡すれば、工事に立ち会う必要はありません。

ただし、モジュラージャックというコネクタを設置するとき、工事担当者が訪問するため、立ち会う必要が生じます。工事が完了するまでの時間は30〜60分です

4.引っ越し後に固定電話が繋がらないときは連絡する

引き込み工事が終わった後、電話が繋がらないとき、電話機の電源を入れ直したり、電話線を交換します。それでも改善できないときは、局番なしの113番に電話するか、下記の連絡先に問い合わせましょう。

NTT東日本 NTT西日本
固定電話 113番 113番
スマホ・携帯 0120-444-113

(24時間年中無休)

0120-444-113

(24時間年中無休)

Webサイト Web113 NTT東日本故障受付 設定・トラブルサポートWeb11

固定電話の引っ越しにかかる工事費用

固定電話の引っ越しにかかる費用は、工事内容によって異なります。NTT東日本または西日本のエリアで工事を行う場合、工事費用がかかり、詳細は下記のとおりです。

工事内容 工事費用
基本工事(作業員の訪問なし) 2,200円
基本工事(作業員の訪問あり) 8,250円~
交換機等工事費 1,100円
屋内配線工事費(既存の屋内配線を利用した場合) 2,310円
屋内配線工事費(新たに屋内配線を設置した場合) 12,650円
機器工事費 要見積もり

引っ越し当日、すでに電話線を引かれているときは作業員は訪問せず、モジュラージャックの差し込みと通信テストの作業を行うため、基本工事費用は2,200円で抑えられます

その一方で、電話回線の敷設工事を行う場合、8,250円〜の基本工事費用がかかるほか、配線状況によっては配線工事費や機器工事費などがかかるので注意しましょう。

固定電話の引っ越し時に役立つサービス

新居へ引っ越すとき、固定電話の移転手続きで下記のサービスを利用すると円滑に手続きが進められます。

1.ボイスワープ

特定の番号にかかってきた電話を、事前に設定しておいた電話番号に転送できるNTTのサービスです。

移転前の電話番号にかかってきた電話を、移転後の電話番号に転送するようにしておけば、親戚や知り合いに新しい電話番号をわざわざ知らせる必要がありません。

月額550円で利用できますが、新しい電話番号が知れ渡った時点で解約しましょう。

2.新しい電話番号のアナウンス

前の番号にかかってきた電話に対し、新しい電話番号をアナウンスしてもらえる無料のサービスです。

着信の転送と違い、新しい電話番号を音声ガイダンスで伝えるのみなので、なるべく費用を抑えたい人はこのサービスを利用しましょう。

電話やインターネットで簡単に手続きできますが、無料で利用できる期間は3か月間です。

3.新旧両方の番号を7日間使える

電話番号の変更を伴う移転では7日以内なら、移転先と移転元の両方で電話番号を利用できます

移転工事と同時に申し込めますが、移転元での電話の取り外し日と、移転先の利用開始日との間に日程が空く場合は、取り外し日から1カ月以内の希望日を指定しなければなりません。

ただし移転先によっては、このサービスを利用できない場合もあるので注意しましょう。

引っ越しで固定電話が不要になったときの手続き3選

引っ越しを機に固定電話を使用しない場合、下記いずれかの手続きを行いましょう。

1.利用休止

固定電話の権利をNTTに預かってもらえる手続きです。期間は5年間で回線使用料などはかかりません。

5年を経過すると、さらに5年間で更新できますが、更新期間を過ぎても再取り付けの申し出がないときは解約扱いとなります。ただし固定電話を再開する際は、電話番号が変わる点に注意が必要です。加えて電話停止時と電話再開時には、それぞれ費用が発生します。

「すぐに固定電話を使う予定はないが、いずれ使う可能性がある」という人には、おすすめです。

2.一時中断

「しばらく固定電話を使う予定はないが、同じ電話番号をキープしておきたい」という人におすすめの手続きです。継続期間は無制限で再開後も同じ番号を使えます。

ただし同じ電話番号をキープし続けることから、毎月の回線使用料が発生する点に注意しましょう。あわせて利用休止と同様、電話停止時と電話再開時にも費用がかかります。

3.解約

引っ越し後に固定電話を使う予定がまったくない場合、解約の手続きが可能です。電話を止める工事費はかからないものの、解約すると一切の権利を失います。

解約後に再び固定電話を使いたくなった場合、再開後の電話番号も変わるほか、初期費用を支払う必要があるため、注意が必要です。

引っ越し先でIP電話を利用する際の注意点

IP(インターネットプロトコル)」という通信規格を用いた電話サービスを利用している人は、新居へ引っ越す際、下記の点に注意したうえで移転手続きを行いましょう。

移転時はサービスの提供エリア内か確認する

IP電話は固定電話と同様、電話やインターネットから引っ越し手続きができます。インターネット回線を利用しているため、新居へ引っ越す際にプロバイダーを変更しなければ、電話番号は同じ番号を使用できます

ただし各プロバイダーのサービスで提供の範囲外に該当すると、利用できないので注意しましょう。

たとえば、NTTのIP電話「ひかり電話」で使用中のフレッツ光のサービスを提供しているエリアは、以下のリンクから確認できます。

解約時はインターネット環境と工事費の残高に注意

引っ越しを機にIP電話を解約したいとき、電話やインターネットで手続きができます。

解約にあたって工事費用は発生しませんが、IP電話に対応しているルーターの機能が停止され、インターネット接続ができなくなるので気をつけましょう。

加えてIP電話と光回線を解約する場合、工事費の残高が残っていると一括に請求される点も注意が必要です。

固定電話とあわせて引っ越し手続きをしたい通信サービス

固定電話の移転手続きとあわせて、下記2つのサービスも忘れずに住所変更の手続きを行いましょう。

携帯電話(スマホ)

新居へ引っ越したとき、携帯電話やスマホの登録先住所を変更しないと、請求書や手続きに関する書類が旧住所に届いてしまい、個人情報の漏えいにつながります。

引っ越しが終わったら、速やかに住所変更の手続きを行いましょう。インターネットや電話、携帯ショップで手続きができます。

ネット回線

新居でインターネットサービスを継続して使用したい場合は、引っ越し日の1〜2か月前までに住所変更の手続きをしておきましょう

早めに手続きを済ませておかないと、開通工事の予約が取りにくくなり、インターネットを使えない期間が生じる可能性があります。

固定電話の引っ越し手続きは早めに済まそう

引っ越し先で固定電話が使えるようにするには、エリアによって手続きが変わるものの、物件によっては、工事を伴う移転手続きが必要です。

引っ越しの時期によっては工事の予約が取りにくくなるため、引っ越しが決まったら早めに手続きを依頼しましょう。

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