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ふすまの張り替えをしてみよう!外枠を外さない方法の手順と注意点

最終更新日: 2021年11月05日

ふすまを自分で張り替えた経験はありますか?ふすまの種類や張り替えを行うのに適したタイミングや、作業する上での注意点などを知っておけば不安もなくなるでしょう。外枠を外すことなく張り替える方法についても解説します。

ふすまの種類

和服でご挨拶

和ふすま(本ふすま)と戸ふすま(板ふすま)の2種類は、最もオーソドックスなふすまとして知られています。上記2種類のふすまのほかにも近年は多様なふすまがあるので、特徴を把握しておきましょう。

和ふすま(本ふすま)

室町時代や江戸時代から使用されてきたのが「和ふすま(本ふすま)」です。外側の木枠を支えるように細い木枠(組子・骨子)が碁盤目状に張り巡らされています。骨組みだけ見れば障子のような見た目である点が大きな特徴です。

ふすまには「下張り」と呼ばれる下地の和紙が両面に張られています。表面はさらに「茶チリ紙」と「ふすま紙」が重ねて張られた三層構造です。裏面には「雲華紙(うんがし)」が張られ二層構造になっています。

張った和紙が端から剥がれないよう、外枠に「ふすま縁」を被せ、さらに釘を打つことで固定している場合が多いでしょう。

和ふすまの張り替えといっても、古い紙の上にさらに和紙を張るのが基本です。しかし張られた和紙が増えるにつれ、徐々にふすまの見栄えは悪化します。気になってきたら一度すべて剥がして張り替えましょう。

戸ふすま(板ふすま)

「戸ふすま(板ふすま)」は近年普及してきたふすまです。洋室と和室の間仕切りとして使われるケースが多いでしょう。

部屋の仕切りとしての機能を高めるため、内側には骨組み構造ではなくベニヤ板が使われています。これにより室内の空気を外に逃がしにくく音が漏れにくいほか、和ふすまに比べてふすま紙が破れにくいのが特徴です。

ベニヤ板にふすま紙が張られているだけという構造のため、古い紙を剥がして新しい紙を張るだけで張り替え作業が完了する手軽さも魅力の一つでしょう。

その他のふすま

ふすまには上記の2種類のほか「ダンボールふすま」や「チップボールふすま」があります。

ダンボールふすまは組子の一部に三層から五層のダンボールが使われているもので、軽量かつ量産が可能です。このため比較的安価に入手できます。ただし強い衝撃が加わると壊れやすく、耐久性にはやや不安があるでしょう。

チップボールふすまは組子を可能な限り簡素化し、その上から耐水に長けたボール紙を張る構造のふすまです。組子の作成には手間とコストがかかります。作成コストを大幅に削減できるため、ダンボールふすまと同様に価格が安いという魅力があります。

ふすまの張り替えタイミング

武家屋敷室内

ふすまには明確な寿命が存在しません。使用環境や開け閉めの頻度により、寿命は変化していくのです。自分で張り替え時期を見分けるコツを知って、自宅のふすまを確認してみましょう。

破れ汚れが目立つとき

ふすまは手で触れる機会が多いため汚れやすいものです。ペットを飼っている場合には爪で引っ掻いたり噛んだりして、ふすま紙が破れることもあるでしょう。そういった破れや汚れが目立つようになったら張り替えのタイミングです。

水で濡らした布で拭いて、汚れを取るという人もいるかもしれません。しかしふすま紙は脆いため、汚れを取るために濡らした部分に痕が残ったり、場合によっては傷んでしまったりする可能性もあります。

無理に汚れを取るのではなく張り替えたほうが、見栄えのよさを取り戻せるでしょう。

湿度の高い時期

張り替え作業をする時期は、湿度が高い梅雨から初夏にかけてが適しています。

気温20~30℃程度で湿度が60%を超える場所は、カビが繁殖しやすいとされています。ふすま紙で覆われているふすまの内部には湿気を含んだ空気がこもりやすいことに加え、ふすまの内側は見えないのでカビの発生に気づけないことが多いでしょう。

そのためカビが広がる前のタイミングで張り替えることをおすすめします。

外枠を外さずに張り替える方法

和室のふすま

外枠を外さないといけない場合には、ふすまの張り替えの手間がかかるためハードルが高く感じられるでしょう。しかし張り替えには、外枠を外さずに行う方法が存在します。

外枠を外さないふすまの張り替え方法を知り、張り替えのタイミングを失わないようにしましょう。

道具を用意する

ふすまを張り替えるための道具として、以下のものを用意しましょう。

  • マイナスドライバー
  • マスキングテープ
  • スチームアイロン
  • カッターナイフ
  • 定規
  • ふすま紙
  • ふすま用の糊
  • ハケ
  • 竹べら

上記に加えて釘抜きができる工具(インテリアバールやペンチなど)を所有していれば、外枠を外せるでしょう。

以下に紹介するのは既存のふすま紙の上に新しいふすま紙を張るやり方を応用した張り替え方法です。もし失敗の不安があるならば、予備のふすま紙も用意しておくとよいでしょう。

引手を外して外枠をマスキングする

まずはふすまの引手を外します。引手に錆が出ているようなら、交換用の引手を用意しておくとよいでしょう。

素手で引手を外そうとすると爪が割れてしまう可能性があるため、マイナスドライバーを引手の縁に差し込み、テコの原理で引き上げるようにするのがおすすめです。

引手を取り外したら外枠にマスキングテープを貼り、糊で汚れないように対策します。隙間ができないようにしっかりと張りましょう。

ふすま紙を貼って引手を取り付ける

次に新しいふすま紙をカッターナイフでカットします。このとき外枠まで覆える程度のサイズに切りましょう。

ふすま用の糊は水で薄めて使用するのが通常です。糊のパッケージなどに記載された使用方法を確認しておきましょう。このタイミングで糊の準備をします。

ふすま本体の外枠に沿うように、ハケを使用して糊を塗布しましょう。ふすま紙の裏面にも、ハケを使って全体に薄く糊を塗ります。

糊を塗り終わったら新しいふすま紙を慎重に貼り付けていきましょう。ズレたり傾いたりしないよう意識し、慎重に作業を進めます。

ふすまを張り終わったら30~45分程度乾かし、外枠にはみ出ている部分をカッターナイフでカットします。竹べらか定規をガイドにして、ふすまの外枠にカッターの刃を当てながらカットすれば、古いふすま紙に傷もつかないでしょう。

張り替え時の注意点

和室

ふすまの張り替えを行う際には注意点がいくつかあります。作業後にトラブルが発生する場合もあるため、以下の3点については最低限押さえておきましょう。

賃貸の場合は事前確認が必要

賃貸物件に住んでいる場合には、管理会社や大家に必ず確認を取りましょう。事前に確認を取らないと、退去時に賠償トラブルに発展する可能性があります。

国土交通省住宅局が発行する「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によれば、「賃貸物件を契約する人は、退去時に設備や家財の一部を入居時と同じ状態に復旧させる必要がある」という旨が記載されています。

ガイドラインに違反した場合、管理会社や大家は借主に修復費を請求する権利を得るため、高額の費用を請求される可能性があるのです。事前に管理会社や大家に連絡して、ふすまの張り替えを行っても問題ないか確認しておきましょう。

枠がゆがんでいる場合は本体を交換

ふすまの外枠にゆがみが生じている場合は、丸ごと交換する必要があります。ふすま本体の木枠は経年劣化によって紙の張力に耐えられなくなります。組子や外枠がゆがむのです。

経年劣化によってゆがんだことが認められれば、管理会社や大家の負担でふすま本体の交換を行える可能性があります。

完全に破損してからでは借主負担になってしまう可能性が高いため、ふすま本体の形状が変わっているように感じたら、早めに相談しておくようにしましょう。

不安なときは業者に依頼を

自分でふすまを張り替えるのは不安だという場合には、専門の業者に依頼するのも一つの方法です。

ふすまの張り替え業者の探し方を知らなくても、「ミツモア」を利用すれば、居住地域周辺でふすまの張り替えをしている業者をピンポイントで探せます。

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ふすまの張り替えを業者に依頼した経験がなく、業者に頼むとき何をすればよいのかわからない人は、「ミツモア」で業者を探してみましょう。

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ふすまを張り替えて気持ちよく過ごそう

お母さんと遊ぶ女の子 幼児

ふすまを日々使っていると、汚れが付着したり破れてしまったりして、見栄えが非常に悪くなってしまいます。さらに湿気の影響で内側にカビが繁殖すると、肌荒れやぜんそくなどのアレルギー症状が出る可能性もあるでしょう。

ふすまの見た目が気になり始めたら、できる限り早めに新しいふすま紙を張り替えて、気持ちよく過ごせる環境を整えましょう。

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